散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

20200705ギャラリー巡り

2020年07月05日 13時42分44秒 | ART
本日は彫刻美術館へ。

■本郷新記念札幌彫刻美術館「ファンタジー×リアリティ」。これは「わくわく★アートスクール作品展2020」ということで、本来であれば集合形式の催し物があったのかもしれないが、このご時世で、Web上で写真を募集して集まったものをクスミエリカがコラージュ作品にしたものを展示しているようである。

クスミエリカと参加者「展開する境界」:素材としてはいろいろな人が投稿したものが使われているが、やはり作品としてはクスミエリカ色が圧倒的に強い。もう一作、これと対になる「収束する境界」という作品と、コラージュの過程をビデオ作品にしたものが投影されていた。



後はクスミエリカの作品が展示されている。

クスミエリカ「現代装置 断片2」:窓に向かって、光を透過する作品が何点か展示されていた。



クスミエリカ「テセウスの船」:これは銀座にある、静岡新聞・静岡放送東京支社ビルの写真が取り込まれているので気になったもの。昨年、出張が多かった時、よくこのビルの前を通って通勤していたものである。



この他、1階ロビーでは「第3回本郷新記念札幌彫刻賞」受賞作品他のマケットが並んでいた。

受賞作の高橋喜代史「ザブーン」。



藤原千也「太陽のふね/our's boat」。



藤沢レオ「場の彫刻」。



岡田健太郎「五つの白い地平」。



田村純也「wakka」。



幸いなのかそうでないのか、観覧者は私一人であった。


20200704ギャラリー巡り

2020年07月04日 15時44分47秒 | ART
本日は三越→SONY→スカイホール→富士フイルム→大通→レタラ→ミヤシタ→資料館→大丸の9か所。なかなか10か所に到達しない。

SONYのαプラザ、スカイホール、富士フイルムフォトサロンが久々にオープン。



■ギャラリーレタラ「吉田茂個展 ビタミンB2」。部屋一周、ぐるりと黄色く塗った木材(キャンバス?)が貼られている。裂け目の部分には赤かピンクの色彩がのぞく。

レタラからすぐ近くにある、公園にワグナー・ナンドール「母子像・ふるさと」という彫刻がある。久々にしげしげと見たので、写真も掲載しておこう。



地下鉄で円山公園駅からミヤシタに行く途中で、ふくろうの木彫があった。



■ギャラリーミヤシタ「のはらのころ 秋山知子彫刻展」。色のあるガラスで、人の形や抽象的な形状を作った彫刻展。見ていて何となく楽しめる。

最後に、大同生命ビルのオフィスエントランスを見に行こう。…と思ったら、まずオフィスエントランスに入れない。これは土曜日だからかな? 入館証を当てるセンサーのようなものがあったが、入館証が無いとダメとなると、このビルに外部から仕事に来た人も入れないもんな。ちょっとこの辺は良く分からない。

飲食店エリア側から覗くと、ガラス越しに何とか、峯田敏郎「唄う女」が見えた。しかしここはちょうど飲食店への列を作る場所にもなっており、おちおち見ている訳には行かないのである。



いやー、こんな扱いなのか…、と思った。

後はおまけの写真。表参道付近で見た、カレーショップの看板。店主はプロレスファンか、アニメファンか?



地下鉄さっぽろ駅直結の文教堂書店は7月28日に閉店すると掲示があった。




20200627ギャラリー巡り

2020年06月27日 14時19分54秒 | ART
本日は資料館→創→JR→大丸→赤れんがテラス→大通→CAI02→オマージュ→三越の9か所。

■札幌市資料館「南国系9歳絵描き展」。9歳の子が南国の鳥などを描いた、初個展なんだそうだ。札幌に来るのを楽しみにしていたのに、現在の状況では来るのを諦めたそうで、とても残念がっていたらしい(話の流れからすると、道外の人なのかな?)。

