みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

『週刊エコノミスト』5月29日号 − ソニーはiPadを、三洋はiPodを10年前に開発していた!

2012-05-25 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』の特集は「電機 勝利の方程式」でした。
個人的には個々の企業や特定分野は別として、
日本の電機セクターには「勝利の方程式」はもう存在しないと思う。

ドイツの通貨政策の狡知を理解できるような賢さ、
人口政策の死活的な重要性を理解できるような聡明さが
日本政府にも政党にもエコノミストにも評論家にも決定的に欠けているから。

『エコノミスト』2012年 5/29号


P36には、ソニーがiPadを、三洋がiPodを2000年頃に開発していたのに
経営側がそれを見捨てていたことが分かります。
負けるべくして負けている訳です。

また、医療機器分野での日本メーカーの弱さはつとに有名ですが
相変わらずリスク回避で外国製品の草刈り場になっている現状を
P39でジャーナリストの塚崎氏がリポートされています。

    ◇     ◇     ◇     ◇

P40で元経産省の長谷川榮一・東大大学院教授が
「公務員の新規採用削減に反対」と題した寄稿も必読です。
給与が高い高齢職員を減らした方が人件費節減できるし、
組織の新陳代謝も進む
という堂々の正論。

でも、能力の低さを自覚していて意欲に欠ける連中は
この手の正論には汚い手を使ってでも全力で反対してくるものです。。

当ウェブログとしては、
天下りは全員の名前と役職、報酬を原則開示して
利益相反があれば行政訴訟の対象とするシステムが望ましい
と思う。
政府からの天下りにはそれだけの重責と説明責任がある筈だ。

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の週刊ダイヤモンドは資産運用特集。水準は平均的と思います。
ただマクロの市況を判断する目安はあるので少しは紹介して欲しい。
(僭越ながら当ウェブログの方が市況判断では勝っていると思う)

特集ではP44「資産運用業界の歪んだ構造」が圧倒的に面白い。
この販売会社の強欲ぶりははっきり言って「終わっている」。
私はコスト3%でも「ふざけるな、この野郎」と感じるが、
最近は何と手数料+信託報酬で4%を超えるそうだ。
これでは投資信託ではなく、業界へのプレゼント以外の何ものでもない。

ただ、外資系が日系運用会社をけなしているのは頂けない。
外資の為替デリバティブのあざとさを見てから言え、という感じ。
本質ははっきり言って日系も外資も大して変わらない。

『週刊ダイヤモンド』2012年 5/26号


そうそう、P108の住宅ローン特集も良い。
何となく「時限爆弾」に似た性質があるような気がしてならない。。

    ◇     ◇     ◇     ◇

週刊東洋経済は公務員特集。
「東洋経済は既得権層に対する切り込みが甘い傾向があるので
 その点は毀誉褒貶をクリアにして健全な言論を展開されたい」

と先週書いたのですが、悪い予感的中。
健全な批判精神が欠如していて、はっきり言って話にならない。

『週刊東洋経済』2012年 5/26号


以下の通り、非常に偏った政治的バイアスがありありと出ている。

○官民格差隠蔽のトリックを完全無視
○正規職員と非正規職員との「身分差別」を完全無視
○労働組合の「政治介入」を完全無視
○退職手当債に代表されるモラルハザードを完全無視
○人事と待遇における悪平等を完全無視
○経済破綻による待遇切り下げのリスクを完全無視

読んでいて溜め息ばかり出ました。
編集部はなぜ大阪で橋下市長が圧倒的支持を集めたのか、
日本の公共部門がなぜ国際的に評価されていないのか
全く理解していないと言わざるを得ない。


▽ 来週号の鉄板で売れる特集で気を取り直せるか?

