北海道美術ネット別館

美術、書道、写真の展覧会情報や紹介。2013年7月末、北見から札幌に帰還。コメント、トラバはお気軽に。略称「ほびねべ」

■野上裕之展「i」 (3月1日まで)

2009年02月28日 23時50分43秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 「シリウス通信」に書いてあった概要がわかりやすいので、引用します。

 
「動き回ったけれど作品が良くならない、暫く尾道にじっくり腰を据えて製作したい。その節目の個展なので、これまでの札幌の活動をまとめる気持ちで」という。タイトルの「i」には、英語の「私」とローマ字読みの「イ」(意思のイ、異を唱えるのイ)等の思いをこめた。会場に木で壁を作成し、その壁を鋳型に連日鉛の鋳造を試みる。


http://blog.livedoor.jp/bluebook/archives/51755075.html

 「イ」には「鋳型」の「い」という意味もある。
 そう、野上さんは話していました。

 野上さんは1980年生まれ、札幌出身。
 道教大札幌校、「花の2003年卒」(←いま筆者が命名)のひとりです。


           

 木の壁から、高い位置に視線をうつすと、縦型の木の型が見えます(上の画像の、右側)。
 これを、冒頭画像の右側に見える木の壁に押し当て、すき間から熔けた鉛を流し込みます。
 鉛の融点は300℃弱と低いので、簡単に熔けて、冷えると固まります。

 野上さんは26日までその作業を会場で繰り返し、さまざまな鉛の型を、木と木の間から取り出しました。
 それらは、偶然にできたかたちです。


           

 鉛を押しつけられた側の、木の壁には、焼けこげた跡が、生々しくついています。

 壁の下、床上には、溶け落ちた鉛の、銀色のくずがちらばっています。


                  

 そして、大小の鉛板が、周囲の壁に貼られたり、天上からつりさげられたりしています。
 鉛を板からはがす際に、一緒にはがれてきた細長い木片がくっついたままのものも多いです。

                  

 入り口の上部にもふたつ飾ってありました。

           


 このほか、会場には、以前の個展や「Born In Hokkaido」展で発表した旧作も展示されています。

 野上さんは、単なる彫刻家ではなく、パフォーマンスを通じてさまざまな活動をしてきました。
 しかし、筆者はどうもタイミングが悪いというか、彼のそういう活動を目にしていません。
 ライジングサン・ロックフェスティバルでのファイヤー・ダンスも、
「国際現代アート・デメーテル」での、人力で電気を生み出す「ぼくでん」も、
函館など全国で展開した、リキシャを引っぱる行為も、
現代アートグループ「ロッパコ」の面々が北九州へ行った際にメンバーでひとり札幌に残って黙々と穴を掘り続けた営為も、
なにひとつこの目で目撃できていないのは、アートブロガー失格というか、非常にくやしい思いがします。
 2004年の個展「世界焼生 BAKED WORLD」も、札幌を異動で離れていたので、見ることができませんでした。
 筆者は、野上さんについてなにかをまとめて語る資格がありません。

 すでに拠点を広島県尾道市に移している野上さんですが、この個展を機に、本格的に腰を落ち着けるそうです。しばらくしたら、瀬戸内海の島に移り住むかもしれないと話していました。
 個展会場にたくさん浮かぶ鉛の薄い、不定型な板が、さまざまな局面ごとの野上さん自身なのかもしれませんし、そうではないかもしれません。
 また、どこかで再会したいです。


2009年2月17日(火)-3月1日(日)11:00-19:00、月曜休み
temporary space(北区北16西5 地図H)

・地下鉄南北線「北18条」から徒歩5分


http://nogami.noblog.net/

Pre-MADE(2008年3月)
Born in HOKKAIDO 大地に実る、人とアート(2007年11月-08年1月)
野上裕之彫刻展「nu」(2007年12月-08年1月)
アートあけぼの冬のプログラム(2006年)
ライジングサン・ロックフェスティバル2002
地上インスタレーション計画(2001年)
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2009年2月のおもな展覧会

2009年02月28日 23時48分58秒 | 主な記事へのリンク
 2月のおもな展覧会の記事へのリンクです。
 書き終わっていないエントリには、まだリンクがはられていません。

 このエントリは随時更新します。

 ■■は、更新時に開催中の展覧会、■はすでに終了した展覧会です。


現代美術
■■野上裕之展「i」
対磁 TAIJI-平面と立体による二人展-鈴木悠高 林教司
kensyo個展“To Be”
mizu Solo Exhibition “Chicago.”
白い迷宮
Sapporo II Project 高橋喜代史作品など
Sapporo II Project 小川智彦作品
bright future- kim yuryong solo exhibition

絵画
ギャラリー山の手を彩った作家展 II
西村一夫個展
GRUPO DE b-FA 北海道芸術デザイン専門学校絵画芸術研究室展
第46回はしどい展 北星学園女子中学高等学校美術部
本田滋「風の街」展 北の街角をふりかえると・・・
木村環個展

