巡ったと言っても、帯広市美術館→帯広市民ギャラリーの2か所。
■北海道立帯広美術館「画家の素顔 パレット&絵画」。自分では画も書かないし、パレットなんか見せられてもなと思いつつ行ったところ、予想以上に面白かった展覧会である。作品は笠間日動美術館のコレクションが中心で、いい作品を見ることができた。
パレットにも何種類かのカテゴリーがある。
(1)使ったまま:「パレット下さい」「え、こんなのどうすんの、やるよやるよ」と、そのままくれたようなもの。
(2)画家のカラーそのまま:その画家が良く使う色彩が、見事なまでに残されているもの。
(3)作品化:「パレット下さい」「よし、じゃ何か描いてあげるよ」「わー!!」というもの。
パブロ・ピカソ「パレット」:使ったまま派の代表選手。自信家ゆえか。
サルバドール・ダリ「パレット」:この人も使ったままのグジャグジャ。
サルバドール・ダリ「ピカソの肖像」:リトグラフなのだが、相当上手い素描風。見る価値あり。
モーリス・ユトリロ「パレット」:上部に絵具、下部に建物と人の風景を描き、自筆サイン入り。
アンリ・マチス「パレット」:黄色から濃紺までの19色が、整然と並んでいる。色彩画家らしい。
中山巍「月と静物」:遠目に「ヴラマンク?」と思ったら、ヴラマンクに師事した人らしい。暗い水に映る月が良い。
里美勝蔵「パレット」:隣の自作「婦人像」と色は違えど、似た感じの人物が描かれている。
香月泰男「パレット」:牛の後頭部を描いた、闘牛イメージか?
東郷青児「パレット」:東郷スタイルの女性二人と白鳥2羽が描かれ、ほとんど完成品と言っても良い。
相原求一郎「パレット」:真黒な背景に、すっと白い鳥が2羽。簡単に描いたと思えるが、センスがいい。
田辺三重松「パレット」:赤、緑、黄色とまさに田辺カラー。
鳥海青児「パレット」:茶色にかすかな青。これも鳥海カラーだ。
諏訪敦「パレット」:かなり精密な女性像で、時間がかかったはず。スーパーリアル3人集の登場である。
野田弘志「パレット」:大理石のパレットに原色が約10色ほど。頭蓋骨のデッサン風のものが描かれている。
森本草介「パレット」:こちらも女性像で、うまい3連発だった。
片岡球子「パレット」:隣の自作「環城楽」と同じ、雅楽面をつけた人を描いたもの。これは100%作品だ。
三岸節子「パレット」:緑・赤・黄色とこちらは節子カラー(田辺三重松とは何となく違う)。
熊谷守一「パレット」:単純化された自作「たんぽぽに蝶」より、パレットの方がカラフル。
萬鉄五郎「裸婦」:「もたれて立つ人」を少し人間っぽくした感じの、なかなかの作品(サイズは小さい)。
佐藤健吾エリオ「空色のシャツ着て」:深みのある自画像。この展覧会ではパレットだけでなく、自画像の出品が結構多くて、これもまた良かった。
佐藤健吾エリオ「夏の旅路」:入道雲を中央に、幾何学的にとらえたような分割された空を描いたもの。
安井曽太郎「自画像」:恐ろしくまじめな自画像。
林武「パレット」:赤富士が描かれた、林らしいパレットだ。
鴨居玲「パレット」:岩山のような絵具がパレットの縁に盛り上がっている。
鴨居玲「石(教会)」:作りもののような教会の上に、石と言うか岩が描かれたシュールな雰囲気の作品。
鴨居玲「勲章」:勲章をつけながらも、やさぐれてダメになりつつあるような男の像。
渡邊榮一「少年王國(自画像を描くということはおのずから潜在的に潜む眼球から情緒への移行をいみする)」:マンガチックな美少年と、ぜんまい仕掛けの動物や本を描いた、象徴的な作品。2011年に描かれたものなのか…。
最後に十勝の作家のパレットと作品が展示されていた。
森弘志「それ、普通」:これはホンコンやきそば、五目釜めし、桃金ラーメンのパッケージなどが描かれた静物画。
近藤みどり「慰する旅人1」:指や根を思わせる物体が、画面中央から湧き出てくる作品。
ということで、「パレット」の紹介の方が多くなってしまったが、大変結構な展覧会だった。これをガラガラの会場で見られるのは、見る観点だけから考えると嬉しい。しかし、これだけいい作品が出品されていて、意義ある展覧会だということを、もっとアピールできないのかな…。
■北海道立帯広美術館「具象と抽象」。抽象と具象の境界線が、実に曖昧なものだということが分かる。
トイレもウォッシュレットになっていた。万歳。
■帯広市民ギャラリー「おびひろ市民芸術祭 私の作品展」。
伊藤勝昭「洋なしのタルトとフルーツタルトレット」:優しい色彩で、かつ上手い。
油彩の大作はとかちプラザの方に展示されていると思うが、見に行く時間がなかった。
■北海道立帯広美術館「画家の素顔 パレット&絵画」。自分では画も書かないし、パレットなんか見せられてもなと思いつつ行ったところ、予想以上に面白かった展覧会である。作品は笠間日動美術館のコレクションが中心で、いい作品を見ることができた。
パレットにも何種類かのカテゴリーがある。
(1)使ったまま:「パレット下さい」「え、こんなのどうすんの、やるよやるよ」と、そのままくれたようなもの。
(2)画家のカラーそのまま:その画家が良く使う色彩が、見事なまでに残されているもの。
(3)作品化:「パレット下さい」「よし、じゃ何か描いてあげるよ」「わー!!」というもの。
パブロ・ピカソ「パレット」:使ったまま派の代表選手。自信家ゆえか。
サルバドール・ダリ「パレット」:この人も使ったままのグジャグジャ。
サルバドール・ダリ「ピカソの肖像」:リトグラフなのだが、相当上手い素描風。見る価値あり。
モーリス・ユトリロ「パレット」:上部に絵具、下部に建物と人の風景を描き、自筆サイン入り。
アンリ・マチス「パレット」:黄色から濃紺までの19色が、整然と並んでいる。色彩画家らしい。
中山巍「月と静物」:遠目に「ヴラマンク?」と思ったら、ヴラマンクに師事した人らしい。暗い水に映る月が良い。
里美勝蔵「パレット」:隣の自作「婦人像」と色は違えど、似た感じの人物が描かれている。
香月泰男「パレット」:牛の後頭部を描いた、闘牛イメージか?
