河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1631- アルフテル、第1旋法、ラロ、チェロ協、ヨハネス・モーザー、三角帽子、ヘスス・ロペス・コボ

2014-05-17 18:50:42 | インポート

2013-2014シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから
2013-2014シーズン
.

2014年5月17日(土)3:00pm NHKホール
.
クリストバル・アルフテル
第1旋法によるティエントと皇帝の戦い(1986) 11′
.
ラロ チェロ協奏曲 14′6′8′
 チェロ、ヨハネス・モーザー
(encore)
バッハ 無伴奏チェロ組曲第1番、サラバンド4′
.
ファリャ 三角帽子38′
 メゾ、林美智子
.
ヘスス・ロペス・コボス 指揮
NHK交響楽団
.

コボスは今回N響初登場ということのようですが、これまでの百戦錬磨のことを知っていればこのオケも、もう、問題なくついていくしかないのだろうとは思う。ベルリンのドイツ・オペラは言わずもがなだが、個人的にはシンシナティ響での活躍が印象的。定期をかなりこなしているはずだし、テラークのCDも最高。
コボスは自国の作曲家の音楽であってもズブズブにならない、決して駆り立てない、表面的な熱狂もない。極めて冷静な指揮者ですね。一見すると淡白に見えるところもありますが、音楽がきっちり作られているところを見るとオーケストラへの説得力も並ではないのでしょう。
プログラム最後のファリャなど、ともすると駆り立て続けるのが正解みたいな演奏が多いと思いますが、コボスの演奏というのはバランスが良く取れており乱れない。なんだか、インテンポの行進みたいなところがある。このペース、いつかは答えが出るのさ、と踏んでいるようなおもむきで。過度な盛り上がりを排したいい演奏でした。また、ファリャの色彩感覚のようなものを無理に押しつけていないようにも感じられました。極めてオーソドックスな演奏です。譜面はありませんでした。
.
前半のアルフテル、1970年代の表記はハルフテルでした。当時ネオクラシックっぽい曲だなと何曲か聴いていた記憶がありますね。
この日の曲も素晴らしく効果満点な曲で聴衆にタイトルごと、うったえてくるものがありました。長さもちょうどいい。
.
ラロというと自分がイメージする色は乾いたグレーでちょっと艶もある。そんな感じなのですが、このチェロ協奏曲もシックで味わいのある響き、いい曲ですね。モーザーのチェロは湿っぽいところが無く、かと言ってドライというわけでもない。グレーな灰に水がかかり始めた瞬間の水玉状態のような感じ。水滴が破ける前のあの形ね、散らばってしまうと元に戻らない、元に戻らないことを十分わかっていて、そうはならない。ドライなものの上にウェットなものが割れずに置かれている。
このホールはこのような曲にはふさわしくないホールですが、モーザーは相応の大きな響きで納得させてくれました。
アンコールのサラバンドではさらに静寂の世界へ、お見事だと思いました。
いい演奏会でした、ありがとうございました。
おわり


1630- シューベルト、ロッシーニ、マリピエロ、アルベルト・ゼッダ、東フィル2014.5.16

2014-05-17 01:33:02 | インポート

2013-2014シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから
2013-2014シーズン
.

2014年5月16日(金)7:00pm サントリー
.
シューベルト 交響曲第3番 9′4′3′6′
ロッシーニ(シャリーノ編) ジャンヌ・ダルク 15′日本初演
  メッゾ、テレーザ・イエルヴォリーノ
.
マリピエロ 交響曲第2番 悲歌 7′5′3′9′
ロッシーニ ウィリアム・テル、
      パ・ド・シス5′、兵士の踊り5′
ロッシーニ セミラーミデ序曲12′
.
アルベルト・ゼッダ 指揮
東京フィルハーモニー交響楽団
.

この指揮者はお初で観るような気もしますが、ロッシーニ専門家ということで日本に以前から来ているようですので、もしかしてオペラ棒を聴いたことがあるかもしれません。
まず、このユニークなプログラムに惹かれて聴きに来たわけですけれど、結果的には、
ゼッダの手にかかるとシューベルトもロッシーニになる。そんなところですね。シューベルトの3番はシューベルトらしくないというか、イタリア風味があるのか、冒頭に置いて、見た目違和感あり、結果的には納得。
ロッシーニのジャンヌ・ダルク、曲が日本初演なのか、それともシャリーノの管弦楽編曲版が日本初演なのか不明確。カンタータのジャンルのようで、オペラセリア風に流れていきますが結構重苦しい。題材的に当然と言えば当然ながら、リブレットを読むと割と勇ましい部分のあたりで、シャリーノの編曲がどうなのかといったところもありますが、そんなこと言ったって原曲を聴いたことが無いので、突っ込めない。
25歳メゾのテレーザさんは気持ちがこもって内容に共感していて、ドラマチックに歌い上げた。安定感あります。聴衆の熱い反応にびっくりしたところがあり、ゼッダにうながされてLA,RA,P席のほうにもご挨拶。知られていない曲、ご自身で納得の手ごたえのあった歌に聴衆が喝采。うれしい驚きだったのだと思う。
.
後半のマリピエロ、これも初めて聴く。ゼッダの語っているところでは全くのイタリアものなわけですが、それは後で知ったことで、真っ白な自分のパレットに描かれたのはむしろ、アメリカンコンポーザー、それもアイヴスあたり、そのような響きが充満しているように聴こえた。ただ、真似のようには聴こえない。影響を受けたのか、結果的に似ているだけなのか、気のせいなのか、わかりませんが、いずれにしても佳作だと思います。
.
最後のセミラーミデ序曲はこんなに規模のデカイ曲だったのかと再認識。また響きがこれまでなじんできた演奏と随分とバランスが異なるところがあった。新鮮な驚きでした。ロッシーニ・クレシェンドが波打つにはもう一息だと思いましたけれど、86歳のゼッダがアクション大きく振るロッシーニは、この音楽こそが彼の活力の源泉なのだということがよくわかりました。
おわり