テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

いくつもの光景が。

2017-03-16 22:04:22 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 べすとォえいとォ、そろいィましたッ!」
「がるる!ぐるるるがるーる!」(←訳:虎です!欧州最強8チーム!)

 こんにちは、ネーさです。
 チャンピオンズリーグのベスト8が出揃いました!
 準々決勝の組合せを決める抽選会は明日17日に行われます。
 どこだ?我らがユーヴェと当たるのはどこっ?
 と、ちょっとドキドキの時間を過ごしながら、
 さあ、ここで読書タイムもしっかりと!
 本日は、こちらのミステリ作品を、どうぞ~♪
 
  



            ―― 屋上の名探偵 ――



 著者は市川哲也(いちかわ・てつや)さん、2017年1月に発行されました。
 『ROOFTOP SYMPHONY』と英語題名が付された
 文庫オリジナルのこの作品、
 荒川眞生さんによる表紙画の雰囲気からもお分かりのように、
 舞台は“学校の屋上”ですよ。

「ふァ~? おくじょうゥ?」
「ぐるるがるるる!」(←訳:ドラマみたいだ!)

 現役の学生さんも
 かつて学生であった方々も、
 校舎の屋上には思い出や思い入れがあることでしょう。

 だらら~んと暇ツブシしたり、
 お勉強したり、お昼ごはんを食べたり。

 私ネーさも、ええ、読み進むうちに記憶が鮮明になってきました。
 陽の光で温まったコンクリートの上に座って、
 よく皆でお弁当食べたんだったわ。

「いまはァ、しませんッ!」
「がるぐるるぅる!」(←訳:日に焼けちゃう!)

 そもそも、イマドキの中学校や高校って
 屋上を自由に使えるのかしら?
 生徒は屋上立ち入り禁止!という学校も
 多いのかもしれませんけど――

 ここ、澄雲(すみくも)高校の屋上は、
 幸いなるかな、
 生徒も教師も気ままに出入りできるようです。

「のんびりィ、らんちたァ~むゥ!」
「ぐるるる!」(←訳:お昼寝も!)

 語り手の“おれ”こと中葉悠介(なかば・ゆうすけ)くんが
 屋上を訪ねたのは、
 お弁当やお昼寝のためではありません。

 名探偵を探しているんです。

「あッ! いたいたァ!」
「がるるぐる?」(←訳:あの人かな?)

 校舎の屋上の、給水タンクの影になっている場所で、
 お弁当をパクついているのが、
 はい、中葉くんのたずね人たる
 蜜柑花子(みかん・はなこ)さんです。

「……みかんッ?」
「……ぐるがる?」(←訳:……花子さん?)

 中葉くんは、情報を得ていたのです。

 転校生の蜜柑花子さん、
 前にいた高校では、
 《名探偵》と綽名されていたのだと。

 実際、その名に恥じず、推理力を何度も発揮したのだと。

「ほええェ? とてもォ、そうはァ~」
「がるるる!」(←訳:見えない!)

 お下げ髪にメガネ、
 目立たぬルックスの蜜柑花子さん、
 確かに、そのぅ、頼りなさそうではありますが、
 或る《謎》をどうしても解決したい中葉くん、
 躊躇することなく頼み込みます。

   犯人捜しを手伝ってくれないか?

「うゥ~んッ? どうしようゥ~?」
「ぐるるるがるるるる~?」(←訳:いきなり言われても~?)

 頼みに頼んで、ようやく蜜柑さんのOKを取り付けた中葉くん。
 蜜柑さんという知恵袋とともに挑むのは、 
 正統派《アリバイくずし》?

「ふむふむゥ! ねらッたァえものはッ!」
「がるるるる!」(←訳:逃がさない!)

 ネタばらしになってしまうので、
 これ以上はお喋りできないんですけど、
 ミステリ作品である以上に、
 《学校生活のあれこれ》を描いた短編集でもあるこの御本、
 屋上でお弁当を食べた経験をお持ちの方々に
 おすすめしたい一冊です。

 屋上階へ通じる階段、
 明ければ空が広がるスチールの(アルミの?)ドア、
 フェンス越しに見下ろせば、
 野球部やサッカー部の部員さんたちが
 グラウンドを走り回っている――

「てにすゥぶいんさんッ!」
「ぐるるるるるる!」(←訳:卓球部員さんも!)

 そんな光景をなつかしみつつ、
 ぜひ、一読を♪

 
コメント
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