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プーチンに面子を潰され、アメリカに叱られた安倍外交 - 愚劣なウクライナ訪問で自業自得の失敗だった

2015-10-14 | いとすぎから見るこの社会-対アジア・世界
大企業は史上最高益で財界と株主に盛大にカネをバラ撒きながら、
みっともない低成長・実質所得低迷で終わっている低能な安倍政権は、
経済政策ばかりでなく外交でも矢張り「次元の低い」政権だった。

厚顔無恥に大本営発表を繰り返す御用メディアは全く報じていないが、
対ロ外交に大失敗したのは間違いなく安倍首相の責任である。

何故なら、無意味にロシアを刺激するウクライナ訪問で
自らの不利を招いたからだ。まさに「自滅外交」と言うべきであろう。

週刊東洋経済にあの佐藤優氏が連載コラムを執筆しているが、
氏は対ロ外交の大失敗を事前に予言していた。

また、「無能な上司」が上にいる場合の処世術も説いているが、
明らかにこの場合の「無能な上司」は外務省だけでなく、安倍首相自身を指している。
(明言されてはいないが、それ以外には解釈できない文章である)

「無能な上司」が国益を害する愚劣な指示を下した場合でも、
それに逆らうと組織の中で居場所がなくなるので、
いかに馬鹿馬鹿しく国益に反する施策でも実行せざるを得ないのだ。

▽ 安倍政権のお粗末な外交の「次元の低さ」がよく分かるので、必読

『週刊東洋経済』2015年 10/10号


当ウェブログは安倍政権の外交力が低いと指摘してきたので、想定内ではあるが。

「安倍政権の言い分を鵜呑みにして報じたり、碌に批判をしないメディアは、
 官邸の買収工作を受けているものと見て間違いない。
 漏れ聞こえる話では、菅官房長官・萩生田補佐官・世耕副長官が
 メディアを監視する一方、「懇親会」と称して記者を連日接待しているということだ。
 (事実上、官房機密費で彼らを「買収」している訳である)」

「首相の名誉心の発露とはいえ、中東和平を唱えるのは悪いことではないが
 中東諸国の目当ては日本のカネであり、カネを貰えるのだから歓迎するのは当然だ。
 和平の方は実効性において大きな疑問があり、イスラエルにしっかり釘を刺される始末である」

「イスラエルとしては軍需関連分野で日本への輸出を狙っており、
 日本からの観光客を受け入れたいとの思惑があるため
 言辞を抑制しているがメッセージは疑いようがない」

「エジプトにせよ今は観光産業が壊滅的な打撃を受けており
 日本のようにカネをくれるパトロンは喉から手が出るほど必要な状況だ」

「安倍政権の言う「テロ対策支援」が軍事的裏付けを伴っておらず、
 実質的には国益(=安定したエネルギー供給)護持と
 日本企業のビジネス拡大の修辞に過ぎないことは明らかだ。
 そうしたリアリズムが認識されないことこそ重大な問題である」

御用メディアの報道ばかり接していると
かつての戦時下の日本国民のように盲目になるので、
くれぐれも気をつけた方が良い。

▽ しかも佐藤優氏によると、いまだに外務省では不毛な派閥抗争を繰り返す「強硬派」が居座っているそうだ

『週刊東洋経済』2015年 10/17号


安倍政権の外交の「次元の低さ」は、事実によって証明されたと言えよう。

「安倍首相はせいぜい外務大臣の器でしかないので、
 軽々しくリップサービスを振りまく悪い癖がある」

「今回の米議会での演説も「戦術的勝利だが戦略的に微妙」な形に終わり、
 日本の国益にとって何が重要かを理解していない内容であった」

「政見寄りの御用メディアはスタンディングオベーションの回数や
 拍手の回数で成功だの評価が高いだのと論じているが
 狭い議会でウケたかどうかなど大した問題ではない。
 (来年か再来年には大統領選挙の騒ぎでこの演説など忘れ去られる)」

「軽々しく集団的自衛権やTPPで口約束を行い、
 日本の国益よりも米国への迎合を選んだリップサービスが問題なのだ」

「米国は東アジアの安全保障政戦略で日本を必要としている。
 (場合によっては中国のミサイル攻撃の「盾」として利用される可能性もある)
 日本の協力を「高く売りつける」ことが正しい目的であった筈だ」

「集団的自衛権容認で忠犬ぶってアメリカに尻尾を振る以外にも
 日米同盟を強化する方法は幾らでもあるという事実を全く理解してないものと見える。
 今回の安倍演説は、集団的自衛権が日本のためではなく米国のためであることを
 図らずも明らかにしたのである。日本国民が疑いの目を向けるのも当然だ」

