北海道美術ネット別館

美術、書道、写真の展覧会情報や紹介。2013年7月末、北見から札幌に帰還。コメント、トラバはお気軽に。略称「ほびねべ」

2009年5月のおもな展覧会

2009年05月31日 23時49分51秒 | 主な記事へのリンク
 5月のおもな展覧会の記事へのリンクです。
 書き終わっていないエントリには、まだリンクがはられていません。

 このエントリは随時更新します。

 ■■は、更新時に開催中の展覧会、■はすでに終了した展覧会です。

現代美術
川俣正テトラハウス326 アーカイブ展
林教司展

絵画・版画
■■三岸好太郎の世界 所蔵品展「音楽のある美術館」
吉井光子展「回顧展」
真田由美子展 内+外
春の院展
山川真一展
第17回池上啓一油絵個展
■■平成21年度前期常設展「神田日勝の自画像~ 自分を見つめて」
亀井由利小品展
第11回片桐三晴個展 フランス 地中海の光もとめて
今井敏夫水彩画展
だてまこと展
栗田健展「硝子戸のなか」
勘野悦子「懐想」
抽象展
第27回一線美術会北海道支部展
第24回北の日本画展
そら展
■北斌個展
■金谷実郎油絵展

透明水彩展コロコニ
坂元輝行風景画展 歩く、感じる、描く。PartIV
第11回蒼樹会北海道支部記念展
藤倉英幸はり絵新作展 あの日、見た風景たちへ
新世紀の顔・貌・KAO 30人の自画像2009
森仁志の世界
風間雄飛個展

写真
濱田トモミ写真展 滅びるように出逢いたい
写真展「third」
原生の鼓動 岩木登写真展
大沼英樹写真展「SAKURA」 幸せの樹の下で-九州・沖縄編-
allo? 写真展「ひかり」 Mayumi Watanabe("allÔ?")Photo Exhibition

工芸・クラフト
新茶を愉しむ 旅する茶器
■■奥村博美×下沢敏也 陶展
札幌軟石焼 伯谷陶峰作陶展-氷雪紋・源氏物語シリーズ
クリスノゾミ シルバーアクセサリー展
第49回東日本伝統工芸展
いずまい展 隣のなんたら君

複数ジャンル
SAPPORO ART PLANETS展
さっぽろくろゆり会第42回展
チンギス・ハーンとモンゴルの至宝展
5人の彫刻家と現代漆のコラボレーション 彫刻家 つくる 家具 塗る 現代漆展 ■続き
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2009年5月のまとめ

2009年05月31日 23時27分19秒 | アートに関するインターネット・ブログなど
 1カ月にまわったギャラリー・美術館は85カ所。
 大型連休中にあまり回れなかったためで、かなり少なめ。

 アップしたエントリは、ちょうど100本。
 3カ月連続で同じ本数。

 ページビュー(pv)は5月も10万を突破した。
(追記。110511pvでした)


 一時期、アクセス数が伸び悩んでいた当blogだが、ここ2週間ほどは好調。
 先週(5月24-30日)は、週間IPが5418で、過去最高となった。
 28日の863IPも、通算5位の記録だ。
 理由はよく分からない。時事ネタもあまり書いてないし。

 ただし、gooブログ全体も増えているので、順位はさほど上がっていない。
 863IPの日も396位だった。
 週間も492位どまりで、順位としてはようやく1年前の水準に戻った程度だ。

 1年ぐらい前なら、400IPもあればランキング1000位以内に入れたが、5月30日には1000位のIPが540になっており、なかなかきびしい。
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2009年5月27-31日

2009年05月31日 23時24分36秒 | つれづれ日録
 なんだかんだとあわただしい日がつづく。

 8月ごろにくらべれば、まだ多忙のピークではないはずなのだが、こんなんでことしの夏を乗り切れるのだろうか?