『週刊東洋経済』2012年 6/2号


でもTOEICの代案を提示できずに中途半端な特集で終わる危険性もかなり……。
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『週刊エコノミスト』5月15日号 − シンガポールの失業率は2%、増え続ける直接投資と外国人で高成長

2012-05-11 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』の特集は「消費復活!」でした。
先週号はネガティブな「世界経済・再失速」でしたから、
編集部なりにバランスを意識しているのでしょう。

現下の日本における内需で最も期待できるのは、
省エネ・再生エネ関連分野と思うのですが左程の言及はなし。

編集部としては「節電商戦!」「節電決戦!」といった別特集を
再来週あたりに予定しているのでは、と推測される。

コンビニや内食など所詮は一時的なトレンドであり、
人口減少社会というメガトレンドには勝てません。

『エコノミスト』2012年 5/15号


今週はP38、濱條元保氏の「シンガポールに見る国際競争を生き抜く戦略」が
何と言っても注目です。当ウェブログは「ルック・ウェスト」つまり
「シンガポールを見習え」とのスタンスなので是非シンガポール情報を増やして欲しい。

失業率は2%(日本のような雇用退蔵では勿論ない)、
巧みな政策で直接投資も外国人訪問者も増え続けている。

歴史や国情が大きく違う点を除外しても、
はっきり言って日本よりシンガポールの方が「先進国」である。
北海道や沖縄、四国等はシンガポールを今すぐ見習った方が良い。
劇的な経済波及効果が生じるであろう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

他には鈴木亘教授の「増税論は巧妙な論理のすり替え」(P35)が必読。
社会保障目的の消費税引き上げを批判する論で、至極当然だろう。

鈴木教授の指摘通り、
現状のままで消費税を引き上げたら
「歪んだ再分配を固定化」する
ことになってしまう。

ただ相続税を安定税源とする主張は誤りである。
マイナンバーで金融資産の概要を把握し、
預貯金に薄く課税すれば今すぐに、脱税し難い財源ができる筈である。
1000万円以上に限定し、ペナルティを重くすれば良い。
フリーランチは一瞬で消滅するだろう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の週刊ダイヤモンドは起業特集。
起業を考えている人は「必買」でしょう。
インターネット上で役立つサービスが一気に増えている様が分かります。
サービス業での起業が多いというのはよく分かる。

『週刊ダイヤモンド』2012年 5/12号


ただ、起業での雇用増効果に対する過剰な期待は禁物です。
起業数は景気変動の影響を余りにも強く受け過ぎています。
(事実、廃業率は「失われた10年」に急増している)
マクロの雇用と起業との相関性は客観的に見て低いと思う。

    ◇     ◇     ◇     ◇

週刊東洋経済は自動車特集。
正直、内容に鋭さがありません。

自動車メーカーの本決算好調を嗅ぎつけて
発表前に特集にしてしまおうという「邪心」によるものでは?

どのメーカーがどの地域・市場で強いか、
世界経済と市場の動向はどうなっているか、エコカー分野での優劣はどうか、
第3のエコカーの売れ行きはどうか、為替の見通しはどうか、
ドルやユーロの変動による収益への影響度は、といった重要な点が抜けている。

『週刊東洋経済』2012年 5/12号


尚、いま自動車株を買うのは下手の証拠だ。
投資が上手な者は基本的に「四季報」は参考程度にしか見ていないし、
上方修正が四季報や会社で明らかになる前に既に買っているのが普通。
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『週刊エコノミスト』5月8日合併号 −「ブラック経営者が夢を語って若者を釣っている」という暗鬱な指摘

2012-05-04 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』の特集は「世界経済 再失速」でした。
特集は概ね既知の内容ですがタイミング完璧で素晴らしいです。

更に、メイン特集の中で
「日本の死臭を嗅ぎつけた外国人投資家」
と題された興味深い箇所があり必読です。

「ミスター・ハシモトが首相になる可能性はあるのか」
と日本に対し興味津々の外国人投資家の反応を前にして
日本人エコノミストは円安とインフレのタイミング狙いだと直感したとか。
「死臭」はまだ微臭に過ぎませんが当然の見方と言えるでしょう。

『エコノミスト』2012年 5/8号


為替分析に関してはP26のシティバンク・高島修氏の
「長期的なドル安局面は終了」をお薦めします。
本格的なドル高局面がまだ先であるとの指摘に同感です。

中谷巌氏がP25で西洋型グローバル資本主義が行き詰まり、
欧米先進国の構造的低成長時代に入ったと主張されていますが
氏のこれまでの言論的実績を見る限り、早とちりの可能性極めて大きい。