彫刻・立体
■■松田郁美[play with circle]
■■千葉有造個展「Ice of the mountain」
砂澤ビッキ展 樹兜虫の世界

工芸・クラフト
動物好きっ!
齋藤利明人形展 オールビスクによる衣装人形
おおいえのりこフェルト個展&森のこだま原画写真展・石川康治(オーロラ写真家)

写真
■■札幌学院大学 総合芸術研究会写真部 卒業記念展
専門学校札幌ビジュアルアーツ写真学科 卒業制作展
PHOTOGRAPHY EXHIBITION MOVE 2
2008 第32回鉄道ファン・キヤノンフォトコンテスト入賞佳作作品展
札幌大学写真部 卒業記念写真展
竹下正剛 創作写真「いちご性」
APA北海道支部展覧会「モノクローム」
林明輝写真展「大きな自然 大雪山」
おひさしぶり展

複数ジャンル
■■いのこり展
DESPAIR -NIKKa個展
国際現代美術家協会(i.m.a.)第1回北海道展
札幌市立高等専門学校 卒業・修了制作展’09プレ展
■第13回 道都大学美術学部 デザイン学科卒業制作展 建築学科卒業設計展
北海道教育大学札幌校芸術文化課程美術コース卒業・修了制作展
Megumi Morimoto Exhibition 「I am not a girl.」 森本めぐみ「アイアム・ノット・ア・ガール」
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2009年2月27-28日

2009年02月28日 23時37分44秒 | つれづれ日録
 

 27日は仕事帰りにART-MAN Galleryで、Nikkaさんの個展を見る(■参照)。



 28日も仕事。
 出社の前に、temporary spaceで野上裕之展「i」を見る。
 カメラのメモリーカードを忘れてガッカリ。
(■エントリの写真はケータイで撮りました)

 ほかに、HOKUSENギャラリーivory → さいとうギャラリー → スカイホール → 札幌時計台ギャラリー → ギャラリー大通美術館

 さいとうギャラリーの本間弘子さんは、なかなかテクニシャンだなあ。

 スカイホールは東海大の卒業制作展。
 地元・旭川に根ざした建築プランなどがならぶ。
 個人的には、「人が集まる無人駅」と題したJR南永山駅の改造案もいいけど、なにより「旅行者のためのギター」が気に入った。カッコイイ。

 時計台ギャラリーの札幌大谷短大の展覧会は、出品された絵画の半数以上が、先日の卒業・修了制作展で見たものだった。
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■札幌学院大学 総合芸術研究会写真部 卒業記念展 (3月1日まで)

2009年02月28日 23時34分43秒 | 展覧会の紹介-写真
 加藤憲進、工藤玲央名、鈴木彩、新山晴香、吉田美奈子の5氏による卒業展。
 5人とも、この4年間けっしてモノクロばかりを撮っていたわけではないと思うのですが、最後はほとんど銀塩モノクロになっているのが興味深いです。カラーは、吉田さんの「キラキラ」の一部だけでした。みなさん、使用フィルムにトライXやネオパン400を挙げています。なつかしーい。
 焼きはまずまずうまいほうだと思います。

 個人的な好みでいえば、クドウレオナさんの「sapporo2006-2009」かなあ。
 とりたてて奇抜な作品ではないのですが、札幌の街をスナップしていて、構図にも焼きにも安定感があります。
 筆者も街歩きがすきなので、21枚中、大半の場所がわかりました。
 順に、西4丁目電停(南1西4)、大通公園5丁目ビアガーデン、南1西1交叉点(ジュンク堂書店開店前)、琴似本通、シャワー通り(パルコ裏)、真駒内駅前、地下鉄東西線車内(新札幌駅)、すすきの市場(南5西4)、狸小路6丁目と7丁目の間、東区北7東4附近、不明(自販機がならぶ)、北3東4(サッポロファクトリー北側)、南3西1?、大通公園4丁目(自民党総裁選の街頭演説)、地下鉄南北線の大通駅?、地下鉄さっぽろ駅、狸小路8丁目、北24西4、中島公園通電停、麻生町4、北5東1-だと思います。

 鈴木さんは「Past」「Now」「Future」と題し、「Future」はフジのエマルジョンを使った斬新な焼き付け。
 個人的には、「Now 2」の、舗道と影に視線を落とした4点組の落ち着きが好みです。江別駅の周辺で撮ったのでしょうか。

 新山さんは「さかしまエンドマーク」など、友人など人物がおもな被写体。その中に、どこかさびしさ漂うスナップの風景もあります。
 加藤さんは「salt breeze」など、ノスタルジーを感じさせる作品が並んでいました。
 吉田さんは、ブツ撮りの「キラキラ」のほか、同じサングラスを友人たちにかけてもらって撮った連作を出品していました。写真のとなりには、サングラスの実物もありました。

