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資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●本田靖春と本田宗一郎: 「自動車をつくっている者が大げさな葬式を出して、交通渋滞を起こすような愚は避けたい。…何もやるな」

2023年04月29日 00時00分01秒 | Weblog

(2023年04月12日[水])
本田宗一郎は社員に向かって…「ホンダの社長は代々くだらんやつばっかりだったから、あんた方がしっかりしなきゃどうしようもない」》。本田宗一郎さん「―――仮に息子さんがホンダに入りたいといったら。「入れないね、わたしは。」…」。どこまでその〝社風〟が維持されているのかどうかは知らないが。

   『●『本田宗一郎との100時間 燃えるだけ燃えよ』読了
    「城山三郎著。講談社文庫。1988年2月刊
     (1993年12月第12刷)。」
    「本田宗一郎藤沢武夫トヨタとは明らかに違うその思想と文化。
     《…何よりもその私心私欲の無さである。…二人は公私混同も
     きびしく戒め、ついぞ、その会社を私物化することなく、
     同族化することもなかった。…二人とも金には潔癖だった…》
     《金もうけとは別のものを―――。それを思想というのか、
     文化というのか。…「トヨタが新しいものを生み出してるって、
     あんまり聞かねえな。お金持ってるとか、利益生みだしてるとか、
     たいへんなものらしいが、金融業ならいいけど、生産企業が…」》
    《「―――仮に息子さんがホンダに入りたいといったら。
     「入れないね、わたしは。」…」》

   『●『ニセ札はなぜ通用しないのか?』読了
    「企業が社員に押しつける「水行(みそぎ」」のあほらしさ。
     息子を入社させなかった本田宗一郎、松下幸之助との違い。」

   『●犬がワンと鳴き、飼い主が喝采する、というお話
   『●「特集「3・20」 地下鉄サリン事件から20年」
       『週刊金曜日』(2015年3月20日、1032号)
    「【井上久男の経済私考/F1復帰するも経営は落ち込むホンダ 
     失われた独自性と「ワイガヤ」の社風は戻るか】、
     《…ワイワイガヤガヤと議論しながらもの造りに励む明るい
     風通しの良い会社という意味だが、現状はその真逆状態にある。
     …斬新な商品を出せなくなった。…「トヨタがやっている
     TQM活動をホンダは真似しすぎたから」…トータル・
     クオリティ・マネジメント…社員自らが独自の斬新なアイデアを
     出せなくなった…ソニーと同様にホンダも「らしさを失って
     しまった》。復活してほしい
     (『本田宗一郎との100時間 燃えるだけ燃えよ』…》

   『●《本田宗一郎は社員に向かって…「ホンダの社長は代々くだらんやつ
     ばっかりだったから、あんた方がしっかりしなきゃどうしようもない」》

 日刊ゲンダイの追悼譜【佐高信「追悼譜」/本田宗一郎の声は豊田章一郎には届かなかったのだろう】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/319784)によると、《いま、私の評伝選を出してくれている旬報社から、およそ20年前に『本田靖春集』全5巻が出た。私よりひとまわり上の本田は、私が敬愛するジャーナリストである。この全集の推薦者が五木寛之、澤地久枝、そして筑紫哲也。その本田の『複眼で見よ』(河出書房新社)にこんな一節がある。「本田宗一郎のこと」と題して、靖春は損失補てん問題で日本の資本主義は腐臭を放っているとし、トヨ夕や松下電器産業(現パナソニック)と対照的に財テクに見向きもしなかった宗一郎を偲んで、「経済評論家の佐高信氏」の次の指摘を引く》。

   『●『続トヨタの正体』読了(1/2)
   『●『続トヨタの正体』読了(2/2)
    《「ハイブリッド」であれば、何でも環境に優しいという誤解…
     小池百合子…は環境大臣時代に「ハイブリッド戦闘機」と発言して
     顰蹙…単純でお粗末な発想が根底に…》

   『●『本田靖春/「戦後」を追い続けたジャーナリスト』読了
    「随所に黒田清さん…。筑紫哲也さん…。「黒田さんは2000年、
     本田さんは2004年に、そして筑紫哲也さんは2008年に、
     まるで五輪開催の年に合わせたように他界されてしまった」…。
     鎌田慧さん…。本多勝一さん…」
    「わけ知りふうにいうと、社会に各種のウソはつきものである。
     しかし、現実の泥沼にまでつかっても、が水面に出ているかぎり、
     たまにはホントもいえる。だが、までつかると、物をいえない。
     までつかると、何もきこえなくなる。までつかると、
     すべて真っ暗闇である」
    「斎藤貴男さんの、少し悲壮感漂うエッセイ「囚われだらけの時代に」…
     「…文春にはっきりと距離を置かれ始めた。靖国問題や中国脅威論で
     勢いづいていた時期の『諸君!』には、ネット右翼もかくやの罵言雑言を
     浴びせかけられた。組織も時代も恐ろしいものだと、つくづく思い知った」。
     「二〇一〇年五月下旬現在、日本のジャーナリズムはほとんど荒野と化した
     辛うじて生き長らえている雑誌も新聞も、反骨精神とは対極の世界を
     志向している」」

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/319784

佐高信 評論家
1945年山形県酒田市生まれ。「官房長官 菅義偉の陰謀」、「池田大作と宮本顕治 『創共協定』誕生の舞台裏」など著書多数。有料メルマガ「佐高信の筆刀両断」を配信中。

佐高信「追悼譜」
本田宗一郎の声は豊田章一郎には届かなかったのだろう
公開日:2023/03/13 06:00 更新日:2023/03/13 06:00


■豊田章一郎(2023年2月14日没 享年97)

     (豊田章一郎氏(2023年2月14日没 享年97歳)
      /(C)日刊ゲンダイ)

 いま、私の評伝選を出してくれている旬報社から、およそ20年前に『本田靖春集』全5巻が出た。私よりひとまわり上の本田は、私が敬愛するジャーナリストである。この全集の推薦者が五木寛之、澤地久枝、そして筑紫哲也。その本田の『複眼で見よ』(河出書房新社)にこんな一節がある。「本田宗一郎のこと」と題して、靖春は損失補てん問題で日本の資本主義は腐臭を放っているとし、トヨ夕や松下電器産業(現パナソニック)と対照的に財テクに見向きもしなかった宗一郎を偲んで、「経済評論家の佐高信氏」の次の指摘を引く。

「大体、トヨタにしても松下にしても、いまだに豊田家、松下家の人間が会長、社長等主要ポストにすわっている。企業を”家業”と考えているわけだが(略)、損失補てんも、日本企業のこうした封建的土壌の上に咲いた徒花なのである」

 宗一郎は実弟も早く本田技研を辞めさせ、子息は最初から入社させなかった。引退したのも67歳と早い。

 こうした説明を入れながら、「ふたたび佐高信氏の文からの引用になって恐縮だが、どうかお許しをいただきたい」として拙文を引いている。

「また、豊田家の企業のトヨタが、その本拠の挙母市の名を豊田市に変えたのに、本田は鈴鹿サーキットで知られる鈴鹿市が本田市に変えてはどうかと言ってきたのに、それを断っている。(略)問題の補てんリストに本田技研の名がないのは偶然ではない」

 『週刊現代』の1991年8月17日号の私のコラムからの引用だが、私はとても嬉しかった。しかし、その恐縮ぶりにはこちらが恐縮するしかない。

 豊田章一郎が経団連の会長をやったのは、日本の企業の負の側面の代表として、皮肉な意味で妥当なのだろう。豊田家の分家の英二から本家の章一郎への社長交代は”大政奉還”などと言われたが、豊田家の人間でなければ社長になりえたかどうか、私は疑問がある。

