みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

「第三の矢」の大半は経済成長と無関係、大企業へのバラマキだ - 企業と経営者の新陳代謝が足りない

2013-09-30 | いとすぎから見るこの社会-全般
法人税減税は「成長政策」ではない。勘違いしている者が多く、
大企業の走狗となって国民を欺く連中までいるので
真実を語らなければならない。

法人税減税は「大企業の収益の成長政策」であり、
アメリカを見ればすぐ分かるように経営層と株主に利益が集中する。
彼らは元々高所得なので消費性向が格段に低く、内需を支えない。
(特に金融業は公務員並みに消費性向が低い)

日本の大企業には根本的な問題がある。
低収益・経営者の居座り・進まない企業の新陳代謝である。
優秀な企業もあるがそうでない企業も多いのだ。

真の成長政策は、経営者同士・企業間の競争を促進し、
キャッシュを貯め込んで投資も収益も雇用も増やせない
劣等企業や経営者を追放することである。
そのためには海外からの対日投資を呼び込む投資庁も必要だ。

同時に、雇用政策では解雇規制にだけ集中する視野狭窄をやめ、
北欧型の積極的労働市場政策から学び、
有能な労働者の流動化を進めるべきである。
(そうすれば企業は人事や待遇を改善させざるを得なくなる)

そして配偶者控除や第3号被保険者、退職金控除といった働かない者へのバラマキをやめ、
育児・福祉・医療といった労働力不足分野で働く者への支援に所得移転すべきである。
それでこそ日本経済が真に成長できるのである。

▽ スウェーデンは企業にも労働者にも厳しい社会、重税を生産性・効率向上に活用している

『北欧モデル 何が政策イノベーションを生み出すのか』(日本経済新聞出版社)


日本は声の大きい大企業に甘く、働かない偽弱者にも甘いのだから、
成長率・生産性・一人当たりGDPの全てでスウェーデンに負けるのは当然だ。

「「企業が稼いでこそ日本が豊かになる」との尤もらしい宣伝が多いが、
 これは完璧な誤りであるばかりではなく明白なプロパガンダである」

「企業収益増加は日本経済の成長の必要条件の一つであっても、
 決して十分条件ではない。これが21世紀の「ニューノーマル」なのだ。
 大企業を保護し健全な競争を妨害する政策や制度が日本経済を沈滞させている」

「真に必要な経済政策は、いかに利害関係を持つ企業が嫌がろうとも
 エネルギー効率を高め、強力な人口政策と積極的労働市場政策を推進することであり、
 大手企業に媚びへつらってその利益に貢献する腐った政策ではない」

「日本の政策を批判する企業経営層の言辞は入念に検討する必要がある。
 経営者の本来の仕事は自社の収益向上であり、それ以上のものではない。
 自社収益のため、日本経済にツケを回そうと考える悪しき動機は充分にある」

「1997年の金融危機は不良債権を誤摩化してきた金融セクターに最大の責任があった。
 経済界からの要求が強まった2000年代、我が国の成長率は低迷したままである」

「アップルやフェイスブックは法人減税や規制緩和で生まれた企業だろうか?
 赤字転落した日本の電機は法人減税や規制緩和を行っていれば助かったのか?
 ここには重大な自己欺瞞があると言わざるを得ない」

と当ウェブログは主張してきた。事実を見ればそれ以外に考えようがない。
公共部門での雇用を増やして生産性を上げたスウェーデンにまた負けることになる。

↓ 参考

企業の海外進出の主因は「現地の需要が旺盛」- 円高でも人件費でも税負担でも電力料金でもない
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/619b49fe849af09f9a6a4ff93219bf23

「六重苦」は日本企業の醜悪な二枚舌 - 円安でも進む海外生産、内部留保は1年で6兆円も急増
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/9cf3dc1afa84673f7b3a99479d771008‎

▽ 大企業経営層は傲慢になっており、自社の収益と公益との区別が分からなくなっている

『アベノミクス大論争』(文藝春秋編)


▽ 日本経済停滞の真因は高齢化、現役世代の生産性は先進国で最高水準

『中国台頭の終焉』(津上俊哉,日本経済新聞出版社)


数字を並べただけの、現実性乏しい3本の矢(東洋経済オンライン)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130930-00020263-toyo-bus_all
”マルクス兄弟の有名な映画で、チコ・マルクスは競馬に賭けようとする人に言う。「君が2と言えば、僕は4と言おう。君が8と言えば、僕は16と言おう。数字ならたくさん持っているのだ」。
 安倍晋三首相もしかりだ。「第3の矢」の発表に多くの数字を持ち出したが、その達成方法はほとんど何も示されなかった。経済顧問の一人、浜田宏一教授でさえ、この6月5日の首相発表に60~70%という評価を下した。
 参議院選挙が終わったので首相がもっと大胆な措置を取ると見る向きもあるが、疑わしい。
 まず、重要な予算問題の一つ、年金受給開始年齢の引き上げについて、参議院選挙の3日後に首相が下した決断は、一切の決定を無期延期することだった。
〔中略〕
 大事な有権者層の気持ちが離れるという首相の懸念以外に、もっと根本的な問題がある。「第3の矢」の提案の大半は経済成長とほとんど関係なく、むしろ大企業の単なる「願い事リスト」であることだ
 たとえば、経団連は法人税の大幅削減を望んでおり、これが投資増大につながり、空洞化を止めると主張している。現実には、2013年1~3月期の企業のキャッシュフローは設備投資を上回り、その差は国内総生産(GDP)の5.2%に相当する。企業はキャッシュフローを手元にとどめておくか海外投資に使っている。設備投資減税は景気にいいかもしれないが、どうして国民が消費税引き上げを求められているときに国民のおカネを法人減税に回すのか。
 財界は首相に対して、推定400万~500万人の余剰正社員(幹部を除く全正社員の12~14%に相当)をリストラしにくくしている判例を無視できるようにすることも求めている。実現すれば、日本の社会契約は大きく破綻する。なぜなら中途採用では、それまでと同様の仕事に就くことにはさまざまな障害があるからだ。多くの有権者の心が離れ、失業率が上昇するだろう。
 疑いなく日本は労働市場の柔軟性を高める必要がある。しかし、これは首相が協議することではない。新しい職業のために国民を再訓練し、雇用者と労働者のミスマッチ解消につなげる政策にGDPの2~4%を支出している国があるが、日本でのそれは0.3%を下回っており、米国を除くどの富裕国よりも低い水準だ。財政支出に圧力がかかる現状では、このことは変わりそうにない。

