北海道美術ネット別館

美術、書道、写真の展覧会情報や紹介。2013年7月末、北見から札幌に帰還。コメント、トラバはお気軽に。略称「ほびねべ」

■L’exposition Ayumi Shibata et Miki MIALY 「Le jardin des etoiles 〜星たちの庭〜」 (2017年11月3~26日、札幌)

2017年11月26日 11時42分00秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 2017年11月23日に巡った展覧会について、見た順番と紹介する順番がごっちゃになっていますが、ご諒承ください。  
 この展示について、市内ギャラリーに案内状が配られた形跡がなく、知らない人も多いと思いますが、すなおに感服しました。

 シンビオーシスのサイトによると

Papier découpé(切り絵)で世界中を旅し、展覧会を行う 在ParisのAyumi Shibata。
そしてParisで30年、絶妙なカッティングと美しいバランスの作品を生み出し続けているファッションデザイナーMiki MIALY。

Parisを拠点とし、活躍する二人の女性が繰り広げる切り絵の森とModeのコラボレーション。


ということで、どうやら北海道の関係者ではないようですが、切り絵とファッションの2人展はめずらしい。
 切り絵も、ガラスのポットに入れるという展示手法がおもしろいです。

 会場には、白い森のように、紙がたくさんつり下げられています。

 目を凝らして見ると、その白い紙にも、家などの切り絵が施されています。芸が細かい!

 インスタレーションのワクワクする感じを、これほど見事に表現した展覧会もめったにないと思います。きょう、アートフェアなどで札幌の中心部に行く方は、こちらに足を伸ばしてみてくださいね。


2017年11月3日(金)~26日(日)正午~午後7時半、会期中無休
スペースSYMBIOSIS (中央区南2西4)


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追記有り■アートフェア札幌2017 (11月25、26日)

2017年11月25日 10時35分00秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
(※追記あります。下の方に付け加えました。画像も追加しました)


 すみません~。

 予告をアップするのを忘れていました。

 実行委員会の方からいただいたメールをコピペします。
 まずは、今回のポイントから。


◎人気漫画家の安野モヨコ&喜多川歌麿や、直木賞作家の西加奈子による作品も初出品

◎上海のギャラリー「office339」の出品アーティスト、劉毅(リュウ・イ)が来日

◎香港や台北にもギャラリーを展開する軽井沢の「ホワイトストーンギャラリー」が札幌初出展

◎北海道北見市で障害を持つ方の創作サポートを行う「スタジオ・ブレーメン」がフェア初出展

◎7歳の少年が「多様性」をテーマに母子でアートパフォーマンス(公開制作)

◎子育て中の方がアート鑑賞する間、お子様もアートで遊べる無料託児サービス「アート保育園」を特設


出展ギャラリー

ホワイトストーン・ギャラリー(東京・軽井沢・台北・香港)
オフィス339(上海)
AI KOWADA GALLERY in collaboration with SORaC gallery(東京)
アインシュタイン・スタジオ(東京)
hpgrpギャラリー(東京・ニューヨーク)
エイトエイコ(東京)
ギャラリーかわまつ(東京)
エミグレ・コレクション(東京)
LADギャラリー(名古屋)
同時代ギャラリー(京都)
DMO ARTS(大阪)
ギャラリー水無月(岐阜)
Gallery MORYTA(福岡)
ギャラリー三日月(函館)
studio BREMEN(北見)
ギャラリー門馬(札幌)
ハナアグラ(札幌)
クラークギャラリー+SHIFT(札幌)



2017年11月25日(土)、26日(日)午前11時~午後8時(26日は~午後7時)
クロスホテル札幌(札幌市中央区北2西2)
入場料:1000円(情報アプリ「Domingo」をインストールすると入場無料)

http://www.artsapporo.jp/2017/fair/


【告知】ART FAIR SAPPORO 2016
art fair sapporo 2015 に行ってきました
【告知】Art Fair Sapporo (2015年11月22、23日、札幌)
札幌アートフェア2013に行ってきました。





(以下追記)
 アートフェアは今年で5回目。
 まだ小さい道内のアートマーケットの拡充に奔走する Shift magazine の大口さんらには、頭が下がります。

 25日の仕事前に行ってきました。
 ことしは、一部の部屋のみです。全室回るには時間がなかったのと、最初に入った部屋で、ずっと欲しかったのにいつも完売だった或る作家さんの作品がめずらしく数点残っていたのを見つけて即購入し、それで
「もう今年のアートフェアは自分的には満足」
してしまったためです。情報を伝達する側としては失格ですね…。

 冒頭の画像は、札幌の「ハナアグラ」のブース。
 ずいぶんたくさんの作品が詰め込まれています。
 他のギャラリーは、ここまでびっしりではなかったようです。
 いずれにしても、ホワイトキューブのギャラリー空間と異なり、ベッドルームや浴室などが会場なので、実際に自宅で飾ったらどんな感じになるのかを想像しやすいといえるでしょう。
 高橋さんのオオカミの絵、新作がありました。

 向かいは、ギャラリー門馬の部屋。
 川上りえさんの立体小品がすてき。久野志乃さんの、楕円形の絵が3点架かっていました。

 道内では、札幌以外から、昨年も出ていた函館のギャラリー三日月に加え、北見のスタジオ・ブレーメンが初参加。北見からアール・ブリュットの団体が登場するとは、ちょっと意外でしたが、立体も含めてさまざまなタイプの作品が出ていました。

 道外勢では、東京のeitoeiko(エイトエイコ)の部屋で、いま話題の岡本光博さんの「ドザえもん」が、ベッドの上にうつぶせになっていました。感想は「うわあ」です。
 岡本さんは、これもまたいま話題の、落米Tシャツがありました。
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■Furukawa Yuko 作品展「闇に光る」 (2017年11月8~13日、札幌)訂正あり

2017年11月18日 16時01分35秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 札幌の Furukawa Yuko さん、半年ぶり34度目の個展。
(※11月20日、回数を修正しました)

 そのほか、空知管内由仁町で週末限定の2人展も開いていたようですが、さすがに遠くて伺えていません。

 会期中にアップできなくて申し訳ありません。


 画像は「闇に光る」。
 案内はがきの作品です。

 ご自身は「手芸作家」を名乗っており、もちろんその範疇のなかで
「かわいい~」
というふうにアクセサリー類を見ることもなんらかまわないことではあると思うのですが、そういう枠からどうしてもはみ出してしまう一種の精神性を作品から感じ取ってしまうということについては、前回の個展の際にあれこれ記したところです。