 その息子の章男に至っては論外である。私は章一郎の死を悼む人に梶山三郎の小説『トヨトミの野望』『トヨトミの逆襲』(いずれも小学館)を読むことをすすめたい。

 本田靖春によれば、死期の迫った本田宗一郎はこのように言い遺したという。

自動車をつくっている者が大げさな葬式を出して、交通渋滞を起こすような愚は避けたい。もうすぐお迎えがくるが、何もやるな

 かなり前から、宗一郎は自宅への年始のあいさつを断っていた。その理由を彼は靖春にこう語った。

自動車屋が駐車の列でご近所に迷惑をかけてはいけない

 道路を倉庫がわりに使う方式といわれたトヨタかんばん方式をやめることなど考えもしなかっただろう章一郎にこの発言は届くことはなかった。(文中敬称略)
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●《あのね、政治を考えるのに「中立」はないの。メディアの役目は「中立公正、不偏不党な報道」ではなく「権力の監視」なんです。それ、常識。》

2023年03月25日 00時00分06秒 | Weblog

[『学校が教えないほんとうの政治の話』(斎藤美奈子著、ちくまプリマ―新書257)↑]


(20230308[])
斎藤美奈子さん《メディアの役目は「中立公正、不偏不党な報道」ではなく「権力の監視」なんです。それ、常識。》
 日刊ゲンダイの記事【批判的なコメンテーターは今や皆無 自民党政権の言論弾圧“黒歴史”】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/319684)によると、《第2次安倍政権以降、権力は公然と大手メディアに圧力をかけ、萎縮したメディアによる忖度は常態化し、「権力の監視は骨抜きにされた。大きな転換点となったのが、2015年5月に示された放送法政治的公平性をめぐる「新たな解釈」の追加だ。政権に批判的なメディアに対する圧力を強めるため、…》。

   『●「電波」な「凶器」高市総務相の暴走と
     「報道現場の声」: 「自粛」「忖度」「委縮」…が「内部から」
   『●「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」…さて、高市早苗氏の
     「タンカ」も、アベ様同様、有耶無耶になってしまうのだろうか、それとも…
   『●「2023年3月3日は高市早苗元総務相のタンカ記念日」…《「捏造文書
     でなければ大臣も議員も辞職するか」と問われて「結構ですよ」と答弁》

 「202333日は高市早苗元総務相のタンカ記念日」。「報道の自由」「知る権利」「権力の監視」を委縮させた問題についての高市早苗元総務相のタンカ…。有耶無耶にしていいのか。(リテラ)《国民の「知る権利」を侵害するかたちでこのまま「真偽不明」で闇に葬られる可能性は高い》。
 《メディアコントロール》の頚木は今も解かれていない。「《権力の監視を生業とするはずのジャーナリズム》…下足番新聞アベ様広報紙大阪メディアの惨状…。《メディアの権力への迎合や誤った世論誘導が、戦争を引き寄せる》」……それを今、まざまざと見せつけられてはいまいか、現在進行形で。

   『●『学校が教えないほんとうの政治の話』(斎藤美奈子著)読了
                …《あなたの政治的ポジションを見つけて…》
    《だいたいみんな、このごろ、まちがえてんのよね。
     「偏らないことがいいことだ」「メディアは中立公正、
     不偏不党であるべきだ」「両論を併記しないのは
     不公平だ」。そういう寝言をいっているから、
     政治音痴になるのよ、みんな。》
    《あのね、政治を考えるのに「中立」はないの。メディアの役目は
     「中立公正、不偏不党な報道」ではなく「権力の監視」なんです。
     それ、常識。》
    《党派性をもたずに政治参加は無理である。》

   『●『国民のしつけ方』(斎藤貴男著)読了…
      《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》

    《ジャーナリズムの最大の存在意義は「権力のチェック機能」である。
     …専門的には「番犬ウォッチ・ドッグジャーナリズム」理論という》
    《「番犬ジャーナリズム」は、純粋培養の環境下にあるよりも、
     一人ひとりのジャーナリストがもがき、苦悩しながら遂行していって
     こそ成長し、民主主義社会に貢献できる
のではないか》

 2021年12月08日のブログから再度。
 ―――――― 金平茂紀さんが金曜日 #大竹メインディッシュ のゲスト。金曜日は室井佑月さん。『報道特集』冒頭の〝20秒の自由〟にて、(アフガン報道)(「腰抜け」)「腰が引けた状態」発言。筑紫哲也さんの『ニュース23』の頃とは大違い。筑紫さんの最後の『23』での言葉、「権力の監視」「少数者であることを恐れない」「多様な意見を提示して自由の気風を保つ」…今や「権力に阿る」「愛玩犬」。【大竹まこと ゴールデンラジオ(2021年11月26日)】(https://www.youtube.com/watch?v=ZgD8bbVujDw)。 ――――――。



 『報道特集』冒頭の金平茂紀さんの〝20秒の自由〟が奪われる……筑紫哲也さんの『ニュース23』の頃の“筑紫イズム”=「権力の監視」「少数者であることを恐れない」「多様な意見を提示して自由の気風を保つ」はどこに? TBSは「権力に阿る」「愛玩犬」に堕ちるのか? 《TBSから“筑紫イズムの火は消えるのか》…。…今のところ、杞憂だったようだ。でも、金平茂紀さんの出演が大幅に減ったことはとても残念。

   『●《二階元幹事長…「…この方は国会とか民主主義の意味をお分かり
     なのか? と耳を疑います」》…金平茂紀さんの〝20秒の自由〟は必要
   『●膳場貴子さん「『報道特集』の根幹は、調査報道に挑戦すること、
     現場からものを考えること、評論家よりも当事者の声に耳を傾ける…」
    《膳場貴子キャスターは「週末の夜に、こんな硬派な番組が40年間
     放送を続けられたというのは、ある意味奇跡的だなと思っています」
     と話し、番組についてこう説明した》
    《そして、「ぜひ注目していただきたいのは、豊富な取材経験に
     裏打ちされた金平(茂紀)キャスターが忖度せずに自由にものを言う姿。
     膨大な知識とアジア各国の取材を通じて誰よりも温かな眼差しを
     持った日下部(正樹)キャスターのものの見方。そして、腹が座った
     若き皆川(玲奈)キャスターがタイムリーに現場に出て届けてくれる声を
     楽しんでいただければと思います」と呼びかけた》
    「久米宏さんの『ニュースステーション』時代の面影も無く、
     テレ朝の報道ステーションがアノ状態…そんな中で、唯一頑張る
     TBS。テレビ番組で報道と呼べるのは、もはやTBSの
     『報道特集』と『サンデーモーニング』だけ。
     その『報道特集』がギャラクシー賞報道活動部門の大賞を受賞した
     そうだ。本当に目出度い」

   『●『報道特集』冒頭の金平茂紀さんの〝20秒の自由〟が奪われる…
     の監視」「少数者であることを恐れない」「多様な…」はどこに?
   『●《金平は…「今のこの時代に正気でいることの困難さ、切実さ」と記し
     ている。金平を切ることでTBSは「2度目の死」を迎えることになる》
   『●《現役の総理大臣へのヤジも許されず、それが報道もされない世界》
     《ヤジも言えない国家や有無も言わさず排除をする警察》でいいの?
    「《権力の監視を生業とするはずのジャーナリズム》…下足番新聞
     アベ様広報紙大阪メディアの惨状…。《メディアの権力への迎合や
     誤った世論誘導が、戦争を引き寄せる
》」

   『●桐生悠々に《ちなんだ社説の掲載に至ったのも、どんな政権であろうと、
       新聞は権力監視の役割を放棄してはならないという決意を》読者に
   『●《どんな政権であろうと、新聞は権力監視の役割を放棄してはならない》
      (東京新聞社説)…下足番新聞やアベ様広報紙に言っても詮無いこと

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●《犠牲になるのは一般の人々…戦争はしてはならない。命を何よりも大切に…平和が一番大切だという沖縄戦の教訓を守ってもらいたい》

