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アノマリーではトランプ大統領誕生の可能性大、ダウ暴落も想定すべき - アメリカ社会に横溢する不満

2016-09-27 | いとすぎから見るこの社会-対アジア・世界
碌な結果も出せないで民主党政権以下の低成長、言い訳ばかり達者な安倍政権。
権力欲だけは「異次元」の業突く張りなので、来年初めの衆院選も囁かれている。

しかし、そうしたあさましい打算を軽く吹き飛ばすようなシナリオも出てきた。
トランプ大統領の誕生とダウ暴落が本当に起きるかもしれないのである。

市場ではアノマリーと呼ばれる合理性では説明できない事象があることが知られる。
米大統領選ではインディアナ州VIGO郡での勝利者が大統領になる確率が極めて高いとか。
今回、そのアノマリーに当てはまるのが何と、トランプ候補なのである。

夏の失言で勝負あったかに見えた米大統領選であったが、
暴言トランプの支持率がまたしてもひたひたとクリントンに迫ってきており
もし激烈なイエレン批判で知られるトランプが逆転勝利したら
米金融界の恐怖感は想像を絶するものとなろう。
「何が起きるか全く分からない」からだ。

アメリカの保守派の大物は、今回の大統領選を
癌か心筋梗塞かの選択」と形容したそうだが言い得て妙だ。
それ程の毒舌に相応しい展開が予想されるからだ。

ダウ暴落は必ず狂ったような日本株売り・円買いを招く。
安倍政権のインチキ・アベノミクスが思考停止した大衆の支持を集めているのは、
ひとえに米経済の回復と米利上げ期待で円安株高が進んできたからだ。

そうした「偽りの活況」に騙されているB層も、
株安円高の急伸でGPIFが10数兆円の赤字を抱え、
失業増と訪日観光急減に見舞われたら掌を返すに決まっている。

70年前に「鬼畜米英」が「マッカーサー万歳」になった時と同様、
定見のないB層は騙された怒りで安倍政権を罵倒し始めるだろう。

ただの偶然を己の手柄と勘違いしている安倍政権が、
北方領土問題でB層向けの小賢しいパフォーマンスを狙っていても
トランプ・ショックが襲来すれば哀れな「裸の王様」でしかないことが露呈してしまう。

▽ 北方領土問題では、安倍・プーチンで誤摩化しだらけの妥協が成立する可能性が出てきた(佐藤優氏の分析)

『週刊東洋経済』2016年9/24号 (納得のいく死に方 医者との付き合い方)


日本国民は、安倍政権の馬脚が完全に露呈する瞬間を目撃することになろう。

「安倍政権の言い分を鵜呑みにして報じたり、碌に批判をしないメディアは、
 官邸の買収工作を受けているものと見て間違いない。
 漏れ聞こえる話では、菅官房長官・萩生田補佐官・世耕副長官が
 メディアを監視する一方、「懇親会」と称して記者を連日接待しているということだ。
 (事実上、官房機密費で彼らを「買収」している訳である)」

「首相の名誉心の発露とはいえ、中東和平を唱えるのは悪いことではないが
 中東諸国の目当ては日本のカネであり、カネを貰えるのだから歓迎するのは当然だ。
 和平の方は実効性において大きな疑問があり、イスラエルにしっかり釘を刺される始末である」

「イスラエルとしては軍需関連分野で日本への輸出を狙っており、
 日本からの観光客を受け入れたいとの思惑があるため
 言辞を抑制しているがメッセージは疑いようがない」

「エジプトにせよ今は観光産業が壊滅的な打撃を受けており
 日本のようにカネをくれるパトロンは喉から手が出るほど必要な状況だ」

「安倍政権の言う「テロ対策支援」が軍事的裏付けを伴っておらず、
 実質的には国益(=安定したエネルギー供給)護持と
 日本企業のビジネス拡大の修辞に過ぎないことは明らかだ。
 そうしたリアリズムが認識されないことこそ重大な問題である」