 27日はギャラリーまわりなし。

 4310歩。



 28日。

 仕事が順調に終わり、
札幌時計台ギャラリー(池上啓一油絵個展など)→ギャラリーーたぴお(濱田トモミ写真展)→さいとうギャラリー(3・6の会展
の3カ所をまわる。そこで、プラニスホールのSAPPORO ART PLANETS展が本日限りであることに気付き、あわてて終了まぎわにすべりこむ。

 8241歩。



 29日。

 きのう行けなかったスカイホールの山川真一展を見てから、出社。

 道南に単身赴任中の同僚が、子どもの運動会のため札幌に一時もどってきたので、いっしょに飲む。

 4612歩。



 30日。

 ハードな1日。
 まず、小学校の運動会。
 両親の送迎やら、ビデオ撮影やら。
 まあ、弁当係の妻にくらべれば、まだしも楽な役回りだが。
 天気はなんとかもったし、娘はリレーの選手で、せがれは初めて徒競走で1等になり、わが家的には大成功の運動会であった。

 家に車を置き、ただちに、バス2本を乗り継いで札幌芸術の森美術館へ。
 「渡会純价の世界」展のオープニングに招かれたのである。
 ロビーには入りきれないほどの人が来ていた。ざっと30人以上の知己に会ったと思う。
 会場をじっくり見てきて、戻ってきたら、すっかりパーティーが始まっていた。
 はなやかな席がどうも苦手なので、ひとりでバスで戻る。

 真駒内から地下鉄南北線に乗って大通へ。
 お世話になった職場の上司の「還暦祝い会」のため、某イタリアンレストランへ。
 60歳で定年退職なのだが、「シニア職」として、またおなじ職場になるのである。

 腸の具合がどうも良くなく、1次会で失礼する。

 8512歩。



 31日。
 仕事。

 出社前に、ART-MAN Galleryに寄るが、まだあいていなかった。

 市民ギャラリーで北海道創玄展を、三越札幌店で春の院展を見て、出社。

 コンチネンタルギャラリーの金工展に行きそびれたことに気づく。がっかり。

 7396歩。
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札幌西武9月末閉店 「ロフト」も営業終了(つづき)

2009年05月31日 23時23分23秒 | つれづれ日録
承前

 きのう書き漏らしたこと。

 つまり、札幌市民や北海道民は、せっかく札幌に西武百貨店があったにもかかわらず、いちばんおいしい思いはしていないのではないか、ということだ。

 浅田彰がどっかで書いていたが、1980年代、日本の文化を大きくリードしていた力のひとつが、西武=セゾングループだったのは、まちがいない。
 現代美術の展覧会や映画祭をやったり、その勢いはたいへんなものだった。
 1984年の、いまや伝説となっているヨーゼフ・ボイス展、2度にわたりロシア・アヴァンギャルドを紹介した「芸術と革命展」、ジョナサン・ボロフスキー展などは、西武美術館がなかったら開かれていなかっただろう。

 でも、五番舘が名実ともに「札幌西武」になったのは1992年。
 西武の文化事業がいちばん元気のあった時代は、すでに終わっていた。

 札幌パルコにアール・ヴィヴァンはあったと記憶しているけど、池袋の本店にはくらべようがない小さい本屋だったし、あとは「WAVE」がCDの品ぞろえが豊富でありがたかったなーというぐらいの思い出しかない。

 バブル期、札幌・小樽に文化の薫りをもたらした百貨店は、丸井今井グループだったのだ。
(そして、それが丸井今井の経営の足をのちのちまで引っ張る要因のひとつになった)

 思えば、あのころにくらべると、全国の百貨店の美術館は続々閉館している。
 かといって、郊外のショッピングセンターが文化に力を入れているという話もきかない。
 商業主義でもなんでもかまわないから、文化の薫りのするお店がもうちょっとあってもいいと思うけどなあ。
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■SAPPORO ART PLANETS展 (5月28日で終了)

2009年05月31日 23時06分26秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 ややこしい名前がついているが、会場の

JRタワープラニスホール

は、いわゆるJRタワーにあるのではなく、以前「そごう」が入っていた札幌エスタの11階にある。オープンは1989年。

 それ以降、さまざまな用途に貸し出されてきたが、このほど
「アート展の開催可能なホールとして、リニューアルを行いました」
とのこと。
 ただ、これまで美術展が開かれていなかったわけではなく、昨年7月には、「藤田嗣治展-エコール・ド・パリの風」がひらかれている。

 2009年5月14日の読売新聞北海道版などによると、美術評論家の吉田豪介さんや
、美術館の学芸員が話し合って、出品作家の顔ぶれを決めたらしい。
 吉田豪介さんは、読売紙に寄せた文章の中で、かつて道立近代美術館がひらいていた「北海道現代作家展」のことを思い出していたが、たしかに、それにふさわしい豪華な顔ぶれだと思う。
 札幌在住と案内はがきには書いてあるが、石狩と北広島の作家もいる。
 豪華で重厚な分、意外性はとぼしく、40歳以下は波田浩司さんしかいない。
 40代も北口さつきさん、平向功一さん、阿地信美智さん、下沢敏也さん、伊藤隆介さん、端聡さんの6人だけ。非常に平均年齢の高い展覧会といえる。

