2331- ベトコン1、横山、広上、高雄市響、2017.5.4
2017年5月4日(木) 4:00-4:50pm 邦楽ホール、石川県立音楽堂
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第1番ハ長調 18-11-9′
ピアノ、横山幸雄
(encore)
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第8番ハ短調 悲愴 第2楽章 5′
広上淳一 指揮 高雄市交響楽団
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ガル祭2017
ソン・ヨルムがキャンセル、代打はなんと横山さん、精力的にお祭り対応。
エンペラーと同規模の大曲の仕上がり。偉大なベートーヴェン像、お見事な演奏でした。
昨日、一昨日と聴かせてくれたソロのリサイタルと打って変わって折目を正しく入れてくる。シンフォニックな味わいが満載。
カデンツァはどなたのものか知りませんけれども特筆すべき長さ。バックオケの比較的端正な味わいとはずいぶんと異なっていました。他の独奏部分での正確な妙技も合わせてパーフェクトの一言。
協奏曲できっちりソナタ形式貫くような曲をパーフェクトにこなしたらこのような偉大な演奏になる。ラルゴ楽章も緊張感が継続している。まぁ、両楽章ともデカい。
終楽章になってリズミックな味わいが前面に出てきてピアノもオーケストラも軽快に。流すような感じは無くて地に足がついている。ここまできてようやく明るい曲だったね、の実感はあるもののヘビー級の全体像はあとあとまで印象深いものでした。
このような演奏を可能にしたもう一つの要因は指揮者ですね。見事な指揮でした。ベト7で五月蠅過ぎた太鼓は別の方に変わっていました。これが広上の指示なのかどうかわかりませんが、演奏の方は自明すぎてもう、明白に様変わり。きっちりコントロールされた太鼓。まぁ、これだけではなくて、全パートが指揮者が出すクリアな指示に敏感に反応。正確でバランスのとれた演奏を展開。下手ななんとはいない下手ななんとかがいるだけだ。このセリフの通り、真逆広上、ダンチの棒でした。指揮レベル違い過ぎ。同じオケとは思えないほど豊かなベートーヴェン演奏を繰り広げてくれました。拍手喝采。
付け加えて、独奏者とのコンタクトがやっぱりすごい。歴然とした凄さ。全般にサポート力、決定的に凄い。
巨大な1番、心ゆくまで楽しめました。それとアンコールの悲愴、昨日、横山さんのリサイタルで聴いたばかりですが、巨大なコンチェルトの後、冷静に弾かれていましたね。
素晴らしい演奏会、ありがとうございました。
おわり