経済改革なしに成長率は上げられない

 過去の首相と同様、安倍首相は、自らの戦略によって実質GDP成長率は平均で年2%になり、向こう10年間の名目成長率は3%になるとしている。しかし、1991年からの21年間で日本の実質成長率が平均で2%となった期間は5年にも満たない。エコノミストの大半は、首相が提案しているよりもずっと抜本的な改革がなければ、日本の長期的な実質潜在成長率は現在では1%を下回ると見ている。
 首相は今後3年で名目の企業投資を70兆円に引き上げることを望んでいるが、それでも07年第4四半期につけた最高水準の78兆5000億円を11%下回る。が、こうした状況でも首相は投資方面の減税が必要だとしている。
 新しい企業の参入と、力で劣る古い企業の交代は生産性向上にとって極めて重要だ。が、日本は経済協力開発機構(OECD)加盟国で、企業経営者の新旧交代が遅れている国の一つだ。首相は、年間起業率を20年までに10%に倍増させるとしているが、これまで日本が達成した最高水準は70年代の5.9%。さらに、その手段として提案されている政府貸し付けの増大は、どちらかといえば哀れなものだ。さらに言えば、新企業が参入するには、古い企業が消滅してスキルのある労働者や経営者などの資源を手放さなければならない。この問題やそれに伴う社会的な配置転換に取り組まないかぎり、これは夢物語だ。
 首相はまた、20年までに海外から国内への外国直接投資(FDI)の累計額を35兆円に倍増させることを望んでいる。もし日本がFDIを急増させられたら改革全般に弾みがつくだろう。しかし、どうやってそれを達成するのか。規制の緩い経済特区を3カ所設けるという話があるが、民主党政権下の同様の取り組みでは目立った成果が上がらなかった。
 首相が掲げた目標と韓国の実績を比較してみよう。98年の経済危機後、韓国のFDI累計額は、対GDP比で95年の1.8%から12年12.7%に急上昇。一方、日本のFDI累計額は対GDP比で95年の0.6%から12年は3.9%にとどまった。
〔中略〕
 確かに、他の国々と同様、日本は自らを改革できる。が、数字を次から次へと掲げるだけでは成果は上がらないのである。 (週刊東洋経済2013年9月28日号) ”

これが当ウェブログが先週のエントリーで取り上げた
東洋経済誌におけるリチャード・カッツ氏の論考だ。

大企業の太鼓持ちと化した我が国の大多数のエコノミストが決して口にしない、
「不都合な真実」がここにある。事実の裏付けがあるのだから仕方がない。
しかしただの景気循環をアベノミクスだのと誇張する馬鹿者には真実が見えない。


法人実効税率下げ、給与増に回る保証なければ困難=麻生財務相(reuters)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE98J02620130920
”麻生太郎財務相は20日、閣議後の会見で、消費増税による景気の腰折れを回避するための経済対策をめぐり焦点に浮上している法人実効税率の引き下げについて、コメントできる段階ではないと述べた。
〔中略〕
 政府は復興特別法人税を1年前倒しで廃止する方針を固めており、法人実効税率(東京都)は2014年度に現行の38.01%から35.64%に下がる。
〔中略〕
 これに対して麻生財務相は「代替財源を今すぐ見つけることは難しい」とした上で、「実効税率を引き下げた場合に、それによって出た利益が設備投資や雇用の増大、給与引き上げに回る保証を経営者がするか。内部留保がたまるだけなら意味がない」と難色を示し、「簡単に『はい』と言える話ではない」と語った。
 その上で麻生財務相は「日本企業が海外と競争していく点から、長期的な課題として検討しておかなければならない問題だ」とし、中長期の課題と位置付けた。
 復興特別法人税の廃止に関しては「これを前倒しする話がないわけではない」としながらも、「内部留保に回るだけなら世間で通らない」と注文を付けた。
 所得税の復興増税分の扱いについては、25年間で7兆円を見込んでおり、「それに匹敵するものはない」とし、付加分の撤廃について「やりたいという話にはつながっていかない」とはねつけた。
 麻生財務相はきょう安倍晋三首相と会談し、経済対策の内容について詰めを行う。焦点の法人実効税率引き下げについてはあらためて慎重な見解を示すとみられる。 (吉川裕子;編集 山川薫)”

麻生財務相は以前よりも発言が賢くなっている。
法人減税が実施されても内部留保が増えるだけなのを見抜いており、
虫のいい経済界の要求を牽制している。

但し、これも結局はただのアリバイに終わるのは言う迄もない。
「政府は賃金上げろと言ったから、上がらないのは企業の責任」という訳だ。
安倍政権が中低所得層の賃金を上げる方法を分かっていないのだからそれが限界。


「給与3%増」に緩和=賃上げ企業減税、2年延長―政府・与党(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201309/2013092100186&g=eco
”政府・与党は21日、企業に賃上げを促す法人税減税の対象を、「給与支給額を3%以上増やした企業」に拡大する方向で調整に入った。現行制度では増加率を「5%以上」としているが、基準を緩めて給与増を後押しし、景気の本格回復につなげるのが狙い。
〔中略〕
 賃上げ企業への減税措置は、2013年4月に15年度まで3年間の時限措置として導入された。給与支給額を12年度実績に比べて5%以上増やすなどの条件を満たせば、増加額の10%を法人税額から差し引くことができる。しかし、5%に設定した基準をめぐり、企業側からはハードルの高さを批判する声が上がっていた
 このため、政府・与党は給与増加率の基準を引き下げる方針で一致。さらに、減税期間を17年度まで2年間延長する。ただ、16、17年度は増加率の基準を5%に戻す。”

で、結局はこのような形で落ち着くようだ。
大企業の要求に応じて妥協した訳である。

全く効果がないとは言わないが、
適用範囲は著しく狭いので効果は砂粒である。
しかも大企業の中高所得層は消費性向が低く内需へのインパクトも総じて低い。
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BOE・カーニー総裁が金融緩和策からの脱却を示唆 - 英経済の回復に自信、ユーロ圏との格差拡大か

2013-09-29 | 注目投資対象・株価の推移
              ↑ USD/JPY(ZAI)バーナンキ・プット復活は遠い

聞くところによるとドイツ証券が「サヨナラ、アベ」と称して
三井不動産など東証の不動産関連のレーティングを引き下げ、中立としたそうだ。

理由は消費税引き上げで急激に市況が冷え込むためとのことらしく、
ややタイミング的に早い感じはするが妥当なところだろう。
REITは兎も角、ディベロッパーは停滞感が強まる可能性がある。

米債務問題は相変わらず有権者不在の茶番劇で、
前回と同じくドルが沈んでまた浮き上がるというパターンだろう。
東証の輸出関連は既にそれを織り込みつつあるように見える。