    ◇     ◇     ◇     ◇

他に雇用関連では編集部の望月麻紀記者の
「退職を強要する企業の存在」(P82)を推したい。

「夢を語って若者を釣る」連中は大勢おり、
そういうのに限って自己正当化が大得意だ。

この分野は深堀すると相当大きい問題が潜んでいる筈なので
今後の続報にも期待したい。
また、景況回復と同時に過労問題が再び注目されるのは間違いない。

北欧型フレキシキュリティが実現すれば相当問題は緩和されるだろうが
そこまで日本社会は合理的でも利他的でもないのが残念だ。

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の週刊ダイヤモンドは表紙のカラフルな薬の特集。
特集冒頭の図がよく整理されていて必見です。

『週刊ダイヤモンド』2012年 5/5号


個人的には、ダイヤモンド社に「スマートメーター利権」を嗅ぎつけられて
渋々方向転換を余儀なくされた電力会社の記事が面白かった。
彼らは本当に、誰かに言われない限り自浄力ゼロである。

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の週刊東洋経済はがん特集。

個人的にはP122の「沖縄経済の実力」が力作であり評価したい。
しかし手本とすベきは一人当たりGDPの遥かに高いシンガポールではないのか。

『週刊東洋経済』2012年 5/5号


あと無学無名という筆名でコラムを書いている方が
再生可能エネルギーは経済成長に繋がらないのでは主張されていますが、
この認識は明白な誤りです。

風力発電を拡大させたスウェーデン・デンマーク・イギリスの
平均成長率が日本より高いのは明らか。事実を直視しないと。
(スペインは例外だがこれは誰が見ても不動産バブルが主因)

問題はどの再生可能エネルギーをいかなる仕組みで拡大させるかであり、
安易な総論否定は怠惰な思考停止に過ぎません。
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『週刊エコノミスト』4月24日号 −「FRBに追随するだけの凡庸な日銀総裁」藤井良広教授の厳しい批判

2012-04-20 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』の特集は「日銀と円安」でした。

日銀の「草食男子」ぶりを指摘する声が多いのはまさに予想通り。
ここは毎度お馴染みの政治圧力を日銀にかけるのではなく、
FRBと同じく「雇用の最大化」という義務を日銀に課す
ことこそ最優先としなければならないと思うのですが。
日本は多分アメリカほど金融政策の効果は出にくいだろうが
あれこれ言い訳の末に現状維持の正当化しかしない給料泥棒の中銀などいらない。

『エコノミスト』2012年 4/24号


P34の藤井良広教授の「受け身で決断力なき総裁」が鋭い。
日銀の金融政策は「フォワードルッキング」ではなく
「FEDルッキング(FRBの模倣)」だとの指摘は傑作です。

果敢な為替政策を打ち出すスイス中銀と日本の比較は
P36で野村総研の井上哲也氏が巧みに整理されています。

ただ個人的には対ウォンで無限介入の用意があると宣言し
急激なウォン安を防ぐと見せかけて日本の輸出企業を擁護する
賢明さが欠けていると思えてならない。

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の週刊東洋経済は最近話題の中高一貫特集。
正直言って、公立の中高一貫に評価を下すのは時期尚早と思うが。

『週刊東洋経済』2012年 4/21号


実は、ロシアの支配者プーチンの実像を探ることのできる佐藤優氏の連載が面白い。

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の週刊ダイヤモンドは得意の保険特集で充実内容。

最近増えた「ほけんの窓口」は裏があるのだろうと思っていたが案の定。
日本の保険業界は編集部の指摘通り、中立の立場の視点が少な過ぎる。
でも「保険ブローカー」と呼ぶと何となくイメージ悪そうな……。

『週刊ダイヤモンド』2012年 4/21号


野口悠紀雄氏の連載コラムも相変わらず鋭い。
公的年金は給付削減が不可欠だとの正論です。
全くその通りで、成長率低下と少子高齢化を放置した世代に公費投入など言語道断だ。

    ◇     ◇     ◇     ◇

産業レポート「ガス革命に取り残される日本」も素晴らしい。
日本の買うLNGがいかに高いか一目瞭然です。

ただ共同購入によってバーゲニングパワーを高めるだけでなく、
ガスコージェネを一気に普及拡大させてエネルギー効率を高め、
国内で炭層ガス開発を進めることで交渉力を高めるという
2つの有効策に言及されていません。次回に期待。

 ↓ 国内にもガス資源が存在する。

【2012年の予言】国内ガス開発が始動し、メタンハイドレート開発は停滞する − 直近の本命はCBM
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/c72ce70420875d6b1acef3c1f0e095a5

