じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

田中慎弥「不意の償い」

2023-10-23 16:01:54 | Weblog

★ 土日が忙しくなったので、月曜日、特に塾生たちが学校に通っている時間帯が束の間の休息。今週は近隣の小学校が林間学習に行ってくれるので、少しは楽かな。

★ さて今日は、田中慎弥さんの「切れた鎖」(新潮文庫)から「不意の償い」を読んだ。田中さんの文体は独特だ。

★ 妻を産婦人科に運ぶ夫。妻は破水し、すぐにも生まれそうだ。その時にして、夫は果たして生まれる子が自分の子なのかと疑っている。

★ 話は過去にさかのぼる。二人は団地で育ち、幼いころから結ばれることが暗黙の了解のようであった。二人の両親は近くのスーパーで働き、彼らが共に仕事に出た日、二人は初めて性交する。しかし同時に、スーパーが火災に遭い、両親が死んでしまう。

★ 親に隠れた性交と親の死には何の因果もないが、男はこの偶然を気に病んでいる。

★ 二人は結婚し、それなりに平穏な結婚生活を営んでいたが、ある日、男は半ば強引に妻と交わり、それが妊娠に結びついたと妻は言う。

★ このあたりから、男の被害妄想が激しくなる。物語は冒頭の場面に立ち戻るが、この先どうなるやと心配になってくる。

★ よくわからない作品だったが、まぁいいか。

コメント