 彼女のアクセサリーのモティーフになっているのは、昆虫や植物、キノコなど、身の回りの自然です。
 ただ、チョウなどのかわいらしい姿態を、かたちにするというよりも、生まれては死んでいく、そして食べたり食べられたりする、ありのままの自然の営みを、とらえようとしているのだと思います。


 画像は、飛んでいくタンポポの綿毛を思わせるような作品。天井から吊り下げられていました。

 実物に似せることに精力を傾けているのでもなければ、ことさらに残酷さを強調しているわけでもありません。

 自然を見つめるまなざしの深さみたいなものを感じるのです。
 どうもうまく言えませんが。


 今回の個展で、半年前の前回ともっとも異なるのは、昨年買ったばかりの一眼レフカメラによる写真作品が何枚か展示されていたこと。
 聞くと、プリントでは定評のある廣島経明さんにお願いしたとのこと。
 青虫やキノコカメムシや白い花などが、暗闇の中からぼうっと浮かび上がっています。うまい人はどんな表現手段を使ってもうまいんだな~と思わせられます。
「さすが、日の丸構図を避けてますよね」
と水を向けると
「そんなこともないですよ。それに、廣島さんからは『日の丸構図がどうこう言う人もいるかもしれないけど、そんなのはほっとけ』と言われました」。
(※11月20日にこの段落を一部修正しています)

 かくいう筆者の写真はあまりうまくないですね。
 前回のほうが、まだ会場の雰囲気をとらえていたような…。
 フルカワさん、ごめんなさい。


 黒い標本箱に並べられたような、アクセサリーの数々。コサージュだったりピアスだったり、こういうのを日常的に選んだり身に着けたりする習慣を持ち合わせていないので、あまり適切になにかをいえそうにありませんが、金工や宝石主体のものに比べると大きいかも―ということはいえそうです。
 どれも数センチあります。
 白いキノコやキノコ、タツノオトシゴなど、ユニークです。


 アップライトピアノの上には、小さな透明のびんに入った、色とりどりのクモがならんでいます。

 クモなんて、バタイユ(フランスの思想家)によって「とるに足らぬもの」の代表格みたいな扱われ方をしていて(もちろん、バタイユは、そういう蜘蛛や足指や唾液のような、取るに足らぬものこそが大事だと力説してるんですが)、女性からは忌み嫌われることも多いだけに、ふつうこういうモティーフは手芸にしないよな~、すごいなあと思うのです。


 最後に画像を掲げる、キノコとチョウからなる作品は「わたしはあなた」と題されています。
 「わたしは他者だ」と言ったのは、伝説の詩人ランボーでした。

 というわけで、結論めいたことは書けないのですが、ひとつ確かなことは、この作家の作品は、けっして「かわいい」「本物みたい」といった評価のほうに収斂されていくことはなく、さまざまな解釈のほうに「開かれて」いる―ということではないでしょうか。
 世の中にはいろんなアートがありますが、ひとつの解にしか導かれず、しかもその解を知ってしまったらもう見る気が起きない―というのは、だいたいつまんない作品なんですよ。そう思います。



2017年11月8日(水)~13日(月)午後1時~10時半(最終日~9時)
ギャラリー犬養(札幌市豊平区豊平3の1)

Furukawa Yuko 手芸作品展 したたかな小鳥(2017年4~5月)
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■「北海道文学館」創立50周年記念特別展 アントン・チェーホフの遺産 (2017年9月9日~11月19日、札幌)

2017年11月17日 22時10分26秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 ポスターを見ると、ロシアの小説家・戯曲家アントン・チェーホフ(1860~1904年)の肖像が大きくあしらわれているので、彼に焦点を当てた展示なのかと思いました。たしかに、彼の長編ルポルタージュ『サハリン島』をめぐる展示が大きな核となっていますが、会場は大きく四つのパートに分かれています。

1. チェーホフの『サハリン島』
2. 大地に生きる人々 -ニブフとウイルタを中心に―
3. 文学を呼び覚ます場所トポス
4. 息づく美術家たち

という構成です。
 北海道のすぐ北側にあるわりには知られていないこの島について、さまざまな知識を得られる展示なので、皆さんに見てもらいたい特別展です。
 ただし、このブログの読者としては「息づく美術家たち」が気になるところでしょうが、ここは油絵が1点あるだけで、あとは風景画などを撮った写真が約40点すき間無く並んでおり、はっきり言って、こんな展示をするぐらいなら、このセクションは無い方がいっそマシだと思います。本物が版画なども入れて5点あればそれでコーナーになるのだし、もし作品画像中心で行かざるを得ないというのであれば、美術展の会場風景なども入れて、サハリンのアートシーンが全体としてわかるつくりにしてほしかった。
 サハリンには美術館はないのか? キュレーターはいないのか? そんなところが気になります。

 とはいえ、1.のセクションで、1920年代と現代のサハリン各地を写真で見比べてみるだけでも、興味深いですし、また3.では、三島由紀夫の祖父がサハリン開発と密接なかかわりを持っていたことなど意外な挿話も紹介されています。
 3. ではほかに、宮沢賢治や北方謙三、李恢成、知里真志保、北原白秋、寒川光太郎ら、さまざまな文学者とサハリンとのかかわりが紹介されているのですが、いまの文学愛好者にいちばんなじみが深いのは村上春樹『IQ84』かもしれないですね。筆者は、村上春樹は『ねじまき鳥クロニクル』まではほとんど読んでいますが、最近は遠ざかっているので、あまりえらそうなことはいえません。


 なお、筆者はこの展示のために事前に『サハリン島』を読みましたが、かならずしもその必要はないでしょう。
 チェーホフの「かもめ」など四大戯曲は有名ですし、「中二階のある家」「犬を連れた奥さん」といった後期の短篇小説はぜひ皆さんに読んでいただきたい珠玉の作品ですが、それらにくらべると『サハリン島』は、大部のルポルタージュで、けっして取っつきやすい本ではありません。

 ただ、流刑囚や徒刑囚がいて、さいはての島だった19世紀末のサハリンを知る貴重な資料であることは間違いなく、相次ぐ脱走、悲惨な病院施設、厳しい自然環境や炭鉱労働、抑圧される先住民族(ただしオロッコ=書物ではギリヤーク=やアイヌ民族は記述があるが、ウイルタはほとんど触れられていません)について、チェーホフは落ち着いた筆致の中で記録しています。おそらくは、非人道的な状況への、静かな怒りを込めて。