 旧作が多いのは、作家選定から展覧会までの日数があまりなかったことを暗示していよう。
 そのなかで、入り口附近にあった阿部典英さんの新作立体は圧巻。
 昨年、札幌宮の森美術館でひらかれた「SCAN DO SCAN」展の作品の延長線上といえそうだが、とにかく重量感がある。
 また、松隈康夫さんの作品は、ユーモアと存在感を兼ね備えていて目を引いた。

 絵画では、八木伸子さんの新作「冬木立」が、これまでにも増して枯淡・閑寂の境地。
 ここ最近は抽象的な傾向を強めていた木村富秋さんは、人物と馬をかっちりと描き、具象に回帰する傾向をみせている。


 ところで、新しい展示スペースができたことは歓迎したいが、とりあえず「顔見世興行」が終わって、今後はどうするのだろう?
 単なる貸しホールではない、独自の企画を見せてくれることを願う。

 蛇足ながら、プラニスホールにはエスカレーターでは行けず、エレベーターで行くことになる。
 エスタのエレベーターは、とくに休日は混雑するので、地下から行ったほうが賢明だ。


絵画)
伊藤光悦「TARGET」2005年 油彩・キャンバス 130.3×162.0
香取正人「坂の上の街」2004年 油彩・キャンバス 130.3×162.0
川井坦「アンコールの微笑」2008年 膠彩・紙 162.0×130.3
川畑盛邦「風景'07-4」2007年 ミクストメディア 112.1×162.1
木嶋良治「水温む」2009年 油彩・キャンバス 130.3×162.0
北口さつき「記憶の中で」2008年 膠彩・紙 162.0×130.3
木村富秋「明日へ」2009年 油彩・キャンバス 162.0×162.0
佐藤武「時」2008年 アクリリック・キャンバス 194.0×97.0
杉山留美子「無碍光'09」2009年 アクリリック・帆布 130.3×97.0
竹岡羊子「井戸端会議(うわさの行方)」2008年 油彩・キャンバス 162.1×162.1
栃内忠男「自画像」2009年 油彩・キャンバス 193.9×130.3
西田陽二「8月に翼を」2007年 油彩・キャンバス 160.2×130.3
波田浩司「羽の舞う日」2008年 油彩・キャンバス 162.1×162.1
平向功一「世界の果てまで」2009年 膠彩・布 116.7×116.7
    「末裔たちの午後」2007年 膠彩・紙 60.0×90.0
伏木田光夫「A婦人の肖像」2009年 油彩・キャンバス 116.7×72.7
    「煎餅焼器のある空間」2009年 油彩・キャンバス 72.8×72.8
堀内掬夫「作品SEED-01」2007年 油彩・キャンバス 162.0×130.3
森山誠「卓上07-5」2007年 油彩・キャンバス 112.1×145.5
八木伸子「冬木立」2009年 油彩・キャンバス 116.7×116.7
八木保次「雪1」2007年 ガッシュ・紙 107.0×76.0
    「雪2」2007年 ガッシュ・紙 107.0×76.0

版画)
伊藤倭子「蔓薔薇」2006年 銅版・紙 40×36.5
    「石榴と皿の果実」2003年 銅版・紙 36.5×30
大井戸百合子「ラマダンの町」2005年 銅版・紙 30×35
    「生地屋街」2004年 銅版・紙 30×25
岡部昌生「ANTICA“FONTANA in PIAZZA GIDVA”」2007年 フロッタージュ 紙、鉛筆、テープ 260×300
玉村拓也「ヴェッキオ橋カルテット」2008年 木版・紙 52×37
    「ハッピー街道を走る」2007年 木版・紙 73×52
手島圭三郎「冬の日」2007年 木版・紙 55×75
    「冬の日」2008年 木版・紙 55×75
艾沢詳子「-120808-」2008年 コラグラフ・紙 70×100
    「-050704-」2004年 コラグラフ・紙 100×70
渡会純价「Symphony Orchestra」1986年 銅版・紙 60×70
    「マリオネットの公園」1981年 銅版・紙 75×56

