電脳筆写『 心超臨界 』

あなたが家族を選ぶのではない
家族は神からのあなたへの贈り物
あなたが家族への贈り物であるように
デズモンド・ツツ

藤田嗣治の輪郭線は、実は普通の面相筆を使うだけではなかった――吉村絵美留

2024-08-06 | 05-真相・背景・経緯
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
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生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
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「発見された技 十選」
 ▽1 ルノワール「足を拭う水浴の女」
 ▽2 コロー「道」
 ▽3 ロートレック「ムーラン・ルージュにて」
 ▽4 ユトリロ「ラパン・アジル」
 ▽5 クールベ「波」
 ▽6 ローランサン「ヴァランティーヌ・テシエの肖像」
 ▽7 佐伯祐三「ガス灯と広告」
 ▽8 藤田嗣治「五人の裸婦」
 ▽9 東郷青児「婦人象」
 ▽10 岡本太郎「赤のイコン」


藤田の輪郭線は、実は普通の面相筆を使うというだけでは説明が難しい。裸婦の輪郭線、つまり曲線を面相筆で描いても、なかなか藤田の引いた線ほど均一の幅にはならないからだ。


▽8 藤田嗣治「五人の裸婦」――絵画修復家・吉村絵美留
(「発見された技 十選」07.11.15日経新聞(朝刊))
イメージ → http://www.geocities.jp/yashirokonko/fujita.html

白磁のように手で愛(め)でたくなるほど美しい質感を持つ独自の白で裸婦の肌を表し、パリで「乳白色の美」と賞賛された藤田嗣治。同時期に考案した技法としてもう一つ知られているのは、輪郭線を描くのに、面相筆を使ったことだ。水墨画など東洋の絵画で細い輪郭線を描く際に用いる筆で引いた繊細な線が、西洋の絵画にはない特質としてヨーロッパの人々に訴求した。2メートル幅の油彩作品「五人の裸婦」は、その魅力を余すところなく伝える作品の一つである。

藤田の輪郭線は、実は普通の面相筆を使うというだけでは説明が難しい。裸婦の輪郭線、つまり曲線を面相筆で描いても、なかなか藤田の引いた線ほど均一の幅にはならないからだ。

修復の際にいくつかの作品の輪郭線を丹念に観察していると、面相筆の中に縫い針のようなものを仕込んでいたらしいことが分かってきた。輪郭線の芯に残った細い溝が証拠だ。実際に針を筆に仕込んで線を引いてみるとうまくいく。藤田は、昼間は仲間と騒ぐ毎日だったらしいが、夜はアトリエにこもり、描く姿を誰にも見せなかったという。夜更けの藤田のアトリエは、描くばかりでなく数々の技を発明した場所でもあったのだ。

(1923年、油彩・カンバス、169×200センチ、東京国立近代美術館蔵、©Kimiyo Fujita & SPDA, Tokyo,2007)
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