久々の資料館での展覧会だった。



向かいのバラ園には結構な人が来ていた。



■ギャラリー創「札幌の木、北海道の椅子展」。こちらも私が行ったときには訪問者数10人弱と、なかなか人気の展覧会。

■JR ART-BOX「守屋杏 刻・積~刻まれ積もりゆくもの~」。「土」と言う字を墨で書いて何枚も重ねたものらしい。



■大丸画廊「大丸アート特選展」。小さめの熊谷守一の作品が3850万円だったのには驚いた。値段を3度見してしまった。

■CAI02「端聡 平面作品展」。純粋に平面のものもあったが、ボトルを使ったもの、木材を使ったもので半立体の作品がかなりあった。何を描いているとも言えない現代美術系の作品なので、表現に困る。

期待外れ

2020年06月27日 14時11分00秒 | ART
そういえば、大同ビル(正式には大同生命札幌ビルらしい)がオープンしたのだ。チカホ直結の飲食店街が話題になっているのかもしれないが、私にとっては大同ビルといえば大同ギャラリーだ。もちろんギャラリーは無くなっているのだが、何がしかの気配がないのか確認しに行こう。

地下からビルに向かうと、ボタニカルファニチャーエリア(現在は感染症予防のため閉鎖中)というところがあった。



1階はテナントばかりだな。

2階にはイコイラウンジと言うエリアがあった(こちらも現在閉鎖中)。



うーむ、彫刻作品かなにか一つくらいはあるだろうと思ったが、どうやらないみたいだ。ガッカリだな。

20200620ギャラリー巡り

2020年06月20日 14時26分37秒 | ART
本日は三越→大丸→HOKUBUの3か所。本の重さに力尽きた。

■大丸美術画廊「掌展 TANAGOKORO-TEN」。若手中心の彫刻展。なかなか面白い。

大丸の1階特設スペースで展示があるというのでやって来た。「”花と虫”展 Lee Izumida」である。


→これは7階にあった案内板。

特設スペースといっても休憩所の一角のようなスペースで、花と虫の絵画が展示されていた。大丸はエレベータがすべて優先客用になっているため、地下1階から8階までエスカレータで往復することになり、最近は大変なのである(そろそろ解除かも)。

■HOKUBU記念絵画館「絵画の写真的経験」。以前見た作品が多い。
松井宏樹「SUNNY」:2008年に沖縄県中城で撮影された、緑の海にくらげが浮かぶ写真が何ともいい。一部にさざ波が見えるのだが、これが福田平八郎の「漣」って、実は写実的だったんだと思わせる感じなのである。

■HOKUBU記念絵画館「内容主義のファンタジー」。
小杉小次郎「回想」:広場に建物、馬、地面に描かれた三角形、門柱、時計塔などのモチーフが配置され、エッジの鋭くないキリコ、またはデルヴォーの夜の雰囲気を思い起こさせる。
河原朝生「鯰売る人」:スーツの年配男性が、人通りが全くなさそうな室内でテーブルに並べた鯰を売っている。行き場のない、サラリーマンの「追い出し部屋」をイメージしたものだろうか。
河原朝生「隕石の販売」:こちらはカーテンから覗く、葉のない3本の木のもとで、テーブルに隕石が並べられいている。人の姿は無く、これはこれで爽快な感じもする。

HOKUBU記念絵画館は今年から入館料が300円→500円と値上げになった。感染症予防のために時間予約制を導入したことから、入館料を改定したとのことである。まあ、200円上げても、経費をすべて賄えるとは思えないので、ここを維持して頂くことに感謝したい。

なお、休憩スペースだが、3階にコーヒーメーカー(コーヒー100円となっていた)があり、あれっと思って後から1階に行ったところ、こちらには紅茶のティーパックとチョコレートが置いてあった。ありがたく休憩させていただく。



次回はケチらずコーヒーを頂くことにしよう。1組当たりの観覧時間は1時間だが、あっという間に1時間が経過した。


→絵画館前にあったもの。

それからあちこちに彫刻の小品も展示されているので、忘れずに見ていって欲しい。

久しぶりの小樽へ(2)

