太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

大手紙の変質

2020-12-05 09:19:02 | 日記
 昨日は国会閉会を機に菅総理の記者会見があった。特に印象的なことは無かったが今朝の朝刊で驚いた。長く政権擁護の旗頭であった購読紙Yが社説全面を使ってこの記者会見を批判している。GoToトラベル、イート、日本学術会議問題、桜を見る会の補填問題と全て政府対応に異論を挟んでいる。まるで庶民が感じていることを代弁しているかのようである。特にGoToトラベルでは経済との両立などと言う時ではない「見直しを躊躇すべきでない」「菅政権は感染抑止で後手に回っている」「国が移動を推奨する一方で、自治体が自粛を求める構図は、違和感が拭えない」「当面感染抑止に軸足を移すことが不可欠である」「事業の仕組みを再考して、柔軟に中断や再開ができるよう、制度を練り直してはどうか」と。これまでブログに書いたり思っていたことが社説全体に反映されており我が意を得たりと安堵して読み終えた。勿論自分の考えや思いに似ているからと言ってそれが正しいと思う事は自分を正しいと思うのと同じで傲岸不遜の現れだとは分かってはいるのだが。
 久し振りに溜飲が下がる社説だったがこのY紙購読は経緯がある。10何年と購読を続けたA紙系列TV局の人気番組のコメンテーターが大嫌いになった。それがA紙論説委員だがある政治家の疑惑について偏執狂的追求をしていた。個人的怨みでもあるのかと思うくらいもう罪人扱いのコメントに辟易していたのだ。爾後その政治家は無罪が確定した。こんな奴が論説委員かと呆れ返り当時正反対と評判の高い政権擁護、保守的なY紙に切り替えた。当初は社説を初め紙面の内容は言うなれば右寄り、政権よりだと同調できることは少なかったが最近少し様子が変わって来た。これは政権にとって最も危惧することではないかとブログにも書いた。そこに来て今回の社説である。政権はそれでも昨日の敵は今日の友ということもある。A紙が度々政権擁護をするようになってきたことである。系列TV局のワイドショーなどに出演する政治部の人の発言や直接社員である記者の会見での質問が実に生ぬるい。度々固有名詞を挙げられて政府から批判脅しを受けてきたことから委縮が始まったのかと思うくらいである。もうA誌には戻らない。
 Y紙の頑ななところはエネルギー問題、再エネ叩きはちょっと鳴りを潜めた格好だが原発推進論だけはブレない。大飯原発3,4号機の設置変更許可を取り消した大阪地裁判決については淡々と経緯を説明しているだけだがちょっと引っ掛かる。問題は耐震設計の前提となる基準地震動についての解釈違いだ。判決では過去の地震データを元に計算式を使って地震規模の平均値を算出し、さらにそれを上回る地震の規模(ばらつき)の検討が求められているとして前提を満たしていないとした。規制委は平均値を求める過程でばらつきは考慮されているという。少し前のY紙なら「科学的知見に未熟である素人の裁判官が判断すべきでない」と言う投稿などを載せて読者もそうだと思っていたろう。この種裁判で原告側は住民だがそれは素人集団ではない。バックに強力な理論家集団がいるという事、裁判官は政治判断はしない法に照らしてどうかという判断をすることがハッキリした。今回地裁判決をもっと踏み込んでコメントすると思っていたY紙だが如何にも淡々とした扱いである。引っ掛かるのはそれが原発問題に関するY紙の蛇の寝返りではないかという事である。もしそうなら政権は憂慮すべき事態と言えるだろう。