彫刻・立体)
阿地信美智「スカイライン(使いものにならない領域 弐の弐)」2008年 木 H83.5×W145.0×D194.5
阿部典英「ねぇ ダンナさん あるいは告・克・刻」2009年 木、パルプ、油性樹脂、黒鉛、その他 H200×W185×D185
小野寺紀子「Sedere」2008年 ポリエステル樹脂・木台 H133×W250×D108
柿崎熙「林縁から」2008年 木・アクリリック (H20×W18×D10)×4
國松明日香「水面の風 #11」2006年 鉄・ステンレス鋼 H36×W295×D200
下沢敏也「RE-BIRTH」2008年 陶土 (H200×W40×D40)×2
端聡「過去は今によって変わり、未来は今によって」2007年 鉄、DVD、プロジェクター、乳剤液 H230×W90×D70
松隈康夫「種がまいてあります #7」2009年 木 H185×W57×D35

映像)
伊藤隆介「ポータブル・デュシャン」2008年 ミクストメディア 30×40


2009年5月9日(土)-28日(木)10:00-19:00 会期中無休
JRタワープラニスホール(中央区北5西2 札幌エスタ11階)
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■山川真一展 (5月31日まで)

2009年05月31日 10時01分45秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 YAMAKAWA Shin-ichi is a painter lives in Sapporo. His works are very colorful. He draws and paits a lot of buildings in the cities.

 山川真一さんは道内の美術界きってのカラリストだと思います。
 以前は、生まれ故郷に近い空知地方の山の紅葉をモティーフにしていましたが、近年は、都市の風景がおもな題材です。
 長崎を皮切りに、東京の昼、夜を、俯瞰した位置から描いています。




 「TOKYO」。
 「カメラのさくらや」や、丸井(北海道の丸井今井とは別物)のロゴマークである「○|○|」の看板などが見えるので、新宿駅附近であることがわかります。

 山川さんによると、多少色を誇張していますが、ぜんぜんちがう系統の色は使っていないとのこと。
 現実の視覚では、「さくらや」の赤い看板が周囲から浮き上がって見えますが、絵では、それが目立たないように、周囲の色も強くしているとのことです。
 
 また、用いているのは一般的な油絵の具で、蛍光色のようなものは使っていないそうです。
 それで、こんなに目のさめるような発色になっているのだから、すごいですね。

 ちなみに、損保ジャパン東郷青児美術館からの眺めだそうです。


           

 左端が「OTARU I」、そのとなりが「SAPPORO I」。
 じつは、札幌を描いた絵はこれをふくめ小さめの2点しかありません。「そのうち、札幌で大きいのもかきたい」と山川さん。
 しかも「SAPPORO I」は、この会場の中ではかなり地味な配色です。


           

 山川さんがデッサンの名手でもあることを示す作品群。
 「バレリーナ」は、鉛筆の勢いに動感も表現され、興味深い1点です。


 出品作は次の通り。
OTARU I
SAPPORO I
磯釣り(IBUSUKI) I
TOKYO I
釣影(IBUSUKI) II
夜景(TOKYO) I
OTARU II
TOKYO
SAPPORO II
TOKYO
夜景(TOKYO)II
OKINAWA
TOKYO II
NAGASAKI

(以下はデッサン)
裸婦
バレリーナ
南瓜I
化石I
化石II
貝I

南瓜


2009年5月26日(火)-31日(日)10:00-19:00(最終日-18:00)
スカイホール(中央区南1西3 大丸藤井セントラル7階 地図B)


山川真一展(2003年)
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渡会さんの展覧会

2009年05月30日 16時28分06秒 | つれづれ日録
明日から芸術の森で開催。今日はオープニングパーティーです。
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札幌西武9月末閉店 「ロフト」も営業終了

2009年05月30日 01時29分24秒 | 新聞などのニュースから

 きょうの北海道新聞夕刊の1面トップになっていました。また、テレビ各局も報道していました。

 大丸の札幌進出以降、きびしい戦いが続いていたことは報道されていたので、とうとう来たか-というのが正直な印象です。

 もともと五番館という、老舗のデパートだった札幌西武。
 いまはそれほど目立ちませんが、1階と2階の天井吹き抜けが、丸井や三越にはない斬新な印象を与えていました。
 1980年代に西武傘下に入り「五番舘西武」と改称。92年には「札幌西武」になり、五番舘の名は「五番舘赤レンガホール」に残すのみになっていました。
 三越や丸井今井、東急、大丸と異なり、常設の画廊を持たなかった西武ですが、五番舘赤れんがホールでは、北斎と広重展(2006年)、エルメスへの道展(1997年)など、さまざまな展覧会がひらかれていました。