 『サハリン島』のなかに、作家が旅の途中で会った青年に、来年は日本に行くつもりだと話しかけるくだりがあります。実現はしませんでしたが、実際に来ていればおもしろかったのになあと思います。
 ところで、今回の展示で、チェーホフはサハリンからの帰路は航路だったと知りました。
 そりゃ、シベリア鉄道の開通前なんだから、当たり前です。チェーホフは、行きは雪解け水による洪水で行く手を阻まれるなど、たいへんな苦労をして馬車でシベリアを横断しています。
 どうして、わざわざ陸路で行ったんだろう? と思いました。


2017年9月9日(土)~11月19日(日)午前9時半~午後5時(入館は4時半まで)、月曜休み(ただし祝日は開館し翌火曜休み)。11月6日(月)は開館し8日(水)休み
道立文学館(札幌市中央区中島公園)
一般700円など




・地下鉄南北線「中島公園駅」3番出口から約410メートル、徒歩6分
・地下鉄南北線「幌平橋駅」から約480メートル、徒歩7分

・市電「中島公園通」から約550メートル、徒歩7分

・中央バス「中島公園入口」から約200メートル、徒歩3分
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■北海道美術50 (2017年8月26日~11月7日、札幌)

2017年11月15日 08時08分08秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 道立近代美術館の開館40周年にふさわしい展覧会。
 同館所蔵品から、北海道の美術のベスト50を、学芸員15人が選び、手分けして解説を付して展示しました。

 会場の各作品の前にあった解説文は非常に詳しく読みごたえのあるものですが、立ったまま読むのはいささか難儀でした。会場で監視員に尋ね、この解説が、中西出版から最近出た書籍「北海道美術50」の版下をそのまま流用したものと判明。
 解説は、本を買って、家に帰ってからゆっくり読むことにしました。

 この本自体はなかなかおもしろく、道内の美術に関心のある人におすすめできる一冊です。
 オールカラーで本体1200円と、お値段も手ごろです。

 反対側から言えば、展覧会自体は、見逃してもそれほど後悔する必要はないかもしれません。
 名品が多いので、これからも作品は目にするチャンスが必ずあると思われるからです。


 これまで道内の美術史はもっぱら「グループ展」「団体公募展」など、人の集合を軸に語られることが少なくなかったのですが、この本は個々の作家の営為に焦点を当てているのが特徴だと思います。
 そして、まえがきで、同館の佐藤幸宏学芸副館長が語っていますが
「作品のここをぜひ見てほしい、この鑑賞ポイントをどうしても楽しんでほしいという、学芸員の気持ちがこれまでの名品図録よりも強く出た画集といえるかもしれません」。


 それでは、50人の顔ぶれを見てみます。
 下のほうに表形式で載せました(このブログの仕様なのかバグなのか、やたらと空白ができてしまう…)。




































日本画 油彩、水彩(洋画) 版画 彫刻 工芸 現代アート・写真・デザイン
戦前の作品 谷文晁/蠣崎波響/筆谷等観/北上聖牛 林竹治郎/俣野第四郎/三岸好太郎/能勢眞美/小川原脩   中原悌二郎    
戦後の作品 本間莞彩/山口蓬春/片岡球子/岩橋英遠/菊川多賀 木田金次郎/難波田龍起/赤穴宏/三岸節子/神田日勝/田辺三重松/岩船修三/深井克美/国松登/小谷博貞/宮川美樹/米谷雄平 一原有徳/尾崎志郎/北岡文雄/佐藤克教 米坂ヒデノリ/本田明二/砂澤ビッキ 小森忍 栗谷川健一
現役作家  羽生輝 伊藤光悦/絹谷幸二/井上まさじ 渡会純价/中谷有逸 安田侃/阿部典英 折原久左エ門/大野耕太郎/嶋崎誠 岡部昌生/露口啓二/鈴木涼子


 当然、人それぞれ、いろいろな見方があることでしょう。
「どうしてあの画家が入っているんだ」
とか
「こんな作家が入っているのは意外」
とか。
 先ほど、佐藤幸宏さんのことばを引いたとおり、この人選には多くの「主観」が入っています。そして、それは悪いことではありません。アートの評価に完全な「客観」などあるはずがないからです。
 とはいえ、学芸員が思いっきり自分の好みを押し出しているのではなく
「それほど好きな作家ではないけれどこの人はどうしても外せない」
など一般的な評価も加えながらの人選になっていることは、いうまでもありません。

 ですから、この50人を金科玉条とするのではなくて、みんながそれぞれの「50人」「50点」を選んでいけばいいのではないでしょうか。

 もうちょっとマニアックな指摘をすれば、道内にはもっとたくさんの美術館学芸員がおり、ここに参加しているのは、たまたま本の刊行当時、札幌の道立館に勤務している学芸員です。なので、転勤のサイクルによっては、この50人の顔ぶれがかなり異なってくることは、容易に想像できます。たとえば今回の執筆陣には、函館勤務の長い学芸員がいるため、函館拠点の作家がちょっと多いなあという印象を筆者は抱きました。逆に、道北の作家が少ないように感じます。

 念のために、道立近代美術館編で、北海道新聞社から出されていた名シリーズ「ミュージアム新書」にラインナップされていながら、今回の人選から漏れた固有名詞を挙げておきます。

中村善策
松樹路人
居串佳一
田上義也
山下りん
金子鷗亭(鷗は、鴎の正字)

 しかし、筆者がほんとうに言いたいことは、もっとほかにあります。
 長くなってきたので稿を改めます


2017年8月26日(土)~11月7日(火)午前9時半~午後5時(金曜は午後7時半まで)、月曜休み(月曜が祝日の場合は翌火曜休み。11月6日も開館)
道立近代美術館(札幌市中央区北1西17)
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■陶芸家 陳野原久恵と木彫作家 文月みのりの二人展「日々の隣に」(2017年11月7~12日、札幌)

2017年11月12日 14時43分35秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 陶と木の二人展。
 陣野原久恵さんは登別在住の陶芸家です。
 炭化焼成による落ち着いた色合いの茶碗などのイメージがあったので、今回のラインナップにはちょっとびっくり。
 灰色の器もありましたが、ペンギンをはじめとする鳥や、動物などを大胆にあしらったカラフルでかわいい器が多いのです。お客さんからのリクエストで、どんどん鳥が増えていくのだそう。



