ダイヤモンド特集は「まだはもうなり」の相場格言そのもの、
円安で底上げされた東証の危うさを明らかにする内容で、
寧ろリテラシーのある読者にとっては悪くない。
(特集を真に受ける無思考の読者にとっては良くない)
しかし、村上氏と池上氏の対談は中々良かった。
上場廃止から逃げて資金を溜め込んでばかりの日本企業の宿痾を批判しており、
しかも上辺の株価が上がっても日本の国力が衰えていることを(やっと)明言。
その根源がどうやら少子化にあることも(やっと)理解したようだ。
「お金によって少子化は止まらない」と下手な言い訳しかしない池上氏も、
長野県下條や岡山県奈義でみっちり研修して認識を改めてから口を開くべきだろう。
年30兆円にも上る「高齢者にバラ撒くおカネによって少子化」が正しい認識である。
さて佐藤優氏の書評はかつての私怨を元に国内メディア批判するもので、
今まさに戦場で大勢亡くなっているウクライナやロシアの若者、
ロシアの残虐な攻撃を受けて非業の死を迎えているウクライナの市民を無視し、
事実上ロシアを擁護している自らの言論の二重基準を露呈したと言えよう。
個人的にはかつての国策捜査については氏の主張は正しいと思うのだが
自らの言説も自らのメディア批判と同様の基準で裁かなければ氏の言説は信用されまい。
◇ ◇ ◇ ◇
東洋経済はインボイス特集、「マイナ保険証と同じく拙速で粗雑なインボイス導入」
「「フリーランスには最悪制度」と云うのはまさに至言」と先週に書いた通りだろう。
これからトラブル多発で問題化するだろうに、
自民党政権らしい粗雑で無神経な導入には、選挙で報復するしかなかろう。
9頁の苅谷剛彦・オックスフォード大教授の寄稿が良い。
イギリスでは公共セクターのストやボイコットが激しくなっているが、
国民は容認・許容の姿勢だと云う。英国には国民間に連帯があるのだ。
自らの利害を巡って敵対し、いがみ合う日本の分断社会と大違いだ。
佐藤優氏の連載は、アゼルバイジャンの話が続いている。
西側がバルト三国など東欧にばかりに関心が強いと批判しているが
軍事力で占領し過酷な弾圧・殺戮を行った歴史的事実から見て当たり前だ。
カティンの森事件のようなとんでもない人道犯罪すら無視するのだろうか。
ロシアの愚かで非人道的なウクライナ侵攻により、アゼルバイジャンは
益々西側から関心を持たれなくなり中央アジアではロシアへの批判が強まっている。
そうした深刻な現状も併せて書くべきである。
◇ ◇ ◇ ◇
ところでエコノミストの合併号だが、
教育分野におけるチャットGPTリポートは疑問の残る内容だった。
教員の能力を高めるべき、というのは論旨として分からないでもないが
具体的な手段・方策ともに曖昧でエヴィデンスなし、しかも現下の人手不足である。
そうした真摯な批判的思考が欠如した執筆者は猛省が必要であろう。
市岡繁男氏の連載については先週、
「債券・ドル・株価のトリプル安に繋がりかねない要因」と書いた。
財政赤字要因で金利が上がるなら寧ろドル安を助長する恐れがあり、
しかも今後確実にFRBは利下げ局面に入るから東証にとって二重の苦境である。
日本国民にとっては購買力回復の好機となろうが、日銀は円高へ丸腰で向かうことになる。
◇ ◇ ◇ ◇
次週の注目はダイヤモンド、得意の保険特集であり工夫の跡も見られる。
▽ マーケット的には「海運バブル終焉」が重要だろう
▽ 東洋経済はピンぼけ気味、焦点の定まらない煽り表現は裏目に出かねないのでは
▽ 本格派という点では矢張りエコノミストだが、正しくは「円安バブル」だろう
テクニカルでは寧ろ、投機的な円売りドル買いが転機を迎えているように見えるが。。
円安で底上げされた東証の危うさを明らかにする内容で、
寧ろリテラシーのある読者にとっては悪くない。
(特集を真に受ける無思考の読者にとっては良くない)
しかし、村上氏と池上氏の対談は中々良かった。