通貨先物ではユーロロングが更に強烈な勢いで増大しているので
一本調子で上に行くとは考えられないが、
下落をこなしながら結局は上であろうと予想される。

ゴルディロックス市況の到来は遠ざかってスープは冷たくなりかけているが、
政治要因は一瞬で市況をひっくり返すので油断なく警戒しておきたい。

「CFTC通貨先物では円ショートが再び高水準に達しているだけでなく、
 ユーロロングの残高が凄まじい急増を見せており数量自体も多い。
 市況が急反転したら何が起きるかは明白である」

「アメリカの経営者の景況感は市況とは逆に後退している。
 大崩れはないとしても東証は売り崩し仕掛けを入れ易い局面に入ろうとしている」

「当ウェブログの見方はスペックと似たところがある。
 結局は上方向であることは変わらないであろうが、
 この秋は急落局面を想定しておかなければならない。
 それで今年のパフォーマンスは5%以上変わる可能性がある」

と先週に当ウェブログは書いたが、今週もこの見解を維持したい。
急落があるとしたら少し先、市場に油断が広がってからのことと見ている。
「量的緩和縮小の縮小」を待っての再度上昇となろう。

「市況を見れば分かるようにアベノミクスはもう既に過去の材料になった。
 投資家の目はアメリカに集中している。
 米経済指標を睨みながら前のめりな姿勢を強めるだろう」

「米経済が回復し日米金利差が拡大すれば
 民主党だろうが自民党だろうが円安ドル高の恩恵で東証は上がるに決まっている。
 所詮はアベノミクスの3本の矢など誤差の範囲に過ぎない」

「ドルへの資金回帰の奔流はドルを押し上げ円を沈ませる。
 回り回って東証に資金を導く強力な援護射撃となろう」

「円安の援護のない東証は「片肺飛行」で
 モメンタムが著しく失われることがはっきりした」

「NY市場の活況だけでなくそれに円安も加われば
 東証の受ける好影響は二重に倍加されて優位に立ち、
 NYを東証がアウトパフォームする珍しい現象が持続するかもしれない」

「中国があのベア・スターンズ破綻の段階に近いとバロンズが書いているそうだが、
 個人的にはまだ2007年のパリバショックの前あたりだと考えている。
 まだ市場に強い恐怖感は漂っておらず、警報は弱い」

「「VaRショック」の10年ぶりの再来も警戒される。
 不動産セクターは安易に買ってはいけない。
 安直な黒田バズーカが国債市場を壊してしまっているので
 そのマグニチュードは予想外の域に達する可能性がある」

「IMFのブランシャール氏が所謂アベノリスクを事実上認め、
 財政再建や構造改革を実現できなかった場合、投資家の信認が失墜し
 世界経済のリスクとなる恐れがあると指摘した」

「参院選での野党の自滅で自民党の古い体質が墓場から蘇るだろうから
 今後警戒すべきは「ねじれ解消リスク」である」

「自民党は歴史的に利益誘導・分配型の政党であり、
 80年代以降の自民党政権の実績が証明しているように、
 経済政策を成功させる力量に欠けることは明らかだ。
 自民が参院選で盛大に勝てば勝つほど、次回の選挙は惨敗することになる」

「マーケットはねじれ解消で政治が安定すると見ているがそれは甘い。
 ねじれを解消させてしまったために電力利権や道路利権等の抵抗勢力が続々と蘇り、
 財政悪化と人口動態の劣化が容赦なく進むであろう」


「東京オリンピックは結構なことだが既に政治の道具にされている。
 数値から見て成長率改善効果は殆どないに等しく、
 歴史的教訓から考えて景況の落ち込みは必至である。
 今の喜びが大きければ大きいほど、かつがれたと知った時の怒りは大きくなる」

当ウェブログは以上の見解を依然として維持している。
金利急騰は依然として要警戒。

一方、長期金利の動きから見て「事実上のマネタイズ」との見方は的中しつつある。

「目先の円安に幻惑され、日本の将来に不吉な影がかかっている」

「当ウェブログが予測していた「悪い円安」が、異様な速度で到来することになる。
 安倍・黒田コンビが市場を軽視したために、財政危機もほぼ確実に接近する。
 「剣によって立つ者は剣によって滅びる」との箴言と同じく、
 金融政策によって立つ者は金融政策によって滅びるのであろう」

「黒田総裁の「次元の違う」量的・質的緩和は、事実上のマネタイズである」

「日本の国債市場は再起不能になり、財政再建を果たす可能性はほぼ失われた」

「黒田バブルに便乗して億単位の稼ぎを得る者が続出するだろうが、
 今から警告しておく。決して調子に乗って騒いではならない。
 ツケを回された国民の強い怒りは決してそのような輩を許さないであろう」

一方、以下の当ウェブログの見解はほぼ的中と言えるだろう。
ユーロ大反転はほぼ確定した。

ここで言うゴールドはドル建ての想定であり円建てでは高値だが、
金利も配当も付かないゴールドを持つ理由は全くないので修正する必要は感じない。
FRBの緩和縮小観測で更なる下落の可能性が高い。

「ゴールドは「完全に終わった」と断言して良い」

「香港や上海市場を見ても分かるように、
 今の中国では内需主導で高成長を持続するのは不可能である」

「円安は明確に日本経済にとってポジティブである」

「ユーロ大幅下落は遠ざかったか、もしくは消えたと考える」

「ユーロ圏は深刻な経済悪化ではないだろうが停滞は必至」

昨年の予想通りドル円、ユーロ円が反転した。
今年は慌てさえしなければ豊穣の年となるはずだったが、
危険な「悪い円安」の時代が早くも始まりそうだ。

↓ EUR/JPY(ZAI)大きな反落、形が悪い


↓ GBP/JPY(ZAI)対ドル、対ユーロで明らかに強い


先週は為替がじり貧だったが東証は意想外に堅調だった。
しかし綺麗に上に抜けるモメンタムは全くなく、
先週に書いた通り「上がったら売り、下がったら買い」の局面だろう。


アングル:見直し迫られるドル高/円安シナリオ、年末予想修正も(reuters)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE98N02V20130924
”為替市場で、ドル高/円安シナリオが見直しを迫られている。米国の量的金融緩和(QE)縮小の見送りをきっかけに、米経済に対する疑念が浮上。米金利も低下し、ドルのサポート体制が揺らいでいる。
〔中略〕
 これまでの堅調なドル相場は、「米経済の独り勝ち」、「金融緩和策の出口に最も近い」との見方を背景に余剰資金がドル資産に流入したことでサポートされてきた。しかし、ここへ来て、米国の景気の雲行きが怪しくなってきたことに加え、これまでの米景気回復が本物だったのかと疑問を呈する声も上がっている。
 米連邦準備理事会(FRB)がQE縮小を見送った理由の1つは米雇用の回復が鈍いからだった。失業率は低下基調にあるが、労働参加率の低下が要因であるほか、ティーンエージャーの失業率は22.7%、黒人の失業率は13.0%と構造的な問題を抱えている。
 また米経済をけん引してきた住宅市場にも不安が強まっている。「米雇用や消費が良くないことは明らかだが、米住宅市況の回復は、個人の買い替えや新規取得がけん引するものではなく、投機筋が、モーゲージREIT(不動産投資信託)で様々な物件を物色した結果であって、本物の回復とは言い難い」(国内機関投資家)。
 住宅市場で膨らんだ投機的ポジションは、米長期金利が想定以上に上昇したことで、巻き戻しを迫られている。米財務省証券10年物利回りは5月1日の1.6140%付近から9月6日には3.007%付近まで上昇。米金利の急激な上昇により、広い意味でのドル・キャリートレードが巻き戻され、投機筋は調達面と運用面の両サイドで損失が拡大した。

