小沢環境相がブラジル並みのE10規格(エタノール10%混合燃料)の
自動車の開発を国内メーカーに要請したそうです。
提案の動機は悪くないのでしょうが、
クリアすべきハードルは余りに多いです。
エタノール混合比が高まるとメーカーの開発費も高まり、
専用設計・専用ラインが必要になります。
バイオエタノール大国ブラジルは、広大な砂糖黍畑を擁しており
安価で大量のエタノール資源を自給できるため
エタノール専用車を開発し販売する合理性があります。
しかし農地の狭い日本はエタノール資源に制約があり、
気候的に砂糖黍を用いた安価なエタノールの生産適地が少ない。
日本の場合は米か甜菜を用いたエタノールになる筈で、
大規模農地を考えても生産量に限界があります。
農業機械やビニールハウス暖房、バス用のBDFなど、
一部の用途で試行した方が賢いのではないでしょうか。
その程度の規模ならガソリン税からも補助金を出せるでしょう。
小沢環境相:バイオ燃料対応車の開発要請 メーカー8社に(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/science/news/20100429k0000m020053000c.html
”地球温暖化対策としてバイオ燃料の利用を促進するため、小沢鋭仁環境相は28日、
国内の乗用車メーカー8社の幹部と環境省で会談し、ガソリンにバイオエタノールを
10%混ぜた「E10」という燃料に対応した車を開発するよう要請した。
バイオエタノールは、原料の植物が成長過程で二酸化炭素(CO2)を吸収するため
使用に伴うCO2排出が少ない。海外では20%混ぜたガソリンを導入している国も
ある。
環境相は「来年度には排ガス基準などを定めて対応車が販売できるようにしたい。早
期に市場投入できるよう準備をお願いしたい」と述べた。
環境省は既にバイオエタノール3%の燃料で実証試験中だが、石油連盟は別方式のバ
イオ燃料を推進。環境省方式の燃料用にガソリンを供給しておらず、できた3%燃料
も系列スタンドではほとんど販売していない。メーカー側からは「スタンドでE10
の供給が進まないと、開発しても無駄になる」と、供給体制整備の要望も出た。”
もう一つの問題は「規格」です。
自動車メーカーよりも石油連盟と協議すべきではないでしょうか。
補助金で懐柔すれば妥協を引き出せる筈です。
▽ バイオエタノール関連の新書出版が待たれる。
自動車の開発を国内メーカーに要請したそうです。
提案の動機は悪くないのでしょうが、
クリアすべきハードルは余りに多いです。
エタノール混合比が高まるとメーカーの開発費も高まり、
専用設計・専用ラインが必要になります。
バイオエタノール大国ブラジルは、広大な砂糖黍畑を擁しており
安価で大量のエタノール資源を自給できるため
エタノール専用車を開発し販売する合理性があります。
しかし農地の狭い日本はエタノール資源に制約があり、
気候的に砂糖黍を用いた安価なエタノールの生産適地が少ない。
日本の場合は米か甜菜を用いたエタノールになる筈で、
大規模農地を考えても生産量に限界があります。
農業機械やビニールハウス暖房、バス用のBDFなど、
一部の用途で試行した方が賢いのではないでしょうか。
その程度の規模ならガソリン税からも補助金を出せるでしょう。
小沢環境相:バイオ燃料対応車の開発要請 メーカー8社に(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/science/news/20100429k0000m020053000c.html
”地球温暖化対策としてバイオ燃料の利用を促進するため、小沢鋭仁環境相は28日、
国内の乗用車メーカー8社の幹部と環境省で会談し、ガソリンにバイオエタノールを
10%混ぜた「E10」という燃料に対応した車を開発するよう要請した。
バイオエタノールは、原料の植物が成長過程で二酸化炭素(CO2)を吸収するため
使用に伴うCO2排出が少ない。海外では20%混ぜたガソリンを導入している国も
ある。
環境相は「来年度には排ガス基準などを定めて対応車が販売できるようにしたい。早
期に市場投入できるよう準備をお願いしたい」と述べた。
環境省は既にバイオエタノール3%の燃料で実証試験中だが、石油連盟は別方式のバ
イオ燃料を推進。環境省方式の燃料用にガソリンを供給しておらず、できた3%燃料
も系列スタンドではほとんど販売していない。メーカー側からは「スタンドでE10
の供給が進まないと、開発しても無駄になる」と、供給体制整備の要望も出た。”
もう一つの問題は「規格」です。
自動車メーカーよりも石油連盟と協議すべきではないでしょうか。
補助金で懐柔すれば妥協を引き出せる筈です。
▽ バイオエタノール関連の新書出版が待たれる。
『バイオマスは地球環境を救えるか』(木谷収,岩波書店) |