テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

怪異をつづれば。

2018-01-15 22:10:32 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ほうていィどらまもォ~おもしろいィでス!」
「がるる!ぐるぅるがる!」(←訳:虎です!ダジャレもね!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、日曜夜の新ドラマ初回もその面白さに拍手しましたよ。
 シュールなダジャレと脇役さんたちの奮闘につられ、
 次回の放送を首を長くして待ちながら、
 さあ、読書タイムも奮闘してみましょう♪
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~! 

  



    ―― H.P.LOVECRAFT H・P・ラヴクラフト ――



 著者はミシェル・ウエルベックさん、
 原著(底本)は2015年に、日本語版は2017年11月に発行されました。
 仏語原題は『H.P.LOVECRAFT:Contre le monde,contre la vie』、
 『世界と人生に抗って』と日本語副題が付されています。

 SFやファンタジー好きな活字マニアさんは、
 きっと耳にしたことは、
 いえ、きっと読んだことがあるに違いない
 《クトゥルフ神話》の創始者、
 ハワード・フィリップス・ラヴクラフトさん(1890~1937)。

 この御本は、ラブクラフトさんについての
 評伝エッセイ作品、
 と言ったらいいんでしょうか――

「テディちゃ、しッてまスゥ!
 こわァ~いィおはなしィ、なのでスよゥ!」
「ぐるーがるる!」(←訳:ホラーだよね!)

 ホラーなのか、怪奇小説なのか。
 或いは、コズミック・ホラー(宇宙的ホラー)とも形容される、
 その作品群の作者さんを。

   現代ホラーの父。

 と呼んでも、異論はありませんでしょう。

「こわいィだけじゃなくてェ~」
「がるるぐる!」(←訳:不思議千万!)

 怪異と不思議に満ちたラヴクラフトさんの
 《クトゥルフ神話》
 (クトルゥルーとも表記されます)。

 その神話世界の成り立ちを、
 著者・ウエルベックさんは考察します。

 細長い顔立ちの、
 不器用で、人見知りで、鬱屈を抱え、
 時に自分の古い家系に圧し潰されかけつつも、
 ただひとり、
 “物語る”道を歩んだ若者。
 
 真のジェントルマンでありながら、
 それともジェントルマンであるがゆえに、
 生涯、彼が見続けたもの……。

「さみしィ、うちゅうゥ?」
「ぐるるるるがるー?」(←訳:黄昏どきのホラー?)
 
 前半は“ラヴクラフト作品論”と
 それにラヴクラフトさんが生きた時代の様相が描かれていますが、
 御本後半の伝記の部分は
 読み手の感情を深く揺さぶります。
 
 また、冒頭には
 スティーヴン・キングさんの序文が収録されていて、
 これも素晴らしい“ラブクラフトと僕”論になっています。

「ちからァ、はいッてまス!」
「がるる!」(←訳:筆力が!)

 ホラー好きさんに、
 近代文学史好きさんに、
 そしてS・キングさんのファンの方々にも
 おすすめしたい一冊です。
 本屋さんで、図書館で、
 ぜひ、探してみてくださいね~♪



 
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