法人税減税は「成長政策」ではない。勘違いしている者が多く、
大企業の走狗となって国民を欺く連中までいるので
真実を語らなければならない。
法人税減税は「大企業の収益の成長政策」であり、
アメリカを見ればすぐ分かるように経営層と株主に利益が集中する。
彼らは元々高所得なので消費性向が格段に低く、内需を支えない。
(特に金融業は公務員並みに消費性向が低い)
日本の大企業には根本的な問題がある。
低収益・経営者の居座り・進まない企業の新陳代謝である。
優秀な企業もあるがそうでない企業も多いのだ。
真の成長政策は、経営者同士・企業間の競争を促進し、
キャッシュを貯め込んで投資も収益も雇用も増やせない
劣等企業や経営者を追放することである。
そのためには海外からの対日投資を呼び込む投資庁も必要だ。
同時に、雇用政策では解雇規制にだけ集中する視野狭窄をやめ、
北欧型の積極的労働市場政策から学び、
有能な労働者の流動化を進めるべきである。
(そうすれば企業は人事や待遇を改善させざるを得なくなる)
そして配偶者控除や第3号被保険者、退職金控除といった働かない者へのバラマキをやめ、
育児・福祉・医療といった労働力不足分野で働く者への支援に所得移転すべきである。
それでこそ日本経済が真に成長できるのである。
▽ スウェーデンは企業にも労働者にも厳しい社会、重税を生産性・効率向上に活用している
日本は声の大きい大企業に甘く、働かない偽弱者にも甘いのだから、
成長率・生産性・一人当たりGDPの全てでスウェーデンに負けるのは当然だ。
「「企業が稼いでこそ日本が豊かになる」との尤もらしい宣伝が多いが、
これは完璧な誤りであるばかりではなく明白なプロパガンダである」
「企業収益増加は日本経済の成長の必要条件の一つであっても、
決して十分条件ではない。これが21世紀の「ニューノーマル」なのだ。
大企業を保護し健全な競争を妨害する政策や制度が日本経済を沈滞させている」
「真に必要な経済政策は、いかに利害関係を持つ企業が嫌がろうとも
エネルギー効率を高め、強力な人口政策と積極的労働市場政策を推進することであり、
大手企業に媚びへつらってその利益に貢献する腐った政策ではない」
「日本の政策を批判する企業経営層の言辞は入念に検討する必要がある。
経営者の本来の仕事は自社の収益向上であり、それ以上のものではない。
自社収益のため、日本経済にツケを回そうと考える悪しき動機は充分にある」
「1997年の金融危機は不良債権を誤摩化してきた金融セクターに最大の責任があった。
経済界からの要求が強まった2000年代、我が国の成長率は低迷したままである」
「アップルやフェイスブックは法人減税や規制緩和で生まれた企業だろうか?
赤字転落した日本の電機は法人減税や規制緩和を行っていれば助かったのか?
ここには重大な自己欺瞞があると言わざるを得ない」
と当ウェブログは主張してきた。事実を見ればそれ以外に考えようがない。
公共部門での雇用を増やして生産性を上げたスウェーデンにまた負けることになる。
↓ 参考
企業の海外進出の主因は「現地の需要が旺盛」- 円高でも人件費でも税負担でも電力料金でもない
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/619b49fe849af09f9a6a4ff93219bf23
「六重苦」は日本企業の醜悪な二枚舌 - 円安でも進む海外生産、内部留保は1年で6兆円も急増
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/9cf3dc1afa84673f7b3a99479d771008
▽ 大企業経営層は傲慢になっており、自社の収益と公益との区別が分からなくなっている
▽ 日本経済停滞の真因は高齢化、現役世代の生産性は先進国で最高水準
数字を並べただけの、現実性乏しい3本の矢(東洋経済オンライン)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130930-00020263-toyo-bus_all
これが当ウェブログが先週のエントリーで取り上げた
東洋経済誌におけるリチャード・カッツ氏の論考だ。