「安倍首相はせいぜい外務大臣の器でしかないので、
 軽々しくリップサービスを振りまく悪い癖がある」

「今回の米議会での演説も「戦術的勝利だが戦略的に微妙」な形に終わり、
 日本の国益にとって何が重要かを理解していない内容であった」

「政見寄りの御用メディアはスタンディングオベーションの回数や
 拍手の回数で成功だの評価が高いだのと論じているが
 狭い議会でウケたかどうかなど大した問題ではない。
 (来年か再来年には大統領選挙の騒ぎでこの演説など忘れ去られる)」

「米国は東アジアの安全保障政戦略で日本を必要としている。
 (場合によっては中国のミサイル攻撃の「盾」として利用される可能性もある)
 日本の協力を「高く売りつける」ことが正しい目的であった筈だ」

「集団的自衛権容認で忠犬ぶってアメリカに尻尾を振る以外にも
 日米同盟を強化する方法は幾らでもあるという事実を全く理解してないものと見える。
 今回の安倍演説は、集団的自衛権が日本のためではなく米国のためであることを
 図らずも明らかにしたのである。日本国民が疑いの目を向けるのも当然だ」

「そもそも集団的自衛権を認めるかどうかは、中国の脅威に対抗するための必須条件では全くない。
 台湾海峡周辺での有事では、米軍と同時に日本も攻撃を受ける可能性が極めて高いからだ」

「いま北方領土交渉などしている場合ではないことが、どうして分からないのか。
 根本的にリアルポリティークが分かっていないとしか言いようがない。
 本来はアメリカに釘を刺される前に、自ら自制するのが当然だったのだ」

「プーチンは完全に安倍政権を嘲笑し、北方領土の開発を進めている。
 これだけ馬鹿にされているのにプーチン訪日を働きかけるというのは、
 もはや国辱的とも言える範疇に入る。
 外交が分かる者にとって、安倍首相のウクライナ訪問は「自爆」或いは「自滅」行為でしかない」

「ドナルド・トランプに最も近いのはロナルド・レーガンである。
 今の大統領候補の中で、ドナルドだけがロナルドになり得るのだ」

「レーガンは、よく知られるように政治のプロや専門家や馬鹿にされていた。
 キッシンジャーは、「このような人物がなぜカリフォルニア州を統治できたのか」と
 自著の中で痛烈にこき下ろしている。余程の私怨があったのかと訝るほどだ」

「メディアに注目される著名人・軽妙なトーク・問題発言・政策への無知。
 アメリカの「敵」への攻撃性・ミスをしても致命傷にならない・「強いアメリカ」志向。
 「スターウォーズ計画」のような空想的計画のぶち上げ・原油安の時代。
 挙げてゆくと、いかにトランプとレーガンに共通点が多いかが分かる」

「日本が安全保障でも経済でもアンフェアだと言わんばかりの、
 トランプが大統領になる日が近付いているかもしれない。
 これは日本にとっては重大な問題である」

「外交力の低い安倍政権は、この新しい厄介な相手に対処できるのだろうか。
 レイムダックになっていいように振り回される可能性もかなりある」

「更に悪いことに、レーガンの頃よりもアメリカの国力は衰えている。
 (「社会主義者」サンダーズ人気がその証左)
 つまり、トランプは国力の衰退と内向きの民意を受け、
 モンロー主義への回帰を行うかもしれないのだ」

「トランプにTPPをひっくり返され、為替操作を牽制されたら
 安倍外交は一気に窮地に陥ってしまう」

「冷泉氏はトランプが共和党候補になったらヒラリーが勝つと見ているようだが、
 当ウェブログはそうは思わない。トランプ候補はそもそもの評価が低かったから、
 有権者の評価を急上昇させるようなきっかけがあれば、ヒラリーが大敗する可能性すらある。
 (トランプには政治家として「化ける」可能性があるが、ヒラリーには全くない)」

「トランプは、強い不満を抱える米国の有権者にとって唯一の選択肢になりつつある」

と当ウェブログが警告した通りの展開だ。
底の浅い安倍外交など一発で吹っ飛ばされるリスクシナリオが姿を現しつつある。

▽ 米外交公電では、民主党政権と同じように自民党政権の外交も小馬鹿にされている

『全貌ウィキリークス』(早川書房)