 個人的には、ロフトの無印良品はちょくちょく利用していましたし、WAVEがあったころはCDを買いまくっていたので、閉店は信じがたい気持ちでいっぱいです。
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■第17回池上啓一油絵個展 (5月30日まで)

2009年05月29日 23時49分56秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 池上さんの個展の会場に入る。
 壁に並んでいるのは、ごくふつうの油絵である。
 静物画が何点か。あとは、道内の何気ない風景をとらえている。

 省筆の度合いが心地よい。
 細かく描きすぎず、といって省略しすぎていない。

 ふつうの絵だなあと思って、つい足早に通り過ぎたくなる。
 でも、足を止めてじっと眺めていると、じわじわと良さがしみてくる。

 日高管内様似漁港を描いた「早春漁港」。
 エメラルドグリーンの水面が深い。
 岸壁の残雪にこぼれる微妙な光の調子は、いつまでも見飽きない。白にもいろんな白があるのだ、ということを、あらためて思わせる。

 「藤野残雪」は、自宅に近い南区の山を描いたもの。
 空気遠近法に沿って、遠景がわずかに青紫がかっている。
 しかし、いかにもラベンダー色を使ってますよ、というわざとらしさはみじんもない。

 「真栄の秋」にいたっては、清田区の何の変哲もない新興住宅地と小河川が描かれているだけ。
 それでも、見ていると、秋の日のやわらかさが、実感として伝わってくる。

 そうなのだ。
 池上さんの絵を見ているうちに、北海道内をドライブしていてふと感じた春の気配や、秋の空気感などが、よみがえってくるのだ。
 描かれた特定の場所を思い出すというのではない。もっと普遍的というか、北海道のどこででも抱くような感覚の追憶が、じわーっとわいてくるといってもいい。

 ことばにしづらい感覚だが、池上さんの絵を見ることは筆者にとって、絵はがきのように或る特定の場所を思い出すのではなくて、季節の微妙な移ろいを思い出すことなのだ。


 池上啓一さんは札幌在住の道展会員。 

 出品作は次の通り。
伊達早春 F4
静物 F6
日高山並み F4
枯花 F10
果物 F10
港の春 F50
有珠山遠望 F20
藤野残雪 F20
運河の春 F15
羊蹄の春 F30
早春漁港 F100
壮瞥 P12
藤野ダム F15
初夏 M50
浅春の山 F50
蘭越 F10
早春山脈 F80
時計 F10
早春 F50
富良野展望 F10
日高早春 F8
トッカリショ F10
壺の静物 F8
福住展望 F20
青い布 F8
柿と瓶 F8
陽春山脈 F8
真栄の秋 F6
水差し F8
秋色 F6
千年の森 F6 


2009年5月25日(月)-30日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A

第9回グループ環絵画展・小品展併催 (2008年6月)
第8回“グループ環”絵画展
第15回池上啓一油絵個展(2007年)
第11回個展(2003年)
2002年の個展
第9回個展(2001年、画像なし)
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■濱田トモミ写真展 滅びるように出逢いたい (5月30日まで)

2009年05月29日 23時44分31秒 | 展覧会の紹介-写真
 写真を撮る人で
「小樽」
とか
「壁」
をテーマにしている人はけっこう多い。
 そして、それらはノスタルジーを呼び起こす、わりと「よくある」作品になりがちだ。
 まあ、小樽の街並みにレンズを向ければ、なつかしい写真になるのはあたりまえで、そのことにあまり異を唱えるつもりはないし、わたし自身はその手の写真を見るのはけっこう好きだったりする。

 濱田さんの写真は、小樽の古い家の壁などを題材にしていながら、既存の写真とは異なっている。
 ややアンダーぎみの画像から、さびかけたトタンの壁がぼーっと浮かび上がってくる。
 ローライフレックスという二眼レフの中判カメラ(6×6)を用い、カラーの現像・プリントも、暗室を借りて自ら行っているという。
 深い微妙な色調は、フィルムの中判カメラならではだと思う。


           

