河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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2301- 神々の黄昏、ヤノフスキ、N響、2017.4.1

2017-04-01 23:19:33 | オペラ

2017年4月1日(土) 3:00-8:20pm 東京文化会館

東京・春・音楽祭 プレゼンツ
ワーグナー 作曲
田尾下哲 映像
神々の黄昏 (演奏会形式) 34+72′、58′、69′

キャスト(in order of voices’ appearance)
1-1.第1のノルン、金子美香(Ms)
1-2.第2のノルン、秋本悠希(Ms)
1-3.第3のノルン、藤谷佳奈枝(S)

2-1.ブリュンヒルデ、レベッカ・ティーム(S)
2-2.ジークフリート、アーノルド・ベズイエン(T)

3-1.グンター、マルクス・アイヒェ(Br)
3-2.ハーゲン、アイン・アンガー(Bs)
3-3.グートルーネ、レジーネ・ハングラー(S)

4.ヴァルトラウテ、エリザベート・クールマン(Ms)

5.アルベリヒ、トマス・コニエチュニー(BsBr)

6-1.ヴォークリンデ、小川里美(S)
6-2.ヴェルグンデ、秋本悠希(Ms)
6-3.フロースヒルデ、金子美香(Ms)

合唱、東京オペラシンガーズ
マレク・ヤノフスキ 指揮 NHK交響楽団

(duration)
序幕+第1幕第1場+2場+3場 34+12+27+33′
第2幕 58′
第3幕第1場+2場+3場 18+25+26′


東京・春・音楽祭、2014年から行われてきたリングサイクルの単年1上演、今年はその大詰め。
主役が二人ともキャンセルというトラブル。オペラ上演ではありがちな事とはいえメインロール揃ってキャンセルというのは今記憶にない。満を持しての公演というのはそう簡単ではない。
カミタソは歌い手もオケもさらに一段、力をこめて挑まないとフラットなものとなりかねない。カミタソの散らばった風景をまとめ上げるのは大変だなと再認識しました。

几帳面さにかけては指揮者もオーケストラも理系モード。
昨年のバイロイトはどうだったのか知りませんけれども、今日の演奏はコンサートスタイルというのもあって、猛速に輪がかかったのではないでしょうか。速度をあげないと持たないという部分もあったと思います。

ジークフリート3幕の目覚めの動機を少し不安定にしたようなハーモニーからスタート。オケのピュアな響き。ジークフリートの第3幕というのはカミタソに突き出ていると何度かブログに書いていますが、ここを聴くとその思いをあらたにする。
ノルンは3か所に離れ過ぎに散らばる。上てに1、下てに2、中央が3(と思われる)。
オーケストラがオンステージで強く響く中、3人が寄った方が、求心力が出ると思う。2の秋本さんの歌が、情がこもっていてドラマチックで印象的。3の藤谷さんは声量で圧していたかな。みなさん離れ過ぎていて駆け引きや呼吸を感じることが出来ない中での歌だったと思います。3人が離れることによって個々の印象は強まり、キャラクターも強調されるのはわかるが、離れすぎ。綱もそうとう長くないといけない。
プロローグはスピード感があるもので、これはこれでいいのかもしれない。すっきりしてましたね。序幕の暗さが薄まったような印象。

続く1幕。
アルベリヒ→ハーゲン、コントロールされるグンター、グートルーネ。ハーゲンのアンガーが破格の歌唱で、彼の策略を知ろうが知るまいが、もはや明らかな主導権。グンターのアイヒェはインテリ風味が勝っていてハーゲンが言うことをきく雰囲気は見た目でも、無い。とは言え、当主の歌唱は素晴らしい。とにかく声がいい。いい声ですね。理性の情熱、表現の振幅も大きいですね。
この変則3兄妹。結果的によくまとまっておりました。

2場のジークフリート登場、ジークフリートは代役。聴く方もちょっと不安、3幕大詰めでは見事な歌唱となりましたが、ここの出足は今ひとつ。声が出ていない。ちょっとこじんまりした感じ。
ここ、コンサートスタイルとはいえ忘却ドリンクがあったほうがわかりやすいと思う。

ブリュンヒルデも代役。レベッカさんは最初から飛ばす。日本の歌い手にありがちな、後半まで取っておく感が無い。最初から体当たり。息が続くまで長く、というより強烈な一声一声で聴かせてくれます。余裕とも不安とも思われる笑みが垣間見える。最終的に大詰め自己犠牲では真剣マジマジ顔が観てる方としてもうれしかった。