大企業の太鼓持ちと化した我が国の大多数のエコノミストが決して口にしない、
「不都合な真実」がここにある。事実の裏付けがあるのだから仕方がない。
しかしただの景気循環をアベノミクスだのと誇張する馬鹿者には真実が見えない。
法人実効税率下げ、給与増に回る保証なければ困難=麻生財務相(reuters)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE98J02620130920
麻生財務相は以前よりも発言が賢くなっている。
法人減税が実施されても内部留保が増えるだけなのを見抜いており、
虫のいい経済界の要求を牽制している。
但し、これも結局はただのアリバイに終わるのは言う迄もない。
「政府は賃金上げろと言ったから、上がらないのは企業の責任」という訳だ。
安倍政権が中低所得層の賃金を上げる方法を分かっていないのだからそれが限界。
「給与3%増」に緩和=賃上げ企業減税、2年延長―政府・与党(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201309/2013092100186&g=eco
で、結局はこのような形で落ち着くようだ。
大企業の要求に応じて妥協した訳である。
全く効果がないとは言わないが、
適用範囲は著しく狭いので効果は砂粒である。
しかも大企業の中高所得層は消費性向が低く内需へのインパクトも総じて低い。
大企業の走狗となって国民を欺く連中までいるので
真実を語らなければならない。
法人税減税は「大企業の収益の成長政策」であり、
アメリカを見ればすぐ分かるように経営層と株主に利益が集中する。
彼らは元々高所得なので消費性向が格段に低く、内需を支えない。
(特に金融業は公務員並みに消費性向が低い)
日本の大企業には根本的な問題がある。
低収益・経営者の居座り・進まない企業の新陳代謝である。
優秀な企業もあるがそうでない企業も多いのだ。
真の成長政策は、経営者同士・企業間の競争を促進し、
キャッシュを貯め込んで投資も収益も雇用も増やせない
劣等企業や経営者を追放することである。
そのためには海外からの対日投資を呼び込む投資庁も必要だ。
同時に、雇用政策では解雇規制にだけ集中する視野狭窄をやめ、
北欧型の積極的労働市場政策から学び、
有能な労働者の流動化を進めるべきである。
(そうすれば企業は人事や待遇を改善させざるを得なくなる)
そして配偶者控除や第3号被保険者、退職金控除といった働かない者へのバラマキをやめ、
育児・福祉・医療といった労働力不足分野で働く者への支援に所得移転すべきである。
それでこそ日本経済が真に成長できるのである。
▽ スウェーデンは企業にも労働者にも厳しい社会、重税を生産性・効率向上に活用している
『北欧モデル 何が政策イノベーションを生み出すのか』(日本経済新聞出版社) | |
日本は声の大きい大企業に甘く、働かない偽弱者にも甘いのだから、
成長率・生産性・一人当たりGDPの全てでスウェーデンに負けるのは当然だ。
「「企業が稼いでこそ日本が豊かになる」との尤もらしい宣伝が多いが、
これは完璧な誤りであるばかりではなく明白なプロパガンダである」
「企業収益増加は日本経済の成長の必要条件の一つであっても、
決して十分条件ではない。これが21世紀の「ニューノーマル」なのだ。
大企業を保護し健全な競争を妨害する政策や制度が日本経済を沈滞させている」
「真に必要な経済政策は、いかに利害関係を持つ企業が嫌がろうとも
エネルギー効率を高め、強力な人口政策と積極的労働市場政策を推進することであり、
大手企業に媚びへつらってその利益に貢献する腐った政策ではない」
「日本の政策を批判する企業経営層の言辞は入念に検討する必要がある。
経営者の本来の仕事は自社の収益向上であり、それ以上のものではない。
自社収益のため、日本経済にツケを回そうと考える悪しき動機は充分にある」
「1997年の金融危機は不良債権を誤摩化してきた金融セクターに最大の責任があった。
経済界からの要求が強まった2000年代、我が国の成長率は低迷したままである」
「アップルやフェイスブックは法人減税や規制緩和で生まれた企業だろうか?
赤字転落した日本の電機は法人減税や規制緩和を行っていれば助かったのか?
