太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

火砕流

2017-12-14 09:37:01 | 社会観察

昨日ブログに書いた伊方原発の運転差し止め高裁判決が耐震問題と書いたが朝刊で火砕流の危険性だと知った。スマホで見るニュースが断片であり早とちりだった。だとすると判決理由はさらに深刻である。阿蘇山は修学旅行で行ったところだが最も驚いた景色の一つである。火口が覗けたが、スケールの大きさに恐怖に近い感慨を覚えた。日常を掛け離れたこんな自然があるのだと。判断は火砕流到達の危険性を上げている。カルデラ崩壊ほどの壊滅的噴火が起これば原発でなくとも生命の危険性は広範囲に及ぶ、つまり原発だけを堅固にする意味が無いという意見もあるがそうだろうか。火山列島である日本は噴火や地震は必ず起こる。制御できない大規模な自然災害に対してモグラたたきのように1個づつリスクを減らしておくことも重要である。噴火で大規模な被害が生じても伊方は可能な限り安全対策を施し、もし九州の広範囲が停電になろうとも電気を送り続ける役目を果たすというくらいの豪気はないのだろうか。

相変わらず燃料費の節減を叫んでいる所もあるが、その横で福島原発で被爆した作業員が白血病や甲状腺癌を発症して労災認定されたと言う記事が小さく載っている。本当に可哀そうで申し訳ないと思う。被爆のリスクは自然界で浴びる放射能と変わりはないとおっしゃった先生方はこれを何というのだろう。浴びることを防ぎようの無い自然被爆と、浴びなくても良かった被爆は大違いである。

何が何でも原発反対論者ではない。即時停止が最善策とは思っていない。管理運用は国が全面的に責任を負い、経済性、安全性が最大限担保できる原発を厳選するべきで、各電力会社の経営責任や判断を委ねるには無理があるように思う。その一方で廃棄物の処理の道筋をつけることが国策で行われてしかるべきだと思う。燃料費が嵩むとか、大規模自然災害が起こればそちらの方が深刻な被害を及ぼすから原発だけを指摘するのはおかしいという理屈には辟易する。国は不沈艦のような原発にすることは出来ないのだろうか。そのうちより安全で安価な電源が出て来ると期待するのは子供じみた夢想だろうか。

FITの国民負担が相変わらず昨日までのシンポで取り上げられていたが、やはり問題はFIT買い取り期間終了後の扱いをどうするかが喫緊の課題である。我が家の小さな太陽電池も設置から22年目に突入するが未だに元気よく発電している。インバータも故障は無い。海からも離れ、特に寒暖の問題もない恵まれた地域なのかも知れないが、それでも買取期間10年は殆どのシステムで飛び越えると思う。FIT買取期間が終了して、もし売電単価が燃料の焚き減らし相当と言われた4円/KWHくらいまで下がるなら買電単価の24円との差額で自家消費に回したほうが得と蓄電池が売れるだろう。一方で系統には4円の電気が混じるから電気料金は全体として下げ圧力となる。もし、電力の卸市場価格に環境価値プレミアでもついて15円くらいで売れたら買電価格との差額が減り自家消費を増やす投資には水を差し新しいビジネス創生の芽は潰れる。

そのうち、メーカーや販売店が販促のために、我が社から機器を買ってくれればFIT期間終了後でも××円で引き取りますというサービスが始まるかも知れない。検針は従来の電力会社に委託すれば電力も手数料が入る。国民負担は機器のライフサイクルで考えなければ全体像は掴めないはずだが、負担総額が××兆円まで膨らむと煽るだけでは便益のミスリードとなる。2020年の前後3年くらいは大きく再エネの価値観が変わり、将来の方向性も定まって来ると思うのも子供じみた夢想かも知れないが。

 



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