2020年06月13日 15時04分42秒 | ART
まずは小樽市博物館運河館へ。

■小樽市博物館運河館「蜃気楼の美術工芸品ー高島おばけの時代背景ー」。運河館の展示はいつもと同じなのだが、トピック展示のこれには興味が湧いた。

「染付蜃気楼図大皿」;時代は不明の大皿。蜃気楼と言えば蛤である。波間の蛤から吹きあがる煙のようなものの中に、楼閣の蜃気楼が浮かんでいる。



「蜃気楼図掛軸」:作者銘に狩野信之とあるが、真贋・時代も不明だそうだ。



ほんの一角だけの展示であったが、興味深い。



運河館の手で触れる展示物は利用中止となっていた。私以外の観覧者は2名だったかな?



小樽運河界隈をちょっと歩いてみるが、全く人がいないという訳でもない。



続いて、こちらへ。

■小樽芸術村「浮世絵展2020第1期 生誕260年今こそHOKUSAI~江戸の人気絵師大集合~」。いかにも北斎特集のようであるが、それ以外にも国貞、写楽、歌麿、広重などの作品があり、北斎の展示量は全体の1/4~1/5くらいかな。もちろん、他の絵師も豪華だけどね。

葛飾北斎「菊慈童図」:数少ない肉筆画である。



葛飾北斎「冨嶽三十六景 凱風快晴」:この作品と「神奈川沖浪裏」「山下白雨」の辺りが分かりやすい見どころだろう。



葛飾北斎「北斎画譜 中編」:魚介あれこれの図。こういうの上手いよね~。



歌川広重「六十余州名所図会 阿波鳴門の風波」:広重の波もダイナミックである。



歌川広重「魚づくし ひらめ、めばるに桜」:広重の魚も魅力がある。



春画コーナーは撮影不可だったのだが、北斎「浪千鳥」の黒と赤の鮮烈な色彩は素晴らしいものであった。飾ることができないので、鮮やかな色彩が残されたのかな。



■市立小樽美術館「中村善策 風景画家の描く『ひと』」。肖像画が5点、人物素描が2点展示されていた。
「東京風景(赤坂見附)」:池のほとりを走る車と歩く人。国会議事堂の高さが善策張りを思わせる。
「舟とアーチ(水彩)」:岩のアーチをくぐる舟を描いた作品。アーチの下の部分は海の色が反射して蒼く染まっている。
「大沼と駒ケ岳」:駒ケ岳は形が面白いので画題になりやすいが、それを超えて、山を下から見た迫力が描かれた作品。その上にかかる白雲もいい。

■市立小樽美術館「幻視者一原有徳の世界17_機能美の勝利−小坂秀雄の建築と一原有徳」。前半は建築に関する展示であった。

■市立小樽美術館「企画展_DeadEnd−「十間坂」谷口能隆写真展/同時開催_新収蔵品」。会期が7月12日まで延長された模様。手宮地区の「十間坂」をテーマにした写真展で、街や神社祭の様子もあり、私好みの部分も多い。

しかしながら写真に写った建物の説明は「現在は更地」「廃業」「廃屋」「解体」とネガティブワードのオンパレードで、この先どうなるものかと思わざるを得ない。



木嶋良治「冬の日」:端正で身が引き締まるような風景画。
武石英孝「楼閣」:オタモイの「龍宮閣」と、それに向かって飛ぶ3羽のカモメを描いた作品。人物画主体の作者にしては珍しいと思った。