 いわれてみれば、昨年は丸井今井でひらかれた「さっぽろペンギンコロニー」などにも出品していたのを思い出します。
 ペンギンにも種類があり、アデリーとか、それぞれかきわけているそうです。

 右のほうにちらっと見えているのが「ハシビロコウ」という、鳥クラスタには最近人気の鳥。
 ハイギョを捕まえるために1日でも2日でもじっと動かずに待ち構えているんだそうです。
「去年、上野動物園でアンケートをとったら、パンダをおさえて1位になったんですよ!」


 セキセイインコの皿などもたくさんあります。
 画像に見えるのは、ペンギンとインコの同時出演。

 マットで、派手すぎない色合いがすてきです。
 最初は象嵌かと思ったのですが、釉薬で色を分けているとのこと。
 釉薬を複数使うと、たぶんやり方によっては流れ出すこともあるだろうし、焼成温度が色によって異なるかもしれないし、見た目よりははるかに手間がかかるのではないかと推察します。

 ご本人は「のんびり」と自称していますし、色とりどりのモザイクは以前から取り組んでいた技法ではあるのですが、それでも、表に出ない苦労や試行錯誤があったのではないかと思います。


 文月ふみづきさんはもともと陣野原さんの器を購入していた方で、たまたまばったり再会した際に、鳥の木彫を持っていたことから、今回の2人展につながったそうで、発表ははじめてとのこと。
 最初の画像にもあるように、鳥の木彫と器のコラボ作品もあります。

 先の画像にある木の窓も自作。その横には絵もあります。
 鳥の木彫は、色鮮やかなバードカービングとはちょっと異なる感じがします。

 さらに、フィルムカメラで撮った風景写真も何点か展示されていました。
 水辺の風景など、何気ないですが、さびしさが感じられます。

 11月の初冬という季節に合った作品だなあと思いました。


2017年11月7日(火)~12日(日) 午前10時半~午後5時(最終日~午後4時)
ギャラリー粋ふよう (札幌市東区北25東1)

□陶房呑器ののんびり日記 http://nonki1021.exblog.jp/
□陣野原さんのツイッター @hisaejinnohara

□north epistle ~北の灯りの物語り~ https://ruxuo23.wordpress.com/
□文月さんのツイッター @north_ep





・中央バス「北26条東1丁目」から約170メートル、徒歩3分
(札幌ターミナル、北5西1などから「02屯田線 屯田6の12行き」「22 あいの里篠路線 あいの里4の1行き」「34 35 36 篠路駅前団地線 篠路10の4行き」「39 ひまわり団地線 あいの里4の1行き」に乗車)

・中央バス「北24条西2丁目」から約500メートル、徒歩7分
(札幌ターミナル、北5西1などから「09 新琴似線 中央バス自動車学校行き」「14 花川南団地線 石狩庁舎前行き」「16 花畔団地線 石狩庁舎前行き」に乗車。帰路(上り)は「北26条東1丁目」から乗れます)

・中央バス「北24条東1丁目」から約500メートル、徒歩7分
(東営業所―東豊線「元町駅」―北24条駅を結ぶ「元町線」)

・地下鉄南北線「北24条」駅から約800メートル、徒歩10分
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■KUTANI のおもちゃ箱 山下一三展 (2017年10月26~31日、札幌)

2017年10月31日 12時34分19秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 石川県の九谷焼作家、山下一三さんが、道内では初となる個展を開いており、最終日に見に行きました。

 久谷というと、色鮮やかな磁器のお皿で、よくたんすや卓上に飾ってある―というイメージがありますが、山下さんは「工芸品は使ってもらってなんぼ」という考えから、食器などを多く作っています。
 また、ふだんは壁につるして飾っておいて、裏表を反転させて皿として使える、ユニークな作品もありました。「磁器なので、さっとふけます」

 三つ足の獣は、置物かと思いきや、食卓で砂糖などを入れるのにぴったり。
 「酔っ払い」は、中にお酒を1升以上入れることができ、手前のつまみをひねると、中の液体が出てくる仕組みです。
 愉快なのは、水牛の角の両尖端を切り落としたような形状をした「スマホーン」。スマートフォンの置き台で、音の増幅装置としても使えます。下の方に穴があいていて、充電用コードを通せるようになっているあたり、便利に設計されています。




 道内の陶芸家で、カラフルな絵付けというと、道南の柴山勝さんを思い出しますが、全体的には少数派なので、とても興味深く拝見しました。


2017年10月26日(木)~31日(火)午前11時~午後6時
石の蔵ぎゃらりぃはやし(札幌市北区北8西1)


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■島の結晶学 Shino Hisano × Ai Komori (2017年10月21~29日、札幌)ー10月26日(4)

2017年10月30日 12時00分00秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
承前

 西5丁目通に面したSYMBIOSIS(シンビオーシス)の上のフロアに工房を構える若手ジュエリー作家、小森愛さんと、札幌を拠点に道内外で発表を続けている画家の久野志乃さんの2人展。

 架空の島にたどりついた結晶学者の物語―という設定でつくられた作品世界です。

 個人的には、英国発祥のロックバンド、イエスのアルバム「海洋地形学の物語」とか、宮沢賢治の「グスコーブドリの伝記」などを連想させて、なんだか好きな世界観です。

 ステイトメントには、次のようにあります。

日々の発見と研究。
わたしたちの記憶のひとつひとつは、
もしかすると自然と共存する小さな発見から
できているのかも知れない。


はじめて足を踏み入れる島。
見たことのない植生や美しい石…。
symbiosisの空間で”記憶の断片”を表現できたらと思います。


 冒頭画像は、手前が小森さんのジュエリー。ピアスとしても使えます。
 ちょっと見ると、菌類か植物のような有機的な生命の感覚をたたえています。

 奥の壁は久野さんの絵が2点。
 左側は「夜を照らす会話」。
 流氷が残る海岸にたたずむ後ろ姿の女性、空には極光―。というのは、筆者がかってに抱いたイメージに過ぎませんし、女性は半袖姿で、冬の格好ではないのですが、どこか「北方的」なものを感じさせます。