 4年間、ごくろうさまでした。


2009年2月25日(水)-3月1日(日)10:00-19:00(最終日-17:00)
札幌市写真ライブラリー(中央区北2東4 サッポロファクトリー・レンガ館3階)

□サイト http://sapporo.cool.ne.jp/sguphotoclub/

三大学合同写真展08 claclity(2008年7月)
7th EX Photo Exhibition(2008年4月)
札幌学院大学写真部春期学外展(2008年4月)
07年12月の学外展
07年3月の卒業制作展
03年の学外展
02年の学外展
=いずれも画像なし
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■いのこり展 (3月1日まで)

2009年02月28日 23時33分34秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 阿南沙織、大石若菜、中林亜沙子、宮川友維の4氏による映像とインスタレーションの展覧会。
 フライヤーには、大学にいのこって制作を続けてきた4人の展覧会-という意味のことが書いてありましたが、どの大学かは明記されていません。会場の展示を見ると、どうやら道教大のようです。

 宮川さんのアニメーションが印象に残りました。
 5本のうち2本は過去に見たことがあるのですが、短篇とあってそれほど強く記憶に残ったわけではありません。今回、5本まとめて見て、なにかやさしい気持ちになれたような気がしました。
 作品はいずれも、背景も人物も水彩画のトーンで描かれた、日常の一こまが変容する物語です。

 「ゆらめく」は、セミがけたたましく鳴く猛暑の午後、道を歩く少年の影が水になり、ふいに彼がその水の中に沈んでいくというもの。
 卒業制作となる「いつか いつのひか」は、放課後残って大きなカンバスに向かう少年が、ふいに絵の中に入り込んで、少女と手をつないで走り出します。

 風に揺らぐ白いカーテン。
 校舎の窓の下を歩きすぎるセーラー服の少女。
 細部まで丁寧に描かれていることに好感を抱いた。

 音響への配慮が細やかなのも良い。いずれも音楽は控えめで、水滴の落ちる音などがとても大事にされている。

 派手なところはまったくない。
 「ユキノヒ」「20」「ささやき」も、しずかな世界だ。
 でも、人の心を癒やすのは、こういう作品なのかもしれないと思った。


2009年2月24日-3月1日10:00-18:00(最終日-16:00)
コンチネンタルギャラリー(中央区南1西11、コンチネンタルビル地下1階 地図C)

・地下鉄東西線「西11丁目」、市電「中央区役所前」から徒歩1、2分
・じょうてつバス「西11丁目駅前」から徒歩1-3分
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このブログの筆者の性格について

2009年02月28日 22時23分28秒 | つれづれ日録
 「2009年2月22-24日の続き」のコメント欄で、SHさんから鋭い質問をいただきました。
 手短に答えるのはむつかしそうなので、新たにエントリをたてることにしました。

 ようするに、わたしは引っ込み思案で、他人に話しかけるのが苦手です。
 そりゃ、仕事は別ですよ。

 でも

「初めまして、北海道美術ネットのヤナイと申しますが、これこれこういう事情で写真を撮らせてください」

なんて、見ず知らずの人にはなかなか言いづらいのです。

 そのわりには、このブログにはけっこう多くの展覧会場で撮った写真が載っているではないか。
 というのがSHさんのご質問の趣旨でした。

 それは、作者や、ギャラリーの担当者・オーナーが、わたしが文化部で働いていた当時からの知り合いであることが多いためです。

 ギャラリーの担当者・オーナーと作者が同時に会場にいる場合、もし作者と一度もお会いしたことがなかったとしても
「どうも、はじめまして」
と、会話のいとぐちができます。

 最近多いのは、「北海道美術ネット」あてで展覧会の案内を送ってくださる方です。
 そういう方が展覧会場にいらした場合、まさか黙ってそこを去るわけにもいきませんから、
「ご案内ありがとうございました。ネットをごらんいただいてありがとうございます」
-などと、あいさつをしてきます。
 作品がおもしろければ、話を聞いて、写真を撮らせてもらう-という手順になります。
(たまに、断られることもあります)

 直接ご案内をくだすった方の展覧会にはなるべく優先的に足を運ぶ方針でいます。
 ただ、会場に誰もいらっしゃらない時には、勝手に写真を撮ってここに載せるのも、はばかられますよね(事後承諾で、撮ってきたことはありますが)。

 わたしが仕事でギャラリーをまわっていたのは、もう10年以上昔の話ですから、最近はわたしの勤め先を知らない新しい世代も多くなってきました。
 加えて、わたしの勤務時間・曜日が不規則で、ときには平日の昼間にギャラリーに現れたりするため、
「あの人タイヘンだね、ギャラリーを回って収入になるんだろうか」
などとうわさされていることもあるそうです。

 もちろん、美術作品を見てブログを更新しても、1円にもなりません。
 交通費が出ていくばかりです。

 あまり顔が知られては、そそくさと展覧会場を出てくることもできなくなりかねないので、なるべく目立たないようにギャラリー回りをしているのです。

(画像は文章と関係ありません)
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■DESPAIR -NIKKa個展 (2月28日まで)