2023年02月19日 00時00分40秒 | Weblog

(20230206[])
軍事費倍増…《標的》を沖縄に押し付けておけば済むと思っている大愚…。平和主義を捨て、戦争できる国となり、「鉾」を持てば、ニッポン中が《標的》だ。たとえ停止中でも、核発電所は格好の《標的》。特に「盾」が全く脆弱な使用済み核燃料プールなど格好の《標的》でしょうに。

   『●《標的》となり、《鉄砲玉》となる愚…《ことさら攻撃能力について
     興奮して議論している様について、バカではあるまいか?》(狙撃兵)
   『●自公政権が続く限り、ヅボヅボ党の誰が首相になろうが地獄は続く。道は、
      政権交代しかない…《議会政治、財政民主主義が崩壊した戦時体制》
   『●《自民党タカ派…箕輪登…「戦争とは血を流す政治であります。外交とは
     血を流さない政治であります。日本は永久に血を流さない政治を…」》
   『●《自民党の独裁体制が根絶されない限り、いずれ軍拡の財源も消費税
        増税で賄われる》《騙されてはならない。騙されてはならないのだ》
   『●《決して沖縄だけの問題ではない…「だからこそ自分たちのこととして、
     そもそも戦争を起こさせないための声を国に対して上げる必要がある」》

 《犠牲になるのは一般の人々だ。大勢の人の命が奪われ、双方の国に大きな被害を出す。戦争はしてはならない命を何よりも大切にすること、平和が一番大切だという沖縄戦の教訓を守ってもらいたい》。
 長周新聞の記事【沖縄を戦場にすることに断固反対する 沖縄・元全学徒の会が声明】(https://www.chosyu-journal.jp/heiwa/25589)によると、《「台湾有事」を既成事実にして南西諸島一帯の軍事強化が進む中、かつて沖縄戦に動員された沖縄県内21校の旧制師範学校・中等学校の元学徒らでつくる「元全学徒の会」は12日、「沖縄を戦場にすることに断固反対する声明」を発表した。声明では「再び戦争が迫りくる恐怖と強い危機感を覚えとのべ、戦争の残虐さを身をもって体験した者として平和が一番大切だという沖縄戦の教訓を守ってもらいたい」と訴えている。以下、声明の全文を紹介する》。

 金平茂紀さん《連載第1回で僕は「自分たちにとってイヤなものを、弱い部分に押しつける生き方を続けていくことに倫理的な負い目を感じない国」が当時の日本だと批判した。現在はどうだ》…より一層ひどくなっている。いまや、《人柱》までやろうとするヒトデナシぶり。
 沖縄タイムスのコラム【再び沖縄を戦場にするつもりなのか 再開「ワジワジー通信」の初回で問う/金平茂紀】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1095220)によると、《本紙に「沖縄ワジワジー通信」連載の第1回が掲載されたのは、今から12年前の2011年1月11日。本連載の編集担当者が当時の紙面を見せてくれた。紙面を読んでみて、あらためてこの12年間の沖縄の激動、とりわけ県民の願いがいかに踏みにじられてきたか、その事実がいやというほど積み重ねられてきた歳月の重みを突きつけられ、痛切な思いにとらわれた》。

   『●沖縄の《遺骨が残る激戦地の土砂が国の米軍基地建設に…。愚かな戦争で
      犠牲を強いられた人々の遺骨を戦争の道具に使っていいはずがない》

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https://www.chosyu-journal.jp/heiwa/25589

沖縄を戦場にすることに断固反対する 沖縄・元全学徒の会が声明
平和運動 2023年1月23日

 「台湾有事」を既成事実にして南西諸島一帯の軍事強化が進む中、かつて沖縄戦に動員された沖縄県内21校の旧制師範学校・中等学校の元学徒らでつくる「元全学徒の会」は12日、「沖縄を戦場にすることに断固反対する声明」を発表した。声明では「再び戦争が迫りくる恐怖と強い危機感を覚えとのべ、戦争の残虐さを身をもって体験した者として平和が一番大切だという沖縄戦の教訓を守ってもらいたい」と訴えている。以下、声明の全文を紹介する。

     (沖縄県糸満市摩文仁平和祈念公園内に
      建立された全学徒隊の碑(2017年))


沖縄を戦場にすることに断固反対する声明

 今、ロシアによるウクライナ侵攻を背景に、沖縄を含む南西諸島で自衛隊の増強が進められる状況に、再び戦争が迫りくる恐怖と強い危機感を覚え、むごい沖縄戦を思い出す

 78年前の沖縄戦では、米軍の上陸に備え、県民は子どもから大人まで、日本軍の飛行場設営や陣地構築に動員された。正義の戦争だと教え込まれ、知らないうちに戦争の加害者となり、戦争に加担させられた。日本政府は今、日米安全保障条約の下で「中国脅威論」を盾に軍備増強を進めている。自衛隊と米軍の一体化がさらに進む中、国民の緊迫の度を高め、自ら戦争を引き起こそうとしているような状況と戦前が重なる。軍拡ばかりが前面に押し出され、住民の被害に対する思いは微塵もない

 沖縄戦で戦場にかり出された県内21校の旧師範学校・中等学校の男子学徒と女子学徒は、戦争がいかに残虐なものかを、身をもって体験した。死の迫る極限状況の中、生き残った元学徒も学友や家族、親しい人々を失い、心に深い悲しみを負った。全学徒の死者は約2千人。戦後は戦没学徒の慰霊を続け、二度と沖縄を戦場にしてはならないという思いで、教え込まれた皇民化教育の過ちと悲惨な戦争の実相を語り継いできた。

 戦争する国は美しい大義名分を掲げるが、戦争には悪しかない。爆弾で人間の命を奪うだけである。戦争は始まってしまったら手がつけられない。犠牲になるのは一般の人々だ。大勢の人の命が奪われ、双方の国に大きな被害を出す。戦争はしてはならない命を何よりも大切にすること、平和が一番大切だという沖縄戦の教訓を守ってもらいたい。

 先の大戦では、若い学徒を含め310万人の日本人が犠牲になり、アジア全体での軍民の犠牲者は2千万人を超えるとされる。日本は侵略した国の人々を虐げ、収奪し、命を奪った。今、日本政府がすべきことは、侵略戦争への反省と教訓を踏まえ、非戦の日本国憲法を前面に、近隣の国々や地域と直接対話し、外交で平和を築く努力である。戦争を回避する方策をとることであり、いかに戦争するかの準備ではない。しかし、今の政府は戦争をするきっかけを見つけ出し、戦争にまい進しようとしていることが強く危惧される。

 戦前に戻るかのような政府の動きを元学徒として見過ごすことはできない。県民の間で第三二軍司令部壕の保存・公開を訴え、「平和の砦」にしようという運動がある中、沖縄の陸上自衛隊第一五旅団を師団に格上げし、沖縄本島や先島諸島の駐屯地司令部の地下化を計画することは、県民の平和志向に反するものである。元全学徒の会は、日本政府による沖縄へのミサイル配備をはじめとする自衛隊増強と軍事要塞化で、再び沖縄を戦場にすることに断固反対する

2023年1月      元全学徒の会

中学校、沖縄県立第二中学校、沖縄県立第三中学校、沖縄県立農林学校、沖縄県立水産学校、沖縄県立工業学校、那覇市立商工学校、学校法人開南中学校、沖縄県立宮古中学校、沖縄県立八重山中学校、沖縄県立八重山農学校、沖縄師範学校女子部、沖縄県立第一高等女学校、沖縄県立第二高等女学校、沖縄県立第三高等女学校、沖縄県立首里高等女学校、沖縄積徳高等女学校、昭和高等女学校、沖縄県立宮古高等女学校、沖縄県立八重山高等女学校