  <薄らぐ米金利のサポート>
 米金利の急激な上昇は、投機筋の損失を拡大する一方で、ドル/円相場の下支え要因となってきた。しかし、QE縮小見送りで、米金利は低下。ドル/円相場は金利面からのサポートも失いつつある
 JPモルガン・チェース銀行、債券為替調査部長の佐々木融氏は、「QE縮小の延期を受けて米金利に低下余地が広がっていることや、日本の政治状況の不透明感、キャピタルゲイン課税に備えて個人投資家が株をいったん売却する可能性があることなどから、10月のリスクは円買戻し方向だとみている」と述べる。下値のメドは95円割れの水準だという。
 JPモルガン・チェース銀行は前週末、ドル/円の年末時点の見通し水準を105円から100円に引き下げた。
〔中略〕
 市場では、テーパリング(量的緩和の緩やかな縮小)期待がしぼむにつれ、ドル/円相場への投機筋の参加が減っているという。「アベノミクスの進展も不透明ななかで、これまで執拗に(ドル/円の)押し目買いを続けてきたファンド勢も、次第に興味を失いつつあるようだ」(外銀)とみられている。
 目下、ファンド勢に代わってドルの下値を支えているのは、本邦の輸入企業だとされ、現時点では98円割れの水準から買い意欲を示しているという。他方、99円台では輸出企業のドル売り需要があるとされる。
 今後の焦点は、年末にかけて投機筋がドル高/円安でもう一勝負かけるのか、それとも、これまで構築されてきたドル買い/円売りポジションをさらに圧縮するのかだが、現時点では「ドルを大幅に持ち上げるのは至難の業」(投資家)との意見が多い

先週、最も重要な報道としてこちらを挙げたい。
QE縮小の見送り決定で米金利低下・ドル円の下支え効果の減退と
東証にとっては宜しくない材料である。

ドル円は三角保ち合いを上抜けできるか、分水嶺の線上にある。
基本的には再び100円台に達するだろうが、それがいつになるかが問題だ。


ドル98円後半、法人減税やGPIFの中間整理に期待広がる(reuters)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE98P04H20130926
”午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル高/円安の98円後半。
〔中略〕
 朝方、ドル/円の上値は重かった。米連邦政府債務のデフォルト(債務不履行)や政府機関閉鎖の可能性をめぐる懸念が重しとなった。日経平均株価が下げ幅を拡大すると前日の海外市場でつけた安値98.38円を割り込み、ストップロスを巻き込んで98.27円まで下落。19日以来の安値をつけた。しかし、安値付近では輸入企業や短期筋、オプションに絡む買いなどが流入し、ドル/円は下げ渋った。
 その後、消費税増税に伴う政府の経済対策で、焦点となっている法人税の実効税率引き下げについて「早急に検討を開始する」と明記する方向で調整に入ったことが26日分かったと共同通信が報じると、「朝方(ドル/円を)売っていた短期筋が買い戻しを迫られた」(国内金融機関)。ドル/円は日経平均株価と歩調を合わせて騰勢を強め、ドルは一時99.12円まで上昇した。GPIFが中間論点整理でリスク資産への投資増などの内容が盛り込まれるとの思惑もドル/円の下値を支えた。
 しかし、99円台では「すかさず輸出の売りが入ってきた」(邦銀)とされ、ドル/円は99円台を維持できず、98円後半に反落した。
 「法人税減税の話題で(為替市場では)若干リスクオンが混じったが、まだまだ主流はリスクオフだ。今夜ニューヨークの株価がプラス転換すれば、潮流が変化する可能性はあるが、米景気指標がまだら模様のなか、確証を持って動けない」とFXプライム取締役の上田眞理人氏は話している。
〔中略〕
 為替市場では、日銀の量的・質的金融緩和で期待されたポートフォリオ・リバランス効果について、疑問を呈する声が上がっている。
 夏場は、長期の機関投資家による外債投資に関連するフローが外為市場でもしばしば観察されたが、このところ、そうしたフローは出ておらず、「少なくとも、これまでのところ、QEによる持続的なポートフォリオ・リバランスの成果は出ていない」(機関投資家)という。
 財務省によると、8月の本邦投資家による対外証券投資は、株式が220億円、中長期債が113億円の買い越し、短期債は1118億円の売り越しとなった。
 特に、中長期債は7月の3兆4818億円の買い越しから、買い越し幅が大幅に縮小し、市場の話題を呼んだ。株債券合計では、7月の3兆20878億円の買い越しから、8月には785億円の売り越しに転じている。
 部門別では、投資信託が7月の1764億円の買い越しから8月には798億円の売り越しに、生命保険会社は7月の310億円の買い越しから8月には1946億円の売り越しに転じた。銀行部門の買い越し額は7月に2兆7788億円と顕著だったが、8月には368億円と、買い越し額が大幅に縮小した。”

法人税減税は国民の生活には関係ないが、企業収益は向上する。
株価と株主にとっては、であるが短期的なポジティブ材料である。
しかし高所得層は元々消費性向が低いから、成長政策として失格なのは言う迄もない。

