昨年の6月22日のブログ「松本清張 in 加古川市」 と重なる。
天下原(あまがはら・加古川市神吉町)に毘沙門堂(写真)がある。場所はウエルネス・パークのすぐ北の山腹である。
松本清張は、小説『Dの複合』で、天下原について、ここに伝わる「羽衣伝説」について少し書いている。
話題の一つにでもしていただきたい。
・・・加古川の街を通り抜け、右の方に淡路の灯が見え隠れしているうちに明石市に入り、着いたところが海岸に面した「人丸花壇」と言う旅館だった。・・・・
「・・・(明日)余裕があれば、加古川まで引返して羽衣の伝説地を見たいです」
「へええ、加古川にも羽衣伝説がある?」
伊勢はびっくりした。
「少し北に行ったところに印南郡神吉村というのがあって、そこに天下原と言う土地があり、羽衣の伝説が残っているそうです」
「いろいろあるものだね」
と、伊勢は言ったが、浜中のヤツ、どういう本でそんなものを調べてきたのだろうと思った。
彼の説明によると、『増補播陽里翁説(ぞうほばんようりおうせつ)』という古書に載っているそうで、それが別な本に紹介されているという。
・・・・神吉村にそういう伝説が遺っていることだけは、どこかで一行書いておいてください」
これだけのことである。暑さが続く。クーラーをきかせた部屋で『Dの複合』でも読んでみませんか。
ウエルネス・パークへ行かれたとき、毘沙門堂へもお寄りください。徒歩で5分ほどの場所です。
蛇足:ずっと以前になるが、明石の人丸花壇へ一度だけ行ったことがある。タコ料理がいっぱいで、どれも美味かったことを思い出した。
*『Dの複合(松本清張)』(新潮社)、写真下は毘沙門堂にある羽衣の絵馬