ここには重大な自己欺瞞があると言わざるを得ない」
と当ウェブログは主張してきた。事実を見ればそれ以外に考えようがない。
公共部門での雇用を増やして生産性を上げたスウェーデンにまた負けることになる。
↓ 参考
企業の海外進出の主因は「現地の需要が旺盛」- 円高でも人件費でも税負担でも電力料金でもない
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/619b49fe849af09f9a6a4ff93219bf23
「六重苦」は日本企業の醜悪な二枚舌 - 円安でも進む海外生産、内部留保は1年で6兆円も急増
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/9cf3dc1afa84673f7b3a99479d771008
▽ 大企業経営層は傲慢になっており、自社の収益と公益との区別が分からなくなっている
『アベノミクス大論争』(文藝春秋編) | |
▽ 日本経済停滞の真因は高齢化、現役世代の生産性は先進国で最高水準
『中国台頭の終焉』(津上俊哉,日本経済新聞出版社) | |
数字を並べただけの、現実性乏しい3本の矢(東洋経済オンライン)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130930-00020263-toyo-bus_all
”マルクス兄弟の有名な映画で、チコ・マルクスは競馬に賭けようとする人に言う。「君が2と言えば、僕は4と言おう。君が8と言えば、僕は16と言おう。数字ならたくさん持っているのだ」。
安倍晋三首相もしかりだ。「第3の矢」の発表に多くの数字を持ち出したが、その達成方法はほとんど何も示されなかった。経済顧問の一人、浜田宏一教授でさえ、この6月5日の首相発表に60~70%という評価を下した。
参議院選挙が終わったので首相がもっと大胆な措置を取ると見る向きもあるが、疑わしい。
まず、重要な予算問題の一つ、年金受給開始年齢の引き上げについて、参議院選挙の3日後に首相が下した決断は、一切の決定を無期延期することだった。
〔中略〕
大事な有権者層の気持ちが離れるという首相の懸念以外に、もっと根本的な問題がある。「第3の矢」の提案の大半は経済成長とほとんど関係なく、むしろ大企業の単なる「願い事リスト」であることだ。
たとえば、経団連は法人税の大幅削減を望んでおり、これが投資増大につながり、空洞化を止めると主張している。現実には、2013年1~3月期の企業のキャッシュフローは設備投資を上回り、その差は国内総生産(GDP)の5.2%に相当する。企業はキャッシュフローを手元にとどめておくか海外投資に使っている。設備投資減税は景気にいいかもしれないが、どうして国民が消費税引き上げを求められているときに国民のおカネを法人減税に回すのか。
財界は首相に対して、推定400万~500万人の余剰正社員(幹部を除く全正社員の12~14%に相当)をリストラしにくくしている判例を無視できるようにすることも求めている。実現すれば、日本の社会契約は大きく破綻する。なぜなら中途採用では、それまでと同様の仕事に就くことにはさまざまな障害があるからだ。多くの有権者の心が離れ、失業率が上昇するだろう。
疑いなく日本は労働市場の柔軟性を高める必要がある。しかし、これは首相が協議することではない。新しい職業のために国民を再訓練し、雇用者と労働者のミスマッチ解消につなげる政策にGDPの2~4%を支出している国があるが、日本でのそれは0.3%を下回っており、米国を除くどの富裕国よりも低い水準だ。財政支出に圧力がかかる現状では、このことは変わりそうにない。
経済改革なしに成長率は上げられない
過去の首相と同様、安倍首相は、自らの戦略によって実質GDP成長率は平均で年2%になり、向こう10年間の名目成長率は3%になるとしている。しかし、1991年からの21年間で日本の実質成長率が平均で2%となった期間は5年にも満たない。エコノミストの大半は、首相が提案しているよりもずっと抜本的な改革がなければ、日本の長期的な実質潜在成長率は現在では1%を下回ると見ている。
首相は今後3年で名目の企業投資を70兆円に引き上げることを望んでいるが、それでも07年第4四半期につけた最高水準の78兆5000億円を11%下回る。が、こうした状況でも首相は投資方面の減税が必要だとしている。
新しい企業の参入と、力で劣る古い企業の交代は生産性向上にとって極めて重要だ。が、日本は経済協力開発機構(OECD)加盟国で、企業経営者の新旧交代が遅れている国の一つだ。首相は、年間起業率を20年までに10%に倍増させるとしているが、これまで日本が達成した最高水準は70年代の5.9%。さらに、その手段として提案されている政府貸し付けの増大は、どちらかといえば哀れなものだ。さらに言えば、新企業が参入するには、古い企業が消滅してスキルのある労働者や経営者などの資源を手放さなければならない。この問題やそれに伴う社会的な配置転換に取り組まないかぎり、これは夢物語だ。
