じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

谷沢氏の文章

2008-04-19 20:14:03 | 
★ 「青春の一冊」(文春文庫)の続きを読んでいる。谷沢永一氏による「佐藤正彰訳『覚書と雑考』鼇頭」のところで、駆けていた足が止まった。

★ キレのいい文体。格調高い語彙。思わず声を出して読んでみたくなった。朗読の何と心地よいことか。

★ ユーモアを交えながらの味わい深い文章だったが、美しい文章はそれだけ存在価値があるのだと思った。

★ 漢籍の素養なのだろうか。
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「二十歳のエチュード」

2008-04-19 04:16:10 | 
★ 乱読を始めた。身近にある本を手当たり次第、読めるところまで読むことにした。野村進「千年、働いてきました」(角川)、上杉隆「官邸崩壊」(新潮社)、茂木健一郎「生きて死ぬ私」(ちくま文庫)、浜矩子「経済は地球をまわる」(筑摩書房)、レスリー・デンディ+メル・ボーリング「自分の体で実験したい」(紀伊国屋書店)・・・。

★ 本棚の「青春の一冊」(文春文庫)という本が目についたのでページをめくっていると、城山三郎氏が原田統三「二十歳のエチュード」のことを書いている記事が目についた。

★ 「二十歳のエチュード」は懐かしい書名だ。ずっと昔に読んだ覚えがある。本棚を見渡すと、あった。何十年ぶりかで読み始めた。

★ 「二十歳のエチュード」は、20歳を目前に入水自殺した青年の手記である。手元にあるのは角川文庫版で昭和48年の発行になっているから、中学生か、高校に入りたての頃に購入したのだろう。日に焼けたページ、文字列のゆがみは活字印刷を物語る。

★ 森有正氏の格調高い「序」に始まる。そして3つのエチュード。今尚、難解な文章が羅列されている。はっきりいって何が言いたいのかわからない。わからないが、豊かな語彙と歯切れのよい断章が、心地よい音楽を響かせる。不思議だ。

★ 全編に覆いつくされたナルシズム。純粋な精神を追求しているのか。死を以って芸術性を完結させるというのか。今日こうして読まれることを目論んで、死後にも仕掛けを残したのか。何と言う傲慢さ。二十歳にしてこれほどまでと思う早熟性と成熟性。驚かされるばかりだ。

★ 平易な文章があふれている今日、難解な精神はまた新鮮であった。
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