太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

景観条例

2018-05-08 11:26:27 | 仕事に関すること

我が市にも景観計画(条例)が策定された。先例の市に倣ったものだと思うが太陽光発電には厳しい設置制約がついている。太陽光発電普及のための技術開発や制度作りに半生を費やした者としては複雑な心境である。情報は知人から寄せられたが残念ながら市を動かすほどの力は無い。難しいのは定量的な各種環境基準と異なり景観は主観100%である。京都の駅ビルだってあれほど揉めたが今の若者は今が景観であり昔は知らないだろう。逆にビルが老朽化し取り壊しにでもなろうものなら反対運動が起こるのだろうか。

元々高い山など無く平地の多い県である。ちょっと郊外を車で走れば驚くほど沢山の太陽光発電が設置されている。灌木や雑木林、耕作放棄地などを簡単に造成して数百kWの太陽電池があっという間に設置される。地主や投資家にとっては垂涎の地であろう。しかし、流石にかっては雑木、荒れ地であろうと季節になると青葉が芽吹きそれなりに美しいと思ったが今は複雑である。地主がさらに金儲けかとやっかみも加わる。

昔、日本で最初に太陽光発電の環境貢献で、「森林代替量」という概念を提案したのは私だと思う。熱帯雨林何haならCO2の吸収量は太陽光発電何KWに相当するとか計算した。その時若い者が「じゃあ森林を伐採して太陽光発電を設置しても良いということですね」と言ったことを覚えている。植林との比較や砂漠に設置すれば森林面積何㎡と同じ効果だと言いたかったのだが、この質問には俄かに答えられなかった。

今はFITによる利益が見込めるから金持ちの地主や投資家が動いてより金持ちになるのだろうが、何れ太陽光発電のコストダウンが進めば同じ事は起こる。エネルギー、環境問題より景観が優先されると言うことはある意味まだラッキーなのかも知れない。ガソリンがリッター何百円にもなればEVが普及し、その電気は何で起こすかが問題になろう。温暖化が進行し海面上昇で九十九里の砂浜が消滅し、農作物も不安定な気候で作種に毎年悩む、熱中症だって(逆に寒冷化する地域も有り得る)増えるだろうしその時は景観を言う余裕はない、背に腹は代えられない状態になるだろう。景観の主観も世代によって変わって行く。太陽光発電の傍を通って通学する小学生はそれが当たり前の景色になる。問題は主観の変化を捉える頭が市会議員にあるかと言うと我が市には多分無い。

分散配置が太陽光発電の特徴の一つで良い所もあるが悪いところもある。ここ暫くは首相案件として特区でも指定してある程度集中配置する地域を定めるのも手かもしれない。凡そ人の目に触れない、存在に気付かない僻地の未利用地を全国各地で指定する。そのための送電網も整備する。背に腹は代えられない時代が来ることは望まないが残念ながら何れはやって来る。

 



1 コメント

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Unknown (Unknown)
2018-05-08 16:41:11
確かに、太陽光パネルが並んでいる場所の景観は最悪だね。 家の窓から、太陽光パネルが見えるようなら、それだけで資産価値が落ちるよね。 

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