あれほど高かった支持率を無駄にした自民党内閣は
皆、見事なオウンゴールで自滅しました。
(真の見識と実行力があれば、マスコミが騒いでも支持率は下がらない)
そこで民主党に有権者からキラーパスが来たのですが、
それが余りにも光速かつ正確だったので
プレッシャーが嫌が応にも高まっています。
民主党は今、「改革か死か」の瀬戸際です。
もし民主党がひとつでも大きなミスをしたら
有権者は冷然と民主党を見捨て、参院選で大敗するでしょう。
まず反主流・改革派の官僚を抱き込んで行政改革を断行すること、
(党内に人材は少ないため、独力遂行は確実に失敗する)
次にオバマのように既得権層に狙いを定めて集中攻撃すること、
(具体的には議員や富裕高齢層、公務員等である)
そこから財源を得て雇用増を望める分野に集中投資すること。
年金のような厄介な分野の改善は小出しにし、功を急がないこと。
やるべきことが多く、難易度が高いのが分かる。
今の民主党には重荷だが、避けることは不可能だ。
最終的には経済成長が必要になることにも変わりはない。
租税特別措置:民主「一部を廃止」…経済界は警戒感(毎日新聞)
http://mainichi.jp/life/money/news/20090822k0000m020097000c.html
”特定の政策目的のため、税金の免除や軽減など税率変更を行う租税特別措置
(租特)の行方が注目されている。住宅購入を促すための住宅ローン減税や、
企業の研究開発、設備投資を支援するための減税など、09年度は7兆40
00億円の減税が実施された。民主党は租特の一部を廃止して、1.3兆円
の財源を捻出(ねんしゅつ)すると政権公約(マニフェスト)に掲げており、
減税の恩恵を受けてきた経済界などは警戒感を持って事態を見守っている。
租特は法律で決まっている税率を、例外として変更する制度。09年度の租
特は全部で310項目ある。ガソリンにかかる揮発油税の税率を引き上げて
きた暫定税率もその一つだが、税率引き上げはごくわずかで、減税や税の免
除がほとんどだ。
今年度の税制改正では、ハイブリッド車など低燃費車の自動車重量税などを
減免する「エコカー減税」や、住宅ローンを組んで住宅を購入すると、最大
で10年間で500万円の所得税が減税となる「住宅ローン減税」の拡充が
始まっている。
例外的な措置であるはずの租特だが、50年以上も続いているケースもある。
政府・与党はそれぞれに国民生活の向上や経済活性化に資する理由があると
しているが、民主党は「租税特別措置は特定業界への形を変えた補助金。税
の公平性の面で問題がある」と主張。全面的に内容を点検して、「必要なも
のは恒久化し、不要なものは廃止すべきだ」と見直しを訴えている。
〔以下略〕”
→ 租特は当面、最も重要な戦略部門だ。
「ナフサへの免税 3兆5940億円」は
化学業界への補助金に見える。
環境シフトの観点から取捨選択できるだろう。
「年金受給者の公的年金控除の特例 1710億円」は
単なる既得権に過ぎない。半分以上カットできる。
▽ 参考まで。すぐにPDFをDLできます。
補論「租税歳出」の観点から見た所得控除制度の問題点 森信茂樹(mof)
http://www.mof.go.jp/jouhou/soken/kenkyu/zk032/zk032j.pdf
鳩山代表:国債の新規発行抑制を示唆 10年度予算で(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/today/news/20090824k0000m010025000c.html
”民主党の鳩山由紀夫代表は23日、テレビ朝日の報道番組で、政権獲得後に
編成する10年度予算の国債の新規発行額について「(今年度より)増やさ
ない。これ以上増やすならば国家はもたない。減らす努力をしなければなら
ない」と述べ、抑制に努める考えを示した。
補正後の09年度予算で新規国債発行額は44兆円と過去最大となっている。
鳩山氏は「(国債発行を)増やしておきながら、この程度でGDP(国内総
生産)が戻ったと喜べる話ではまるでない」と政府の対応を批判。「暮らし
をよくすることで景気を導く発想に変えることで、借金を増やさないで済む」
