河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2057- モーツァルトPfcon26、ブルックナー4番、バレンボイム、シュターツカペレ・ベルリン、2016.2.13

2016-02-13 18:14:55 | バレンボイムSKB ブルックナー

2016年2月13日(土) 2:00pm  サントリー

モーツァルト ピアノ協奏曲第26番ニ長調K.537  15′6′10′
       (カデンツァ:ワンダ・ランドフスカ)
Int

ブルックナー 交響曲第4番変ホ長調WAB104  18′15′10′22′
       (ノヴァーク版第2稿(1878/80))


ダニエル・バレンボイム ピアノ、指揮
ベルリン国立歌劇場管弦楽団


一昨日までの1,2,3番でヘトヘトになっているなか、今日の4番も圧倒的な音響美に身体が蘇生させられました。よくもまぁこのようにとんでもない演奏が次から次と出てくるものですね。
今日はあまりの凄さに一般参賀が1回あり。

第1楽章の再現部は原始霧の提示部第1主題1sのソロホルンのふしがユニゾンで奏されるところから始まるわけですが、ピッタリ。
この4人のホルン奏者たち、音色とか特性がほとんど同じです。これも能力でしょうか。もの凄い一体感はこのホルンだけでなくインストゥルメント毎のアンサンブルがピッタリでどんなときでも合奏をしているという気構えを強く感じる。

この4番は生で観るとよくわかるのですけれどホルンコンチェルトなみで、そうとうに際どいフレーズのかたまりでこれを完璧にこなすにはかなりのハイレベルでないと出来そうもない。といつも思うわけです。まぁ、こんな曲、作る方も作る方ですよね。1時間越えのホルンさんたち大変でしょうね。
最初は少しポロしましたが、バレンボイムはこのプリンシパル奏者をだいぶ信用しているみたいで、彼のソロが出るところではほぼ指揮しない。以心伝心なのか。特に第4楽章のソロパートは全く振っていませんでした。それであの素晴らしい流線型のフレーズがホールに響くのですから、まぁ、どちらも神業ということで。

両端楽章の第2主題2sの美しさは格別で噛めば噛むほど味が出る。一音ずつかみしめて聴く。美色の音色に酔いしれるというのとはちょっと違っていて、ちょっとダークで光っている感じ。黒光りな感じ。バレンボイムの前、30年近く振っていたスイトナー時代、荒れた演奏の時もありましたけれど、音色が素晴らしくて、まるでビロードのような濃い目のサウンドが隙間無くつながっていくさまにオーケストラ個体としての魅力を強く感じたものでした。あの時代DENON等から出ていたLP、CDほぼ買い尽くしました。自分が一番最初に買ったCDというのがスイトナー&ベルリン国立歌劇場管によるエロイカで、日本製でアメリカに輸入されたもの。だいたいお昼時は壁通りからブロードウエイを少し北上してシティホールまではいきませんがそのちょっと手前にJ&Rというお店があって、そこで音源漁り、オーディオ機器も置いてあって2代目のオープン・リール・デッキはあすこで買いました。それも日本のTEAC製。電圧だけアメリカ仕様に変えたもの。
という話しで、脱線。
バレンボイムもそろそろスイトナーと同じぐらいの年数をこなしていることになる。音色は機能美がフレーバーされて変わりつつあると思います。ビロードのように流れる感より、黒光り感が上回り、合奏の弦の音も芯が強調されているように思います。
そんな思いの中聴く2sの美しさ。

第3主題3sの爆発、ブルックナーの音響を浴びる。生理的快感、富士山超えのスパー・エベレストみたいなそびえたつブラスと強烈な弦、横になびくウィンド、圧倒的。これも神業と。神業がたくさん出てきます。圧倒的なものの連続波状攻撃に、もう、しびれまくり。

この4番は提示部と再現部のバランス感覚、相応する展開部の手応え、やっぱり前作からぐんとアップしているように感じる。バレンボイム棒は展開部は殊の外スッキリ響き、速目の箇所も割とあって、ただ長ければいいみたいなところがまるで無い。彫を深めながらもすーすーと進んでいく。均整のとれた造形美を聴くことになります。

この日も3番同様、ピアニシモの聴かせどころありました。第4楽章の再現部、2sから3sに移るところ。あっと言わせるような演奏で、曲の中に必ずこのようなひらめきのフレーズが出てくる。彼の場合、Fのような即興性というよりもその場のひらめきのセンスが光るとでも言いますか。聴いている方が、あっと思う。

その第4楽章の冒頭の強烈な1sですが、あの振りはもはやオペラ棒、ワーグナーを振っているようなキューの入れ方で、要所は絶対にはずさない、あとはハンカチで汗を拭いたり頭を掻いたり、鼻をつまんだりしていても、特に影響はない感じで、それにしても強烈、あすこは、神主題が神出現とでも言いたくなる。
第4楽章の1s3s強烈ですね。弦とブラスのどちらが勝ってもおかしくないような圧倒的な強奏。ジークフリートのような嵐で。もう、全部、脱帽。

ということで、ブルックナー4番の音源は67個持っています。素晴らしい演奏が多いですね。


前半のモーツァルト。ここでもバレンボイムが、ハッと技、使いました。はっとさせるようなひらめき技ですね。第2楽章で演奏が一度止まったかと錯覚させておいて、まぁ、止めて聴衆の肝をぎゅっとしめてから演奏をつなげていく、あれは完全なひらめきオペレーションで、えもいわれぬ空白が見事な緊張感を醸し出す。オーケストラメンバーも軽く驚いていましたね、何が起こったのかと。

この曲は、グリッサンド風な曲想が次から次とつながっていって華麗、オルゴール風な曲想と対をなしていますね。この日で4回目となる弾き振り、あまりの見事さにほれぼれします。弾き振りの見事さは、初日二日目三日目までに書いた通りです。
モーツァルトはこの日までで、27番20番24番26番が演奏されました。

この日も素晴らしい演奏ありがとうございました。
おわり


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