2009年02月27日 22時44分12秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 たった2日間の、Nikkaさんの初個展。
 ものしずかな、若い女性である。
 これまでグループ展に参加したことが1度あるが、自作をこれほど多く展示するのは初めてという。

 絵画およそ25点、人形の形をした立体が8点ほど。

 ひとことで言うと、おどろおどろしい世界である。
 目を背けたくなるような、でも、見たくなるような。
 そんな不気味でおぞましい、幻想的な感じは、多くの作品に共通している。

 変形した人体。宙に浮かぶ顔。その口から飛び出すピンク色の腕もしくは胸…。
 
 かといって、いわゆるホラーとかスプラッタの世界観とは異なる。
 Nikkaさんは「恐怖のための恐怖」を目的にしているのではないからだ。
 西洋の宗教的儀式を背景に持つ、サタニズム(悪魔主義)などとは、どこかで通底しているように思えるが、やはり相違点も多い。黒がメーンのゴスロリ(ゴシックロリータ)とも重ならない。
 じぶんの内面をなぞるように筆を走らせているのだろうか。
 最初からこういうかたちやものを描こう-と決めて描きはじめるが、そのうち筆が進んでいくのだ-という意味のことを話していた。
 

        

 「聖母子像」を意識して描いた-という作品「無題」。
(ちなみに、絵画はほとんどが「無題」となっている。題がついているのは1点だけだった)
 メスやはさみを手にした、緑の服と帽子を身に着けてマスクを装着した2人のあいだに、胸を裂かれた裸の女の、体の一部が見える。避けた胸からは紫色のブドウのような粒粒が立ち上り、その上にはもうひとつの世界が、白い衣を着けた母子を中心に広がっている。
 だが、赤子はひたいから角を生やし、その周囲では虫?とおぼしき生き物が、大きな待ち針で胸を貫かれたり、異様につめの長い両手の指先から伸びる糸によって開腹手術をされたりしている。

 しかし、こんなふうに絵を説明したところで、あまり意味があるとも思えない。

 Nikkaさんの絵が、オリジナルなものかは、筆者にはよくわからない。
 すくなくても、アートの世界ではほとんど見たことのない表現である。

 むしろ、アート以外のところにある図像が、アートの世界に侵略してきたような印象を受ける。
 それはたとえば、アール・ブリュットのようでもあるし、少年のころ悪夢を見た後でそれを記録しようとしてノートの片隅にかいた走り書きのようでもある。あるいは、ロックのレコードジャケットなどには似たテイストのデザインがあるような気もするし、まったくないようにも思う。
 筆者は、Nikkaさんが盗用しているといいたいわけではない。ここにある絵に隠された心性が、けっして孤立したものではないように思われるからこそ、どこかに、似たような図像があるような気がしてならないのだ。

 ちょっと見には、ダリにも共通点があるように思われるが、ダリは超絶技巧で見せる側面もあるのに対し、失礼ながらNikkaさんはそれほど「巧い」というのではない。
 ただ、巧いだけの絵よりは、はるかに個性的である。
 スケッチブックを破った水彩画が多いのは、いささかビンボーくささもあるが、これもドローイングっぽくていいかも。

(3月1日一部追記)


 額縁を自作しているのはおもしろい。アクリル板に、はんだごてを使って焦げた穴をたくさんあけているものもあった。


        

 いろいろなイメージがてんこ盛りの絵にくらべ、人形のほうは作家性が出ているというか、作風がばらけていないように感じた。どれも、ウサギをデフォルメしている。周囲には恐竜化石の模型が散らばったり、鳥かごが置かれていることもある。
 上の画像は「自殺志願者」。
 顔をのぞき込むと、非常に暗鬱な気分になる。


          

 こちらは、会場中央の卓上に寝そべっている「ジャンキードランカー」。
 お尻には…。

 人形はほかに「ウジ虫野郎ウージー」「無題」「腰痛生理レッドブラッド」「きのたん」「視線恐怖症」「成金欲深」。

 四谷シモンからインスパイアを受けているらしいが、シモンよりも病的な感じが強い。


 若さゆえの絶望感や焦り。世界への不信。そして高揚感。
 そういったものをすらすらと表現できる期間というのは、じつはそれほど長くないのが普通だし、とくに表現しないまますごしてしまう人だって多い。
 Nikkaさんは、筆を手にしてしまったのだから、描けるだけ描いてほしいと思う。
 狂った世界に対峙するには、描き続けるしかないのだ。たぶん。