 濱田さんは恵庭在住。
 幼いころは壁がトタンの古い家に住んでいて、それがすごくいやだったという。

 筆者も小学4年生までおんぼろな家に住んでいたので、その気持ちはよくわかる。

 その後、自宅は建て替えられたが、長じて町をあるいていると、ふしぎなことに、あれほどいやだったはずのトタンの壁に、ついレンズを向けシャッターをおしてしまう。
 あるいは、踏みつけられる草に…。


           


 濱田さんは数年前、渡部さとるさんの「恋するカメラ」を読んだのをきっかけに、渡部さんのワークショップを受講するようになり、カメラ・写真にのめり込んだとのこと。
 受講生仲間とグループ展を開くなどしていたので、発表場所はこれまでほとんどが東京だった。
 現在は、別の写真家のワークショップ受講のため月1度上京しているというから、熱意のほどがうかがえる。

 じつは、ふつうの小樽をとらえた写真も写しており、年内にもう一度発表の機会を持ちたいという。
 さらに、ピンホール芸術写真学会にも加わっており、6月6-11日に京都・エイエムエスギャラリーで開かれるピンホール・フォトフェスティバル「INTERFACE」にも出品する。

 最近、札幌では、すぐれた心象写真の撮影者が出てきているが、またひとり有力な作家が登場したと思う。今後の活躍に期待しています。


2009年5月25日(月)-30日(土)11:00-19:00
ギャラリーたぴお(中央区北2西2 道特会館 地図A)

□ブログ http://tomomifoto.exblog.jp/

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「画商の「眼」力」。やっぱり日本には美術を買う習慣がないのか…

2009年05月29日 23時42分24秒 | つれづれ読書録
 札幌には、企画の画廊がほとんどない。
 あるのは、貸し画廊ばかりである。

 ここの読者の方はご存知だと思うけれど、貸し画廊というのは、6日間で5万円とか10万円というお金を作者が払ってスペースを借りる制度である。
 お金さえあればだれでも自作を発表できるこの制度は、基本的に日本独特のものである(最近は、もっぱら日本人を相手にして、ニューヨークあたりにでもできているらしいが)。
 考えようによっては民主的な制度だから、筆者はむげに否定するつもりはない。
 しかし、本来の画廊というのは、画家・美術家を育て、売り出していく機能があるはずだ。
 そういう画廊がほとんど存在しないという実態には、いちまつのさびしさをおぼえざるを得ない。

 どうしてアートがわたしたちの暮らしに根付いたものにならないのか。
 もうちょい話の的を絞ると、どうして人は、ブランドもののバッグや衣服にはお金を使うのに、絵や現代アートや彫刻を購入しないのか。

 こう言ってしまうと身もふたもないけれど、そういう習慣がそもそもない-ということに尽きるのではないだろうか。

 わが国を代表する洋画商である日動画廊の長谷川徳七氏が書いた「画商の眼力」(講談社)を読むと、ため息をつきたくなるようなエピソードが出てくる。
 空襲のため銀座がほとんど焼け野原になっていた、1945年8月末ごろのことという。
 画廊の前に、ジープがずらっと並んでいました。陽光にボンネットはぴかぴか光り、エンジンはけたたましく鳴り響く。それは壮観な眺めでした。
 私は内心、「やっぱりすごいな、連合軍は。そりゃ日本は負けるな」と思ったものです。
 物量の豊富さに圧倒されてから数日後、(中略)将校宿舎だとか、接収した将校のための家に絵を掛ける必要があるということで、GHQから「絵を三〇〇枚用意するように」という注文が入ったのです。
 しかも、「そのうちの一〇〇枚は静物画、一〇〇枚は風景」という要望でした。
 (中略)
 日本の軍隊ならば、まず、宿舎に絵を飾ろうとは思わないでしょう。


 日本人に絵を飾る習慣がないというのではない。
 床の間には、水墨画や書が欠かせないものだった。しかもそれを、季節に応じて取り替えたりしていたものだ。
 しかし、日本の家屋から床の間が消えていくと同時に、絵を飾るしきたりも消えてしまったのだ。

 なお、この本は、プロがどうやって贋作を見分けるかなど、豊富なエピソードを交え、わかりやすく書いている。2時間もあれば読み終わるので、おすすめ。
 ナルホドと思ったのは、日動画廊では画家のパレットを収集・展示しているのだが、これは酔狂で集めているのではなく、意外なところで役に立つのだ。くわしくは本をごらんください。

