テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ “美しい本”の歴史 ~

2016-05-06 21:52:14 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ごーるでんうィーくゥでスからァ~」
「がるる!ぐるるがーるるるる!」(←訳:虎です!今日はゴールデンで!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい、終盤になってしまいましたけど、
 今は黄金週間の只中!
 キラピカの黄金にあやかって、
 本日の読書タイムも、
 黄金色のこちらの御本を、どうぞ~♪

  



           ―― 世界の美しい本 ――



 解説と監修は海野弘(うんの・ひろし)さん、2016年3月に発行されました。
 『BEAUTIFUL BOOK DESIGNS  From the Middle Ages to the Mid 20th Century』と
 英語題名が付されています。
 監修者の海野弘さんとパイ インターナショナルさんがタッグを組んでの
 《読むビジュアルブック》シリーズの最新刊には、
 う~む、またまた驚かされました。

「おうごんッ、ぴかりッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:古典本だね!)

 シリーズ前作が2016年11月発行の
 『北欧の挿絵とおとぎ話の世界』でしたから、
 次作のテーマは北米かな?
 それとも南米とか?と思っていたところ、
 中世の世界へ飛んじゃうとは。

 その上、御本のほぼ前半部分を割いて
 重点的に紹介されているのが、
 中世の装飾写本……

 写本についてこれほど詳しく解説し、
 カラー図版資料を収録したものって、
 欧米でならともかく、
 日本では初めてと言えるんじゃないかしら。

「めずらしィのでスゥ!」
「がるる!」(←訳:画期的!)

 世界一美しい本。

 書物マニアさんたちが集まったら、
 あれか、これか、と各自に主張し合うことでしょう。
 その論議の中で、おそらく
 《最優秀美本》の有力候補間違いなし、なのは
 本文のいちばんはじめに掲載されている
 ケルトの装飾写本『ケルズの書』。

「ふァいッ! これェでスねッ!」
「ぐるがるー!」(←訳:ものすごー!)

 800年頃にスコットランドで制作されたという
 『ケルズの書』。

 同じくスコットランドで制作された
 『リンディスファーン福音書』(715年頃)と
 『ダロウの書』(650年頃)も、
 装飾写本の白眉です!

 多くの日本人にとって
 手彩色の装飾写本は、馴染みの薄い、というより
 実物を見る機会すらまったくない“遠い存在”ですが、
 あえて比較するなら、
 日本に於ける『源氏物語絵巻』のようなもの、
 と申せましょうか。

 文化、歴史、宗教、生活、
 数多の背景を背負った絵画(挿絵)と物語の融合。
 国宝もしくは重要文化財に匹敵するもの――

「たいせつにィ、うけつがれてェきたのでス!」
「ぐるるがるぐるるる!」(←訳:だから今もキラピカ!)

 装飾写本の次は、
 はい、もうちょっと聞き憶え・見覚えのある書物たちが
 登場いたします。

 ウィリアム・ブレイクさんの『無垢と経験の歌』や、
 植物・動物・鉱物の図鑑。
 そして、カラー印刷の技術で作成された装飾図版集は
 いまでいうならテンプレートアイデアブック?

「でざいんッ、いろいろォ!」
「がるるぐる!」(←訳:字体に図案!)

 19世紀に入ると、
 もう怒涛のごとく現れ溢れ出しますね、
 現代とさして変わりないグラフィックデザインの美が。

 世紀末美術、アールヌーヴォー、ア―ルデコ、モダニズム……
 オリンピックのロゴデザインが古臭く見えるくらい、
 20世紀美術は冒険的です。

「えねるぎッしゅゥ、でス!」
「ぐるっるがる!」(←訳:古典って強い!)

 美しいものは、強い。
 強靭な美は、時間を超越する。

 ページを捲るごと、
 そう痛感させられる一冊です。

 アートブックにあまり興味はないわ~という御方も、
 書店さんで目にしたら、
 せめて!一度は手に取ってみてくださいね。
 《美しい本》の歴史を
 ほんのちょっと、覗いてみるだけでもいいんですから。

「そうしたらァ、きッとォ~…」
「がるるぐるる!」(←訳:賛嘆のため息!)

 もちろん、解説もぜひ一読を♪
 
 
 

 
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