と強調した。【佐藤丈一】”
→ 長期的に国債発行を抑制するためには、
既得権益を剥がさないと絶対に無理だ。
民主党の力量が試される。
くらしと政治:’09衆院選/3 雇用(毎日新聞)
http://mainichi.jp/life/job/news/20090820ddm013100203000c.html
”「明日から来んでええです」。大阪府内で妻(40)と長男(1)と暮らす
浩さん(44)=仮名=は今年6月、入社して2週間目の食品運送会社の所
長から解雇を告げられた。
求人2人に50人が殺到する「狭き門」だった。しかし、喜びはつかの間。
求人内容と実態はかけ離れていた。「9時間勤務」はほぼ「16時間勤務」。
休日も104日ではなく65日。夜から翌朝まで体を酷使しても年収は42
0万円だ。労働基準法をないがしろにする勤務に抗議すると、即解雇だった。
「使い捨ての労働力扱いだった」と浩さんは憤る。
05年衆院選(郵政選挙)の時、浩さんは年収約700万円の正社員だった。
だが、小泉内閣の郵政民営化の波にのまれ、金融危機による雇用悪化に翻弄
(ほんろう)されることになる。
郵便や小包の長距離運送を請け負う「郵政ファミリー企業」のトラック運転
手だった。定年延長を見込んで約3000万円のマンションを購入。70歳
までの35年ローンを組んだ。ところが、郵政改革の一環で郵便運送費が削
減された。あおりで年収は約200万円ダウンした。
07年10月の民営化後、日本郵政グループから会社に「08年度は契約を
更新しない」と通知された。事実上、会社の命脈を絶たれた。17年勤務し
た会社は解散した。
昨年7月、なんとか物流会社に転職し、夜間に大阪と首都圏を行き来するト
ラック運転手に就いた。荷を届けた後は3時間の仮眠がせいぜい。大阪に戻
っても家に帰れない日もあった。2カ月後、熱中症などで倒れて入院し、解
雇された。約半月後に米国発の金融危機が起きた。満足できる賃金や待遇の
求人は減り、競争率がはね上がった。
求職の面接会場で同世代の顔見知りができた。トラック運転手やコピー機修
理、不動産会社に勤めていた人たちだ。聞けば、一時年収500万~800
万円だったが、3~5割もカットされ、「生活できへん」と辞めたのだとい
う。自分と同じような中間所得層の暮らしが崩壊の危機にあると感じた。
〔中略〕”
→ 雇用増が絶対に必要であることが分かる。
でも、郵政ファミリー企業はやはり腐敗の固まりだった。
ごく普通のトラック運転手に年700万も出していたとは……
”岐阜県に実家のある大学4年生の恭子さん(22)=仮名=は、「氷河期」
再来の様相をみせる就職戦線で身を縮める。30社以上を受けたが、まだ内
定がない。6月から食欲が落ち、1カ月で体重が2キロ減った。不採用続き
に、ふと「消えてしまいたい」とも思った。
文系で、3年生の9月から「就活」を始めた。すぐに「リーマン・ショック」
が起きたが「団塊世代の退職で、求人は減らない」と踏んでいた。だが、こ
こ数年の売り手市場は一変していた。「麻生太郎首相の景気対策で就職事情
はまだまし」と話す友人もいるが、その実感はない。
今回の衆院選は、成人して初の国政選挙。各党のマニフェストを読んでみた。
子育て支援や派遣労働者対策など「年上の働く人対象が目立つ」と感じた。
「私たちの世代に目を向けてくれない政治に、何を期待していいのだろう」。
父は「小泉政権下で派遣の自由化が進み、こんなことになった」と言うが、
すべてが悪かったのかどうかは分からない。
最近、採用試験場で高校時代の同級生から「内定を取れなかったらどうしよ
う」と聞かれた。「パートで頑張るしかないね」と答えた言葉は、自身への
励ましでもあった。「普通に働き、ささやかな生活をするのが望み。それさ
えかなえられない社会はおかしい」〔以下略〕”
→ 新卒市場は政府が効果的に介入できるものだろうか。
出身大学と専攻、何よりも卒業年度によって大きく差がつくのが
労働市場の現実なのです。個人差も大きい。
そもそも、「普通に働き、ささやかな生活をする」
という新卒者の要求レベルが実は高過ぎるケースも見られます。
くらしと政治:’09衆院選/1 少子化・子育て・教育(毎日新聞)