東郷青児「パレット」:東郷スタイルの女性二人と白鳥2羽が描かれ、ほとんど完成品と言っても良い。
相原求一郎「パレット」:真黒な背景に、すっと白い鳥が2羽。簡単に描いたと思えるが、センスがいい。
田辺三重松「パレット」:赤、緑、黄色とまさに田辺カラー。
鳥海青児「パレット」:茶色にかすかな青。これも鳥海カラーだ。
諏訪敦「パレット」:かなり精密な女性像で、時間がかかったはず。スーパーリアル3人集の登場である。
野田弘志「パレット」:大理石のパレットに原色が約10色ほど。頭蓋骨のデッサン風のものが描かれている。
森本草介「パレット」:こちらも女性像で、うまい3連発だった。
片岡球子「パレット」:隣の自作「環城楽」と同じ、雅楽面をつけた人を描いたもの。これは100%作品だ。
三岸節子「パレット」:緑・赤・黄色とこちらは節子カラー(田辺三重松とは何となく違う)。
熊谷守一「パレット」:単純化された自作「たんぽぽに蝶」より、パレットの方がカラフル。
萬鉄五郎「裸婦」:「もたれて立つ人」を少し人間っぽくした感じの、なかなかの作品(サイズは小さい)。
佐藤健吾エリオ「空色のシャツ着て」:深みのある自画像。この展覧会ではパレットだけでなく、自画像の出品が結構多くて、これもまた良かった。
佐藤健吾エリオ「夏の旅路」:入道雲を中央に、幾何学的にとらえたような分割された空を描いたもの。
安井曽太郎「自画像」:恐ろしくまじめな自画像。
林武「パレット」:赤富士が描かれた、林らしいパレットだ。
鴨居玲「パレット」:岩山のような絵具がパレットの縁に盛り上がっている。
鴨居玲「石(教会)」:作りもののような教会の上に、石と言うか岩が描かれたシュールな雰囲気の作品。
鴨居玲「勲章」:勲章をつけながらも、やさぐれてダメになりつつあるような男の像。
渡邊榮一「少年王國(自画像を描くということはおのずから潜在的に潜む眼球から情緒への移行をいみする)」:マンガチックな美少年と、ぜんまい仕掛けの動物や本を描いた、象徴的な作品。2011年に描かれたものなのか…。
最後に十勝の作家のパレットと作品が展示されていた。
森弘志「それ、普通」:これはホンコンやきそば、五目釜めし、桃金ラーメンのパッケージなどが描かれた静物画。
近藤みどり「慰する旅人1」:指や根を思わせる物体が、画面中央から湧き出てくる作品。
ということで、「パレット」の紹介の方が多くなってしまったが、大変結構な展覧会だった。これをガラガラの会場で見られるのは、見る観点だけから考えると嬉しい。しかし、これだけいい作品が出品されていて、意義ある展覧会だということを、もっとアピールできないのかな…。
■北海道立帯広美術館「具象と抽象」。抽象と具象の境界線が、実に曖昧なものだということが分かる。
トイレもウォッシュレットになっていた。万歳。
■帯広市民ギャラリー「おびひろ市民芸術祭 私の作品展」。
伊藤勝昭「洋なしのタルトとフルーツタルトレット」:優しい色彩で、かつ上手い。
油彩の大作はとかちプラザの方に展示されていると思うが、見に行く時間がなかった。
http://blog.goo.ne.jp/h-art_2005/e/08072b91206438027cc1554ab0bdb632
SHさんのテキストを読む限りでは、来てる作品がかなり違いますね。
個人的には、佐藤健吾エリオさんが気になります。
森弘志さんの絵も見たいし。ううむ。
北見でパレット展、あったんですね。
十勝の作家として11名、それ以外に41名の出品があったので、北見のものよりは作品数が多そうですね。
ブログ記事を読み直させていただきましたが、奥谷博、浮田克躬、田中祥三は作品がなかったです。
私もヤナイさんも名前をあげていない人としては、フランソワーズ・ジロー、国松登、福沢一郎、相笠昌義、レオナール・フジタ、朝井閑右衛門、北川民治、脇田和と言ったところです。
(作品までは分かりませんが)
行って良かった展覧会ではありますね。
「ねむいヤナイさん」です。
すみません。
(眠狂四郎みたいで、カッコいいかも…)