 もうひとつ、気に入った個所。
 絵はたしかに情操教育にも役立つかもしれないし、心を豊かにするかもしれないが、「何かのため」「何かに役立つ」から絵の意味があるのではなく、ただ絵があること、そこに価値があるのだと思います-というくだり(59ページ)。


(5月31日、書名を手直ししました。眼にかぎかっこをつけました)
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■三岸好太郎の世界 所蔵品展「音楽のある美術館」 (6月14日まで)

2009年05月28日 22時00分06秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 三岸好太郎(1903-34年)の代表作といえば「オーケストラ」である。
 なんてったって、美術の教科書などにも図版が載っているから、道外の人でも知っている人は大勢いるだろう。
 今回は、その代表作と、キャンバスの裏側に描かれた「悪魔」、さらにエスキース多数に焦点を当てた展示である。

 とはいっても、所蔵作品展なので、初期の「二人人物」や、「大通風景」「道化」「飛ぶ蝶」といった代表作はあらかた並んでいる。
 というか、多くの作品は、前回の展示から位置を変えていない。
 「コンポジション」をいちばんはじめに持ってきたあたりが、異例といえば異例か。

 この美術館に来るのが十数回目ともなると
「おー、こんな作品もあったのか」
というおどろきはさすがにほとんどない。
 今回初めて見たのは、実作ではなく、「新交響楽団」という作品の写真だった。

 道立三岸好太郎美術館のほかに、宮城県美術館にも「オーケストラ」という類似作があることは、よく知られていると思う。
 2002年に、道立近代・三岸の2館で同時開催された三岸好太郎展にも出品されていた。
 どっちかというと、ひっかきがメーンとなっている三岸好太郎美術館の作品に対し、宮城バージョンは墨による太い線がめだつ。
 今回は、この宮城県の所蔵品の写真パネルが展示されていた。
 その横にあったのが、三岸美術館の「オーケストラ」をさらに大きくしたような「新交響楽団」だったのだ。

 1933年の作で、第3回独立展に出品された。
 100号とも200号ともいわれる大作で、東京・新宿の紀伊國屋書店に飾られていたそうなのだが、戦災で焼失したという。

 札幌の「オーケストラ」とどこがちがうか。
 フルオーケストラの背後に合唱団がいることだ。
 1933年2月5日、近衛秀麿指揮、自由学園合唱団と関東男声合唱連盟の共演で、ベートーベン交響曲第9番「合唱付き」が演奏されたという記録があり、そのさいの演奏会をモティーフにしているらしい。
 合唱団だけでおよそ160人はいるようだ。

 また、札幌オケにくらべると、楽団員の前に置かれた譜面台がいやに存在感を持っているのが印象的だ。


 なお、同美術館では、会期中、数多くのコンサートを予定している。
 日程は、同館のサイトか、こちらのエントリを参照してください。
 


2009年4月1日(水)-6月14日(日)9:30-17:00(入場は-16:30)、月曜休み(5月4日は開館し7日休み)
道立三岸好太郎美術館(中央区北2西15 地図D)

一般500円、高大生250円、中学生以下・65歳以上無料。土曜は高校生も無料


・地下鉄東西線「西18丁目」から徒歩7分
・中央バス、ジェイアール北海道バス「道立近代美術館前」から徒歩4分
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■亀井由利小品展 (5月31日まで)

2009年05月28日 21時06分34秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 室蘭出身、札幌在住の亀井由利さん(新道展会員)の小品展。

 モノクロームで、裸婦のトルソや鳥などを描きます。
 筆者には、人間のこころの世界を描いているように感じられるのです。

 冒頭の画像は、「櫻B」「櫻A」。
 川かと思ったら、違いました。
 異色の、モノクロの桜花です。
「日本画のようにならないようにと、苦労しました」
と亀井さん。

 ひそかな情念が夜の闇に流れていくようです。


           

 「月とピエロ」「鳥」などの小品。
 鳥は、人間よりも、太らせたり変形させたり、気持ちを投影させやすいモティーフなのだそうです。

 計19点。すべて絵画です。


2009年5月25日(月)-31日(日)10:00-22:00(最終日-17:00)
カフェ&ギャラリー北都館(西区琴似1の3 地図K

・地下鉄東西線琴似駅から徒歩4分
・中央バス・ジェイアール北海道バス「西区役所」から徒歩9分


亀井由利個展(2007年)
亀井由利 心象世界(07年4月)
BOOKS ART展(06年11月。画像なし)
■06年9月の個展
LEBENS展(06年6月。画像なし)
新道展50周年記念展(05年。画像なし)
柴崎康男・亀井由利2人展(04年。画像なし)
北海道二科支部展(02年。画像なし。3月16日の項)
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■新茶を愉しむ 旅する茶器 (5月29日まで)