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/20090818ddm013100149000c.html
”「お母さん、だめだった」。神奈川県の公営団地に住む智子さん(39)=
仮名=は今月7日、県立高3年の長女(18)から電話を受けた。アニメー
ターを目指して来年春から専門学校に通うため申し込んだ無利子貸与の奨学
金が通らなかったのだ。子どもは1男3女の4人、夫の年収は約280万円
しかない。「学びたい子どもが、安心して学べる社会だったらいいのに」。
智子さんは家計のやりくりに不安を覚えながらも初めて教育ローンを抱える
決心をした。
「好きで選んだ大家族。貧乏は我慢する」と笑い飛ばす力は残っているが、
個人の力ではいかんともしがたい問題が昨年から次々と家族を襲っている。
はじめは昨年4月に産まれた末っ子の三女の出産だった。産院不足の地元は
妊婦健診の3時間待ちが当たり前。つわりがひどくても病院側の配慮はなく、
座る椅子すらない。仕方なく電車とバスで1時間かかる県外の産婦人科に通
うことにしたが、裏目に出たのか、前期破水や切迫流産で3度も夜間に緊急
入院することに。その都度タクシー代1万5000円が消えた。「少子化問
題がずっと指摘されてきたのに、長女を産んだころより出産の環境は明らか
に後退している。安心して産める時代ではない」と思い知らされた。
次女(15)とは今春の私立高校進学を機に心ならずも離れて暮らすこと
になった。きっかけは中学2年の時に転校などが原因で始まった不登校。進
路指導で「出席日数が足りない。公立高は無理」と断言された。親子で話し
合い、進学を断念しかけた時に「学費も含めて面倒を見る」と救いの手を差
し伸べたのが県西部に住む智子さんの実母だった。成績上位の特待生枠で入
学し、アルバイト代を食費として祖母に渡す娘の頑張りに、智子さんは「不
登校だった子にも門を開く公立高があれば……」と残念がる。
待機児童だった長男(3)が保育園に入れた今年6月、今度は電機メーカー
の工場で働く夫(41)がピンチに立たされた。夫は、雇用主が派遣以上に
「切りやすい」という孫請けの個人事業者の位置付け。10月に契約が更新
されない可能性を告げられた。一家をさらに不安にさせたのが「奨学金なし」
の知らせだった。
今回の衆院選で、各党のマニフェストには子育て世代への経済支援策がずら
りと並ぶ。一家にとってありがたい話だが、子ども4人を育ててきた経験か
ら、智子さんは「個人にお金を配るだけで済むものではない」と言い切る。
「子育てには、お金だけでは解決できない問題もある。現場の痛みを理解し、
血の通った政策を示してほしい。選挙のたびにばらまかれるエサが信用でき
ないことはもう知っているから」”
→ 余裕がないならアニメ界に進ませてはいけない。
何故それが分からないのだろう。
医療事務の方が余程まし。
それに、ひと昔前だったら私立進学よりも
公立の定時制を選ぶ例が多かった筈だ。
アメリカ国民は育児支援が手薄なのに政府依存しない。
どうも日本の有権者の成熟度が低いと思う。
”埼玉県に住む教員、早苗さん(40)=仮名=は「生まれた命には手厚いの
に必死で産もうとしている私たちは置き去りのまま」と憤る。
28歳で結婚し、仕事一筋だった早苗さんの転機は37歳のとき。子宮内膜
症で子宮と卵巣を摘出した姉の姿に「出産できるはずの私が何の努力もしな
くていいのか」と本格的な不妊治療を決意した。年齢を考慮し、1回3万円
ほどかかる人工授精から、半年後には高度な体外受精に進んだ。いずれも保
険適用はなく、全額自己負担だ。
1回約40万円。4週間の治療期間はホルモン剤注射の痛みと副作用の吐き
気との闘いだ。連日職場をいったん離れなければならず、女性の同僚からも
遠回しに嫌みを言われる。仕事を辞めて治療に専念する選択も頭をよぎるが、
夫の収入だけでは高額な治療費がまかなえない。不妊治療に使った費用は既
に約400万円にもなる。〔以下略〕”
一方、こちらの不妊治療の問題は急がなければならない。
以前から出ていたのに、ほとんど進展していない。
皆、見事なオウンゴールで自滅しました。