それより重要なのは黒田日銀の金融緩和効果について疑問の声が出ていることだ。
漸く市場関係者も冷静な見方ができるようになったようだ。

あと記事では投信設定の影響についても言及しているが、
大きな材料にならないのが通例ではないだろうか。


NY外為市場=ドルが幅広く下落、米政府機関閉鎖の可能性を警戒(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR201309280018.html
”27日終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが幅広い通貨に対して下落し、対スイスフランでは7カ月半ぶり安値をつけた。米政府機関が閉鎖に追い込まれる可能性が高まっていることや、米連邦準備理事会(FRB)の緩和縮小の見通しが不透明となっていることが重しとなった。
米議会ではこの日、新会計年度が始まる10月1日から11月15日までの資金を手当てする暫定予算案が上院で可決された。ただ、下院共和党は医療保険改革法(オバマケア)向け予算打ち切りなどを予算手当ての条件とする構えで、政府機関の閉鎖を回避できるかは不透明な状況だ。
 BKアセットマネジメントのマネジングディレクター、キャシー・リエン氏は「(予算の)期限が迫るにつれ、政府機関が閉鎖されれば米国資産の劣化や米成長率の鈍化につながるとの懸念が高まり、投資家はドル売りを加速させている」と指摘した。
 FRBの量的緩和縮小の行方にも注目が集まる。年内は10月と12月に連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されているが、米経済が確固とした回復軌道に乗るよう、緩和縮小は来年初めまで見送られるとの観測も一部で出ている。
 ラボバンクのシニア通貨ストラテジスト、ジェーン・フォーリー氏は「ドルに対し中期的に良好な見通しを維持しているが、より明確な上昇の勢いが出てくるのは、議会の財政協議が打開し、量的緩和を縮小できるほど米経済の自律成長が持続可能であることを示すデータが出てきてからになる」と語った。
 主要6通貨に対するICEフューチャーズUSドル指数は0.3%低下の80.284。週間では3週連続の下げとなり、月初来の低下率は約2.2%となった。
〔中略〕
 ドル/円 は0.7%安の98.24円。一時は1週間ぶり安値となる98.07円をつけた。麻生太郎財務相が当面の法人実効税率引き下げにあらためて慎重な発言をしたことが引き続き材料視された。
 英ポンドは対ドル で1週間ぶり高値の1.6137ドル。イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁が、英経済の回復の兆候を考慮すれば中銀が一段の債券買い入れを行う必要はないとの認識を示したと伝わったことが支援した。

金曜午後はQE縮小の不透明化と米議会要因で重苦しい市況。
フォーリー氏が現下の状況を簡潔に纏めている。
じりじり後退しているからと言って大きくはショートできないのである。

記事末尾にはポンド高の要因にも言及しており、
ポンド取引の多い投資家は参考にされたい。

    ◇     ◇     ◇     ◇

注目銘柄、為替が軟調だった割には問題なし。
値が重いトーセイは少しポジション軽くした方が良いかも。

 ↓ 不動産関連(finance.yahoo) { 不動産流動化 > 大手不動産 > REIT指数 }のまま、大手不動産は下向き



 富士重工(東証一部 7270) 467 → 670 / 573 → 1,283 / 1,938 → 2,563
               2,267      

 マツダ(東証一部 7261)  232 → 306 / 178 → 275 / 87 → 217 / 130
               298 → 314 / 332 → 425 / 380

 竹内製作所(JASDAQ 6432) 636 → 1593 / 743 → 1,672 / 1,678 → 2,200 /
                2,250 → 2,286 / 1,924 / 1,995

 ユナイテッドアローズ(東証一部 7606) 1,044 → 1,215 / 1,087 → 1,284
                     1,146 → 1,526 / 1,341 → 1,752
                     1,906 → 3,160 / 3,410 → 3,650
                     4,025

 ユナイテッド(東証マザーズ 2497)   2,800

 トーセイ(東証一部 8923) 25,170 → 59,300 / 83,600 → 102,100 / 67,200 / 82,100

 サンフロンティア不動産(東証一部 8934) 61,600 → 114,600 / 77,700 / 88,300

 マネックスG(東証一部 8698) 45,500 / 39,300

 丸紅(東証一部 8002) 404 → 437 / 453 → 587 / 450 → 587 / 542 → 608
             494 → 577 / 540 → 577 / 541 → 602 / 529 → 602
             489 → 706 / 518 → 706 / 705

 東京建物(東証一部 8804) 298 → 312 / 277 → 413 / 541 → 615 / 857 → 923

 昭和シェル石油(東証一部 5002) 987 → 1059 / 966
                  716 → 723 / 688

ユナイテッドを買っていきなりストップをつけたので吃驚。
(流動性が低くボラも大きいので要注意のこと)
輸出関連は相変わらず竹内が強く、富士重工がマツダを抜き返した。

 ↓ 自動車各社+竹内(finance.yahoo) 富士重工とマツダの熾烈なデッドヒート



日銀、物価1%乗せも視野=「悪い上昇」には懸念も(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2013092700912
”総務省が27日発表した8月の消費者物価指数(CPI、生鮮食品除く)は、前年同月比0.8%上昇となり、上昇幅も前月(0.7%)から拡大した。日銀は、CPIは2013年度後半に一時的に1%台乗せもあり得るとの見方を強めている。ただ、ここまでの物価上昇は円安による輸入物価やエネルギー価格上昇の影響が大きく、「悪い物価上昇」への懸念も広がっている
 9月のCPIは、やや伸びが鈍化する可能性があるが、10月には、ごま油や豆腐などの食品の出荷価格や任意加入の自動車保険料の引き上げが一部で予定されるなど、値上げが相次ぎそうだ。”

さて国民経済の観点から見れば、刻々と「悪いインフレ」が接近しつつある。

バブル期や2008年に起きた現実を見れば、デフレ脱却が目標として正しくないのは明白だ。
日本における成長率とインフレ率の推移をご都合主義で解釈する滑稽なリフレ派の
没落と滅亡の時が近づいているということでもある。

『日経会社情報』2013IV 秋号


    ◇     ◇     ◇     ◇

  【 いとすぎの為替ポジション 】

既に水準が高いので引き続き今週も反落に注意したい。
しかしポンドが強いので売り難いのも事実。

 2013/08/27 151.16 GBP/JPY Lev ×1.5

    現在 > 132.82 ユーロ/円(損益145%)← 今年の損益率
         158.53 ポンド/円
          98.23 米ドル/円

 ◎ 2012年の損益率(手数料等除外)> 142%
 ◎ 2011年の損益率(手数料等除外)> 138%
 ◎ 2010年の損益率(手数料等除外)> 147%
 ◎ 2008年秋~09年末の損益率(手数料等除外)> 353%