「そもそも集団的自衛権を認めるかどうかは、中国の脅威に対抗するための必須条件では全くない。
 台湾海峡周辺での有事では、米軍と同時に日本も攻撃を受ける可能性が極めて高いからだ」

選挙で惨敗させて思い知らせないと、次元の低い政治家は絶対に反省しないであろう。

 ↓ 参考

ボルティモアより扱いが小さい安倍演説、パフォーマンスも印象薄 - 米国民の73%「安倍など知らない」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/1c054d26291733ca7a1899e013c60e47

イスラエルにあしらわれた安倍首相、「買収」されたメディアは報じない - 中東訪問の主目的は「商談」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/0fbfabf8d2bb3111c2ba67fc7d00434a

「日本の過去の身代金支払いが原因では」- 高慢で脇の甘い安倍外交、外国メディアの質問に答えられず
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/3a2cb6f56dd0b419980247679b2da7b9

▽ 今回の安倍政権の対ロ外交の大失敗は、太平洋戦争と全く同じく幼稚な希望的観測に基づくもの

『日本のいちばん長い日』[Blu-ray](原田眞人監督)


プーチン大統領来日「慎重に」…米国務副長官(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20151006-OYT1T50000.html
”ブリンケン米国務副長官は5日、東京の米国大使館で読売新聞などと会見し、ロシアのプーチン大統領の来日について「(ロシアとは)まだ通常の外交をやるべき時ではない」と述べ、早期実現には慎重であるべきだとの考えを示した。
 ブリンケン氏は、ロシアによるウクライナ南部クリミア半島の編入は「日本にも関係がある重要な問題だ」と強調。ウクライナ東部の戦闘停止などを定めた停戦合意に言及し、「(合意の)履行は不要とプーチン氏に思わせるようなことは、何であっても誤りだ」と語った。北方領土交渉については「主権に基づく判断を我々は尊重する」とし、一定の理解を示した。
 北朝鮮情勢を巡っては、イランの核開発能力を制限する欧米諸国との合意を例に挙げ、「北朝鮮が刺激を受けることを期待している。ただし、合意ができたのはイランが真剣な姿勢を見せたからだ」と述べて、ミサイル発射を示唆する北朝鮮に自制を求めた。〔以下略〕”

このように、安倍外交はアメリカから釘を刺される始末である。
同盟国から牽制されるのは分かり切った話なのに、それすら理解していないのだ。
何度もしょうもない悪さをして大人に叱られる子供と同水準である。


領土進展、一段と不透明に ロシア大統領来日再延期(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS13H3G_T11C15A0PP8000/
”日本とロシアの両政府が合意していたプーチン大統領の来日日程が再び先送りされることになり、安倍晋三首相が任期中にめざす北方領土交渉の進展には一段と不透明感が増してきた。シリア問題などでロシアと対立する米国は日ロの接近に神経をとがらせており、日本政府は領土問題を抱えながらも積極的な対ロ外交に踏み出せないジレンマに陥っている。
 ロシアとの対話は、北方領土問題の解決と平和条約の締結に意欲を示す安倍首相の…〔以下略〕”

いま北方領土交渉などしている場合ではないことが、どうして分からないのか。
根本的にリアルポリティークが分かっていないとしか言いようがない。
本来はアメリカに釘を刺される前に、自ら自制するのが当然だったのだ。


ロシア首相、北方領土訪問の意向 大統領訪日交渉に暗雲(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASH7R7GVGH7RUHBI03B.html
ロシアのメドベージェフ首相は23日、モスクワ郊外で開いた閣議で、近く北方領土を訪問する意向を明らかにした。島を国境防衛の拠点として強化する考えも強調した。日本側が年内のプーチン大統領の訪日実現を目指した交渉を進めていることを背景に、北方領土問題で妥協の余地がないことを示す狙いとみられる。
 実際に北方領土を訪問すれば、大統領時代の2010年、首相時代の12年に続いて3回目。日本政府は強く反発することとなり、安倍晋三首相が目指すプーチン氏の年内訪日も困難になりそうだ。
 タス通信によると、この日の閣議では、2016~2025年のクリル諸島(北方領土と千島列島のロシア側呼称)発展計画を基本的に承認。〔以下略〕”

安倍政権の対ロ外交は、既にこの7月下旬の時点で完全な失敗だった。
すぐに経済面での交渉に切り替えないのは愚鈍の証拠であり、
国内政治で成果が出ないので焦って外交でへまをしたというだけの情けない話だ。