  共同代表 與座章健、瀬名波栄喜、中山きく、吉川初枝
  幹事   宮城政三郎、山田芳男、太田幸子
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1095220

再び沖縄を戦場にするつもりなのか 再開「ワジワジー通信」の初回で問う
金平茂紀
2023年1月31日 6:10有料
金平茂紀のワジワジー通信2023

金平茂紀(かねひら しげのり)
1953年北海道生まれ。テレビ記者、キャスター。2004年ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に「筑紫哲也『NEWS23』とその時代」「金平茂紀の新・ワジワジー通信」(沖縄タイムス社)など。

 再開しますよ! 沖縄の皆さん! こんなワジワジー全開の世の中で、黙っていることは、罪を犯しているに等しい、と思うに至ったからだ。はっきりと申し上げよう。今の日本政府=岸田文雄政権は、再び沖縄を戦場にしようとしている。(最初にお断りしておきますが、この「ワジワジー通信2023」は紙面版とウェブ版のハイブリッド形式でお送りします。ウェブ版には紙面版では伝えきれない部分が加わっております)


 本紙に「沖縄ワジワジー通信」連載の第1回が掲載されたのは、今から12年前の2011年1月11日。本連載の編集担当者が当時の紙面を見せてくれた。紙面を読んでみて、あらためてこの12年間の沖縄の激動、とりわけ県民の願いがいかに踏みにじられてきたか、その事実がいやというほど積み重ねられてきた歳月の重みを突きつけられ、痛切な思いにとらわれた。

 この日の1面トップ記事は「移設先の再検討否定 岡田氏 『辺野古以外ない』」(注=当時の与党・民主党の岡田克也幹事長が普天間飛行場の辺野古移設を進める考えを那覇市内で明言した)だった。

 当時、日本は民主党政権下にあった。首相は菅直人氏。前任の鳩山由紀夫首相が(普天間飛行場の移設先は)「最低でも県外」と、マニフェスト(公約)に掲げて華々しく政権交代を果たしたものの、その後、米政府及び安保利権と直結する日米人脈の怒りを買い、日本の外務省、防衛省官僚らのあからさまな裏切りによって、鳩山氏が首相の座から追い落とされた後に誕生したのが菅直人政権だった。この政権下で、日本は東日本大震災に見舞われ、福島第一原発事故が起きた。連載開始からわずか2カ月後のことだった。

 菅政権下での沖縄政策は「辺野古が唯一の選択肢」とする地点まで後退したまま変わらなかった。菅氏にしてみれば、鳩山氏の二の舞は踏みたくないとの警戒心は尋常なものではなかったのだろう。鳩山氏に直接うかがったことがあるが、首相当時、沖縄政策について外務、防衛のトップ官僚たちと約束した守秘事項などは、翌朝の新聞にデカデカと報じられる始末だったという。対米従属が骨の髄まで滲みわたっている官僚たちの姿をまざまざと感じたという。

 当時の沖縄県知事は仲井真弘多氏。この時点での仲井真氏は、辺野古移設は容認できない、県外移設を求めるとの姿勢だった。このわずか2年11カ月後に、この知事は、復権した自民党・安倍晋三政権下で辺野古の埋め立て申請を承認するという沖縄県政史上に残る一大政策転換をやってのけた。仲井真氏は「有史以来の(沖縄関係)予算だ」「驚くべき立派な内容」「これは良い正月になるなどと政府を絶賛する発言を繰り返していたことを僕はよく覚えている。知事が率先して民意を裏切る。県民の怒りは頂点に達した。この当時の那覇市長が翁長雄志氏だった。

 14年の県知事選は大荒れとなった。仲井真氏が県民を裏切ったとの有権者の怒りは、約10万票の得票差となって翁長県政を誕生させた。ところが安倍・菅義偉両政権は、民意を背に辺野古移設反対を訴え続けた翁長知事に対して、面会さえも拒み、さまざまな方策を弄していじめにいじめ抜いた。翁長氏は病に倒れ、在職中の18年8月8日に死去、享年67。思い出すだけで、ワジワジーどころではなく、はらわたが煮えくり返るような、非道がまかり通ってきた。現在の玉城デニー県政は、翁長県政の姿勢を継承することを公約として選ばれたと記憶している。そうですよね、デニーさん。

  *     *

 連載第1回で僕は「自分たちにとってイヤなものを、弱い部分に押しつける生き方を続けていくことに倫理的な負い目を感じない国」が当時の日本だと批判した。現在はどうだ。辺野古の基地建設工事は強行され続けているうえ、政府は、ウクライナ侵略を奇貨として「台湾有事」「尖閣有事」をあおり、ミサイル配備を含め南西諸島の最前線基地化、軍事要塞化を、確信的に、かつ県民の意思を全く無視する形で進め沖縄を再び戦場にしようとしている。沖縄県民にとって、これは目の前にあるリアルな危険だ。

 そんななかでもとりわけ露骨な「暴挙」(このような強い言葉をあえて使わざるを得ない)は、沖縄防衛局が、辺野古などの基地建設工事埋め立て用の土砂に、沖縄戦の本土南部激戦地から採取した土砂を使う計画を策定したことだ。

 遺骨の混じる土を海に投じ、それで軍事基地をつくる戦没者に対する冒瀆だとの憤りを表明し抗議行動の先頭に立っているのは「ガマフヤー」(沖縄戦遺骨収集ボランティア)の具志堅隆松さん(69)だ。1月18日に衆議院議員会館で、沖縄戦遺族らも参加して、防衛省、厚労省、外務省などとの意見交換会があったので取材に赴いた。

 その現場で、具志堅さんたち切実な当事者と、遠い東京から沖縄を眺めているお役所の埋めがたいギャップを感じる場面があった。………
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●金聖雄監督《冤罪被害という絶望的なテーマの中で、私が映画を作りながら希望を見出していくと言う不思議な感覚を、ぜひ映画を観る…》

2022年11月02日 00時00分13秒 | Weblog

[↑ 映画『オレの記念日』フライヤー(https://oreno-kinenbi.com/wp-content/uploads/2022/08/oreno-kinenbi_flyer.pdf)]


(20221019[])
高遠菜穂子さんと桜井昌司さんについてのお話が印象に残りました。
 デモクラシータイムスの映像コラム【秋のエンタメ特集 辛淑玉 × 北丸雄二 【マイノリティ・リポート】】(https://www.youtube.com/watch?v=bDukMZWutFA)によると、《北丸雄二と辛淑玉が、マスメディアでは見落とされがちな社会の課題を拾い上げ、マイノリティからのまなざしで語り合い、本質を見抜き、怒り、笑い、ため息をつきながらも前に進む縦横無尽の1時間番組(ときどき長くなる)。エンタメもあります。》

   『●『戦争と平和 ~それでもイラク人を嫌いになれない~』読了(1/2)
   『●『戦争と平和 ~それでもイラク人を嫌いになれない~』読了(2/2)
     「しかし、彼女ら (郡山さんと今井さん) の予想は全く裏切られ、
      「自己責任」とばか騒ぎし、醜悪なバッシングの嵐。解放後、
      「生まれ故郷に帰るのに「覚悟」が必要」(p.141) な国って、
      いったい何?? 解放後の「新たな不安と恐怖」(p.147) は、
      拘束時以上だったのではないだろうか・・・。」

   『●『ご臨終メディア ~質問しないマスコミと一人で考えない日本人~』読了
   『●『ルポ 改憲潮流』読了(2/3)
   『●『だまされることの責任』読了(2/3)
   『●『靖国/上映中止をめぐる大議論』読了(3/3)
   『●『安心のファシズム ―支配されたがる人びと―』読了
   『●『それでもドキュメンタリーは嘘をつく』読了(2/2)
   『●見損ねた
   『●『筑紫哲也』読了
   『●『ルポ戦場出稼ぎ労働者』読了
   『●「自己責任」を叫ばれた人の立場
   『●「自己責任」バッシングの嵐: 「話す」ことも許さず、「話しても」伝わらず
   『●「自己責任」バッシングと映画『ファルージャ
           イラク戦争日本人人質事件…そして』