  ▼ ポジション解消済み
 2013/08/14 150.89 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/08/09 128.68 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/07/31 149.01 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/07/26 150.88 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/07/17 151.30 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/06/21  97.89 USD/JPY Lev ×2.0
 2013/06/11 152.83 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/06/07 150.87 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/05/24 153.41 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/05/16 101.94 USD/JPY Lev ×1.5
 2013/05/10 154.46 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/05/03 130.01 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/04/26 129.02 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/04/16 150.10 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/04/12 129.73 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/04/04 145.91 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/03/21 144.80 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/03/15 144.46 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/03/07 142.28 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/03/01 120.89 EUR/JPY Lev ×1.5
 2013/02/13 124.85 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/02/08 125.97 EUR/JPY Lev ×1.5
 2013/01/24 120.99 EUR/JPY Lev ×1.5
 2012/12/26 136.78 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/12/21 136.36 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/12/12 132.76 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/11/29 131.44 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/11/09 126.37 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/11/02 83.12 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/10/25 128.91 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/10/18 127.47 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/08/29 81.23 AUD/JPY Lev ×1.5
 2012/09/12 125.27 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/07/27 81.86 AUD/JPY Lev ×1.5
 2012/08/15 123.83 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/07/20 95.50 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/07/13 123.21 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/07/06 97.98 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/06/29 125.19 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/06/21 100.82 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/06/14 123.27 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/06/07 99.03 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/06/01 120.02 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/05/23 100.68 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/05/14 102.44 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/05/11 128.50 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/04/27 106.60 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/04/19 130.30 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/04/13 128.88 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/04/06 84.02 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/03/30 132.57 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/03/22 85.75 AUD/JPY Lev ×1.5
 2012/03/13 128.51 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/03/13 83.48 CAD/JPY Lev ×1.5

 …以下省略…

「資源国通貨は底打ちしましたが、
 豪中銀は政策金利を引き下げており、
 豪ドルは停滞の可能性が高まっている」

米議会要因で引き続きクロス円の下落を警戒、
特にユーロは買い残高が急激に増えている。
しかし政治要因で突発的な買い戻しもあり得るので大きくポジションを傾けないこと。

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『週刊ダイヤモンド』9月28日号 - 製薬業界から医師へ、年間5000億円もの資金提供が発覚

2013-09-27 | 『週刊ダイヤモンド』より
今週の『週刊エコノミスト』の特集は「離婚・再婚の損得」。
メイン特集もさることながら巻頭のスクープが素晴らしい。

P10で「年間なんと5000億円! 製薬業界と医師の〝癒着〟構造」と題した記事があり、
医療界の不都合な事実を大胆に暴いている。
この資金提供の情報公開になぜ医療界から強烈な抵抗があったのか
実によく分かるというものである。

「かつては製薬会社からの奨学寄付金は、
 医学部教授選の裏金の資金源として活用された」

「医師が資金提供を受けた製薬会社の製品を処方し、
 これら製品の売上が医師に還元されているのが実態。
 しかも、それが公的保険で守られている」

例えばなぜ鬱病患者数と特定の薬の処方増加が比例しているのか、
この記事の一覧を見れば背後にある利害関係がすぐに見えてくる。

編集部の殊勲であるが、実名を出した記者の方々は本当に気をつけて欲しい。
憎悪の塊のようになった利害関係者からあらゆる手段で「攻撃」される可能性が高い。

『週刊ダイヤモンド』2013年 9/28号


メイン特集も力作である。
家計シミュレーションを見ると、離婚した母子家庭は
恵まれた正規労働者でない限り生活保護に頼らざるを得ない現実が見える。

間接税の税収は何百兆円を保有する高齢層でなくこうした必死に働く層の
支援に使うべきと考えるのは私だけではあるまい。

あとP60の「再婚には遺言が必須」と
P61の「その結婚相談所は大丈夫?」も見逃せない記事だ。

「結婚相談所の会員情報というのはよく流れてくる。
 結婚したいということは、貯金もあって孤独ということなので
 詐欺にはもってこい。1件50円とわりと高く取引される」

という詐欺グループ関係者の声が載っている。
編集部がここを深掘りしてオンラインで掲載したらかなりヒットすると思う。

    ◇     ◇     ◇     ◇

『週刊エコノミスト』の特集は期待通り。

P30の「揺れる新興国通貨」(国際金融情報センター・中俊文氏)が特に素晴らしい。
経常赤字と高インフレが資金逃避・通貨下落の原因という恒例の展開である。
三つの図表全てが無駄なく簡潔で、見習いたいものだと思う。

『エコノミスト』2013年 10/1号


個人的に興味深かったのが購買力平価とソロスチャートで比べた
唐鎌大輔氏 vs 安達誠司氏の円安水準の見通しである。
両者とも105~110円の範囲でほぼ一致しているのだ!
(この唐鎌氏作成の購買力平価の一覧は保存版である)
尚、
アベノミクスの金融緩和効果は織り込み済みという点でも一致している。
私であれば「賞味期限切れ」とはっきり言うところだが。

    ◇     ◇     ◇     ◇

『週刊東洋経済』の物流特集はかなり良かった。
この分野でも日本はグローバル化に立ち遅れているようだ。

特にP54にクレディ・スイスの推計による
アマゾンのコスト構造分析は必見である。
こうして見るとアマゾンと楽天の事業モデルの違いがよく分かる。

コストに厳しいアマゾンは、荷物一個当たりの運搬に
相場の三分の一から四分の一でしかない100円程度しか払っていないとか。
余りにがめついアマゾンがはびこるのも考えものである。
このコスト節減は運送業の労働者の労力と賃金に跳ね返るからだ。

『週刊東洋経済』2013年 9/28号


驚くべき斬れ味に衝撃を受けたのはP100、
リチャード・カッツ氏の論考である。

「数字を並べただけの現実性乏しい3本の矢」と題して
アベノミクスの第3の矢が「経済成長とほとんど関係ない」と
完膚なきまで厳しく批判している。

○「第3の矢」は単なる「大企業の願い事リスト」
○大企業は潤沢なキャッシュを手元におくか海外投資に使っている
○解雇規制緩和で失業率は上昇し、国民の不満が高まる
○日本の職業訓練への公費支出は米とともに先進国で最低水準
○日本はOECD加盟国の中でも企業経営者の新旧交代が遅れている
○日本のFDI(外国からの対内投資)は著しく低く、韓国の3分の1程度
○エコノミストの大半は安倍首相の政策案を不十分と見ている

ほぼ全てが数値の裏付けを伴う事実なのだから紛れもない正論だ。
脊髄反射しかできない頭脳停止のイデオロギスト以外は認めざるを得まい。

揉み手をして経済界の機嫌をとる太鼓持ちか幇間に堕している
我が国のエコノミストなら決して口に出さない「不都合な事実」である。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週はエコノミストに注目。

▽ 個人的には海外進学は短期留学か大学院からの方が堅実と思う

『エコノミスト』2013年 10/8号


▽ タイトルが惜しい。「脱スマホ?」か「スマホが消える日」の方が良い。

『週刊ダイヤモンド』2013年 10/5号


▽ 東洋経済はマネー誌の二番煎じ+四季報情報で誤摩化さないことを願いたい

『週刊東洋経済』2013年 10/5号

サブ特集で遠慮なく厚労省の「失政」を批判して欲しい。
それでも彼らは頑として失策を認めないかもしれない人種だから。
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「FRBが金融緩和の縮小をどの程度の期間、先送りするかが不透明な状況はドルの上値を抑える」