 ところで「Nikka」とは、姓からつけたニックネーム。
 「ウイスキーとは関係ありません。お酒は飲むけど、ウイスキーは飲めないんです」
とのこと。


2009年2月27日(金)、28日(土)11:00-19:00
ART-MAN Gallery(中央区南4東4)

http://sky.geocities.jp/xxx1988620/




・地下鉄東西線「バスセンター前」駅7番出口から徒歩6分
・地下鉄東豊線「豊水すすきの」駅1番出口から徒歩9分
・中央バス「南4東1」から徒歩3、4分(市民会館前の「北1条」、ジュンク堂近くの「南1条」から乗ると、大半の便で数分で着きます)
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■対磁 TAIJI-平面と立体による二人展-鈴木悠高 林教司 (2月28日まで)

2009年02月27日 21時17分12秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 黄色をオールオーヴァーに展開する若手抽象画家の鈴木さん(札幌)と、黒っぽい色の平面や立体で知られる「たぴお」主宰者の林さん(岩見沢)。
 ふたりの作品をインスタレーションにして展開しています。

 今回、林さんは、焦げ茶色の棺桶型の立体を持ってきました。多忙でありながら、新作を持ってくるあたり、アーティストの意地を感じます。
 一部、いすのような鉄骨の骨組みは既発表ですが…。

 鈴木さんの絵も、まるで最初からインスタレーションのためにあつらえたかのように、うまく空間を形作っています(というか、もともと鈴木さんの画には、単に、閉じられた平面を作ればいいや-というのではなく、ひとつの空間を形成しようという意思が感じられます)。 


2009年2月23日(火)-28日(日)11:00-19:00
ギャラリーたぴお(中央区北2西2 地図A)


異形小空間14th(2008年12月-09年1月)
第32回北海道抽象派作家協会秋季展(2008年10月)
■第53回新道展 (2008年9月)
TEN展 II (2008年9月)
第三十五回北海道抽象派作家協会展 (08年4月)
 =以上、2人が出している展覧会

All Japan Under 40 Collections(2009年2月)
鈴木悠高展-Evolution-vol.3(2008年11月)
鈴木悠高展 The following world of evolution (2007年)
 =鈴木さんのみ出品


BOOK'S ART展5(2008年8月)
SUMMER WAVE展 13(2008年8月)
林教司展(2008年6-8月)
Film work EXHIBITION 写羅(08年5月)
BOX ART展(08年3月)
寒桜忌展「歌人・今井和義 没後4年」 (08年2月)
KYOCHO展(08年2月)
たぴお記念25th + 13th 異形小空間 (08年12月-08年1月)

林教司展(07年12月)
自我の形象展 6(07年10-11月)
Octob 1(07年10月)
第31回北海道抽象派作家協会秋季展(07年10月)
LEBENS(人生・生命)展 2 (07年6月)
非・連結展 vol.8(07年5月)
第三十四回北海道抽象派作家協会展(07年4月)
多面的空間展 vol.9(07年4月)
林教司作品展(07年3月、画像なし)
寒桜忌展 うただより・今井和義へ<没後3年>(07年2月、画像なし)
BOX ART展4 閉塞形状展(07年2月)

林教司展(06年12月)
■2006年6月の「LEBENS展」(画像なし)

■2005年の北海道抽象派作家協会展
■04年の北海道抽象派作家協会展(画像なし)
■04年の「多面的空間展」(29日の項。画像なし)
■04年の「今井和義追悼展」(7・8日の項。画像なし)

■03年の北海道抽象派作家協会秋季展(画像なし)
■03年の「SUMMER WAVE」展(7日の項。画像なし)
■03年の「新・素材の対話展」 (22日の項。画像なし)
■03年の北海道抽象派作家協会展(画像なし)
■03年の回顧展(画像なし)

■02年の「閉塞形状展」 (18日の項。画像なし)
■02年の新道展(画像なし)
■02年の回顧展
■02年の北海道抽象派作家協会展

■01年の個展
■01年の「キャバレーたぴお」 (3日の項。画像なし)
■01年の北海道抽象派作家協会展(画像なし)
 =林さん出品
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「三箇三郎展」を三月三日に割り引き

2009年02月27日 21時15分54秒 | 情報・おしらせ
 道立函館美術館のサイトを見ていたら、こんなお知らせが出ていました。

お得情報!!
函館美術館では、ただいま好評開催中の
「三箇三郎」展の出展作家三箇三郎氏の
名前にちなみまして3月3日(火)の
「三箇三郎」展の観覧料を
一般   600円→500円
高大生  300円→250円
小中生  200円→150円
とさせていただきます。


 うむむ。
 最強の語呂合わせ攻撃ですな。

 ここまで完璧な語呂合わせが可能な美術家は、あまりいないでしょう。
 版画家で三尾公三という人もいます(「FOCUS」の表紙で有名)が、道内では思い当たりません。

 この調子で、旭川美術館が「一ノ戸ヨシノリ展」を、「1」のつく日に割り引いたりしないかなあ。


□三箇三郎ホームページ http://www1.ncv.ne.jp/~s-sanka3/
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■ギャラリー山の手を彩った作家展 II (2月27日まで)