    ◇     ◇     ◇     ◇

来週のダイヤモンドも売れそうだ。表紙のセンスがいい。
個人的にはジェネリックの医療費低減効果を知りたい。

『週刊ダイヤモンド』2012年 5/5号


癌を心配する中高年狙いの東洋経済と差別化し、
ダイヤモンドは購読者層の世代に合わせたのだろう。
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『週刊エコノミスト』4月17日号 −「派遣が契約やパートになっただけ」の法改正、厚労省も連合も時代遅れ

2012-04-13 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』の特集は「投資入門」でした。
まあ常識的なところかと思いますが、
マクロの市況の読み方はまだまだです。
春山昇華氏あたりに取材された方が良いでしょう。

あと編集部の方にですが、ゴールドの相場は「完全に終わって」います。
市況を分かっていない者には書かせない方が良いと思いますが。

『エコノミスト』2012年 4/17号


個人的にはP95の「エコノミスト・リポート」が一押しです。

「迷走の末にやっと成立 「派遣禁止=労働者保護」は誤り」と題して
ジャーナリストの本間俊典氏が鋭く労働者派遣法改正を批判されています。

08年の派遣バッシング騒動から強まった政府と世論のバイアスを指摘し、
厚労省や連合に根強い「正社員幻想(=正社員こそが正しい雇用形態)」や
非正規労働者の5%を下回るごく少数派である派遣労働者の現状、
契約社員やパートが増えただけの現状をリポートされています。

全くもって正論ですが、厚労省や労組はそれを頑として認めないだろう。

結局、非正規の問題は分配という「政治」が絡んでくるので、
手厚く守られている正規労働者の所得税を引き上げて
雇用創出・就業支援や失業者の家庭の育児・教育支援に充当するといった
高度なポリシーミックス
が必要になってくるのではないだろうか。

    ◇     ◇     ◇     ◇

そうそう、P50のインタビューは抜群に素晴らしい。

西アフリカの女性支援のためにシアバター石鹸を生産販売している
ア・ダンセの森重代表が登場されています。

この方は遠からずメディアに頻繁に出るようになるだろう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の週刊東洋経済は「10年後、日本人が食える仕事」。
メイン特集は自社出版のプロモーションだと思います。

P9ではICUの八代教授が改正派遣法を批判されていて、
こちらもエコノミスト誌と同じく正論。

ドイツでさえ解雇の金銭的解決が認められているのに、
ドグマに固まった日本(の既得権層)は社会主義的態度を変えていない。

P114の原田泰氏による「日本には原発を管理する資格がない」も鋭い。
菅元首相が怒鳴ろうが怒鳴るまいが当事者たちに正しい判断はできなかった、
との趣旨で、全く同感だ。

居丈高な民間事故調の報告書を見て「じゃあお前ならできたのか」と思ったのは
私だけではないと思う。後出しで偉そうに評価する人間など信用できない。

『週刊東洋経済』2012年 4/14号


▽ 特集はこの本のプロモーションだと思う。

『10年後に食える仕事、食えない仕事』東洋経済新報社


    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の週刊ダイヤモンドは、率直に言って今年最も良くない特集だと思う。
判断が分かれる事項について軽率もしくは誤った記載がある。

各ページは経済リテラシーの低い人間に書かせるのではなく、
専門家の署名をさせて言説に責任を取らせるべきと思うが。

『週刊ダイヤモンド』2012年 4/14号


↓ 怪しい結論の例

「消費税増税で景気がよくなる」
「GDPはもはや景気指標ではない」
「円高は日本経済にプラス」
「TPPはただの通過点」
「今は就職氷河期ではない」

ヘッドラインで釣って買って貰おうとの意図が見え見えで、
キャッシュをたっぷり持っている企業や個人なら
円高を大いに歓迎するのは当たり前である。何が「新常識」だ。
国内経済の実情を掴むにもGNIよりGDPの方が勝っており、根拠薄弱。
TPPも明確な効果が望めないことを自ら明らかにしていて完全な墓穴だ。
(対内投資や為替の影響と比較し、経済効果を調べてから書け!)

あと雇用市場の分析にリクルート出身者を使うのはそろそろやめた方がいい。
彼らの利害から考えて、顧客である企業に不利な情報を出す筈はない。
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