トランプ大統領の誕生で安倍政権は崩壊するかもしれない。

「経済政策でも安全保障でも、外交でも次元の低い安倍政権が、
 またしても口だけ政策を展開して大失敗に驀進している」

「北朝鮮交渉が全くうまくいかないどころか
 ミサイル発射や核実験で安倍政権は顔に泥を塗られた訳だが、
 (あのような異形の独裁国とまともに交渉できると思うのは愚か者だけ)
 今度は対ロシアで同じような失敗を繰り返そうとしている」

「つまり、目の前に「エサ」をぶら下げられて、
 安倍政権は小躍りし釣り針に食いついてしまったのだ」

「この学習能力の欠如にはもはや呆れるしかない。
 北朝鮮に煮え湯を飲まされ、ロシアが平然と北方領土開発を進めて
 日本は面子を潰されているのにまた凝りもせずまた同じ罠にかかっている始末だ」

「ロシアは常に国益(ロシアの利益)のために行動しているのだから、
 対ロ外交で点数を稼ごうとプーチンに媚び諂う安倍政権のスタンスそのものが愚行である」

「北方領土の開発を進めるロシアに対して
 へらへら笑って取り入ろうとする醜態はもはや末期的だ」

「北方領土交渉をエサにして日本からカネを引き出すのが目的である。
 愚かな安倍政権は北朝鮮に騙された時と同じく、完全にプーチンの術中に嵌っている。
 (しかも対ロシアでは日本に経済制裁などの強力なカードが全くない)」

「安倍政権は不利な条件を呑まされるのが関の山で、
 「北方領土交渉を形だけ行うのと引き換えに経済協力させられる」
 といった無様な結末を迎えるだろう」

「中東やウクライナ訪問では無益なスタンドプレーばかりで
 カネをバラ撒くのを外交と勘違いしているのだから話にもならない」

と当ウェブログが指摘してきたように、安倍政権の外交力は元々低いから、
トランプ・ショックで株安円高が襲来すればGPIFが10数兆円以上の損失を出すのは必定、
失業増と訪日観光の急減で安倍政権が口だけで実際は無力であることが誰の目にもバレる。

 ↓ 参考

北方領土というエサに釣られる安倍政権、プーチンに嘲笑されるばかり - 見え透いたお世辞に騙される政府
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/4979e5c15b8e4b7aed0349b629cd6627

ドナルド・トランプがロナルド(レーガン)になる日 - しかし、日本外交が見下される現実は変わらず
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/0af2944e0ad22db671571aaaadb94ab5

プーチンに面子を潰され、アメリカに叱られた安倍外交 - 愚劣なウクライナ訪問で自業自得の失敗だった
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/9017cd2a1e623087cbc9ef90c4d990bc

米外交公電、日本政府の外交を酷評 -「外務官僚は世間知らず」「無計画で実行力がない」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/ac95bcd20a6bcb0fb2d637efd01486af

▽ 冷酷なロシアのリアルポリティークは、認識の甘い安倍政権とは「次元が違う」のである

『コーカサス国際関係の十字路』(廣瀬陽子,集英社)


大統領選ヒラリー敗北で「ダウ暴落」の真実味(東洋経済オンライン)
http://toyokeizai.net/articles/-/135745
”いきなり歴史の話から入って恐縮だが、関ヶ原の合戦(1600年)では西軍に大義があり、その点では徳川方は不利だったはずだ。しかし正義が勝つとは限らない。同じような雰囲気が漂いだしたのが、米国の大統領選だ。
 今回共和党は、常識派には信じられない非常識なトランプ氏。そこで過去は中立的だった主要メディアも、今回は躊躇なく、民主党のヒラリーの応援に回った。ところが最新の調査では、再び支持率は拮抗している。そしてオハイオやフロリダの最重要州でトランプに逆転されている状態が伝わった木曜日、ヒラリーはトランプ支持者の半分は「deplorable」と言ってしまった。