【秋のエンタメ特集 辛淑玉 × 北丸雄二 【マイノリティ・リポート】】
 (https://www.youtube.com/watch?v=bDukMZWutFA


 そこでも取り上げられている映画が10月に公開された。飯塚事件では、「気がふれたように情報を拡散」と言われてブログ主は凹んでいるが…。ブログやツイッターでいくら叫んでも、伝わらない人には伝わらない。

   『●「袴田事件の次は狭山事件だ」
      『週刊金曜日』(2014年5月23日、992号)
    「対談金聖雄×小室等【映画『SAYAMA』が静かに伝える
     石川一雄さんの今 「みえない手錠」はいつはずれるのか】、
     「「袴田事件の次は、狭山事件の再審の扉を!」との声が高まるなか、
     逮捕から51年…」。「冤罪事件を「絶対に忘れるな」」」

   『●「死刑という刑罰」: 飯塚事件では「冤罪被害者」を死刑
            …「冤罪被害者」の命を、最早、償いようもない
    「レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 第239回
     /死刑映画週間『獄友』『白と黒』など8本を上映〜
     「死刑という刑罰」を考える】」
    《金聖雄(キム・ソンウン)監督の『獄友(ごくとも)』は、
     日本で起きた狭山袴田布川足利といったよく知られた
     殺人事件で長期拘束された5人の「冤罪(えんざい)被害者」に
     焦点を当てたドキュメンタリー。彼らはなぜウソの自白をしたのか、
     獄中で何があったのか? 互いに「獄友」と励まし合ってきたこと
     などが描かれる》

 布川冤罪事件で《潔白を勝ち取った男…冤罪被害者を支援し、濡れ衣を着せた司法の闇を世に引きずり出そうとしている》桜井昌司さんについての【映画『オレの記念日』】(https://oreno-kinenbi.com/)。

   『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、
        検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》
   『●桜井昌司さん《冤罪で服役29年》《事件発生から54年の長い時間》
      …検察や警察の捜査の違法性を認め、国と茨城県の損害賠償が確定
   『●布川冤罪事件で《潔白を勝ち取った男…冤罪被害者を支援し、濡れ衣を
        着せた司法の闇を世に引きずり出そうとしている》桜井昌司さん
   『●《冤罪事件というのは、最終的に再審などで無罪が証明されたとしても、
        その間に失われた時間は二度と取り戻せない。桜井昌司氏は…》

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https://oreno-kinenbi.com/

オレの記念日
金聖雄監督 最新作 映画『オレの記念日』



映画『オレの記念日』予告編
 (https://youtu.be/7On8fgAOzAM)

出演
布川事件:桜井昌司、桜井恵子、クー、ヒメ、杉山卓男
袴田事件:袴田巖袴田ひで子
東住吉事件:青木恵子
狭山事件:石川一雄、石川早智子

語り
小室等

監督
金聖雄

構成・編集:野村太/撮影:池田俊巳、渡辺勝重/現場録音:池田泰明/録音:吉田茂一
音楽・演奏:吉野弘志/スチール:村田次郎
イラスト:千葉佐記子、石渡希和子/パンフレット制作:松井一恵/デザイン:加藤さよ子
制作デスク:沢口絹枝、若宮まさこ/宣伝:明石薫
製作協力:陣内直行、映像グループ翔の会
企画・製作・配給:Kimoon Film

ドキュメンタリー映画/日本/2022年/カラー/104分


チラシのPDFダウンロード
 


イントロダクション

冤罪により無期懲役判決を受けた20歳の若者が、
29
年の獄中生活で悟った人生の意味とはーー

20歳の時に布川事件で冤罪により殺人犯とされ、29年間を獄中で過ごした桜井昌司さん。2011年に無罪判決、そして2021年には勝てないと言われ続けた国家賠償裁判での完全勝利など、次々に人生を逆転させていく。2019年には末期ガンにより”余命1年”と宣告されるも、食事療法などを続け、3年が過ぎた現在も精力的に全国を駆け巡る。


彼の「記念日」は今日も続くーー
1967年10月10
 夜風に金木犀は香って
  初めての手錠は冷たかった
     ―桜井昌司「記念日」*より―

1967年10月10日の出来事から始まる詩。
桜井さんは、獄中にいた時から塀の外にいる父へ、母へ、そして自分自身へ向けて多くの詩を書きとめてきた。
冤罪により逮捕された日すらも「記念日」にして飄々と前に進み続ける桜井さんの姿は、閉塞感を抱えながら今を生きる私たちに大切なことを教えてくれる。

布川事件とは
1967年8月、茨城県利根町布川で発生した強盗殺人事件。
捜査が難航する中、茨城県警は地元で素行が悪かった桜井昌司さんと杉山卓男さんを別件逮捕。長時間に及ぶ取り調べの末、虚偽の「自白」をさせ、検察は物証がないまま起訴した。1978年無期懲役判決が確定。29年の獄中生活を経て仮出獄。2009年12月再審開始決定。2011年5月24日に無罪が確定した。


『獄友』の金聖雄監督最新作

監督は、『SAYAMA みえない手錠をはずすまで』『袴田巖 夢の間の世の中』『獄友』を手がけた金聖雄。これまでも冤罪被害者たちの"人としての魅力"を伝え続けてきた。
12年間という長期に渡り桜井昌司さんを追った本作では、冤罪という不運を強さと優しさに変え、しなやかに生きる姿を丁寧に描き出す。

―――――――――― 魔法の言葉 ――――――――――

「冤罪で捕まって良かった!」

「どんなに辛いことや苦しいことがあったとしても、それを喜びに変えられるのが人生だ」

桜井昌司さんが言い放つ言葉には不思議な力がある。どう言えばいいのだろうか、笑った後で深く考え納得させられる。そしていつの間にか自分もがんばろうという気持ちになれる。桜井さんは私たちの想像が及ばないような壮絶な人生を経験している、にもかかわらず苦しみや絶望を決して語らない。だからこそ彼の生き方や一言ひとことは軽やかで重く、誰の心にも響くのかもしれない。

冤罪被害という絶望的なテーマの中で、私が映画を作りながら希望を見出していくと言う不思議な感覚を、ぜひ映画を観ることで体感してほしい。きっと誰もが一歩踏み出す勇気をもらえるだろう。

金 聖雄
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 コメントが凄く読み応えがある。

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https://oreno-kinenbi.com/comments

コメント
映画『オレの記念日』にお寄せいただいたコメントをご紹介します


冤罪は、その人の尊厳と自由を奪っていく。
桜井さんはなぜ、ここまで笑顔で笑っているのだろう
桜井さんはなぜ、ここまで受け止めていけるのだろう
この映画を通して「桜井さん」に惚れない人はいない
「自由を取り戻した日のために、仕事をする日のために」
奪われた日々が責任を取ることで戻ってくるわけではない
不思議
桜井さんはいつだって前を見ている
冤罪で収容されていた日々ですら
会いたい、桜井さんに
聴きたい、桜井さんの キンモクセイ。
冤罪によって自由を奪われた人が、今もいるかもしれない
無関心ではいられない問題を
無かった事にしてはいけない

     サヘル・ローズ(俳優/人権活動家)


『不運は不幸ではない』という言葉にたどり着いたその日々を多くの人に知ってほしい。

     周防正行/映画監督


最初から最後までゲラゲラ笑いながら観てしまいました
桜井さんの人間的魅力はそれほど強烈です
「ぴったし カン・カン」というテレビ番組がスタートし、
やがて「ザ・ベストテン」も始まり、
ついに「ニュースステーション」も終了
これが、ぼくにとっての29年間でした
桜井さんの獄中生活と同じです
これは長かったでしょう
その時間を「楽しかった」と言い切る桜井さんは、まさに超人
若い人にとか司法関係者にとかは申しません
すべての人に観てもらいたい映画です