 右側の楕円形の作品は「双子の水平線」。

 反対側の壁には、久野さんが野の草花を楕円形のカンバスに描いた絵と、小森さんのオブジェがセットになって、6組ならんでいます。
 「森の結晶学」no.1~4、「深海の結晶学」「海辺の結晶学」と題されています。
 こちらのオブジェは、まさに結晶のように直線を組み立てたシャープな作風です。

 今夏にギャラリー門馬で開かれた3人展、春に東京・銀座のカメリアギャラリーでの個展など、筆者は近年も何度か作品を見ていますが、久野さんご本人にお会いしたのは久しぶりです。
(2015年にやはりギャラリー門馬で開いた個展「発光する島」以来だと思いますが、このときは、個展の発想の源になった『シベリアに憑かれた人々』=岩波新書=を読んでからブログを書こうと思い、けっきょくそのままになってしまいました。すみません)

 久野さんは11月末に行われる札幌アートフェアに出品する予定です。


2017年10月21日(土)~29日(日)正午~午後7時30分(最終日~午後5時)
space SYMBIOSIS(札幌市中央区南2西4)

http://shinohisano.com
http://dn-o.jp/




第8回札幌国際短編映画祭のポスターを入手! (2013)
【告知】久野志乃展 第22回道銀芸術文化奨励賞受賞記念 (2013)

久野志乃さんに道銀芸術文化奨励賞
久野志乃個展 飛ぶ島のはなし
【告知】久野志乃個展 飛ぶ島のはなし(2012年)

久野志乃と齋藤周展 かるいからだ (2008年)
久野志乃個展「物語の終わりに、」(2008年)
久野志乃個展(2005年)

=以下、画像なし
民宿芸術(2003年)
北海道教育大学大学院美術教育専修修了制作展(2003年)=20日の項
第2回 具象の新世紀展(2002年)=12日の項
ロッパコ報告会(2002年)

久野志乃・遠藤香織展 あいまいなあいま(2001年)
全道展(2001年)
北海道教育大学札幌校美術科卒業生制作展(2001年)

おなか(2001年)=画像あり


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■石神照美展 刻の景 (2017年10月26~29日、札幌)―10月26日(3)

2017年10月29日 02時02分02秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
(承前)

 かなり疲れてきて、中央区民センターのロビーで自動販売機のコーヒーを飲み一服。

 そこから狸小路を西に進み、8丁目の「古道具 十一月」をめざします。
 このあたりは狸小路でも中心から離れた地区で、アーケードもありません。
 8丁目の有名店「FAB Cafe」の左側の、古びた暗い階段を上っていくと「十一月」があります。

 そこで陶のオブジェを中心とした個展を、東京・阿佐ケ谷と札幌・山鼻でギャラリー(CONTEXT-S)を開いている石神照美さんが開いているのです。「十一月」での個展は6年ぶり。

 すこし重い引き戸をひくと、入って右側が個展のスペースになっています。
 1年ぶりに訪れた店内はやや様子が変わり、右奥の、かつてお風呂だったコーナーは、カーテンがひかれてバックヤードになっているようでした。

 石神さんの作品は、ふたのついた黒い箱がメイン。ふたをあけると、中には黒曜石のかけらがおさめられています。
 ほかに階段のついた台や、家を模したオブジェが並んでいます。ムーミン屋敷を思わせる塔屋もあります。
 三角屋根の家は、遠い記憶のなかの家だと思います。
 また、十字架のような形の置物、細長い花瓶も出品されています。

 石神さんによると「どこかにこびとが隠れていますよ」。筆者は見つけることができませんでした。

 会場では、石神さんが6年ほど前に少部数出版した本『君がいた場所』も増刷して、2200円で販売していました。

 石神さんの作品は、ひとことで形容すると「ひそやか」だと思います。
 半ば薄れてしまったような記憶を、よみがえらせてくれるようなアートです。意匠が古いために郷愁を呼びさますというよりも、もっと根源的な精神の奥底に、そっとおもりを垂らすように届いているような感じがするのです。 


2017年10月26日(木)~29日(日)午後1~7時
古道具 十一月(札幌市中央区南2西8)




・市電「西8丁目」から約240メートル、徒歩4分
・市電「資生館小学校前」から約450メートル、徒歩6分
・地下鉄東西線「西11丁目駅」から約640メートル、徒歩9分
・地下鉄南北線「すすきの駅」から約720メートル、徒歩9分


閑 土―紙 石神照美(土)・馬渕寛子(紙) (2015)※画像のみ


(この項続く) 
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■はらださとみ個展 −príer roux 祈りを想う−■杉吉貢展 (2017年10月17~23日、札幌) 10月21日は14カ所(3)

2017年10月23日 07時07分07秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
承前)

 はらださとみさんは札幌の陶芸家です。

 個展の際には、ふつうの食器なども出品しますが、インスタレーションも手掛けるなど、作品の幅は広いです。

 今回の個展のテーマは「祈り」だそうで、会場の中央には、白いレースなどで作った一人用の、立ってすっぽりと入る、祈りのスペースが、天井から吊り下げられていました。
 完成までにはかなりの時間がかかったようです。

 陶器の方も、いつもの明るい色調のものとは別に、鉄分の多めな、渋い色あいの作品が置かれています。
 これは、今回の副題にあるように、自分の中に「ルー」さんという別人格の陶芸家がいて、その人が作ったという設定になっているのだそうです(この辺は上手な説明が難しいので、どなたか指摘してください)。
 ふだん使いの茶碗やフリーカップが中心ですが、リンゴを載せたコンポートや、左右に耳の付いた小箱、ふたのある小さな箱なども。

 黒い壁の部屋には、自分の胸に陶板を押し当てて、焼いた作品が2点(案内状にも使われていたものです)。
 ここにも、自分で編んだレースが登場し、黒い色で、白い陶板と好対照を見せています。
 これは推測ですが、はらださんは、自分とは何か、人間とは何かという問いかけが、制作のベースにあるのではないかと思いました。

 窓辺には、青や黄など色とりどりに着彩された小さな透明な瓶と、陶製の小さな十字架が白黒2個セットで売られています。瓶(ガラスかアクリルか、聞くのを忘れていました)は、骨董市でまとめて購入し、アクリル絵の具で何度も色を着けたとのこと。
 これも「祈り」のためのツールとのこと。
 その人なりの「祈り」を、小瓶に閉じ込めておくのも、いいかもしれません。