窓口の方が話をするのを聞いていると、今日の入場は15時時点で18人と昨日よりは多めだそうである。

■市立小樽文学館「異端と正統 装幀画家・村上芳正の華麗な世界展」。

絵本の原画も描いていたのだとか。



しかしこの人の作品といえば、何と言っても「家畜人ヤプー」の装幀だろう。話にもイラストにもパンチがありすぎる。



「花(B)」:第46回二科展絵画部入選作品だそうだ。





美術館・文学館は16時閉館。



この後、夕立が来そうで、閉館してしまうと行き場がなくなるので、慌てて小樽駅前方面に一旦戻る。

20200612ギャラリー巡り

2020年06月12日 14時10分14秒 | ART
本日は近美→三岸→文学館→芸森→大丸→三越の6か所。大物が多いため、朝早くから出発。

■北海道立近代美術館「近美コレクション わたしと絵のあいだに」。開館前に到着し、並び順が2番目になってしまった。開館時には10人くらい並んでいただろうか。手の消毒と検温があるため、一人づつ入館。皆さんとは別れ、私一人で常設展の方へと向かう。

野田弘志「THE-8」:わたしと絵のあいだに膜を作り、あえて意識を向けさせるという展示方法か。



俣野第四郎「静物(2)」:本郷新寄託と書いてあった。知らなかった。

■北海道立近代美術館「近美コレクション ひと・ヒト・人」。
田中良「年の市(A)」:どこの北方かと思ったら、札幌の二条市場を描いたのだそうだ。上部にあるトンガリはテレビ塔だそうだ。



この他、北海道庁赤れんが庁舎が閉まっているため、北海道蔵の岩橋英遠「阿寒湖畔の松浦武四郎」、久保守「開拓計画を練る」、片岡球子「函館街頭風景」が展示されていた。

■北海道立近代美術館「近美コレクション なんちゃってカエル名画展」。福士ユキコによる、名画の登場人物をカエルに置き換えた楽しい作品。主に近美所蔵、または展覧会で出品された作品がモチーフとなっている。

「≪パスキン<花束を持つ少女>≫」。



「≪セザンヌ<帽子をかぶった自画像>≫」。カッコいい、まさにセザンヌ風。



後は2019年度の新収蔵品など。77点の寄贈があったそうだが、ということは予算をつけて購入したものはないということか。



近美の2階休憩コーナーはこんな感じ。椅子が一つづつ離して置いてある。常設展側の観覧者は私一人であった。



近美を出て、知事公館の公園を抜けて三岸好太郎美術館へと向かう。しかし、こんな切り株にまで「今は、きょりをとって」なんて表示する意味合いがあるのだろうか。



■三岸好太郎美術館「変幻する詩情の花」。第一室が「花と画風の変遷」ということで、三岸の「花」を描いた作品を集めたコーナー。「菊の花の静物」は9年ぶりに見たようだが、それ以外はさほど変わり映えがしない。

■三岸好太郎美術館「太陽の森 ディマシオ美術館コレクション」。今回、興味を持っていたのはこっちである。彼の作品はタイトルが無いため、感想が書きにくいね。非常に上手いなあと感じるのと、人物画で人物の手前に脈絡なく破片のようなものを飛ばして立体感を持たせるなど、ちょっとあざとい感じもする。

次の作品は丁寧に猿を描いたもので、「猿の狙仙」ならぬ「猿のディマシオ」と言ってもよいかも。



展示作品は13点、ラリックのガラス作品が3点あった。なお、私が見終わる頃に次の観覧者が来ていたが、私が見ている間は他の観覧者は無い。ほら、こんなもんだろ、札幌の美術館は。



■北海道文学館「せなけいこ展」。30分毎の予約入場となっている文学館。入場する際に予約表がちらっと見えたが、私の訪問する時間帯(11:30~12:00)は5~6人、その前の時間帯が十名強だったように思う。前の時間帯に10分ほど食い込んで早めについたら、ちょうど誰もいないタイミングとなり、スムースに入場できた。