     久米宏(フリーアナウンサー)


語弊を怖れず言うと、なんと面白い冤罪映画なのだろう、と。もちろんこれは「主演」桜井昌司さんのキャラクターに負うところが大きいのだけれど、そんなサービス精神旺盛な主役をそっと軌道修正する「助演」の奥様の存在も効いている。
桜井さんの痛切の念も一方で描かれ、従前の冤罪映画とは一線を画す面も。再審、国賠訴訟と勝利した後の半生を、いまだ冤罪と戦う被害者と生きる桜井さんは、そこで初めて静かな怒りをのぞかせる。

     やくみつる(漫画家)


悪政まみれのクソニッポン国の中で、理不尽にも冤罪事件で29年間の牢獄生活を余儀なくされた桜井昌司さん。私だったら、生きる気力を無くして絶望の淵に沈んでしまうだろう。

しかし、桜井さんは違う。
「冤罪事件が私を生まれ変わらせてくれた、ありがたい、と思っている」と価値観を逆転させる奇跡の言葉。
まさに、国家権力の横暴さを無化せしめる魔法を見せてくれる映画である。

     原一男(映画監督)


映画の観賞中、「この話がドキュメンタリーではなくフィクションだったらよかったのに…」と何度思ったことか。それほど桜井昌司さんに起きたことは辛い。冤罪で29年間にもおよぶ獄中生活を強いられたのだから。
でも桜井さんは最初から最後まで明るい。刑務所の中では毎日はつらつと元気に働いていたと語る桜井さん。現在は冤罪に苦しむ仲間を勇気づけるため全国を駆け回っている。
配偶者となった女性は「彼の明るさに惹かれた」と話す。桜井さんの言葉「不運は不幸ではない」を通して「幸せとは何か」を考えさせられる。「冤罪」だけではなく、「人間の生き方」について考えさせられる映画である。

     サンドラ・ヘフェリン(著述家)


私は、子どもの頃に「警察により無実の罪がでっち上げられる」という国家の闇に触れる機会があった。「冤罪」である。
いわれなき罪を強大な権力にでっち上げられた人の怒りと失望と恐怖を思うと、今も、自分のこぶしを床に打ち付けて叫びたい衝動にかられる。
映画の主人公、桜井昌司さんは、自然体の姿を私たちに見せ、どんな人生でも楽しめると励ましてくれる。その裏側には、想像を絶する失望の夜と、今なお超えていない闇があるだろう。
明るい桜井さんの背中こそが、最大の権力への復讐であるように私には見える。そしてその隊列を共にしたいと、映画を観て改めて心に誓った。

     大石あきこ(れいわ新選組 衆議院議員)


昌司さんと出会ってもう10年以上になる。冤罪事件の救済や再審法改正に向けた活動でともに闘い、時にはライブコンサートで同じ舞台にも立った。
歌、文筆、料理、庭仕事、、、と何でもこなす器用さ、聴衆層に応じて臨機応変に対応できるスピーチの上手さ、何より人を惹きつけて止まない包容力に接するたびに「神様がこの人を選んで、この過酷な運命を背負わせたとしか考えられない」と常々感じていた。
この映画を観て、その思いがますます強くなった。
そのような存在である昌司さんのドキュメンタリーだから、どんなにストーリーが練られた上質なドラマよりも、どれほどプロットの巧みなフィクションよりも、ずっと面白いのだ。
しかも金監督は、昌司さんのすべてをつぶさに描き切るのではなく、彼の日常を淡々と描くことで、観る側に「想像するのりしろ」を残してくれた。
観客の皆さんにはぜひ、ポジティブで楽観的で明るい昌司さんの向こうに、冤罪にどれほどの理不尽と苦悩と怒りが渦巻いているかを、想像していただきたい。
2019年9月、私の夫がステージ4の大腸がんと診断されたのと同じころ(実に1日違いで)、昌司さんもステージ4の直腸がんと診断されたことを知り、衝撃を受けた。
夫はすでにこの世にいない。
布川事件が国賠まで完全勝利した一方、大崎事件はまだ再審請求段階の闘いが続いている。
正直胸が苦しくなるときもあるけれど、だからこそ、昌司さんにはまだまだ生き続けて、ともに闘いを続ける同志でいてほしい。

     鴨志田祐美(弁護士、大崎事件弁護団事務局長、
           日弁連再審法改正実現本部本部長代行)


桜井さんの優しさ、明るさにスクリーンから元気を貰いました。
私は芸人なので「怒り」を「笑い」に変えて伝えると元気になることを知っています。
無実なのに29年間も獄中にいた桜井さんが笑顔で前向きにしかもユーモアを忘れず生きている姿に私も「人を信じて、自分を信じて生きて行こう!」と、勇気をそして元気を貰いました。

     松元ヒロ(芸人)


「冤罪で捕まって良かった」と、言い切れる桜井さんの哲学はあくまでポジティブであり、ただごとでない。

     坂田明 (ミュージャン)


桜井さん、なんて魅力的な人なんだろう。
こんな言葉言える人がいるなんて。
それに引き替え、なんという権力の傲慢さよ。
間違いを認めたならば、あやまりなさいよ。
むかっ腹が立ちました。
無実で29年間も牢獄に閉じ込められる事実。
そんな冤罪が数限りなく存在するこの国。
金監督、渾身の映画。
たくさんの方々に、見てもらいたい。

     白崎映美(歌手)


この映画は「ことばの力」の映画である。
桜井昌司さんは、強制的な「自白」によって、殺人犯としてデッチ上げられ、29年間、塀の中の生活を強いられた。
獄中で、自らの言葉を詩として書きとめ、うたとして歌い、「ことばの力」で、心と身体がバラバラになりそうになる自らを励まし、再生への道を一歩一歩進んでいった。
怒りや怨みつらみの苦い汁をぐっと飲みほし、それらを「笑い」に変えて生きる──その生き方に、毎日つまらないことに凹んで生きるぼくたちは大いなる力をもらえる。
桜井さんは言う。「自分のことばで、自分を汚さないように」と。だからこそ詩を書き、日記をつけ、自らの歌をうたってきたのだろう。
言葉は、ひとを破滅に導きもするし、再生にも導く。桜井さんは「笑い」に包みながら、「ことばの魔力」を、ぼくたちにそっと教えてくれている。

     吉村喜彦(作家)


再審無罪判決、そして針の穴を通す以上に難しいとされる国賠訴訟での勝利。その筆舌に尽くしがたい過酷な闘いのなかでも人間性を失わない桜井昌司さんの日々が鮮やかに記録されていた。映画をなにより魅力的なものにしているのは、お連れ合いの恵子さんの存在だ。冤罪でおなじように苦しむ人たちを支援するため全国を駆け回るなかで、末期のがんにも見舞われるが、昌司さんのよさを自然体で支える姿にこころ洗われる思いがした。警察の捜査の闇や司法の理不尽を、静謐かつ骨太に告発するドキュメンタリー。金聖雄監督の12年にわたるゆるぎないまなざしが、見事な作品に結実したことを喜びたい。

     永田浩三(大学教授・ジャーナリスト)


「死刑になりたい」と人を刺すほどに中学生の少女を追い詰める日本社会。彼女が刃物に握った渋谷で観たこの映画。ことを起こす前に彼女に見せられなかったことを悔やむ。全編に流れる詩人でシンガーソングライター桜井昌司の朗読や歌が観る者、聴く者の心をふるわせ、もう一度前を向こうと励ますからだ。桜井は言外に言う、自分が詩や歌を書き、メロディを紡ぐことができるのは、29年に及ぶ不条理な獄中暮らしがあったから、と。希有な詩人の原点と歌の生まれる在処を探りながら桜井に伴走し、ミュージカルドキュメンタリーに結実させた金聖雄監督。彼の「冤罪三部作」にも通じるブルースもまた、通奏低音となって流れる。「ことを起こす前」に是非、観て欲しい。