 もっとも、個人的には、「祈り」のイメージが「十字架」で表象されてしまうことに、ちょっと驚いてしまいました。
 キリスト教徒でなくても、そういうイメージになるんでしょうか。


 はらださんの個展はもともとギャラリー門馬アネックスで開く予定でした。
 アネックスが寒すぎるため、急きょ本館の2階部分に移動したとのこと。
 いま紹介した小瓶の作品は、アネックスの窓辺に並べることを想定していたそうです。
 しかし、黒い壁の部屋も使えたし、結果的には良かったと思います。



 一方、1階部分では滝川拠点の墨絵師、杉吉貢さんの個展が開かれています。

 今回は、太い筆で豪快にかいた作品がなく、精緻に描写された絵ばかり。
 いちばん大きい、滝とも竜ともとれる白い帯と山の木々を描いた作品は制作途中で、作者が会場で日々書き継いでいます。

 題は添えられていませんでしたが、横長の風景を描いた絵が福島県南相馬を描いた作品と聞くと、粛然とえりを正す思いにとらわれます。

 なお杉吉さんは、11月7日、JR琴似駅近くの「コンカリーニョ」で「岩下徹×杉吉貢 即興コラボレーション「自由交感」」を行います。


2017年10月17日(水)~23日(月)午前11時~午後7時(最終日~午後5時)
ギャラリー門馬(札幌市中央区旭ケ丘1)


はらださとみ展 spring to mind キオクサレテイル (2016)






・地下鉄東西線「円山公園駅」バスターミナルから、ジェイアール北海道バス「循環10 ロープウェイ線」に乗り「旭丘高校前」降車、約130メートル、徒歩2分
・「円山公園駅」バスターミナルから、ジェイアール北海道バス「円13 旭山公園線」に乗り「界川(さかいがわ)」降車、約500メートル、徒歩7分
・「円山公園駅」バスターミナルから、ジェイアール北海道バス「桑11 桑園円山線」「円11 西25丁目線」「循環11 ロープウェイ線」に乗り、「啓明ターミナル」降車、約800メートル、徒歩10分

・地下鉄南北線「中島公園」「幌平橋」から、ジェイアール北海道バス「循環13 山鼻環状線」に乗り「旭丘高校前」もしくは「南11西22」降車

※駐車場もあります。
※帰路は、旭丘高校前で良いバスの便がない場合、階段を下りて「南11西22」までいくと、休日の日中で1時間に5、6本のバスがきます(ただし、行き先は、円山公園駅、都心、桑園駅などバラバラ)


(この項続く) 
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■SPACE & WAVE4人展 時の記憶 (2017年8月22日~10月21日、札幌)

2017年10月21日 02時02分22秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 絵画の伊藤光悦(二紀会委員、道展会員)、彫刻の伊藤幸子(道展会員)、版画の内藤克人(国展会員、道展会員、版画展準会員)、絵画の濱中正博(モダンアート協会会員)の4氏によるグループ展。
 伊藤幸子さんと濱中さんは札幌在住、のこる2人は北広島在住です。

 建設会社のロビーを企画ギャラリーとしての展覧会第3弾です。第1弾が立体造形などの3人展、第2弾が人形の個展で、道内の作家ということ以外にはこれといった方向性は定まっていないように見受けられます。

 今回の4人展は、筆者の記憶に誤りがなければ、大半が既発表作のようです。

 伊藤光悦さん「蝦夷・神威」「神威岬遠望」
 いずれも空中写真のようなアングルの写実的な風景画。リアルな中にも幻想性や批評性をにじませるのがこの画家の持ち味ですが、今回の2作に限って言えば、ごくふつうの風景画に見えます。

 伊藤幸子さん「波の子」「対岸むこうまで I」「対岸むこうまで II」
 着彩した石膏で、女性と子ども各1人をセットにした人物像。海水浴をしている親子のように見えます。伊藤さんがこの作風に転じたのも、もう10年以上前になります。
 どちらか一方の人物の胴体が地面などですぱっと断ち切られているのが特徴で、そのため、これらの人物は、台座を有して周囲から孤立する従来の彫刻ではなく、周辺の環境に溶け込もうとしているように感じられます。

 内藤克人さん「街 路 舞」全6枚。
 先だって、ギャラリーレタラで発表したシリーズ。YOSAKOIソーランをテーマにした大作ですが、会場の都合上、6枚をばらして展示しているため、大作の効果が薄れています。

 濱中正博さん「事績の景」「事績の象 III」
 青系を主軸に、シャープな面と面を組み合わせた抽象画です。

 チラシには「K.N記」という署名で文章が添えられていますが、筆者のぼんやりした頭脳では、何が言いたいのかよくわかりませんでした。

 一見違った作風に見えるが共通項も見えてくる。そして作者が作品のイメージを作り上げる時、必要なのは記録ではなく記憶、その記憶を積み重ね、より分けていくことで感覚が深まり、さらに他と混じり合いながら大きな記憶の森に辿り着く。そこは多くのDNAが詰まった創造の森かも知れぬ。アートの価値は果てしなく大きい。



2017年8月22日(火)~10月21日(土)午前9時~午後5時、日曜休み
まるひこアートスペース和(札幌市豊平区豊平6の6 丸彦渡辺建設本社)




・地下鉄東豊線「学園前」駅2版出口をおりてすぐ
・中央バス「豊平3条8丁目」から約640メートル、徒歩8分

・地下鉄東西線「菊水」駅6番出口から約1.2キロ、徒歩16分
・地下鉄南北線「中島公園」駅から約1.4キロ、徒歩18分


関連記事へのリンク
伊藤光悦展 (2014)
第15回北海道二紀展 (2009)
伊藤光悦展 (2008)
伊藤光悦展(2006年)
伊藤光悦個展 (2002)


ハルカヤマ藝術要塞2017 FINAL CUT
帯広コンテンポラリーアート2016
首展(2015)
伊藤幸子彫刻展 (2010年)
New Point vol.7 (2010)
風の中の彫刻展 (2008)
風の中の展覧会 IV (2007)
New Point Vol.4 (2007、画像なし)
造形展・風の中の展覧会 (2006)
伊藤幸子彫刻展 (2004)
伊藤幸子・新保恭子2人展 (2003)


国画会版画部北海道支部展(2008)
企画展「07-08展」 (画像なし)
03 国画会版画部札幌展 (画像なし)
'03国画会版画部札幌展記念版画集展(画像なし)
内藤克人個展(2002、画像なし)
 =内藤さん出品