■米株急落は、利上げ云々の単純なストーリーではない
 deplorableは、米国在住が長くなった筆者でも、普段はあまり聞かない言葉だが、嘆かわしい、哀れ、情けないなどという意味らしい。ヒラリーは、知性を出したかったのかもしれない。
 だがメディアは、トランプ本人を攻撃するのではなく、国民・有権者を馬鹿にしたヒラリーという見出しで一斉に報道した。トランプはこれまでヒラリーとオバマを徹底的に攻撃しているが有権者を批判したことはない。そんな中、ついに切れた? ヒラリーは、トランプより過激な行動にでてしまった。この大失態で、ヒラリーを応援してきた主要メディアも、フォローが出来ない状態に陥った。
 さらに筆者が驚いたのは、オバマ政権がプーチンとシリア問題で妥協すると報道されたことだ。IS撲滅のためとはいえ、ヒラリーはプーチンを褒める、トランプの非常識を攻撃材料としたばかりではないか。
そのプーチンとの妥協を、こともあろうにオバマ政権が発表したのは、ヒラリーからすればオバマに裏切られた思いだろう。ただし個人的には、これはレームダックのオバマ政権のやむをえない優先順位を表していると考えている。
NYダウ394ドル急落と、オバマ政権との「関係」とは?
 本題からややずれるが、9日の米株の下落(NYダウは前日比394ドル安)にも関係するので、ここで触れておきたいのが、任期わずかのオバマ政権の緊急課題だ。それは「二人のミレニアル主導者」への対応である。特に切迫しているのは度を越した北朝鮮の党委員長・金正恩だ。核実験は400ドル下落の一つの理由だ。そして、その先にあるのが、議会がテロ遺族の賠償金請求を可能にする法案を可決したサウジアラビアである。
 金正恩もサウジの皇太子も、アメリカ文化に憧れる? ミレニアル世代である。オバマはミレニアル世代にも近いジェネレーションXの世代。だが、これから米国は非戦的なオバマの世代から、古い世代へ大統領が逆戻りする。これに焦る金正恩に中国がどう出るか。先のG20をみても、ここぞとばかりに各国が動き始めた様子である。
 力を持つブーマー世代と、若いミレニアル世代の間で悩み続けたオバマ。彼が最後に北朝鮮をどうするか。もし北朝鮮に日本株が反応しないなら、個人的には安心というより、日銀の買い支えで、政治リスクへの感覚が麻痺する副作用の方が心配だ。
〔中略〕
■ヒラリーの支持率は、なぜ落ちてきたのか
 金融市場関係者をみると、元々ヘッジファンドの一部には熱烈なトランプ支持者がいる。一方で、一般的な順張り中長期バリュー投資(いわゆるパッシブ型)運用者は、ヒラリー勝利を前提にしてきた。
 昨年来、高い手数料(利益の20%)なのにパフォーマンスが悪いヘッジファンドからパッシブ運用への資金移動が顕著になった。そんななか、民主党大会が終わり、支持率でヒラリーがトランプを引き離した頃から相場は上昇。ここではパッシブ型運用者が、大統領選の不透明感が和らいだことで(ヒラリー勝利へ)いよいよ新しい相場に向け動き出したといわれている。
 では、選挙戦の形勢が変わればどうなるのか。大統領になったトランプが、予告どおりイエレン議長をクビにすることを想定するのは早いだろう(そのときのダウは2000ドル程度下落? )が、政治的思惑は、これまで以上にマーケットに影響を与える。ただし初動はヘッドラインに反応する電子取引が支配する。我々はその値動きに慌てるのではなく、背景の政治情勢を理解することが、より重要になっている。
 ここでもう一度選挙戦を整理すると、金銭面で共和党を支えているといわれるのは、石油化学大手Koch industries のコック兄弟。その一人、デービット・コック氏は、自身の応援した候補者がことごとくトランプに敗れ去った後、ヒラリーとトランプの対決を”癌か、心筋梗塞かの選択“と表現した。また中立的な評論のなかにはevil(邪悪)とstupid(愚か)の争いと 揶揄するものさえあった

トランプがヒラリーに勝つ3つのポイントとは?
 今、支持率は、ここにきてトランプの愚かさより、ヒラリーの邪悪さが目立ってきたからだ。ただしサプライズではない。以前このコラムで紹介したDモリス氏は、トランプがヒラリーに勝つ手段として、以下の重要争点を挙げていた。
 ①ヒラリーの政治的な過去は変えられないが、ビジネスマンのトランプの過去は政治家よりも軽い。さらに破天荒な態度は徐々に変えていくことが出来る。
 ②ヒラリーが勝つと空席の9人目の最高裁判所判事をヒラリーが任命する。最高裁判事に任期はなく、本人が自分で辞めるまで、亡くなるか、弾劾されるまで、延々と続く。現在最高裁のバランスはリベラルが4人保守4人。ヒラリーがリベラルな判事を選ぶと、ヒスパニックや不法移民が大量にアメリカ人になり、アメリカはアメリカでなくなる。
 ③このまま民主党政権が続いてサンダース化が加速すると、アメリカは欧州のような「社会主義国家」へ移行する

