テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

14世紀の、あちらと、こちら。

2017-06-20 21:55:51 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスッ!
 むむゥ! れんじつのォ、だいィにゅーすゥ!」
「がるる!ぐるがるるるぐる!」(←訳:虎です!いま将棋界が熱い!)

 こんにちは、ネーさです。
 そうね、突然どうしたんだ?と言いたくなるくらい、
 盛り上がりまくってますね、将棋界が。
 特に明日は藤井四段の対局があるそうですから、
 シロウトの私たちも、
 28連勝の記録に並ぶのか?とソワソワしてしまいますが、
 それまでの間合いは、さあ、読書タイムで!
 本日は、こちらのコミック作品を、どうぞ~♪
 
  



          ―― ケルン市警 オド 2 ――



 著者は青池保子(あおいけ・やすこ)さん、2017年6月に発行されました。
 中世の修道院を舞台にした
 《修道士ファルコ》シリーズからのスピンオフストーリーの主役は、
 薬草に知識に長けていることで一目置かれる修道士・オドさん。

 いえ、修道士になるよりも前の、
 俗人時代のオドさんです。

「いッぱんしみんッ、だッたころォにはァ~…」
「ぐるるるるがるる!」(←訳:お役人さんでした!)

 ドイツの都市・ケルン。

 現在も、大聖堂の街として、
 観光客さんに大人気のケルンですが、
 中世の頃にはもう、都市の整備がけっこう進んでいたようです。

 オドさんが市警として生活しているのは
 14世紀のケルン。

 日本では、ええと、足利幕府の時代になるのかしら?

「なんだかァ、どいつゥのほうゥがァ~?」
「がるるるるぅ?」(←訳:ススんでるぅ?)

 御本の冒頭に簡単な解説が記されていますね。

 当時のケルンの人口は約3万人、
 14世紀半ば頃から市参事会の下部組織として
 警視のもとに治安役人(警吏)が常設された――

 オドアケル・ショルツさんは、
 その警吏のひとりである、と。

「まじめなァ、おやくにんさんッ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:全力で職務遂行!)

 今回、オドアケル・ショルツさんこと市警オドさんが
 取り組んでいるのは、
 一件の不審死事件です。

 8歳の子どもが、
 食中毒で命を落とした……と医師は見立てたのですけれども、
 オドさんは納得しません。

 食中毒にしては、おかしくないか?
 
「ふァいッ! おかしィでス!」
「がるぐるる……?」(←訳:真の死因は……?)

 調査を続けるうち、
 オドさんが気付いたのは、
 或る貴族の農園の秘密。

 高い塀の内、
 外からは窺い知れぬ農園の奥で育てられているのは――

「ぎょぎょぎょッ??」
「ぐるぐるぅ!」(←訳:ゾクゾクぅ!)

 と、ほんの少し粗筋を御紹介しただけでもお分かりのように、
 この《市警オド》シリーズ、
 完全に本格ミステリ!

 とりわけ、シリーズ2作目となるこの御本では、
 フーダニットとハウダニットが交錯し、
 複雑な人間模様を織り成しています。

 オドさんは農園の秘密を看破できるのか?
 事件の黒幕は、誰なのか?

「さいごォまでェ、だいこんせんッ?」
「がるぐるるるー!」(←訳:目が離せないー!)

 14世紀当時のドイツと日本を
 思い浮かべながら、
 較べてみながら読んでゆけば、
 梅雨どきの憂さも忘れてしまう一冊です。

 マンガはあんまり読まないんだけど~という御方も、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね。
 おすすめですよ♪
 
 
 
コメント
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