     豊田直巳(フォトジャーナリスト)


あれだけ理不尽な裁判を受け続け、30年近い長期の獄中生活を余儀なくされながら、ここまで明るく前向きに生きられる人がいるという事実は、まさに「驚異」である。
ステージ4の直腸がんをも見事に克服しつつある桜井さん。どうか、あのチャーミングな「自慢の恋女房、恵子ちゃん」との生活を、今後も精いっぱい楽しんでください。

     木谷明(弁護士)


刑務所の中でも、楽しいことを見つけ、努力してきた桜井さん。飄々と現実を受け止め、これまでとかわらず、生活をしています。先のことは、誰にもわかりません。
これからも桜井さんと伴侶の方が楽しく暮らせますように。冤罪のない世の中を目指す闘いに、私も強く関心を寄せていきたいと思います。

     宮子あずさ(看護師・随筆家)


僕は桜井さんの姿を通じて自分達が閉じ込められている社会というシステムの機能不全を知り、彼の足元から始まる空の、世界の存在に人間の本来性を思い出す。そして彼の笑顔を眺めながら、彼の歌に痺れるのだ。

     ダースレイダー(ラッパー)


2019年12月、私が現在、音楽の講師を務めている東京都立南葛飾高校定時制に桜井昌司さんを招いて、生徒たちにお話をしていただいた。はじめざわざわしていた生徒たちも、桜井さんの話にすぐに引き込まれ、真剣に深く聞き入っていった。桜井さんに出会うことができた生徒は、その瞬間、人生の軌道が確かに「変わった」。この映画を見た方にもまた、同じ出来事が起こるかもしれない。多くの人たち、特に高校生、大学生にぜひ観てもらいたいと思う。

     李政美(歌手)


29年間獄中生活を強いられ、仮釈放の後も殺人犯の汚名を着せられたまま、計43年間もどうやって耐え抜くことが出来たのか。その感情のメカニズムが僕にはわからない。

僕に言えることは、桜井さん、あなたは誰よりも幸せになる権利がある。残りの人生を恵子さんと共に幸せに過ごしてください。

     小室等(フォークシンガー、作曲家)
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●《カネ、カネ キャッシュ、キャッシュ 現金、現金 キャッシュッシュ》(統一協会「愛唱歌」)と同じ、カネカネカネ…金(カネ)色の五つの輪

2022年10月22日 00時00分13秒 | Weblog

[※ 筑紫哲也 NEWS23とメディアの未来 望月衣塑子が尋ね 金平茂紀が語る (週刊金曜日、2021年12月03日1356号)↑]


 (2022年10月09日[日])
カネカネカネ、金(カネ)色の五つの輪につながる統一協会の合唱歌。ボイコフ教授は《五輪がごり押しされるのは「主な理由は3つ。カネ、カネ、カネだ」》。

 再掲します。カネカネカネ…余談ですが…思い出される。
 dot.の記事【【朝日ジャーナル #3】統一教会「霊感商法」の巨大な被害(1986年12月5日号)】(https://dot.asahi.com/dot/2022082600075.html)によると、《■呪術地獄を演出した巫女たちの証言 「因緑」や「霊能」を説いて印鑑や壺、多宝塔を売っていた体験を持つ数人に会った。どの人も、世界基督教統一神霊協会(統一教会)のかつての会員や信者だった、と自らを語った。彼らの話した「売る側の体験」は、被害者の目には神秘的とも映った霊感商法の舞台裏をさらけ出す》、さらに、《■迷い許さぬ上部指示 中部地方の元教会員の一人は、汽車ポッポの替え歌を教えてくれた。毎朝、印鑑売りに出かける前の“出発式”などで合唱し、景気をつけたという。こんな歌詞だ。カネ、カネ キャッシュ、キャッシュ 現金、現金 キャッシュッシュ 僕らはやるぞ 現金、現金、キャッシュッシュ S展、億展、勝利するぞ 畑も売る売る 家も売る おかあさん、がんばろう、がんばろう 浄財だ、浄財だ うれしいな》。
 札幌!? 冗談でしょ。カネカネカネ、金(カネ)色の五つの輪…まさに、ボイコフ教授《五輪がごり押しされるのは「主な理由は3つ。カネ、カネ、カネだ」》を、再度、やろうとしている。

   『●金(カネ)色の五つの輪の中止を! …《フタを開ければ、おぞましい
        ほどカネにまみれているのが五輪の実態なのだ》(金子勝さん)
   『●ボイコフ教授《新型コロナウイルスのパンデミックのさなか、聖火
     リレーは五輪の虚飾のため、公衆衛生を犠牲にする危険を冒している》
   『●《五輪利権をむさぼり尽くさずにはいられない豚の卑しさと…中国に
     「証し」とやらのマウントを取られたくないド腐れ猿の哀れすぎる性》
   『●金(カネ)色の五つの輪、《中止になって「万歳」でなく、3兆
     6000億円をどぶに捨てたのは誰だと責任追及しなければならない》
   『●ボイコフ教授《五輪がごり押しされるのは「主な理由は3つ。カネ、
     カネ、カネだ」…「そのカネのほとんどはアスリートではなく…」》
   『●《「パソナ」の純利益が前年の10倍以上》―― カネカネカネの金
     (カネ)色の五つの輪に便乗して、アサマシき「なんでも金、金、金」…
   『●東京五輪、金(カネ)色の五つの輪…ボイコフ教授《五輪がごり押し
     されるのは「主な理由は3つ。カネ、カネ、カネだ」》を札幌でも…

 AERAの記事【誰のため、何のための東京五輪だったのか 白井聡×望月衣塑子「五輪汚職」対談】(https://dot.asahi.com/aera/2022092800088.html)によると、《昨夏の東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件が波紋を広げている。何のための五輪だったのか。なぜいま、捜査が行われているのか。政治学者・白井聡さんと東京新聞記者・望月衣塑子さんが語り合った》。
 もう一つのAERAの記事【白井聡×望月衣塑子「呪われた五輪」を振り返る 中止しなかった腐敗の構図とは?】(https://dot.asahi.com/aera/2022092800108.html)によると、《東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件が波紋を広げている。コロナ禍に開催前から続いた数々の不祥事。「呪われた五輪」の腐敗の構図が次々と明らかになり、掲げられた理想は遠くかすむ。いったい、こんな五輪に誰がした──。政治学者・白井聡さんと東京新聞記者・望月衣塑子さんが語り合った》。

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https://dot.asahi.com/aera/2022092800088.html

誰のため、何のための東京五輪だったのか 白井聡×望月衣塑子「五輪汚職」対談
2022/10/02 08:00

     (海上に設置された五輪マークのオブジェ。風の影響で周りは
      波立っていた=2021年2月、東京都港区、
      朝日新聞社ヘリから)

 昨夏の東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件が波紋を広げている。何のための五輪だったのか。なぜいま、捜査が行われているのか。政治学者・白井聡さんと東京新聞記者・望月衣塑子さんが語り合った。AERA 2022年10月3日号の「五輪汚職」特集の記事を紹介する。

*  *  *

白井:元電通専務で東京五輪・パラリンピック大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者の逮捕に端を発した「五輪汚職事件」で、検察による捜査が進んでいますね。ただ、東京五輪をめぐって「汚いカネ」が動いているんだろうなということは、ずいぶん以前からさまざまな識者から指摘されていました。