首相はまた、20年までに海外から国内への外国直接投資(FDI)の累計額を35兆円に倍増させることを望んでいる。もし日本がFDIを急増させられたら改革全般に弾みがつくだろう。しかし、どうやってそれを達成するのか。規制の緩い経済特区を3カ所設けるという話があるが、民主党政権下の同様の取り組みでは目立った成果が上がらなかった。
首相が掲げた目標と韓国の実績を比較してみよう。98年の経済危機後、韓国のFDI累計額は、対GDP比で95年の1.8%から12年12.7%に急上昇。一方、日本のFDI累計額は対GDP比で95年の0.6%から12年は3.9%にとどまった。
〔中略〕
確かに、他の国々と同様、日本は自らを改革できる。が、数字を次から次へと掲げるだけでは成果は上がらないのである。 (週刊東洋経済2013年9月28日号) ”
これが当ウェブログが先週のエントリーで取り上げた
東洋経済誌におけるリチャード・カッツ氏の論考だ。
大企業の太鼓持ちと化した我が国の大多数のエコノミストが決して口にしない、
「不都合な真実」がここにある。事実の裏付けがあるのだから仕方がない。
しかしただの景気循環をアベノミクスだのと誇張する馬鹿者には真実が見えない。
法人実効税率下げ、給与増に回る保証なければ困難=麻生財務相(reuters)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE98J02620130920
”麻生太郎財務相は20日、閣議後の会見で、消費増税による景気の腰折れを回避するための経済対策をめぐり焦点に浮上している法人実効税率の引き下げについて、コメントできる段階ではないと述べた。
〔中略〕
政府は復興特別法人税を1年前倒しで廃止する方針を固めており、法人実効税率(東京都)は2014年度に現行の38.01%から35.64%に下がる。
〔中略〕
これに対して麻生財務相は「代替財源を今すぐ見つけることは難しい」とした上で、「実効税率を引き下げた場合に、それによって出た利益が設備投資や雇用の増大、給与引き上げに回る保証を経営者がするか。内部留保がたまるだけなら意味がない」と難色を示し、「簡単に『はい』と言える話ではない」と語った。
その上で麻生財務相は「日本企業が海外と競争していく点から、長期的な課題として検討しておかなければならない問題だ」とし、中長期の課題と位置付けた。
復興特別法人税の廃止に関しては「これを前倒しする話がないわけではない」としながらも、「内部留保に回るだけなら世間で通らない」と注文を付けた。
所得税の復興増税分の扱いについては、25年間で7兆円を見込んでおり、「それに匹敵するものはない」とし、付加分の撤廃について「やりたいという話にはつながっていかない」とはねつけた。
麻生財務相はきょう安倍晋三首相と会談し、経済対策の内容について詰めを行う。焦点の法人実効税率引き下げについてはあらためて慎重な見解を示すとみられる。 (吉川裕子;編集 山川薫)”
麻生財務相は以前よりも発言が賢くなっている。
法人減税が実施されても内部留保が増えるだけなのを見抜いており、
虫のいい経済界の要求を牽制している。
但し、これも結局はただのアリバイに終わるのは言う迄もない。
「政府は賃金上げろと言ったから、上がらないのは企業の責任」という訳だ。
安倍政権が中低所得層の賃金を上げる方法を分かっていないのだからそれが限界。
「給与3%増」に緩和=賃上げ企業減税、2年延長―政府・与党(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201309/2013092100186&g=eco
”政府・与党は21日、企業に賃上げを促す法人税減税の対象を、「給与支給額を3%以上増やした企業」に拡大する方向で調整に入った。現行制度では増加率を「5%以上」としているが、基準を緩めて給与増を後押しし、景気の本格回復につなげるのが狙い。
〔中略〕
賃上げ企業への減税措置は、2013年4月に15年度まで3年間の時限措置として導入された。給与支給額を12年度実績に比べて5%以上増やすなどの条件を満たせば、増加額の10%を法人税額から差し引くことができる。しかし、5%に設定した基準をめぐり、企業側からはハードルの高さを批判する声が上がっていた。
このため、政府・与党は給与増加率の基準を引き下げる方針で一致。さらに、減税期間を17年度まで2年間延長する。ただ、16、17年度は増加率の基準を5%に戻す。”
で、結局はこのような形で落ち着くようだ。
大企業の要求に応じて妥協した訳である。
全く効果がないとは言わないが、
適用範囲は著しく狭いので効果は砂粒である。
しかも大企業の中高所得層は消費性向が低く内需へのインパクトも総じて低い。