2009年05月28日 20時37分56秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 「旅する茶器」
って、変わったタイトルだなあと思っていたら、お店の舟見さんいわく、だれかが職場に茶器を持ってきておいしいお茶や抹茶をいれてくれたらすてきだと思いませんか?
 実際に、舟見さんが昔、或る会社に勤めていたときには、ときどき実行していたのだそうです。
 たしかにそういう人が職場にいると、なごむかもしれませんねー。
 とってもユニークな提案です。

 冒頭の画像は、札幌の染織家樺澤京子さんによる柿渋染めの茶籠。
 これにお茶道具を入れてほしいということです。
 でも、小さなバッグとしていろんな用途に使えそうですね。
 底部は、ラフィアという素材で編まれています。これは、マダガスカル産のやしで作られており、手芸店にはよく置いてあるそうです。

 樺澤さんは、もともと着物の染色などを手がけている方です。

 左下と、その奥にならんでいるのは、石川久美子(函館)さんのうつわ。
 一般的な織部とはちがった、個性的な緑色が映えています。


           

 江別の森トシヒトさんの湯呑み。
 こちらは、粉引ですが、焼成の後に表面を研磨しているので、すべすべです。
 見た目はザラザラの景色なので、そのギャップがおもしろいです。

 周囲に、札幌の若手、船山奈月さんの木のお皿が見えています。


           

 こちらも若手、上ノ大作さんのうつわ。
 「花は投げ入れているだけなんですけど、引き立ちますよねー。花を盛るのが楽しくなるのは、いい器だからだと思います」 
と舟見さん。


2009年5月19日(火)-29日(金)10:00-19:00(日曜、最終日-17:00)、月曜休み
クラフトAger(北区北7西6 地図A)
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ACFパーティー「あ」、5月28日

2009年05月27日 22時05分11秒 | 展覧会などの予告
 「創造都市札幌から世界へ発信~リノベーションからイノベーションへ-さっぽろ発、食とアートの共演-」
という副題を持った
ACF(芸術・文化フォーラム)パーティー「あ」
なるものが、2009年5月28日午後6時半から、札幌プリンスホテル国際館パミール(中央区南2西11)でひらかれるそうです。

 筆者のところには、札幌彫刻美術館友の会から通知がきましたが、料金20000円です。
 経費で落とす-ということがまったく不可能な、フツーの会社勤めには、非現実的な料金設定なので、たぶん行かないと思います。
 案内状に「ドレスコード フォーマルもしくはインフォーマル」とあるのも、おもしろかったりします。

 内容は、
N:42,46-43,11 E:140,59-141,30-「あ」
と題する舞台と、プリンスホテルのシェフ、ソムリエ、パティシエによる創作料理。
 舞台は、詩朗読が原子修さん、ヴァイオリンが札響の大平まゆみさん、映像制作はなこ、グラフィックデザイン今村育子、写真提供佐藤雅英、題字中野北瞑(原文ママ)、芸術監督端聡・・・などなどとなっています。

 また、展示会も行われ、
劔持小枝(人形)、奈良由紀子(人形)、中村照子(陶芸)、たけだりょう(押花)、清水武男(写真)
の5氏がリストアップされています。

 パーティー「あ」の実行委員会の名簿の紙片が同封されていました。

 顧問、コラボレータ(芸術・文化フォーラム呼びかけ人会議共同代表)につづき、実行委員長として原子修さん(詩人)、副実行委員長には竹津宣男(北海道国際音楽交流協会)、端聡(美術家)、小島紳二郎(株式会社ウェス代表=原文ママ)の3氏が記されています。


 フォーラムの連絡先がCAI02の中にあるということで、あるいは、端さんが抱いている「札幌で国際芸術祭を」という夢に、経済人や他のジャンルの芸術関係者も巻き込んでいこう-ということなのかもしれません。
 が、これは憶測であって、ほんとうのところはわかりません。

 読者の方で出席なさる方がおられましたら、リポートよろしくお願いしますね。 
コメント (4)
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