2009年02月27日 20時58分53秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 ギャラリー山の手が、これまで20年近くにわたって展示してきた画家の作品を展示する企画の第2弾。
 30点の絵には、なんの共通性もありませんが、かえってバラエティーに富んで、おもしろく見ることができました。

 意外な作品もありました。

 笹山峻弘さんといえば、チベットやインドを題材にした日本画で知られますが、今回展示の「初雪のあと」は、横たわる裸婦とおぼしきモチーフ以外は、横長の画面に白や茶などの色彩が氾濫して、ほとんど抽象画です。

 菊地又男さん「夜の構図」は、細長い長方形の紙をいくつも貼り付けたあたりは菊地さんらしいですが、周囲が暗く、中心部がぼんやりと明るい図柄は、むしろ全道展の重鎮である野本醇さんを思い出させる世界です。

 小川マリさん「人形」も意外な1点。
 小川さん(1901-2006年)といえば100歳で個展を開いた全道展創立会員で、白っぽい画面に、花などの静物を乾いた筆で描いた作を思い出しますが、この作はその題のとおり、人形がモティーフ。水色の輪がたくさん集まったような髪の描写も風変わりです。

 釧路在住の彫刻家・中江紀洋さんの平面作品というのも、見た記憶がありません。
 「北の月あかり」は、黒い背景にやはり黒い尖塔のような大小の三角形がいくつもそびえ、上空と地面にあたる部分に白く細い曲線が縦横に走り回るというもの。重厚な雰囲気は中江さんらしいのですが。

 個展や新道展では抽象画を発表している藤野千鶴子さんの静物画も珍品といっていいかもしれません。
 花瓶を左側に描いた構図が新鮮ですし、盛られた白い花は厚塗りで、甘い砂糖菓子を思わせます。


 出品作は次の通り。
笹山峻弘「孔雀」「初雪のあと」
川畑和江「瀬戸内の桜」
佐藤 武「花散る頃」
佐藤泰子「花びら」
菊地又男「夜の構図」
吉井光子「庭の訪問者」
小川マリ「人形」
高橋昭一「花かざりの女」
浜口 浩「むくげ」
木村節子「私の時間」
田中 稔「投げ入の菊」
稲垣昌紀「蝶」
松木眞智子「breath」
徳丸 滋「春の鳥」
真柄修一「蔓薔薇」
高橋正子「無題」
大和田主税「花」
児島裕子「花」
櫻井マチ子「King of Heaven」
石原 実「渋錆の布」
新井田捨策「北の祭り(二人のオロチョン)」
中居栄幸「無題」
野口秀子「明日の夕陽」
中江紀洋「北の月あかり」
原 賢司「ライラック」
長谷川常男「シルクロード」
田村佳津子「空のおく」
田村 宏「月のまなざし」
藤野千鶴子「白い花瓶の花」

2009年2月6日(金)-27日(金)10:00-17:00、日曜・祝日休み
ギャラリー山の手(西区山の手7の6 地図K)

ギャラリー山の手、2009年6月閉鎖


・地下鉄東西線「西28丁目」からジェイアール北海道バスに乗り継ぎ(どの便でも行きます)、「ふもと橋」降車、徒歩3分

・ジェイアール北海道バス手稲方面行き(ただし、小樽行き高速バスと「ていねライナー」は通過)で「発寒橋」降車、徒歩9分
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平木収氏(写真評論家)が死去

2009年02月27日 19時40分03秒 | 新聞などのニュースから
平木収氏(写真評論家)が死去(読売新聞) - goo ニュース

 当地(札幌)の夕刊では、朝日新聞だけに載っています(道新、読売は不掲載)。

 「写真の町」を掲げてまちおこしに取り組む上川管内東川町の「東川賞」では、当初から2007年まで25年の長きにわたり監事委員を務め、審査にたずさわっていました。
 東川賞や「フォトフェスタ」は、平木さんの尽力なしには、続かなかったと思います。
 フォトフェスタには毎年駆けつけ、フォーラムの司会やアンデパンダン展の講評など、精力的にこなしていました。
 昨年は、あの人懐こい笑顔が見られず、さびしい思いをしたことを思い出します。

 59歳とは、せつないですね。
 ご冥福をお祈りします。

 
□情報サイト「こだわり」のインタビュー http://codawari.info/interview/

 平木収氏(ひらき・おさむ=写真評論家)24日、食道がんで死去。59歳。告別式は近親者で済ませた。後日、お別れ会を行う。喪主は妻、京子さん。

 1980年ごろ、写真評論を開始。川崎市市民ミュージアムの学芸員として内外の写真家の展覧会を手がけ、独立後も「ピュリツァー賞写真展」などの企画や評論で、幅広く写真文化を紹介した。九州産業大教授。
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2009年2月26日

