エンジェル・ハート 新宿抗争篇 第1話 ガラスの心臓 ～グラス・ハート～

　女が１人の男の背中を撃つ。
　少女が１人、２つのアイスクリームを持って走って行く。

　パパ

　女は足を止めた。

　早く食べないと溶けちゃうよ。

　少女が声をかけているのは、今、彼女が殺した男だった。


　今日で５０人目の仕事を終わらせた。しかし女の心臓はもう耐えられなかった。人殺しという自分の仕事に。

　これで自由になれる。彼女は飛び降りた。


　新宿の街では移植用の心臓が持ち去られたと警察も大騒ぎをしていた。

　女は台湾で心臓を移植されていた。あれから１年――。
　しかし、女は目覚めない。

　李大人はどうにかしろと医者をせっつく。

　スザク部隊と言うのを知らないか？部下が話していた。５歳にも満たない子を拾ったり、買ったりして、殺人マシンに作り変える。それだけを仕込まれる。過酷な訓練を受けて２０人に１人が生き残る。
　そのあとの最終試験で更に半分になる。その最終試験は、同じ仲間同士での殺し合いのサバイバルだ。
　勝ち残った者のみが採用される。そのエリート中のエリートが、今、心臓移植を受けて目覚めないグラス・ハートだった。まだ１５歳の少女だ。

　冴羽遼のパートナーだった香を亡くし、ドナー希望者だった為、他の臓器は損傷が激しかったが、心臓だけが無事だった。
　ドナー移植コーディネーターと共に運ばれていたが、コーディネーターは殺され、横浜でコーディネーターの血の付いたシャツを持った男が自殺。それで、事件は解決を見たが、肝心の心臓は行方不明だ。

　女…グラスハートは誰かの声を聞く。そして、その女性の夢を見、声を聞くと心が暖かくなる。
　あなたは誰？聞くと、あなたは私。と答える・

　遼は心臓を奪う限り、移植が目的だという。

　グラスハートは夢を見ていた。
　いや、あれは香と言う人の夢。公園を歩く２人。近々。タキシードと花嫁衣装で写真を撮るらしい。恥ずかしがる遼。喜ぶ香。

　香が話しかけるようになり、変な脈が出てくるようになって１週間。李大人はもう始末しろという。

　しかし、始末と聞いたグラスハートはやっと自由になれると聞いて喜ぶが、その中にいる香の心臓が、嫌だという。
　
　あれは雨の日。写真を撮る日だった。急いで帰る香りを１台の車が轢いた。それをタキシード姿で抱きしめ、死ぬなと言った遼。

　もう死にたくない。あなたの傍にいたい。
　その声に動かされ、グラスハートの意識が戻った。


　シティー・ハンターのパラレルワールドとしてスタートした番組。
　漫画とかアニメって小説もそうだけど、年取れないからね～。特にシティー・ハンターは依頼するとき駅の黒板に「ＸＹZ」って書くから、時代性を感じちゃいますものね。

　あちらはあちら。こちらはこちら。それで楽しめれば、視聴者としてはＯＫです。