(真の見識と実行力があれば、マスコミが騒いでも支持率は下がらない)
そこで民主党に有権者からキラーパスが来たのですが、
それが余りにも光速かつ正確だったので
プレッシャーが嫌が応にも高まっています。
民主党は今、「改革か死か」の瀬戸際です。
もし民主党がひとつでも大きなミスをしたら
有権者は冷然と民主党を見捨て、参院選で大敗するでしょう。
まず反主流・改革派の官僚を抱き込んで行政改革を断行すること、
(党内に人材は少ないため、独力遂行は確実に失敗する)
次にオバマのように既得権層に狙いを定めて集中攻撃すること、
(具体的には議員や富裕高齢層、公務員等である)
そこから財源を得て雇用増を望める分野に集中投資すること。
年金のような厄介な分野の改善は小出しにし、功を急がないこと。
やるべきことが多く、難易度が高いのが分かる。
今の民主党には重荷だが、避けることは不可能だ。
最終的には経済成長が必要になることにも変わりはない。
『経済成長って何で必要なんだろう?』(芹沢一也/荻上チキ/飯田泰之/岡田靖/赤木智弘/湯浅 誠) |
『脱貧困の経済学-日本はまだ変えられる』(飯田泰之/雨宮処凛,自由国民社) |
租税特別措置:民主「一部を廃止」…経済界は警戒感(毎日新聞)
http://mainichi.jp/life/money/news/20090822k0000m020097000c.html
”特定の政策目的のため、税金の免除や軽減など税率変更を行う租税特別措置
(租特)の行方が注目されている。住宅購入を促すための住宅ローン減税や、
企業の研究開発、設備投資を支援するための減税など、09年度は7兆40
00億円の減税が実施された。民主党は租特の一部を廃止して、1.3兆円
の財源を捻出(ねんしゅつ)すると政権公約(マニフェスト)に掲げており、
減税の恩恵を受けてきた経済界などは警戒感を持って事態を見守っている。
租特は法律で決まっている税率を、例外として変更する制度。09年度の租
特は全部で310項目ある。ガソリンにかかる揮発油税の税率を引き上げて
きた暫定税率もその一つだが、税率引き上げはごくわずかで、減税や税の免
除がほとんどだ。
今年度の税制改正では、ハイブリッド車など低燃費車の自動車重量税などを
減免する「エコカー減税」や、住宅ローンを組んで住宅を購入すると、最大
で10年間で500万円の所得税が減税となる「住宅ローン減税」の拡充が
始まっている。
例外的な措置であるはずの租特だが、50年以上も続いているケースもある。
政府・与党はそれぞれに国民生活の向上や経済活性化に資する理由があると
しているが、民主党は「租税特別措置は特定業界への形を変えた補助金。税
の公平性の面で問題がある」と主張。全面的に内容を点検して、「必要なも
のは恒久化し、不要なものは廃止すべきだ」と見直しを訴えている。
〔以下略〕”
→ 租特は当面、最も重要な戦略部門だ。
「ナフサへの免税 3兆5940億円」は
化学業界への補助金に見える。
環境シフトの観点から取捨選択できるだろう。
「年金受給者の公的年金控除の特例 1710億円」は
単なる既得権に過ぎない。半分以上カットできる。
▽ 参考まで。すぐにPDFをDLできます。
補論「租税歳出」の観点から見た所得控除制度の問題点 森信茂樹(mof)
http://www.mof.go.jp/jouhou/soken/kenkyu/zk032/zk032j.pdf
鳩山代表:国債の新規発行抑制を示唆 10年度予算で(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/today/news/20090824k0000m010025000c.html
”民主党の鳩山由紀夫代表は23日、テレビ朝日の報道番組で、政権獲得後に
編成する10年度予算の国債の新規発行額について「(今年度より)増やさ
ない。これ以上増やすならば国家はもたない。減らす努力をしなければなら
ない」と述べ、抑制に努める考えを示した。
補正後の09年度予算で新規国債発行額は44兆円と過去最大となっている。
鳩山氏は「(国債発行を)増やしておきながら、この程度でGDP(国内総
生産)が戻ったと喜べる話ではまるでない」と政府の対応を批判。「暮らし