2009年02月26日 22時50分28秒 | つれづれ日録
 北海道中央バスの「澄78 澄川白石線」は、地下鉄南北線、東豊線、東西線、JR線の4つのレールを結ぶ路線である。
 もっとも、だからどうしたといわれれば、返す言葉がない。
 たぶん、通して乗っている人はほとんどいないだろう。

 前身となる路線は以前からあったが現在の走行経路になったのは2006年と比較的新しい。
 ただし、かつて札幌市営バスには「澄川苗穂線」なる路線が走っていた。筆者は、廃止された市電の代替線(ただし、南側を、豊平から澄川へと大幅に延ばした)と認識しているが、定山渓鉄道の代替という説もあるようだ。 

 きょうの午前、西岡の某所で所要を済ませたあと、この「澄78」に初めて乗った。
 南郷7丁目駅で地下鉄東西線に乗り継ぎ。
 冒頭の画像は、同駅。
 「新さっぽろ行き」と「宮の沢行き」しかないのに、4番線まで存在するという変わった駅である。

 本日のギャラリーめぐりは、西28丁目からジェイアールバス「西21」に乗り「ふもと橋」で降車し、
山の手ギャラリー(山の手ギャラリーを彩った作家たち)→
ギャラリーミヤシタ→
喫茶いまあじゅ→
道立三岸好太郎美術館(旅愁)→
コンチネンタルギャラリー(いのこり展
札幌市写真ライブラリー(札幌学院大学写真部卒業展)→
紀伊国屋書店ギャラリー(嶋田忠写真展

以上7カ所で打ち止め。

 紀伊国屋で本を見ているうちに時間がすぎてしまったのが敗北の要因。
 疲れてもいたので、さっさと帰宅した。

 上のフロア、写真集がエスカレーターのほうに来て、美術書が奥へと引っ込んでいた。
 ただし、棚の中身は、ジュンク堂にひけをとっていないという印象である。


(追記)
http://kakueki1.sakura.ne.jp/05_jotetsu/19681017/19681017_mp_kj.html

1968年当時のじょうてつバスの路線図です。
これを見る限り、市営の澄川苗穂線は、じょうてつバスの代替路線だという説のほうが正しそうです。
(なお「慈恵学園」は現在の「自衛隊前」です)
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■国際現代美術家協会(i.m.a.)第1回北海道展 (2月23日で終了)

2009年02月25日 23時57分50秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 このエントリは、展覧会の内容に感服して書くのではなく、その性質がおもしろいという理由でアップするので、あるいは関係者には失礼に当たるかもしれませんが、ご容赦願います。

 会場でいただいたプリントによると、国際現代美術家協会(i.m.a.)は、1981年に創立され、86年に全国公募の団体展となったそうです。母体は、62年に発会した神奈川県美術家協会とのこと。神奈川協会の旗揚げには、有島生馬、土方定一、里見勝蔵といった顔ぶれが名を連ねています。同協会が20回記念展の際、フランスのソシエテ・ナショナル・デ・ボザールの作家を迎えて展示するとともに、会員がパリ・グランパレ美術館で開かれた展覧会に出品したのを機に、県展に国際部が誕生し、国際現代美術家協会につながったとのことです。

 したがって、会の名称には「現代美術家」とありますが、実際に展示されているのは現代美術ではなく、具象の絵画が大半で、ステンドグラスのあかりなどもありました。

 大同ギャラリーでは、下のフロアにフランスなど海外勢が、上のフロアに国内勢が展示されていました。海外勢は30号程度、国内勢は10号前後の絵が多いです。
 両フロアを通じて筆者が知っていたのは、下のフロアの赤木曠児郎さん(油彩)と、上の階の渡辺節代さん(同)だけでした。

 赤木さんは1934年生まれ。戦前から続くパリ在住の日本人画家コミュニティの、最終世代にあたる人ではないかと思います。出品作は朱色の線を使ってパリの古い建築を描いた、印象深い1点でした。
 渡辺さんは先日、おなじギャラリーでステンドグラス教室展をひらいていました。絵筆も執るようです。

 さて、この展覧会のどこがおもしろいのか?
 それは、「日本の団体公募展芸術」の「国際版」を見ることができた、というところが興味深いのです。

 日本の美術界は「現代アート系」と「団体公募展」に大きく分かれ、作家もジャーナリズムもギャラリーも、相互の交流はあまりありません。(ここでは、団体展に所属せず百貨店や「一枚の絵」などを活動の舞台にしている美術家も「団体公募展」系に含めます)
 「現代アート系」のほうは、海外の情勢が逐一紹介されるし、日本の作家が国際美術展で発表する機会も多いのですが、「団体公募展」系の作家は戦後、国外との行き来が少なくなっています。
 百貨店以外で、現代アート系以外の画家や彫刻家の作品を見る機会は、めったにないのが現状です(2006年、和田義彦画伯=爆=による盗作騒動がありましたが、その背景には、海外から紹介される情報が現代アート系に偏っている事情があるのです)。
 極論すれば、「現代アート」と「公募団体系」のちがいは、作品の内容というよりも、前者が世界につながっていて、後者が国内で完結していることにあるということすらできるでしょう。