モダンアート協会北海道支部展 (2013)=濱中さん出品
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札幌国際芸術祭最後の夜、「地下之会」に行ってきた

2017年10月03日 22時08分12秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
承前

 10月1日。
 仕事の後で、ギャラリー犬養(豊平区豊平3の1)に直行しました。
 ギャラリー犬養は最大六つの展示室を有しますが、先週はいずれの部屋でも、出品者の強い思い入れがこもった展示が行われていました。

 このうち「第五次 地下之会」展は、正面から見て右側の和室で開かれ、同ギャラリーの通常のサイクルよりも1日早く、10月1日夜が搬出でした。



 和室には祭壇のようなものが据え付けられ、その上には立体が置かれています。
 どこか「新世紀エヴァンゲリオン」で新第三東京市の地下深く眠る謎の物体を連想させます。
 その周囲には、おどろおどろしかったり、奇抜だったりする絵画が並んでいます。

 これでも、一部はすでに搬出済みとのことでした。


 筆者は、和室の前で、出品者のひとりに話しかけられました。
「ヤナイさんですか? ああ、もう搬出しちゃったんですよ。見ていただきたかったなあ」
と言われました。

 最近、こういう例がちょくちょくあるんですよね。
 不思議。どうしてヤナイだということがわかったんだろう?

 出品者と次々と名刺交換し、あいさつするはめになりました。
 ほかの方からも「見てもらいたかった」という言葉が出てきます。

 正直なところ、閉会まぎわにかけ込んだ会場で、このような歓迎を受けるとは予想しておらず、胸が熱くなりました。

 札幌国際芸術祭は華やかに幕を閉じましたが、それとは直接関係のない場所で、営々と、自分たちの好きな表現を貫いている若者たちもいる。
 そういう当たり前のことを、あらためて認識したように思いました。。
 自分は、いままでもけっして、そういう動きをないがしろにしてきたつもりはないのですが、これからも引き続き、北海道に展開されているさまざまなアートの現在を見続けていきたいです。



札幌ニューアングラ 地下之会 http://underground-mass.tumblr.com/
フェイスブックページ
ツイッター @UndergroundMass

 
関連記事へのリンク
第三次 地下之会展 たぴお礼讃 (2016)
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加藤広貴 ■クロスオーバー (2017年6月17日~7月17日、苫小牧) 

2017年07月25日 07時39分00秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
承前

 筆者にとってほとんど未知の画家であった加藤広貴さんの作品を知ることができたのも、この「クロスオーバー」展の大きな収穫でした。
 苫小牧市美術博物館のサイトによると、加藤さんは1972年苫小牧生まれ、苫小牧在住の由。
 団体公募展は、晩年の北浦晃さんが会員だった、歴史の新しい団体である新作家展に出品しているようです。
 筆者は、2002年か03年のサッポロ未来展(札幌時計台ギャラリー)で加藤さんの絵を見ているはずですが、残念ながらまったく記憶がありません。

 加藤さんの絵の多くは、幻想的な都市風景を題材にしています。
 とはいえ、筆致は写実的で、組み合わせが風変わりという、よくあるタイプ(遠藤彰子や矢元政行など)とは少し異なります。
 建物の描き方が、リアリズムとキュビスムの中間といえば、良いのでしょうか。
 
 ブラックの「レスタックの家」を見ると、茶色の面の集積は、家と言われればそう見えるといった程度のものです。加藤さんの絵にもたくさんの茶色の平面が描かれていますが、ブラックほどではないにせよ、家として精緻に描写されているのではありません。ただ、茶色の矩形や三角の組み合わせは、それだけで家の密集に見えてしまうもののようです。

 例えば、今回出品されている「バベリング」は、おそらくバベルの塔にインスパイアされたもので、タワーマンションをさらに高くしたような細長いビルが中央に描かれているのですが、その周囲を、画面の四辺のうち三辺を取り囲むように、茶色の家々が埋めつくしているのです。
 もちろん、現実にはそのように家々が垂直にたつことはあり得ないのですが、絵画としては成り立っています。

 また「アパート」も、メインのモティーフである6階建ての古いアパートはすぐにそれとわかりますが、その周囲に配された、信号機やテーブル(?)、尖塔のある建物などは、なんともあいまいに描かれています。これは、日本的フォーブにおける省筆とも異なり、言葉ではなかなかうまく説明することができません。
 ただ、独特のあいまいさによって、見る人が自由に想像できる余地が広がっていることは、まちがいのないことだと言えるでしょう。

 出品作のうち「静かなスタート地点」は、やはり架空の街並みを、俯瞰の視点から描いていますが、個々のモティーフは比較的はっきりと、形状が把握できるように描いた、この画家には珍しい作品です。
 手前に描かれたヘアピンカーブが印象的です。ただ、屋外には人も車も見当たりません。屋内には人の気配があるのが、窓を通して感じられますが…。カーブの路面は黒く、歩道の部分が白く塗り分けられているのは、現実の北海道でもしばしば見られる光景ですが、では、カーブの両サイドに並べられた色とりどりのタイヤ状の物は何かなど、不思議な部分も多いです。
 ただし、とりたてて奇抜な建物が描かれているわけでもないのに、赤や青の屋根を持つ家や小屋が、なんともいえないノスタルジックな感情を見る人にかきたてるのは、たいした力量だと思います。

 とにかく、文章では言いたいことが尽くせない魅力のある絵画ですので、また機会があれば見たいと思わせる作品でした。


2017年6月17日(土)~7月17日(月)午前9時半~午後5時(入場~4時半)、月曜休み(最終日は開館)
苫小牧市美術博物館(末広町3)

■「静かなスタート地点」が載っている、新作家協会のページ http://www.shinsakka.jp/23_exh_katou.html
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佐竹真紀■クロスオーバー (2017年6月17日~7月17日、苫小牧) ※訂正あり

2017年07月23日 20時03分00秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
(承前)

 佐竹真紀さんは、十勝・豊頃(いつも浦幌とごっちゃになる筆者…)の出身で、道教大を卒業してから札幌を拠点に、実験映画を作り続けています。
(※出身地を訂正しました。すみませんです)