それなりに展示は面白く見たが、展示順にみるとストーリーが一部繋がらないように感じたのだが、どうなんだろうか。



この後、南に向かう。兵どもが夢の跡、中島体育センターである(プロレス会場だったのは別館の方で、もう建物は無い)。



幌平橋からの南北線に乗る。幌平橋駅に来たのは久しぶりだが、こんなタイル画があったのは知らなかった。



■札幌芸術の森美術館「蜷川実花展-虚構と現実の間に-」。芸術の森入口へのバスは途中までは結構な込みようだった。中学校、大学前でそれぞれ数人が降り、芸術の森入口では7~8人が下車しただろうか。誰よりも早く、美術館の入口へと向かう。

入口では行列ができていなかったが、チケットを持っているかどうか確認される。当日券の発売は無く、前売り券、または時間指定予約券を持っていく必要があるのだ。私は美術館協力会の年間パスで通してもらう。

手の消毒をして体温測定をしてから入場。全体的に観覧者は少ないが、ちょうど私の入る直後の団体(10名くらい?)がいたため、それなりににぎやかな感じになってしまった。

「永遠の花」と言うコーナーは撮影可能エリアで、非常にカラフルかつにぎやかな感じ。たまにはこういうウキウキした雰囲気も悪くないだろう。


→北海道の人って、桜にそんなに興味が無いと思うんだけどなあ…


→小さな標本箱のような世界



続いて「Portraits of the Time」という人物写真の所で、急激に興味を失う。もちろん知っている人も沢山いるんだけど、知らない人が多すぎる。ま、興味と合わないってことだね。



私が見終わる頃には、ちょっとした入場の待ち行列ができていた。



喉が渇いた。ちょっと休憩。



工芸館ではSIAF2020紹介コーナーがあったが、何をやるのかよく分からない。



今年も池にこれが浮かぶ季節になりましたな。



この後、バスで真駒内へと戻る。



バスは乗るつもりだったやつが減便対象だったようなのだが、どこにもその手の表示がなく、分かりにくい。幸いなことにその9分後のバスはやって来たので、それほど待たずに済んだ。

20200607ギャラリー巡り

2020年06月07日 14時00分32秒 | ART
日曜日のギャラリー巡りと来れば、本郷新記念札幌彫刻美術館しかあるまい。



■本郷新記念札幌彫刻美術館「所蔵品展」。体温を測り、連絡先を書かされるという物々しい体制だったが、観覧者は私一人であった。ま、向こうからするとどこの誰だか分からないのだから、しょうがないか。

ごくオーソドックスな作品が展示されていたが、そこが新鮮ともいえる。順路に沿って階段を昇った所の展示室がこんな感じ。



展示室をつなぐ渡り廊下のような部分には「裸婦」シリーズが大量に展示されていた。高さは25cm~40cmくらいで、いろいろなポーズをとっている。鳩を手に持つ人物や、体にわざとひびをいれた造形のものもあった。



後半部の展示室には「馬と少年」シリーズが展示されている。





次は記念館へ。

■同「本郷新のレガシー 五輪大橋と花束」。東京オリンピックは中止が決定したが(多分)、元々それに向けての展示だったのかな? 私は五輪大橋にある「花束」は見たことが無いのだが、札幌市北区体育館蔵の「花束」は現地で見たことがある。





天気の良い日にこの建物の2階から見る景色は、窓外に見える電柱と電線を心の中で削除すれば、実に素晴らしいのだ。



というところで、本日の観覧は終了。昨日から少し美術鑑賞の楽しさが蘇ってきた。来週も行くぞ!

20200606ギャラリー巡り

2020年06月06日 12時00分37秒 | ART
本日は近美→資料館は何もやっていない→三越は先週と同じ→らいらっくも先週と同じ→大丸の実質2か所。

■北海道立近代美術館「キスリング展」。今日は展示を見るというより、年間パスの更新が主目的であった。私は1月会員(入会月が1月で翌年1月末まで会員)なのだが、今年は展覧会中止に伴い更新をやめていた。今日、事務局の方に聞いてみると「今の会員番号(月が先頭についている)を生かすとなると、期限は来年1月までです。そうでなければ新規会員扱いで入会してください」とのこと。会員番号に「月」という意味を含めるからそういう面倒なことになるんだよな、と仕事のコード設計の事を思ったりしつつ、約半年たっているので新規扱いにしてもらう。ということで、無事に6月会員となった。

さて「キスリング展」の方だが、近美の門の表示を見た時には少し焦った。おいおい、列ができているのか?