パワフルレベッカ、ブリュンヒルデの勝ち。

あと、ハーゲンのアンガーの策略モノローグ、凄味がさらに出ます。上から下までおしなべてよく声が出ている。デカい声。キャラクターのきまり具合も凄い。

3場はクールマン。メッゾの味わいが一段と深い。声幅があり、場を包み込む歌唱、ヴァルトラウテの切迫感を、身を挺して歌い切る。コンサートスタイルであっても役になり切っている。数多歌ってきたロール、シーンが頭の中でしっかりととらえられている、ほれぼれする。スバラシイ。

この3場では隠れ頭巾が小道具であればいいですね。歌唱にジークフリートが出てきてしまうので観てるほうは戸惑いが出るかもしれない。指環も欲しい。
このシーン、新国立の名演出ウォーナー版では、小屋の煙突が上の方に突き出てくるというアレなシーンを思い出す、べくも無いか(笑)。

2幕、アルベリヒお父さんとハーゲン息子の会話は気持ち悪い。コニエチュニーの出番は少ないが言葉に実感がこもっていて迫力ありました。
この後の舞台上の配役の並びは下て側から、
ジークフリート、ブリュンヒルデ、ハーゲン、グンター、グートルーネ。
ハーゲンを中心に、左サイドが本当の愛、右サイドが兄妹愛。ブリュンヒルデと平行位置には偽の愛グンター、同じくジークフリートとグートルーネ。いい具合に並んでますね。
そして外側のジークフリートとグートルーネが去り、残った3人で悪だくみ三重唱が始まるという構図。
悪だくみ三重唱は、猛速のなかあっという間に過ぎ去り味わいに浸る時間はあまり無くて。ヤノフスキテンポには慣れてきたとはいえ。
きっと、噛むほどに味が出てくるのだろうとは思うけれど。

あと、リングサイクル唯一の合唱がここでありますが、車輪が転がるような迫力が出ない。オーケストラもたゆたう波のような演奏とはなっていない。ギスギスモード。余裕のないシーンでした。理系の負け部分ですね。

終幕。
下て奥にハープが6台。うち3台はもう奥過ぎて右側寄りの席の人でも全部見えればラッキーという配置。そのハープの横の手前側にソロホルン特等スペースがありまして、そこにツートップが都度出入りしながら吹奏を前幕までしてきました。この3幕頭はいきなりそのホルンから始まる。
抜けるようなフレーズを聴いていると、もう、リング、終わったよね。みたいな気持ちにさせられるが、すぐに2幕をひきずるような具合のパッセージと綯い交ぜになり、混沌が始まる。ここらへんなんですね、この幕をうまくできないとカミタソのヘヴィーな存在感の一段アップした高みが出てこない。

ラインの乙女は、序幕のノルンお三方のうちソプラノの藤谷さんが小川さんにバトンタッチ。他2名の方は兼務。
ヴォークリンデ小川さんステキな声を聴かせてくれました。蝶々夫人歌ったりワーグナー歌ったりと色々と活躍されてますね。

この幕、中央に置かれた葬送行進曲、きまりませんでした。尻切れトンボ。カオスと解決のドラマ両方とも無い。

葬送行進曲の前、代役ジークフリートのベズイエン、彼本来の歌だったような気がします。強烈な声ではないが、まるでソプラノを思わせるようなテノールの美しい絶唱。困難な足早ピッチをきっちりと決め美しかった。スバラシイ。

あとは、自己犠牲。レベッカさんは最初から飛ばしていて、ここでもその勢いのまま絶唱。真剣な眼差しで正確に歌い切る。もう1回ありますね。4/4も頑張ってほしい。

このあと演奏はそれほどの盛り上がりも無くサラッと終幕。

ハーゲンのアンガーは、昨年のウィーン国立歌劇場来日公演のワルキューレでフンディング、同じくティーレマン&ドレスデンのラインの黄金でファフナー、といった具合で日本でも大活躍。今日のハーゲンも満足しました。大いに楽しめました。

メインロール2人ともキャンセルの上演は残念でした。
それから字幕には違和感あり。
妻問いとか今言いますかね。あと簡単に読めない漢字が少なからずあって、どうも雰囲気がうまく醸しだされない。聴衆に内容を伝えるという事のほかに、知識の誇示の押し付けみたいなところがあって字幕には不満。

それと、
この前、びわ湖ホールでラインの黄金を観たばかりなので、話がつながっていて、演奏会形式ではありましたけれども、わかりやすかったですね。

2286- ラインの黄金、ハンペ、沼尻、京都市響、2017.3.4
2287- ラインの黄金、ハンペ、沼尻、京都市響、2017.3.5

おわり

















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