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■ゆく年くる年'18ー'19展 (12月18日~1月6日、札幌)

2019年01月06日 15時40分21秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 さいとうギャラリーが毎年夏と年末年始に企画している小品展。
 新年には、顔見世興行がよく似合う。文芸誌が短篇競作特集や作品特集号を出すのと似ている。

 一部、金属やオブジェ的作品もあるが、大半は絵画。全員が道内の画家、イラストレーター、美術作家などである。
 昨年とほとんど顔ぶれは変わっていない。

 会期が12月半ばから新年にまたがっているため、Christmas という作品もあれば、干支にちなんでイノシシを描いた絵もある。新年と全く関係ない題材の絵も多い。
 15万円~8千円の間で販売もしている。

 阿部典英さん「イノさんとノシさん」は、薄い板を使ったコラージュふうの楽しいイラスト。

 丸藤真知子さん「<空を飛ぶ>」。オレンジのハートのようなかたちが浮かぶ抽象画。マチエールが独特で、陶板かガラス絵のよう。

 野崎嘉男さんは1970~80年代の道内抽象画を代表する存在だが、もう15年以上、このさいとうギャラリーの企画展以外で新作を見る機会がないと思う。「イメージ・鏡もち」は、鏡もちを真上から見たユニークな図柄で、両端に、さまざまな色からなる帯が2本ずつ上から下まで引かれている。

 林弘堯さんは北見のベテラン(林弘尭と表記することが多い)。「図形譜 '18」は、半透明な膜の向こう側に白い、きしめんのような帯が折りたたまれ、青い絵の具のしぶきが広がる抽象的な作品。さまざまなメディアを、これほど軽々と使ってしまう人はそれほど多くない。

 吉田敏子さん「冬の窓辺」は版画で、正方形の画面。黒い花瓶とゼンマイのような植物を中央に据え、両サイドに葉脈も鮮やかな白い葉を配して、おしゃれで端正な世界を作り出している。 

 追記。
 毎年恒例、泉修次さんのおみくじアート。
 今年は、紙箱のふたを開けて、中から、運勢が書かれた紙片を取り出すという、オーソドックスなスタイル。筆者は「吉」だった。


2018年12月18日(火)~2019年1月6日(日)午前10時半~午後6時半、月曜と12月29日~元日休み
さいとうギャラリー(中央区南1西3 ラ・ガレリア5階)



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企画展「ゆく年くる年 '17-'18」
15→16展
14→15展
13→14展

08→09展
企画展「07→08」
06→07展
05→06展

03→04展
02→03展
2001→02展
00-01展


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