 というわけなので、ともすれば、欧米では先鋭な現代アートが主流で、日本の団体公募展のような美術は存在しないかのように思われがちなのですが、決してそんなことはなく、団体公募展的な絵(ふつうの絵、と言い換えてもいい)もちゃんと制作されているのだ-ということがわかる貴重な機会が、この「i.m.a.」展といえるのです。


2009年2月19日(木)-23日(月)10:00-18:00
大同ギャラリー(中央区北3西3、大同生命ビル3階 地図A

http://homepage3.nifty.com/ima-1981/
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故遠藤ミマンさんの遺志継ぎ、苫小牧美術協会が「勇払原野の画家たち展」

2009年02月25日 23時57分15秒 | 新聞などのニュースから
 北海道新聞2009年2月23日朝刊苫小牧・日高版から。

 全道展に出品経験のある東胆振と日高管内ゆかりの画家たちの作品を集めた「勇払原野の画家たち展」が22日、苫小牧市博物館で始まった。苫小牧の画壇をリードした故遠藤ミマンさんの遺志を、苫小牧美術協会の後輩が継いで実現にこぎつけた。

 (中略)苫小牧美術協会を創設した遠藤さんは、両地域に住む全道展の会員、会友で展示会を開くことを願っていたが2004年、90歳で死去。没後5年の節目に、全道展出品者ら苫小牧美術協会の関係者が奔走し、砂田友治さんや福井正治さんら地域を代表する全道展画家(ともに故人)の作品を遺族から借用した。

 会場には、勇払原野を題材にした遠藤さんの「枯野」のほか、現役会員の最新作となる130号の油彩の大作や彫刻など14点が並ぶ。3月13日から8作品が入れ替わり、29日まで開催される。入場無料。


 ミマンさん(男性です)は2004年に亡くなりましたが、やさしいお人柄のためか、後輩美術家に慕われているのですね。

 見に行きたいけれど、出品14点はちょっと少ないか。 


遠藤ミマン回顧展(2006年)

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■専門学校札幌ビジュアルアーツ写真学科 卒業制作展 (2月22日で終了)

2009年02月25日 23時56分51秒 | 展覧会の紹介-写真
 さいきんは、あるいはロックバンド「モノブライト」の出身学校として有名なのかもしれないが、ビジュアルアーツの写真の腕はさすがに高い。それを専門に学んでいるのだから、技術がないと困るわけだが。
 ただ、個人的には、2006年の卒業制作展がいちばんおもしろく、その後はそれほど個性がギラギラする作品には出合っていない。

 今回は15人が出品。
 モノクロ、カラー、広告系、人物など、バラエティーに富んだ作品がならぶ。

 李嘉慧「Fake」
 韓国アンニャン芸術高校の卒業生とのこと。
 カラー8枚で、女性の足を真横から撮っている。ちゃんとした靴をはいている写真はひとつもなく、ジッパーだけがあったり、包帯を巻いていたり、「ありえない靴をはいた足」の写真というのがおもしろい。

 浪江佳代「セルフポートレート ~そんなこと~」
 カラー8枚。カラオケ、銭湯、写真ショップなど、さまざまなシチュエーションでの自分を撮った労作。8枚それぞれにつながりが薄いのが惜しい。

 田中考治「wonder」
 カラー4枚。
 写っているのは、何の変哲もない冬の山野や郊外の風景。ただ、ビデオでいったん撮った映像をもう一度スチールカメラで撮ったような粗い画像で、走査線のようなものも見える。
 ヴェンダース監督の映画「パリ・テキサス」を思い出すが、不明瞭な映像がかえって記憶や感情を鮮烈に想起させるという側面は、たしかにあるだろう。
 目録には「自分が自分を見てさみしくなる感覚を、美しいと感じそれを表現してみた」とある。

 細野佑太「from under the ground」
 モノクロ8枚。札幌の駅前通りで行われている地下通路の工事の現場を撮った正統派のドキュメンタリーフォト。構図も、とくべつ凝ったものではないが、手堅い。焼きがうまいのは、ビジュアルアーツならでは。

 藤井香織「好きです、この街~小樽より~」
 モノクロ6枚。店の主人とおぼしき人を、その店の前で撮った写真。有名なそば屋「藪半」などもふくまれている。
 見ていると、藤井さんと小樽の人との親密でやさしい会話が聞こえてきそう。

 横塚大志「バイタルチェック」
 カラー6枚。スケボーで東京の街を行く男を撮り、社会へ出る不安を表現している。


2009年2月18日(水)-22日(日)10:00-19:00(最終日は-17:00)
札幌市写真ライブラリー(中央区北2東4、サッポロファクトリー・レンガ館3階)

□専門学校札幌ビジュアルアーツ http://www.visualarts.ac.jp/

2007年
2006年
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