→入場まで3分待ちだそうだ。

しかし中に入って見ると、手の消毒と体温測定(非接触センサー)、感染者が発生した時の連絡先を書かされるのに少し時間がかかったが、入場そのものは全く待たないのであった。後で2階からロビーを撮影してみたが、物々しい準備の割にはそれほど人がいないのである。



展示会場の中は作品1枚の前に人が1名いるかどうかで、前後の人とペースさえ合えば、実に快適に作品を見ることができる状況であった。

「ジロン氏の肖像」:背景にキュビスム的技法を使いつつ、人物は落ち着いた表現である。
「牡丹」:画題と朱の台座に乗った黒の花瓶がどことなく日本的。
「果物のある静物」:写実を追求していないキスリングの作品としては、珍しくサイズが大きく、明度も高く写実的。日本の個人蔵なんだとか。

「女の肖像」:キスリングの描く女性は黒目勝ちで虹彩の中にハイライト(白い点)が無いように思っていた。この作品はその典型なのだが、ハイライトが入っている作品もそこそこあるね。
「魚の静物」:近美所蔵作品で、この南国的な魚を描いた作品は昔から好きだ。
「赤い服の女」:青と灰色の背景、黒に近い緑色の椅子に赤い服の女性という色彩感がキスリングらしい。

「ベル=ガズー(コレット・ド・ジュヴネル)」:冒頭画像の作品がこれだ。今回展示した中では随一の大きさ(160cm×110cm)の作品。キスリングの女性像のサイズは大体決まっているのだが、この作品の女性は等身大に近いのでちょっと驚いた。
「花」:同名の作品がいくつかあるが、決まって背景の1/3~1/4が別の色やテクスチャで表現されていることに気が付いた。室内の壁や扉の表現なのだろうか。
「座る若い裸婦」:異国風の衣装を着た女性像が多い印象だったのだが、裸婦像が3点並んでいた。彫刻的・人形的で生々しさを感じない裸婦像である。

「赤い長椅子の裸婦」:横たわる西洋画伝統的ポーズである。裸体のボリュームがなかなか圧倒的。
「長椅子の裸婦」:こちらはスリムにしてモダンな感じの女性。
「立葵」:シンボリックでアイコンのような描き方である。

「モンパルナスのキキ」:フジタとはまた違う形の、しかしながら共通点も感じる女性像である。



「カーテンの前の花束」:これは明確にカーテンで背景が区切られている。カーテンをそんなに塗らなくてもと思うが、これがキスリングの色彩感なのだろう。



久々に古典的(といってもエコール・ド・パリ時代だが)な西洋絵画を堪能した。全体を通じてみると、どこかに感じる虚無感(人物の表情だろうか)、象徴性と南国を思わせる色彩感(フランス国内で描いていたみたいだが)が心に残った。

腹が減ってきたので、常設展はまた次回という事にして、美術館の前庭にでる。そうだ、前回散歩に来た時に撮影できなかった彫刻群を撮っておくか。

新宮晋「風の対話」。美術館をでて両サイドにあるのだが、これは右側の方。



飯田善国「時間の風景」。



山内壮夫「子を守る母たち」。本当だ、よく見ると大人(母)二人、子供一人で三人のように見える。母が複数形って誰なんだろう。母性全体を象徴しているということか。



本郷新「嵐の中の母子像」:珍しく後ろからの写真を載せる。子供の足の感じが良く出ている。



新宮晋「光のリズムII」。大同生命保険相互会社寄贈だそうだ。今はそんな余力のある会社は少なそう。



伊藤隆道「回転螺旋・1月」。



安田侃「無何有」。美術館の入口にあり、つい忘れがちな作品。名板の作品名に読み仮名が振ってあり、初めて「むかう」という作品名であることを知った。これまでは「むかゆう」だと思い込んでいた。