をよくすることで景気を導く発想に変えることで、借金を増やさないで済む」
と強調した。【佐藤丈一】”
→ 長期的に国債発行を抑制するためには、
既得権益を剥がさないと絶対に無理だ。
民主党の力量が試される。
くらしと政治:’09衆院選/3 雇用(毎日新聞)
http://mainichi.jp/life/job/news/20090820ddm013100203000c.html
”「明日から来んでええです」。大阪府内で妻(40)と長男(1)と暮らす
浩さん(44)=仮名=は今年6月、入社して2週間目の食品運送会社の所
長から解雇を告げられた。
求人2人に50人が殺到する「狭き門」だった。しかし、喜びはつかの間。
求人内容と実態はかけ離れていた。「9時間勤務」はほぼ「16時間勤務」。
休日も104日ではなく65日。夜から翌朝まで体を酷使しても年収は42
0万円だ。労働基準法をないがしろにする勤務に抗議すると、即解雇だった。
「使い捨ての労働力扱いだった」と浩さんは憤る。
05年衆院選(郵政選挙)の時、浩さんは年収約700万円の正社員だった。
だが、小泉内閣の郵政民営化の波にのまれ、金融危機による雇用悪化に翻弄
(ほんろう)されることになる。
郵便や小包の長距離運送を請け負う「郵政ファミリー企業」のトラック運転
手だった。定年延長を見込んで約3000万円のマンションを購入。70歳
までの35年ローンを組んだ。ところが、郵政改革の一環で郵便運送費が削
減された。あおりで年収は約200万円ダウンした。
07年10月の民営化後、日本郵政グループから会社に「08年度は契約を
更新しない」と通知された。事実上、会社の命脈を絶たれた。17年勤務し
た会社は解散した。
昨年7月、なんとか物流会社に転職し、夜間に大阪と首都圏を行き来するト
ラック運転手に就いた。荷を届けた後は3時間の仮眠がせいぜい。大阪に戻
っても家に帰れない日もあった。2カ月後、熱中症などで倒れて入院し、解
雇された。約半月後に米国発の金融危機が起きた。満足できる賃金や待遇の
求人は減り、競争率がはね上がった。
求職の面接会場で同世代の顔見知りができた。トラック運転手やコピー機修
理、不動産会社に勤めていた人たちだ。聞けば、一時年収500万~800
万円だったが、3~5割もカットされ、「生活できへん」と辞めたのだとい
う。自分と同じような中間所得層の暮らしが崩壊の危機にあると感じた。
〔中略〕”
→ 雇用増が絶対に必要であることが分かる。
でも、郵政ファミリー企業はやはり腐敗の固まりだった。
ごく普通のトラック運転手に年700万も出していたとは……
”岐阜県に実家のある大学4年生の恭子さん(22)=仮名=は、「氷河期」
再来の様相をみせる就職戦線で身を縮める。30社以上を受けたが、まだ内
定がない。6月から食欲が落ち、1カ月で体重が2キロ減った。不採用続き
に、ふと「消えてしまいたい」とも思った。
文系で、3年生の9月から「就活」を始めた。すぐに「リーマン・ショック」
が起きたが「団塊世代の退職で、求人は減らない」と踏んでいた。だが、こ
こ数年の売り手市場は一変していた。「麻生太郎首相の景気対策で就職事情
はまだまし」と話す友人もいるが、その実感はない。
今回の衆院選は、成人して初の国政選挙。各党のマニフェストを読んでみた。
子育て支援や派遣労働者対策など「年上の働く人対象が目立つ」と感じた。
「私たちの世代に目を向けてくれない政治に、何を期待していいのだろう」。
父は「小泉政権下で派遣の自由化が進み、こんなことになった」と言うが、
すべてが悪かったのかどうかは分からない。
最近、採用試験場で高校時代の同級生から「内定を取れなかったらどうしよ
う」と聞かれた。「パートで頑張るしかないね」と答えた言葉は、自身への
励ましでもあった。「普通に働き、ささやかな生活をするのが望み。それさ
えかなえられない社会はおかしい」〔以下略〕”
→ 新卒市場は政府が効果的に介入できるものだろうか。
出身大学と専攻、何よりも卒業年度によって大きく差がつくのが
労働市場の現実なのです。個人差も大きい。
そもそも、「普通に働き、ささやかな生活をする」
という新卒者の要求レベルが実は高過ぎるケースも見られます。