■ヒラリーが嫌われている本当の理由とは? 
 7月の党大会でヒラリーがトランプを引き離したのは、イラクで戦死したイスラム兵士の両親を利用したからだが、圧倒的数の白人戦死者の親にとっては、なぜアメリカはこんな愚かな戦争へ突き進んだのかの方が本当は重要である。そこでは保守派を代表したブッシュ大統領に、反対すべき民主党の上院議員たちまでもが、なぜ賛成したのか。
 ヒラリーは、トランプの発言の非常識を攻撃することで自分の過去を隠してきたが、トランプがメキシコを電撃訪問し、敵対しているはずのメキシコ大統領からも受け入れられたことで、今度は自分の過去の弁明をする羽目になった(2003年のイラク決議への賛成)。これからは討論会など②と③が焦点になる。討論となれば、あの共和党の激戦を勝ち抜いたトランプは手強い。
 そして彼女が嫌われている最大の理由は、民主党のピラミッドの頂点に立つビル・クリントンの邪悪なイメージを、ヒラリー自身が背負ってしまっているからだと思う。
〔中略〕
 男としては気の毒なのだか、クリントン時代の好景気を知らないミレニアルからすれば、ヒラリーは何回も浮気をした夫を赦してしまった古い世代の女性に写る。
 一方のトランプは、本業とは裏腹に自分は酒も飲まず、大麻などにも否定的。ビル・クリントンが、1992年の大統領選で、学生時代の大麻問題を追及された際、「臭いはかいだが肺まで吸い込んでいない」という情けない言い逃れをしたこととは対照的だ。トランプは非カソリック系の白人キリスト教信者から強い支持を受けているが、彼の離婚回数は正直さの表れであり、リベラルなクリントンの浮気の回数は、正直ではない証明ということになるのだろう。

結局、大統領選にはトランプが勝利する?
 イリノイとミズーリの州境に近いインディアナ州の小さな行政区であるVIGO(ヴィーゴ)郡は、以前より一部の選挙分析のプロの間で注目された町だ。理由は過去100年、本選に突入する前の予備選の段階で、その町で一番人気になった候補者が大統領になるケースが「神がかり的数値」だからである。
 VIGO郡では1888年から2014年までの大統領選挙で外したのは、わずか2回だけ。1908年のタフト大統領と1952年のアイゼンハワー大統領である。筆者がこの記事を読んだのは昨年の12月5日だった。正直驚いた。なぜなら、その段階でこの町が示唆していた2016年の大統領選の勝者はトランプだったからだ。

 その後、ずっとトランプが勝つ可能性を冷静に見てきたつもりだ。もちろん3回目の“外れ”の可能性はある。トランプは1970年代、危険だとして父親が反対した荒廃したマンハッタンの再開発に成功。1980年代は誰もやらなかった春のプロフットボールリーグ開設にも成功した。
 しかしその成功の後、不動産からカジノ経営に拡大して失敗(タージマハール)。また春のプロフットボールリーグ(USFL)が軌道に乗ったのに、本家のNFLとの合併を強引に画策して失敗した(独占禁止法で告訴したが敗訴)。結局、春のフットボールリーグも3年で消えた。
 つまり、トランプは「against all odds」 の逆境には強い。しかし、自分が優位になった後オーバーステップをしている。ならば支持率でヒラリーを抜き、勝利を確信した後が興味深い(まだそこまでなっていないが…)。