流政之「雲の砦Jr.」。



この後、西11丁目方面へと向かう。

お仕事のついで

2020年06月04日 15時28分41秒 | ART
仕事の際に立ち寄ったビルにこんなものがあった。待ち合わせをした同僚がいる中、写真を撮影する。

国松明日香「豊穣の女神」:女神デメテルをモチーフにした作品。陶板製作はなんとあの大塚オーミ陶業株式会社だそうだ。かなりサイズが大きくて、両サイドが写真に入らなかった。



松田与一「大地に立つ」:荷物を持った若い女性像か。



(株)平和合金(富山県高岡市)「二宮尊徳翁」:いわゆる二宮金次郎像の写真を集めていたことがあるのだが、これはその薪を背負って読書に励む姿ではなく、ある程度年を取り腰かけた姿である。



さあ、打ち合わせに行きますか。

20200530ギャラリー巡り

2020年05月30日 14時02分11秒 | ART
久々のギャラリー巡りは、大丸→500m→三越→らいらっく→CAI02の5か所。

■大丸画廊。急な営業再開だったので、テーマ展示ができず、所蔵しているなるべく原画を展示したという話であった。いつものエレベータに何も考えずに乗ったのだが、感染予防のため高齢者等の専用エレベータになっていた。他に誰も乗らなかったのが幸いであるが、大変申し訳ない。



店の一番西側の入口は閉鎖されており、メインの入口からの入店となっていた。またセンサーによる体温測定もやっている模様。

■500m美術館「反骨の創造性」。
坂巻正美「けはいをきくこと…北方圏における森の思想シリーズ「羆に生る」2020」:「羆(ひぐま)」という字には「シシ」とフリガナがふってある。羆の皮をかぶっている人たちが撮影されているが、スーツに毛皮はどこか面白い、違和感がある。



おそらく藤木正則の作品が展示される予定だったと思われるガラスケース2つはこうなっていた。



鈴木涼子「last breath」:何げない北海道の山の風景のようだが、作者が鹿を撃った場所を撮影したものだそうだ。



鹿撃ちの弾、熊よけのスプレー、コンパス。



露口啓二「「On_沙流川」より」:松浦武四郎の記録を頼りに、沙流川に流れ込む支流・沢を撮影したもの。



まだ展示されていない作品があったので、もう一度来なくてはなるまいか。美術館の東半分は以前からの展示と同じであったが、それを眺めながらバスセンター前駅に行き、そこから大通に戻る。

■三越ギャラリー。院展の画家の6号の作品を展示。サイズがすべて同じであるため、値段の違いがあからさまになる。最安値と最高値の差は約10倍であり、一番高いのは福王寺一彦「蛍」858万円であった。

三越は入口で体温測定と消毒をしており、エレベータ内にも消毒薬が置いてあった。



■らいらっく・ぎゃらりぃ「北海道銀行コレクション 上野山清貢展」。壁に作品を展示すると「遠すぎて見えない」と言う意見があったのだろうか。少し見やすい展示形式になっていた。



「種牛」。



「舞妓」。



「水族館」。写真がピンボケっぽいが、この作品は私好みである。



■CAI02「笠見康大 Yesterday and Today」。絵画の線、面、色にまで立ち返るような作品。それ故に面白いかと言われると、どうもなあ…。



ここで地上にでて、大通公園を見る。噴水から水こそ出ていないものの、実に夏っぽい。

20200508ギャラリー巡り

2020年05月08日 15時58分22秒 | ART
ギャラリーではないが、桑園附近で発見した「桑園延命地蔵尊」。由来は鉄道ができてから昭和2年までの間に、変死・事故死が364名に及び、その霊を弔うために作られたとのこと。相当に酷いことがあったと想像される。