2013-09-26 | 注目対象…譲渡益税分は寄付に廻して下さい
アメリカでは連邦債務上限引き上げを巡る茶番劇が続き、
一時的なものにせよ政府機関閉鎖も冗談ごとではなくなってきた。

双方の面子を立てて政治的妥協が成立したら
またドルがふらふらと上がり始めると思われる。

東証では霧の降りたような為替市場から隔離された
無風地帯への資金移動が密かに起きているのであろう。


ドルが下落、米財政問題めぐる懸念で=NY市場(reuters)
http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPL4N0HL3MP20130925
”25日終盤のニューヨーク外為市場では、米連邦政府債務のデフォルト(債務不履行)や政府機関閉鎖の可能性をめぐる懸念が重しとなり、ドルが下落した。
 ドル/円は終盤、0.3%安の98.48円。
〔中略〕
 ユーロ/円は0.1%上昇して133.14円で推移している。主要6通貨に対するICEフューチャーズUSドル指数は80.324と0.3%下落した。
 米議会では10月以降も政府機関の運営を続けるために必要な予算策定の期限が30日に迫っているが、協議は難航している。米上院は25日、暫定予算案の審議打ち切り動議を全会一致で可決。週末までに法案可決に持ち込みたい考えだ。
 一方で議会は連邦政府債務のデフォルトを回避するため、10月中旬までに債務の法定上限を引き上げなければならないが、与野党の隔たりは大きい
 2011年の連邦債務上限をめぐる政界の攻防は土壇場での決着となり、格付け会社スタンダード・アンド・プアーズが米国の格付けを「AAA」から引き下げる事態に結び付いた。
 過去の例では政府機関の閉鎖や連邦債務上限の協議が決着する前の10日間はドルが弱含み、その後の10日間はドルが強含む傾向がある。
 ドイツ銀行のFX戦略ヘッド、アラン・ラスキン氏は「今年初めに債務上限をめぐる協議が決着した際も、(為替)相場はこのパターンに沿って動いた」と指摘。今回の予算と債務問題が解決すれば、ドル相場の動きは、米連邦準備理事会(FRB)が年内に量的金融緩和を縮小することが依然として可能であると裏付けるような、より強いデータが出てくるかどうかに依存する形となる、と付け加えた。
 FRBが金融緩和の縮小をどの程度の期間、先送りするかが不透明な状況は、ドルの上値を抑えるはずだ。
 一方でユーロは、この日発表されたユーロ圏の経済指標が支援材料となった。GfKが発表した10月の独消費者信頼感指数は6年ぶりの高水準に上昇。イタリア国立統計研究所(ISTAT)が発表した9月の消費者信頼感指数は2011年6月以来の高水準となった。
 ただ欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が今週、短期金利の上昇を抑えるため追加の長期資金供給オペ(LTRO)を実施する用意があると述べた後だけに、ECBの追加金融緩和観測からユーロの上値は抑えられるとみられている。
〔中略〕
 この日発表された米経済指標では、8月の耐久財新規受注は前月比でわずかな増加にとどまり、政府支出をめぐる不確実性によって企業が投資を控えている状況がうかがえた。また8月の新築1戸建て住宅販売戸数は年初来の低水準近辺となり、金利の上昇が景気を抑制しているシグナルと受け止められる。
 ミラー・タバックのチーフ経済ストラテジスト、アンドリュー・ウィルキンソン氏はこれらのデータについて、現時点での経済活動の加速を示すものではないと考えている。
 同氏は、これらの指標は需要の持続性を示す可能性のある今後のデータを待つとした連邦公開市場委員会(FOMC)の決定に沿った内容だと指摘した。”

この記事は、現在のドルの下落は一時的要因で
不透明性によって売られた分は反動で元に戻ることを示唆している。

東証では輸出関連の上値は重く、
消費税引き上げ懸念のある不動産にも海外資金は入りにくい。

不動産以外の内需に注目したい。
折しもUAがMUFJモルスタの注目により急伸している。

為替に左右されにくいネット系企業を探していたが、
赤字ながら下値の堅いこちらをピックアップした。
年初来の株価パフォーマンスではあのガンホーを既に超えている。

  ↓ ユナイテッド(Rakten.sec)  2,800


所謂スマートフォン関連で、「ココッパ」を展開している。
フェイスブックのようにグローバル市場で圧倒的シェアを取れるか、
課金ビジネスにおいて順当に事業展開できるかを注目したい。

楽天証券のサイト
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/domestic/

▽ 一般的に言えば、小型株は大型株をアウトパフォームする

『ヘッジホッグ―アブない金融錬金術師たち』(日本経済新聞出版社)


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関西財界は、経営判断を誤った関電経営陣に退陣を要求すべき - 投機的な原子力への依存度を高めた大失策

2013-09-26 | いとすぎの見るこの社会-地球環境を考える
関西財界の三団体が原発の早期再稼働を要求している。
その一つのトップは関電の会長なのだから、これは明白な「癒着」である。

現在、関電ではコストの高い古いガス火力と石油火力を稼働させている。
これは単に原子力比率を高め過ぎたための自業自得である。

市場占有でき、たっぷり補助を貰える原子力利権に依存して
火力発電に設備投資してこなかったからこそ苦境に陥ったのだ。
今急いでコンバインドサイクル・ガス火力を建設しているのが何よりの証拠である。

高コストの石油火力ではなくコンバインドサイクル・ガス火力を稼働していたら
どれほど燃料費負担が安く済んだか、計算するがいい。
(熱を必要とする需要者側でコージェネを行えばもっと安く済む)
一度ならず電力不足問題を起こした投機的な原子力に依存した経営陣に全ての責任がある。

従って、関西財界がまともな思考回路を持っていれば、
新電力の成長を妨害し健全な電力市場形成をせず
参入障壁の大きい原子力による利益占有を図った関電を批判する筈である。

元々、電力大手の建設する発電所は高コストで、
建設費の2割は割高であると言われている。
おまけに福島事故以前からバカ高い燃料を暢気に購入してきた。

新電力のシェアがより高く、高効率のガス火力で電力供給していたら
企業も今のように高い電気を買わされていなかった筈である。

関西財界が高コストで経営判断を誤った関電を擁護するのは
経済原理に反した癒着、有権者への裏切りに他ならない。

経済原理に従えば、ツケを他社に押し付ける関電のモラルハザードを公然と批判し、
新規投資をもたらすため省エネに注力し、新電力から電力を調達するのが当然だ。

福島原発事故による壮烈な観光被害や風評被害を見ていながら再稼働を唱える神経は異常である。
若狭湾の老朽原発で重大事故が起きたら京阪神の観光業は壊滅的打撃を受けるだろう。

