ホライゾン1984も四日目。
演奏会としてはプログラム3である。
二日目のヘンツェとペンデレツキに続いて大物が出てきた。
といっても曲というより指揮者が。。
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1984年6月2日(土)8:00PM
エイヴリー・フィッシャー・ホール
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ホライゾン1984
プログラムⅢ
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CHRSITOPHR ROUSE/The Infernal Machine
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ROBERT BEASER/
The Seven Deadly Sins” for Baritone and Orchestra
(World Premiere, Orchestral Version)
Jan Opalach, Bass-Baritone
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THEA MUSGRAVE/Peripeteia
(United States Premiere)
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ELLIOTT CARTER/Brass Quintet
THE AMERICAN BRASS QUINTET
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DONALD ERB/Prismatic Variations
(New York Premiere)
With BERGEN YOUTH ORCHESTRA
Eugene Minor, assisting
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レナード・スラットキン指揮
ニューヨーク・フィルハーモニック
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なんとなく壮観な感じがする。
とりあえず作曲者の名前をカタカナで。
クリストファー・ラウゼ
ロバート・ビーザー
テア・ムスグレイヴ
エリオット・カーター
ドナルド・エルブ
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全般的に曲の発想自体がロマンティックなものに傾斜している。
それがこの年のテーマだといえるわけだが、それにしても甘すぎるのではないか。
ビーザーのセヴン・デッドリー・シンはみんな罪を背負って生きなければならないわりには、マーラーの大地の歌、の方が斬新とさえ思えるほど、耳新しいところがない。
エルブの曲はタイトルからしてどうせプリズムの効果を音から創造する意図だと思えたが、ダサイ題目の割には、結構聴きばえがして楽しめた。想像がつく曲の方が意表を突いているのかしら。
カーターだけ発想が別のところにあるというか、ブラス・クウィンテットということもあると思うが、音楽的な感覚が峻烈な雰囲気をもっている。
カーター以外は、全て作曲者が登場した。
ムスグレイヴ氏は女史。
指揮者は、ビック5の一角を崩す勢いのセントルイスを振っていた絶好調男スラットキン。
これら難曲(と思える)に対しても身をもって音をアクションで表現していた。
プリズムでは何故がベルゲン若者オーケストラが共演。補助指揮者つき。
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この日の演奏会の模様は、翌年1985年3月10日(日)にWQXRから流れた。
あらためて聴いてみると、不思議なことに視覚的なものがないとイメージが湧いてこない。
あのコンサートはプリズムは当然としても視覚が補助要素以上の意味合いがあったのだと後になって感じた。
つづく