テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

隠さず語る、インタビュー!

2017-12-03 22:19:07 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うぎゃゥ! かんぱがァ、くるゥ~??」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!暖冬希望です!)

 こんにちは、ネーさです。
 今週は寒波襲来?大雪かも?と予報が出ていますね。
 警戒怠らぬようにして、
 さあ、おヒマな時には読書タイムも、ということで
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



          ―― ラストシーン ――



 著者は北野武(きたの・たけし)さん、2017年10月に発行されました。
 はい、ビートたけしさんじゃありませんよ、
 この御本に収録されているインタビュー14本で真剣に
 《私》を語っているのは、
 ひとりのクリエイター=北野武さんです。

 とは言っても、漫才師=ビートたけしさんも、
 ちらほら♪と語りの合間に顔を出しちゃってますが。

「ちょうどォ、いまァはァ~」
「ぐるるるがる!」(←訳:コンペの季節!)

 そうなのよね、
 漫才やコントでプロを目指している方々には、
 TV局によるコンペティションが開催される年末シーズンを
 こころ穏やかに過ごすのは
 難しいでしょうけれど――

 北野武さんにも、あったのでしょうか。

 “まだまだ!これからだ!”と熱い思いを胸に秘め、
 暗い舞台袖から
 スポットライトを仰ぎ見た日が。

「ありィましたでス!」
「がるがる!」(←訳:うんうん!)

 そう、もちろんありました。

 いまや日本はもとより、
 世界の映画界で知らぬ物はない北野さんにも
 無名の日々はあったのです。

 わんぱくな子ども時代に培われた知性・知識・観察力。

 下積みから始まった芸人生活は、
 食えないし、
 TVにちょっと出させてもらうようになっても、
 関西の芸人さんだらけで、
 関東者は極少数……。

「えんたーていめんとのォせかいィはァ~…」
「ぐるるるるるぅ~…!」(←訳:すごいんだなぁ~…!)

 北野さんほどのセンス・才能の持ち主でも、
 思うにまかせないショービジネスの世界を、
 どうやって生き抜き、
 山を越え、
 崖を這い登り、
 天辺に辿り着いたのか。

 そうして、トップに立ち続けるのが、
 如何に至難であるか。

「うむッ! それがァ、いちばんッ!」
「がるるるぐるぅ!」(←訳:たいへんかもォ!)

 北野さんが思う《喜び》とは、
 《優しさ》とは、《恐怖》とは。

 アーティストとして感じる《美しさ》、
 《運・不運》を痛感するときとは。

 巧みなインタビュアー・渋谷陽一さんの問いが、
 北野さんの回想と覚悟を聞き出してゆくさまは、
 壮観ですらあります。

 北野さんもまた、
 全然隠そうとしないのよね、
 《私》を。

「かくさないィほうがぁ、たけしさんらしィのでス!」
「ぐるる!」(←訳:だよね!)

 トップスターなのに、北野さん、今でも
 『ライブに出る前は怖くて緊張する』――

 映画人として、
 舞台人としての《私=北野武》が
 小気味よいリズムで全編を支配するインタビュー集、
 俺フィクションしか読まないんだけど?という活字マニアさんも
 いつもの習慣をちょこっと変えて、
 ぜひ、覗いてみてくださいね。
 ユニーク無比な一冊です!
 
 
 
コメント
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