日照量に恵まれた京阪神圏では、膨大な面積の屋根が未利用で太陽光発電導入余地が大きい。
熱のロスも大きくあらゆる宿泊施設・外食店舗・家庭でコージェネ導入可能である。
新規投資で電力不足は完璧に解消でき、経済効果も非常に大きい。

だから経済のためにも社会のためにも原発利権は滅亡しなければならない。
それこそ原子力が公共のために貢献できる唯一の道である。

 ↓ 原子力利権と癒着した関西経済界より、IEAの方が遥かに信用できる

再生可能エネが2016年までに原発の2倍の規模に急拡大、1年で原発100基分の増加 - IEAの見通し
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/81df39252058c2f2d70d3f9d210b7fcd

▽ エネルギー多消費型の産業セクターの生み出す雇用は、驚くほど少ない

『グリーン経済最前線』(末吉竹二郎/井田徹治,岩波書店)


既得権にしがみつき平然と癒着を続ける大企業は、
短期的な自社のコストだけを見ている利己的近視眼であり、
エネルギー政策の全体最適を全く理解していない老害に等しい。

「電力大手の老朽火力の無駄なエネルギーロスこそ諸悪の根源であり、
 原子力での市場独占を図って高効率のガスコンバインド火力に投資してこなかった
 電力大手のせこい経営判断こそが電力料金高騰の真の原因だ」

「論より証拠、石炭以外の古い火力発電を最新のガス火力にリプレースするだけで
 燃料輸入が何兆円節減できるか計算すればすぐその効果の大きさが分かる。
 宿泊施設や工場、家庭でコージェネレーションを導入したら
 更にエネルギー効率が上昇するので、特に東日本には莫大な恩恵が及ぶ」

と当ウェブログは書いてきた。
原発再稼働は「経済のためにも」有害である。

 ↓ 参考

「気温40度を期待」「昔のように金で世論操作できない」- 原子力利権勢力の本音、公益より再稼働を願う
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/e47039874adf99ed08ab2ec713967d9d

 ↓ 原発停止は新規投資を促進しエネルギー効率を高める

原発3基分のガスコージェネを東京ガス・大阪ガスが供給 - オリックスも電力供給3倍増、新規投資活発に
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/76b3c30e07512cb4a21bf34edf62d4c5

JX日鉱日石、石炭火力並みの低コスト火力発電を開発 - 石油精製の際の副産物を賢く有効利用
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/3e733141d52fc9e8854f267fa60472a1

▽ 原子力比率と経済成長率は無関係、成長率を引き上げるのはエネルギー効率の高さ

『欧州のエネルギーシフト』(脇坂紀行,岩波書店)


▽ 原子力利権勢力は、己の利益のため日本のエネルギー政策を操ってきた黒幕である

『総力取材! エネルギーを選ぶ時代は来るのか』(NHK出版)


早期再稼働「強く要望」=関経連会長(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201309/2013091500247&g=soc‎
”関西経済連合会の森詳介会長(関西電力会長)は15日、稼働中の原発が再びゼロとなったことに対し、早期の再稼働を政府に要望するコメントを発表した。この中で「原子力規制委員会の審査体制の強化や効率化を進め、大飯3、4号機、高浜原発3、4号機の安全確認の早期完了と再稼働の実現を政府に強く求める」と強調した。
 大阪商工会議所と関西経済同友会もコメントを出し、「原発ゼロで冬場を迎え、一層厳しい節電対応や料金再値上げといった最悪の事態を招くことを危惧している」「原発比率が高い関西の電力需給は一層厳しい状態を迎える」とそれぞれ指摘した。”

これは「安全性など知ったことではない」「ウチの稼ぎの方が重要」という意味である。
原発比率が高いのは歴代の関電経営陣の経営判断にほぼ全ての責任があり、
関西経済界の「馴れ合い体質」は明白だ。

高効率のダブルコンバインド・ガス火力のPPSから電気を買えるようにして
電力市場での健全な競争を促進させていれば、このような事態に陥らなかったのだ。
その意味で保守退嬰・癒着体質の関西財界の責任は極めて重い。
責任転嫁と情報操作はいい加減にすべきである。


今年は節電PR目立たぬ理由 昨年電力が余裕で足りていたから(週刊ポスト)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130709-00000012-pseven-soci
”7月某日の昼下がり、都内商社で働くAさんは肌寒さを感じて、事務所のエアコンの設定温度を確認した。表示はなんと「24℃」。昨夏は「28℃」を義務づけられていたはずだが……。
「今年は会社からも節電をそれほど強制されない。そのためか、寒いくらいの時があるんですよ。昨年までは室内の照明も間引いて暗かったけど、今年は煌々としています」(Aさん)
 確かに、この夏は「節電」という言葉を目にする機会が減った。
〔中略〕
 思い起こせば昨年の今頃は、電力不足を煽りたて、まさに「恫喝」ともいうべき節電キャンペーンが行なわれていた。
 特に凄まじかったのは、大飯原発3、4号機(福井)の再稼働を巡って揺れていた関西電力管内だ。
 大阪府合同庁舎の壁には「この夏、節電待ったなし!」の垂れ幕がかかり、関電社員や大阪府職員が街頭に立って「節電」PRに躍起だった。
関電は関西広域連合と連携し、電気使用量を前年夏から15%削減を達成した世帯を対象に、抽選で豪華ホテルの宿泊券やランチ券をプレゼントする「節電トライアル宝くじ」を企画するなど、あの手この手で節電を訴えていた。
 今年の街の不自然さにお気づきの人は多いはずだ。なぜなら、そのキャンペーンが忽然と姿を消したのだから。
〔中略〕
 同社は、今年は節電イベントも一切行なわないという。理由について関電はこう話す。
「昨夏とは異なり、大飯原発も再稼働しており、電力需給の見通しも立っているので、昨年ほどのPRの必要性はないと考えています」(広報室)
 政府が求める節電も「無理のない範囲で」という曖昧なものとなった。昨年までは関電管内で15%、北海道7%などとされた、具体的な「数値目標」はない。
 政府や電力会社が不気味なほど静かになった理由は、いたって単純である。実はあれだけ大騒ぎした昨年、電力は余裕で“足りてしまっていた”のだ。
 昨年9月、関電が夏の電力供給に関する試算を公表した。詳細は省くが、「大飯原発の再稼働がなくても、管内で待機中の火力発電所を動かせば、電力には余裕があった」というものだった。今年の政府の検討会合でも、「節電の数値目標を設定しなくても、今夏の電力は需要が供給を全国平均で6.3%も上回る」という結論が出た。”

有権者の目から見れば、関西電力が信用できないのは明らかである。
昨年の節電キャンペーンは原発再稼働のための策動だったと考えざるを得ない。
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