それから作品展示をしている数少ないギャラリー、らいらっく・ぎゃらりぃ「北海道銀行コレクション 山田義夫展。ギャラリー内には入れず、ガラスドア越しに見なければならないので、いささか寂しいが、やむを得まい。





本日は以上。

20200503散歩

2020年05月03日 12時32分17秒 | ART
本日は昼頃散歩に出かける。近場の公園には人がいない。



名のある公園や河畔公園にいかずに、こういうところで過ごしてはどうだろうか。公園の横では建物の間に桜が咲いていた。



山の手の山方面を目指して歩きだしたが、今日は暑い。坂道はほどほどにして西に向かう。住宅街の中を歩いたら、これまで気が付かなかった店を発見した。1軒目は手作り作品を展示するショップか?



2軒目はカフェなのかな。



そして、人のいない西高に到着。ここは一般の人も散策可能なのだ。



以前、一度、写真を公開していると思うが、久しぶりなので改めて紹介したい。

永野光一「潜-kirameki-」。



佐藤忠良「蒼穹」。



山内壮夫「家族」。



本田明二「輔仁會会員戦没者記念碑」。



本郷新「鶏を抱く女」。



本田明二「けものを背負う男」。



相変わらず充実している。この後、西方面へ。

20200430ギャラリー巡り

2020年04月30日 14時25分19秒 | ART
街中に出てきても、美術館・ギャラリーはどこも開いていない。最後の頼みがデパートのギャラリーだったのだが、デパートごと休業になってしまった。そんな中、数少ない作品展示がここになるだろう(入口にはかぎが掛かっており、ガラスの外から見るようになっている)。

■らいらっく・ぎやらりぃ「北海道銀行コレクション 北岡文雄展」。5月1日までの開催とのこと。作品は左から「摩周湖」「草萌ゆる湿原」「白鳥のいる湖」の3点で、雪どけから初春の風景であろうか。



5月2日以降も入れ替え展示してくれるのだろうか。

20200411ギャラリー巡り

2020年04月11日 16時00分00秒 | ART
本日は市民→オマージュ→スカイホール→さいとう→三越→らいらっく→創→大丸→レタラの9か所。


→あまり書道には興味が持てないのだ。

■カフェギャラリーオマージュ「Spring is coming 春の訪れ」。
孫田敏「ツクシ」:非常に上手いツクシの画なのだが、頭部の胞子が生々しすぎて目が離せない(これも花粉症の原因の一つなのだろうか)。

■スカイホール「外山欽平油絵個展」。アルファベットをモチーフにする作者だが、今年はついに「W」まで到達した。「W」はなかなかボリューム感のある文字なので、良いかも。「V」を2個連ねたような作品もあるし、ヘビがうねっているかのように見える作品や、鋭い刃物を並べたような直線的な作品もある。背景も例年の濃い緑だけではなく、薄くフラットな緑、黄土色のものもあった。

■さいとうギャラリー「竹岡絵画教室えすかりゑ展」。
太田れいこ「さなぎのしきい値」:青系統の画面で、ビル街に立つ樹木を描いたような作品。抽象画っぽくもある。
大澤康「実在と時間」:ビル街をバックにリンゴ、象、スマホを持つ青年を描いた作品。よくある画題とも思えるが、なかなか面白い。



ずっとオープンしていたソニーαプラザがついに一時休止。



札幌駅には12月からこれが展示されているらしい。小樽にも行きたいが美術館・文学館の展示はどうなるかなあ?



■ギャラリーレタラ「地平を挟んで・・・二つの視点」。
手前の樹木のようなのが、大石俊久「表層から深層へ 1-15」。奥にある作品が右から、戸山麻子「風ねむる」「静謐なる森」「滲むように空へ」。冬の森に迷い込んだような思いがする。





なお、写真上の通り、5月の次回展は休止だそうだ。ギャラリーの考え方と作家の考え方と両方あるからね。