くらしと政治:’09衆院選/1 少子化・子育て・教育(毎日新聞)
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/20090818ddm013100149000c.html
”「お母さん、だめだった」。神奈川県の公営団地に住む智子さん(39)=
仮名=は今月7日、県立高3年の長女(18)から電話を受けた。アニメー
ターを目指して来年春から専門学校に通うため申し込んだ無利子貸与の奨学
金が通らなかったのだ。子どもは1男3女の4人、夫の年収は約280万円
しかない。「学びたい子どもが、安心して学べる社会だったらいいのに」。
智子さんは家計のやりくりに不安を覚えながらも初めて教育ローンを抱える
決心をした。
「好きで選んだ大家族。貧乏は我慢する」と笑い飛ばす力は残っているが、
個人の力ではいかんともしがたい問題が昨年から次々と家族を襲っている。
はじめは昨年4月に産まれた末っ子の三女の出産だった。産院不足の地元は
妊婦健診の3時間待ちが当たり前。つわりがひどくても病院側の配慮はなく、
座る椅子すらない。仕方なく電車とバスで1時間かかる県外の産婦人科に通
うことにしたが、裏目に出たのか、前期破水や切迫流産で3度も夜間に緊急
入院することに。その都度タクシー代1万5000円が消えた。「少子化問
題がずっと指摘されてきたのに、長女を産んだころより出産の環境は明らか
に後退している。安心して産める時代ではない」と思い知らされた。
次女(15)とは今春の私立高校進学を機に心ならずも離れて暮らすこと
になった。きっかけは中学2年の時に転校などが原因で始まった不登校。進
路指導で「出席日数が足りない。公立高は無理」と断言された。親子で話し
合い、進学を断念しかけた時に「学費も含めて面倒を見る」と救いの手を差
し伸べたのが県西部に住む智子さんの実母だった。成績上位の特待生枠で入
学し、アルバイト代を食費として祖母に渡す娘の頑張りに、智子さんは「不
登校だった子にも門を開く公立高があれば……」と残念がる。
待機児童だった長男(3)が保育園に入れた今年6月、今度は電機メーカー
の工場で働く夫(41)がピンチに立たされた。夫は、雇用主が派遣以上に
「切りやすい」という孫請けの個人事業者の位置付け。10月に契約が更新
されない可能性を告げられた。一家をさらに不安にさせたのが「奨学金なし」
の知らせだった。
今回の衆院選で、各党のマニフェストには子育て世代への経済支援策がずら
りと並ぶ。一家にとってありがたい話だが、子ども4人を育ててきた経験か
ら、智子さんは「個人にお金を配るだけで済むものではない」と言い切る。
「子育てには、お金だけでは解決できない問題もある。現場の痛みを理解し、
血の通った政策を示してほしい。選挙のたびにばらまかれるエサが信用でき
ないことはもう知っているから」”
→ 余裕がないならアニメ界に進ませてはいけない。
何故それが分からないのだろう。
医療事務の方が余程まし。
それに、ひと昔前だったら私立進学よりも
公立の定時制を選ぶ例が多かった筈だ。
アメリカ国民は育児支援が手薄なのに政府依存しない。
どうも日本の有権者の成熟度が低いと思う。
”埼玉県に住む教員、早苗さん(40)=仮名=は「生まれた命には手厚いの
に必死で産もうとしている私たちは置き去りのまま」と憤る。
28歳で結婚し、仕事一筋だった早苗さんの転機は37歳のとき。子宮内膜
症で子宮と卵巣を摘出した姉の姿に「出産できるはずの私が何の努力もしな
くていいのか」と本格的な不妊治療を決意した。年齢を考慮し、1回3万円
ほどかかる人工授精から、半年後には高度な体外受精に進んだ。いずれも保
険適用はなく、全額自己負担だ。
1回約40万円。4週間の治療期間はホルモン剤注射の痛みと副作用の吐き
気との闘いだ。連日職場をいったん離れなければならず、女性の同僚からも
遠回しに嫌みを言われる。仕事を辞めて治療に専念する選択も頭をよぎるが、
夫の収入だけでは高額な治療費がまかなえない。不妊治療に使った費用は既
に約400万円にもなる。〔以下略〕”
一方、こちらの不妊治療の問題は急がなければならない。
以前から出ていたのに、ほとんど進展していない。