■「常識が非常識に負ける」ことを想定せよ
 いずれにしても、トランプショックへの対応は、もう少し先として、問題はトランプショックの本質を今のうちに理解することが重要だろう。なぜならトランプが負けても、必ずアメリカでは次のトランプ現象が待っているからだ
 冷戦後のグローバル化の軸となったリベラル的知性。ほとんどの市場関係者はこの時代しか知らない。今はその時代に神になった中央銀行のヘッドラインに完全に市場は支配されている。
 ところが時間とともに、それでは解決できない停滞期を迎えると、今度は強烈な個性が停滞をぶち壊しにくるサイクルである。アメリカではそれをwisdom of crowdとbrilliance of greatness として、歴史的には両方を尊重してきた。よって常識が非常識に負けることは、米国ではそれほど驚くことでもない。一方で、常識が負けることがほとんど想定されていない日本は、それをイメージしておくことがそろそろ必要だろう。
滝澤 伯文”

この執筆者の文章は初めて見たが、日本語の間違いはあっても素晴らしい。
特に気になるのはこの米大統領選のアノマリーだ。
ざっと計算してもトランプ大統領になる確率はすさまじく高い。

今、「ダウ暴落が起きる」と言っても殆どだれも信じないだろうが、
LTCMの時も、米ITバブル崩壊の時も、リーマンショックの時も、
金融のプロも含め圧倒的多数の人々が暴落するなどとは思っていなかった。
市場は人智を超えた動きをするという歴史的事実を再び想起すべき時がきたのだ。


トランプ当選の可能性はもうゼロではない - 冷泉彰彦 プリンストン発 日本/アメリカ 新時代(newsweekjapan)
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2016/09/post-864.php
<本選を直前に控えてヒラリーとトランプの支持率が拮抗してきている。景気、雇用の低迷感がジワジワと広がる中で、トランプという「ガラガラポン」への期待が徐々に高まる可能性が>
 米大統領選は、投票日まで残り50日を切り、最後のストレッチ(追い込み)に入りました。ですが、相変わらず選挙戦の内容は深まることはなく、品のない中傷合戦が続いています。
 そんななか、ドナルド・トランプ候補とヒラリー・クリントン候補の支持率は拮抗してきています。いつの間にか、全国規模の世論調査の数字も拮抗しているのです。
 政治情報サイト「リアル・クリアー・ポリティクス」によれば、最新の「世論調査の全国平均」では、まず支持率の単純平均値で、

■ヒラリー・クリントン・・・46.0%
■ドナルド・トランプ・・・・43.4%

 と僅差になっています。一方で、実際の選挙制度である「州ごとの選挙人数予測」では、

■ヒラリー・クリントン・・・272人
■ドナルド・トランプ・・・・266人

 とほとんど拮抗しているという集計が出ています。また非常に稀なケースとして、「ネブラスカ州で、特殊ルールにより選挙人数が割れる」などの現象によって、最終的な獲得選挙人数が「269対269」で同数になる可能性を指摘する専門家もあります。
 その場合は「大統領は下院が、副大統領は上院が選ぶ(但し議員1人1票ではなく、両院の各州議員団で1票)」ことになります。そんな可能性が取り沙汰されるぐらい、拮抗してきているというのです。
 8月の中旬、両党の党大会が終わり、トランプがイスラム教徒米兵の戦没者の両親を中傷して大炎上した時には、「ヒラリー楽勝」というムードが濃厚だったのですが、ジリジリと支持を落とし、国際社会としてはまったく受け入れられないこととは思いますが「トランプ大統領」誕生の可能性が、現時点では否定できない情勢となってきました。
 ちなみに、9月11日の慰霊式典で体調を崩したという「ヒラリーの健康問題」は解決済みで、特に波紋は広がっていません。問題は他にあります。
 その理由は4点挙げられると思います。
 まずは景気です。今週、FRBのイエレン議長は「9月の利上げは見送り」という判断を表明しました。妥当な判断だと思いますし、市場も当然のこととして受け止めています。ですが、この判断は、「景気がそれほどの勢いではない」と示したことに他なりません。
 これは、アメリカ社会全体としては決して「今は良い時代ではない」という感覚に重なるわけです。そして、失業率は下がっているものの「自分は再就職したが希望年収にはまったく届かない」とか「今は職があるが、今度失業したらもう後がない」あるいは「自分の周囲に職のない若者が多い」といった「雇用に関するネガティブな生活実感」が濃厚だということもあります。
 そんな中で「こんなはずはない」とか「この世の中で成功している人間は妬ましい」あるいは「自分は特に失うものはないので、世の中を思い切りひっくり返して欲しい」という感情を持つ人たちが確実に増えていると言えるでしょう