上場廃止から逃げて資金を溜め込んでばかりの日本企業の宿痾を批判しており、
しかも上辺の株価が上がっても日本の国力が衰えていることを(やっと)明言。
その根源がどうやら少子化にあることも(やっと)理解したようだ。
「お金によって少子化は止まらない」と下手な言い訳しかしない池上氏も、
長野県下條や岡山県奈義でみっちり研修して認識を改めてから口を開くべきだろう。
年30兆円にも上る「高齢者にバラ撒くおカネによって少子化」が正しい認識である。
『週刊ダイヤモンド』2023年 7/1号 (激安株) |
さて佐藤優氏の書評はかつての私怨を元に国内メディア批判するもので、
今まさに戦場で大勢亡くなっているウクライナやロシアの若者、
ロシアの残虐な攻撃を受けて非業の死を迎えているウクライナの市民を無視し、
事実上ロシアを擁護している自らの言論の二重基準を露呈したと言えよう。
個人的にはかつての国策捜査については氏の主張は正しいと思うのだが
自らの言説も自らのメディア批判と同様の基準で裁かなければ氏の言説は信用されまい。
◇ ◇ ◇ ◇
東洋経済はインボイス特集、「マイナ保険証と同じく拙速で粗雑なインボイス導入」
「「フリーランスには最悪制度」と云うのはまさに至言」と先週に書いた通りだろう。
これからトラブル多発で問題化するだろうに、
自民党政権らしい粗雑で無神経な導入には、選挙で報復するしかなかろう。
9頁の苅谷剛彦・オックスフォード大教授の寄稿が良い。
イギリスでは公共セクターのストやボイコットが激しくなっているが、
国民は容認・許容の姿勢だと云う。英国には国民間に連帯があるのだ。
自らの利害を巡って敵対し、いがみ合う日本の分断社会と大違いだ。
『週刊東洋経済』2023年7/1特大号(インボイス完全マニュアル) |
佐藤優氏の連載は、アゼルバイジャンの話が続いている。
西側がバルト三国など東欧にばかりに関心が強いと批判しているが
軍事力で占領し過酷な弾圧・殺戮を行った歴史的事実から見て当たり前だ。
カティンの森事件のようなとんでもない人道犯罪すら無視するのだろうか。
ロシアの愚かで非人道的なウクライナ侵攻により、アゼルバイジャンは
益々西側から関心を持たれなくなり中央アジアではロシアへの批判が強まっている。
そうした深刻な現状も併せて書くべきである。
◇ ◇ ◇ ◇
ところでエコノミストの合併号だが、
教育分野におけるチャットGPTリポートは疑問の残る内容だった。
教員の能力を高めるべき、というのは論旨として分からないでもないが
具体的な手段・方策ともに曖昧でエヴィデンスなし、しかも現下の人手不足である。
そうした真摯な批判的思考が欠如した執筆者は猛省が必要であろう。
『週刊エコノミスト』2023年 6/27・7/4合併号【特集:外債ショック 逆風の銀行】 |
市岡繁男氏の連載については先週、
「債券・ドル・株価のトリプル安に繋がりかねない要因」と書いた。
財政赤字要因で金利が上がるなら寧ろドル安を助長する恐れがあり、
しかも今後確実にFRBは利下げ局面に入るから東証にとって二重の苦境である。
日本国民にとっては購買力回復の好機となろうが、日銀は円高へ丸腰で向かうことになる。
◇ ◇ ◇ ◇
次週の注目はダイヤモンド、得意の保険特集であり工夫の跡も見られる。
▽ マーケット的には「海運バブル終焉」が重要だろう
『週刊ダイヤモンド』 2023年 7/8号 (最強 保険見直し術) |
▽ 東洋経済はピンぼけ気味、焦点の定まらない煽り表現は裏目に出かねないのでは
『週刊東洋経済』2023/7/8号 (生き残るための法律術) |
▽ 本格派という点では矢張りエコノミストだが、正しくは「円安バブル」だろう
『週刊エコノミスト』2023年 7/11号【円安インフレ】 |
テクニカルでは寧ろ、投機的な円売りドル買いが転機を迎えているように見えるが。。