ロシア、20日から中国と日本海で軍事演習 極東で急速に経済・軍事プレゼンスを強化(NewSphere)
http://newsphere.jp/world-report/20150819-2/
”ロシアは8月20から28日まで、中国・北朝鮮との国境付近の日本海で中国との合同軍事演習を行なう。北方領土でのロシア軍事施設建設は加速しており、経済特区を設け、内外の投資を呼び込むという。実効支配を強めながら日本との経済的互恵関係を作り、政治的妥協を日本政府に迫っている。
◆中露、初の日本海合同軍事演習
 中露は今年5月、地中海で合同軍事演習を行なった。来年5月には緊張が高まる南シナ海で合同演習を行なう予定だ。また中国は先月、8月20日から28日まで、北朝鮮・中国・ロシアの国境線が接近するチンタオ北部のロシア領ピョートル大帝湾にて、強襲揚陸を想定した中露合同演習を行なうと発表した。
 中国側は、この演習は日本が尖閣諸島周辺海域での石油掘削リグ建設に抗議したことや、戦後初めて海外派兵を合法化しようとしていることに対する警告として行うとした上で、「我々は日本のある人々が、彼らのしたことを冷静に反映できるよう望む」と述べた(ロイター7月30日)。
 一方ロシアの関係者は新華社の取材に対し、この演習は中露間の年間プログラムの一環であり、「いずれの地域の現状に関わる第三国を想定したものではない」ことを強調。演習が行われる海域は日本の領土から650km離れた公海内であるとも述べ、日本への配慮が伺える。また、ラブロフ外相の談として、「東シナ海・南シナ海、その他のあらゆる海での紛争については、国際法に基づく解決を強く望む」とした上で、南シナ海については「外部からの干渉なしに当事国が直接交渉して解決することを、強く望んでいる」とアメリカとその同盟国を牽制した(ロシア・トゥデイ8月7日)。
◆北方領土に実効支配を強めるロシア
 ロシアもこの間、すでに国内紙で報じられている通り、サハリン・千島列島に対する実効支配を強めつつある。ロシア政府は7月23日、2016年から2025年までを計画期間とし、千島列島を対象とする総額700億ルーブル(約1400億円)の社会経済開発プログラムを承認した。「住民生活の向上と経済発展のためにインフラ整備を進め、千島列島の条件に合った最新技術で原材料処理加工できる環境を創出し、社会インフラの近代化を進める」という。(スプートニク8月10日)。この結果、北方領土などの人口を25%増の2万4000人にするという。8月3日には、来年1月から北方領土も含む極東地域の遊休地を1ヘクタール無償分与する法案を議会に提出する方針を発表。さらに8月13日には、トルトネフ副首相が北方領土・択捉島を訪問し、国後・択捉島を対象とする税制優遇などの経済特区創設を急ぐ意向を表明した。
 極東開発プログラムを大々的に打ち出し、投資や参画を呼びかける政府主催のイベントも計画されている。9月3日から5日までウラジオストクで行われる「東方フォーラム」である。
〔中略〕
◆安倍首相のキエフ支援でプーチン大統領訪日は微妙
 クリミア問題をめぐるロシアへの経済制裁によって、ロシア経済は変革を迫られている。これまで、石油などのエネルギー資源と武器を輸出して生活必需品を輸入するという構造であったが、制裁の影響により国内製造業、とりわけ中小企業の育成が急務となっている。その拠点として極東開発を進め、中国依存のリスクを減らす上でも、日本からの投資を呼び込みたい思惑があるものと思われる。
 しかし、安倍首相が6月にウクライナのキエフを訪問し、ポロシェンコ政権に12億ユーロ(約1650億円)の支援を約束したことに対してロシア政府は不快感を持った、と英ガーディアン紙は指摘する。「これを機に、ショイグ国防相が千島列島への軍事施設建設の加速を指示した」と伝えている(6月9日)。
ロシアの国営紙ロシア・ビヨンド・ザ・ヘッドラインズは「なぜロシアは南クリル諸島を日本に返さないか」と題する記事で、特に国後・択捉島の地下資源の豊富さや、対米軍事戦略上の地政学的重要性から、「第二次大戦の戦後処理としての平和条約締結は、トウキョウが妥協しなければ実現しない」と断じる政府姿勢を伝えた(7月11日)。安倍首相のキエフ訪問時に、プーチン大統領訪日日程はいったん白紙になったという。その後の安倍政権の対外姿勢は、プーチン大統領の目にはどう映っているだろうか。”

プーチンは完全に安倍政権を嘲笑し、北方領土の開発を進めている。
これだけ馬鹿にされているのにプーチン訪日を働きかけるというのは、
もはや国辱的とも言える範疇に入る。
外交が分かる者にとって、安倍首相のウクライナ訪問は「自爆」或いは「自滅」行為でしかない。
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