 2点目はテロと安全保障です。欧州のようなテロの横行する社会とは距離を置きたい、イラク戦争のような犠牲を伴う「介入」は二度とやりたくない、先週のニューヨーク、ニュージャージー州の爆弾テロのような単独犯も怖いので予備軍も含めて入国規制して欲しい......つまりトランプ的な「文明の隔離主義」「孤立・非介入・隔離」という考え方が不気味なまでに広がっています
 シリア情勢にいたっては「複雑すぎて理解する気もない、従って興味はない、だが怖いから距離を置きたい」というアパシー(無気力・無関心)が広まっているように感じられます。こうなると、デマゴーグ的な煽り方をしてきたトランプだけでなく、「どうせ理解してもらえない」からと、国民に対して「複雑な中東情勢とアメリカの姿勢」を説明してこなかったオバマ=ヒラリーにも相当非があると言わざるを得ません。
 3点目はヒラリーの選挙戦です。本来やらなければならない、複雑なシリア情勢でも「国民に平易に真実を説明でき、その上で最適解を提案する」ことができていません。経済もそうです。ヒラリーの政策ハンドブックには「アメリカは先進国型経済を極め、知的労働で生きていく。その代わり、巨大な人口が知的労働に足りるだけの職業教育が受けられるように具体的な施策を整える」と書いてあるのです。
 しかし、その具体策を誠実に訴えることはできていません。「トランプ叩き」ばかりに走っているのです。これでは、「次期大統領はあの程度なのか」という、失望感と無関心が拡大するだけです。
〔中略〕
 4点目はトランプの選挙戦です。8月に発足した選対の新体制では「コアのファンを裏切らないために、過去の暴言は否定せずに言い続ける」「ただし、新規の暴言ネタは控える」「基本的に以前よりは少しだけ上品に戦う」という「微妙な軌道修正」を行っています。これが戦術的には成果を挙げています。
 ヒラリーの選挙戦の低迷が大きいため、トランプ側は「自分に対して否定的な中道層」を取り込むための「本格候補らしい印象を与えるイメチェン」をしないまま、ジワジワと支持を伸ばしているのです。
 これまで筆者は、「大きな景気後退」「深刻なテロ」が起きた場合、トランプに票が流れる危険性を予測してきました。ですがそうではなくて、ドロドロとうごめいていた「曖昧な不安感」が増幅するだけでも、トランプには相当な追い風になっている。つまり「ブレグジット(英EU離脱)」に似た「ガラガラポンへの期待」からの投票行動が伸びてくる危険が高くなってきたということです。

冷泉氏もトランプ大統領の可能性を認めざるを得なくなってきた。
先見の明としてはいま一つだが、指摘は的確で内容もよく整理されている。

しかも恐らく冷泉氏の指摘よりも事態は深刻である可能性が高い。
アメリカでは白人男性の死亡率上昇という不吉な現象が起きており、
社会的・経済的な病弊が深刻化している事実を示唆している。


クリントン氏、大口献金者に便宜供与か…米報道(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/20160811-OYT1T50084.html
”【ワシントン=尾関航也】CNNなど米メディアは10日、大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン前国務長官(68)が長官在任中、クリントン一家の財団の大口献金者に便宜供与を図った疑いが浮上したと一斉に報じた。
 クリントン氏は有権者の信頼感が低く、大統領選に悪影響を及ぼす可能性がある。

 保守派団体の情報公開請求に応じ、国務省が9日に新たに公表したメールの中にやり取りが含まれていた。クリントン陣営は「長官在任中、財団への献金のために行動をとったことは一度もない」と不正行為を否定している。”

不評なクリントンには次々と怪しげな噂が持ち上がっている。
トランプが負けたところでクリントンがましだという保証はないのだ。

▽ クリントンなら日本は安心かと言えば、全くそうではない

『クリントン・キャッシュ』(ピーター・シュヴァイツァー,LUFTメディアコミュニケーション)


チャイナマネーの影響も囁かれるクリントン。
今回の米大統領選は、トランプでもクリントンでも日本にとっては凶だ。
経済停滞の元凶である安倍政権を葬り去る以外のメリットはない。
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