 下に記したご本人のサイトを見るとわかるように、地元や国内よりも海外での発表が多く、しかも実に多くの国で上映されています。

 実験映画といっても、難解なものではありません。実際の風景を前に、手にした写真を、コマ撮りアニメーションふうに撮って、複数のイメージを展開しています。過去の記憶と現在とを交錯させて、なつかしさを見る人に感じさせる作風ともいえます。

 筆者は個人的に、一昨年に道立近代美術館が企画して開いた「もうひとつの眺め(サイト) 北海道発:8人の写真と映像」で上映された「WALK」の印象が強く、展示室で涙をぼろぼろこぼした記憶も新しいです。
 「WALK」は、下のリンク先でも見ることができますが、やっぱり大きなスクリーンで見た方がいいなあ。

https://lightcone.org/en/film-10177-walk


 さて、今回の出品作品は「Pivot」。
 英語で「旋回する」といった意味のようです。札幌の中心部にあるファッションビルとは関係なく、苫小牧駅のすぐ近くにそびえ立つ王子製紙の工場の巨大な煙突を、周囲をぐるりとまわって撮った画像をつなげて映像にした作品です。

 時折、古い苫小牧の絵はがきなどが挿入されるあたりは、佐竹さんの作品らしいです。

 この件について、筆者が語る資格を持ちあわせているかどうかはわかりませんが、苫小牧という土地は、札幌の人が思っている以上に、王子製紙の企業城下町の色彩を濃く持っています。
 駅前の一等地に工場を構えているだけでなく、ホテルもスポーツ施設も王子の名を冠しています。室蘭にも釧路にも大きな企業はありますが、苫小牧のように単一の会社が大きな存在感を持っている街は、道内では石炭産業の衰頽以降は苫小牧以外にないと思います。
 これはほんとかどうかは知りませんが、小学校の校歌で王子の煙突をたたえた歌詞のものがあったと聞きました。

 佐竹さんは別に、王子の巨大煙突を、肯定も否定もせず、フラットな視線でとらえていると思いますが、そのような背景を考えると、これはただの煙突ではないことがわかるのではないでしょうか。


 なお、隣室では、苫小牧在住で、今回の「クロスオーバー」展の出品作家でもある音響作家の中坪淳彦なかつぼあつひこさんの映像作品が上映されていました。
 昭和40年代とおぼしき、苫小牧の町並みを撮った不鮮明な映像に、中坪さんが自作の音楽をつけた作品です。トリスタン・ツァラ(ダダイズムの創始者)の音声などが引用されているとのことでした。


2017年6月17日(土)~7月17日(月)午前9時半~午後5時(入場~4時半)、月曜休み(最終日は開館)
苫小牧市美術博物館(末広町3)

http://www.makisatake.com/

愛する美術 ヒューマンラブ(3) 佐竹真紀「インターバル」(2008)

札幌の佐竹真紀さんが「デジスタ・アウォード」のグランプリに!(2006)

DESIGN LABORATORY EXHIBITION 2004
北海道教育大学大学院 院生展 (2003)
カルチャーナイトフィーバー (2003) ※7月25日の項
北海道教育大学札幌校芸術文化課程美術コース卒業制作展 (2003)

北海道教育大学札幌校 視覚・映像デザイン研究室展 (2001)
七月展 2001 北海道教育大学札幌校美術科作品展


(この項続く) 
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■千代明 クロスオーバー(2017年6月17日~7月17日、苫小牧)

2017年07月20日 19時41分00秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 苫小牧市美術博物館が開いた「クロスオーバー」展。いろいろあって、最終日の来訪になってしまいましたが、おもしろい展覧会でした。

 なかでも、あらためて目をみはったのが、千代明せんだいあきらさん(日高管内日高町富川在住)の新作です。
(館内は撮影禁止のため、冒頭の画像は、昨年札幌の茶廊法邑で開いた3人展の会場風景)

 いまさら筆者ごときが言うまでもないことですが、20世紀以降の絵画は、従来の透視図法による奥行きの表現を否定することで発展してきたところがあるといえます。そこからどういう画面を創りだそうとしたかといえば、そもそも奥行き感を否定して平面性を強調するか、あるいは、絵画でしかなし得ない空間の獲得を目指したのだと思います。
 さまざまな試みが繰り広げられる中で、千代さんは簡単な手法で、新しいイリュージョンの空間を現出させることに成功したといえます。絵の前に立つと、あら不思議、平面のはずなのに、ある線は表面にあるように見え、また別の線は何十センチも奥に走っているように見えるのです。

 このトリッキーな見え方が、これらの絵の魅力の、ほとんどすべてといっていいくらいですが、それで十分でしょう。
 この不思議で魅惑的な絵は、アルミ板の表面をグラインダーで削るという、単純明快な技法で制作されています。
 昨年の3人展では、冒頭画像のように、さまざまな色を配していましたが、今回の大作は、彩色していないアルミ板に傷をつけただけのシンプルなもの。ですが、奥行きのイリュージョンが、いっそう強く感じられます。

 千代さんは、平面と立体、生と死、宇宙と意識など、多様な問題意識をもって制作に当たってきた作家だと思います。
 今回の作品も、絵の前に立った人に
「空間とは何か」「資格とはどういうものか」
という根源的な問いをあらためて投げかけるものになっていたという実感を持ちました。
 とにかく、旧来の奥行きの感覚を根本から更新する作品であることは間違いありません。機会があれば、多くの人にご覧いただき、絵の前で首をふったりちょっと歩いたりして視線の位置を変えながら、実際は薄い板なのに、厚みと奥行きが感じ取れるユニークさを体感してほしいと希望します。


2017年6月17日(土)~7月17日(月)午前9時半~午後5時(入場~4時半)、月曜休み(最終日は開館)
苫小牧市美術博物館(末広町3)
観覧料 | 一般 300(240)円/高校・大学生 200(140)円/小中学生以下無料 ※ ( )内は10名以上の団体料金


川上りえ 札幌文化奨励賞受賞記念 Plus1 Group Exhibition (2013)

千代明「ランドマーク N43°8'.E141°8'」 ハルカヤマ藝術要塞

千代明■PLUS ONE THIS PLACE (2010)
PLUS 1 +柴橋伴夫企画 空間の触知へ-連鎖の試み 千代明 秋山一郎 齋藤周 (2009年8月)
two members of PLUS 1 千代明・坂東宏哉(2008年8月)
PLUS1 groove(07年8月)
グループ・プラスワン展(06年)
5th グループ・プラスワン(04年)

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