望月:英国の通信社ロイターも五輪前の2020年3月、高橋容疑者が招致委員会から820万ドル(当時のレートで約9億円)を受け取り、ロビー活動していたと報じていました。五輪招致疑惑でIOC(国際オリンピック委員会)委員だった際の収賄容疑が持たれているラミン・ディアク世界陸連前会長(セネガル)に腕時計などの贈り物をしたと。そういう情報は日本の検察にも入っていたはず。だけど開催までは黙っていたと。これはこれで罪な話です。


■メディアの姿勢は

白井:なぜいまになって捜査が行われているのか。私には安倍晋三さんという政治家が亡くなり、疑惑にふたをする「重しが取れた」ことが大きいとも見えますが、何よりも指摘したいのはメディアの姿勢の問題です。東京五輪の招致をめぐって19年、JOC(日本オリンピック委員会)の竹田恒和前会長がフランス検察当局の捜査対象になったときも、真相はどうなのかという追及をやろうとしなかった。これって要するに「新聞社がみんな五輪のスポンサーになっちゃったからでしょ?」っていう、ものすごくわかりやすい話に見えるんです。それをいまになって疑惑が広がっている状況を「驚きだ」みたいに伝えているのを見ると、あなたたちのカマトトぶりこそ驚きだ、と言いたくなります。

望月:これまで五輪のスポンサーは「1業種1社」に限られていたところを、今回の東京五輪では複数の新聞社がスポンサーになりました。「オフィシャルパートナー」として朝日、毎日、読売、日経の4社で各60億円。「オフィシャルサポーター」に北海道新聞と産経新聞で各15億円のスポンサー料を払うことになったと言われています。2008年の北京五輪で読売がオフィシャルパートナーになったとき、すごく儲けたらしいんです。他社からすると「今回は読売1社の牙城にさせまい」みたいな横並び意識もあったと思います。大会前、コロナの感染が爆発するなか菅義偉首相が「コロナに打ち勝った証しとして」などと言っているときに、スポンサーになった新聞社で社説に「中止せよ」と書けたのは朝日のみでした。メディア全体の論調として強く中止を形成していけなかった背景には、新聞社がカネ儲かるんだから、乗っかっておくかみたいなことをやって自ら利権に入り込んでしまった点も大きい。


東京新聞社会部記者 望月衣塑子(もちづき・いそこ、左):1975年、東京都生まれ。大学卒業後、中日新聞社(東京新聞)に入社。東京地検特捜部などを担当、事件を中心に取材。経済部などを経て現在、社会部遊軍記者/思想史家、政治学者 白井聡(しらい・さとし):1977年、東京都生まれ。京都精華大学教員。3・11を基点に日本現代史を論じた『永続敗戦論──戦後日本の核心』で第35回石橋湛山賞などを受賞した[写真/望月さん(本人提供)、白井さん(朝日新聞社)]


白井:私は五輪が始まる直前に、ある新聞社にコラム執筆を依頼されたんです。テーマは任せるというので、「五輪とメディア」について書きました。メディア企業がスポンサーになっていることで五輪の是非に関する報道はまずいことになっていないか。そして札幌五輪もやろうとしているようだが、再考した方がいいのではないかと。そうしたら掲載は不可。「原稿料は払います」と。載らないのに原稿料を受け取るのは嫌なので別テーマで書き直し、その原稿は改稿して別媒体に載せました。たぶんこの原稿はボツにされるぞ、と予期した上であえて試してみたんですが、やはり案の定でしたね。


■誰のため、何のため

望月:結局「誰のための、何のための五輪なのか」と考えると、「電通利権のための五輪なのでは?」という結論にならざるを得ないんです。高橋容疑者からすると、東京五輪という巨大なイベントを成功させるために──ここで言う成功はつまり、五輪を商業ビジネス的にいかに「稼げる」ようにするかということだと思いますが、そのために、おそらくさまざまなリスクも負って体を張ってやってるんだと。カネもらうくらい当たり前だろ、という感覚もあるかもしれない。でもこれほどに腐った面々が次々と明るみに出てくると、商業主義に浸りきってしまった五輪というものがそもそも本当に必要なのかという原点を問うてしまうし、何よりも選手にとって不幸ですよね。
 組織委は、スポンサー企業の選定やライセンス商品の承認などにも関わる中枢部局「マーケティング局」など、各部局の幹部に電通社員が多く出向していると聞きます。ライセンス商品をどうしても決めたかったりする企業が、規模は小さくても接待だとか高橋容疑者にやっているのと似たようなことをやっているのは想像に難くないですよね。だから、五輪利権=電通利権であるという感じかなという気がします。

(構成/編集部・小長光哲郎)

※AERA 2022年10月3日号より抜粋
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https://dot.asahi.com/aera/2022092800108.html

白井聡×望月衣塑子「呪われた五輪」を振り返る 中止しなかった腐敗の構図とは?
2022/10/03 08:00

     (東京招致が決定=13年9月、代表撮影)

 東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件が波紋を広げている。コロナ禍に開催前から続いた数々の不祥事。「呪われた五輪」の腐敗の構図が次々と明らかになり、掲げられた理想は遠くかすむ。いったい、こんな五輪に誰がした──。政治学者・白井聡さんと東京新聞記者・望月衣塑子さんが語り合った。AERA 2022年10月3日号の記事を紹介する。

*  *  *

白井:まず、カネと利権。そもそも五輪に、それ以外のことってあったんですか?とさえ思う(笑)。だから私は、いま、さまざまな汚職が明るみに出始めて、ある意味ようやっと東京五輪が「本当に開幕したな」と感じています。だってもう最初から、「アンダーコントロール」というウソから始まり、「(東北のための)復興五輪」という意味不明な言葉、国立競技場の建て替えをめぐるごたごた、エンブレム選び、開会式直前に楽曲担当者と演出担当者が降板に至るスキャンダル、組織委会長だった森喜朗氏の女性蔑視発言と引責降板、マラソン・競歩開催地移転にコロナ禍で強行開催──もう本当にすべてが「恥ずかしい」の一言でしたから。

望月:でもたとえば森さんの女性蔑視発言などは、明るみに出て海外にも報道され、日本の人権意識やジェンダー意識の低さが露呈したからこそ、日本で「あ、これって異常なんだ」と気づくことができた人も多いと思います。東京五輪で数少ない「良いこと」かも。今回の汚職でいろんなことが明らかになっていることも同様です。

白井:問題は、その気づきを得るために何兆円かかっているのか、ということですよ。
 なぜ、東京五輪がここまで呪われたものになっているのか。根本の動機が不純だからだと私は思います。動機とは、さかのぼれば3.11を利用したことです。
 バブル崩壊以降、日本は経済と暮らしがどんどん右肩下がりになってきて、「平和と繁栄の戦後」というイメージが維持できなくなっていた時に、東日本大震災と原発事故が起きた。本当ならそこで、「あ、戦後の肯定的なイメージをこのまま持続することはもう、絶対にできないんだ」と立ち止まり、見つめ直さないといけなかった。だけど、それは嫌だと。「日本はすごいんだ」と引き続き思い込みたくて「ここは東京でオリンピックだ!」となったわけです。大阪万博開催も同じ動機だと思います。要するに、高度成長期へのノスタルジーで、厳しい現実を否認しようとする、その「否認の欲望の塊のイベント」が東京五輪だった。


東京新聞社会部記者 望月衣塑子(もちづき・いそこ、左):1975年、東京都生まれ。大学卒業後、中日新聞社(東京新聞)に入社。東京地検特捜部などを担当、事件を中心に取材。経済部などを経て現在、社会部遊軍記者/思想史家、政治学者 白井聡(しらい・さとし):1977年、東京都生まれ。京都精華大学教員。3・11を基点に日本現代史を論じた『永続敗戦論──戦後日本の核心』で第35回石橋湛山賞などを受賞した[写真/望月さん(本人提供)、白井さん(朝日新聞社)]


■歴史も記憶も壊す

望月:本当にそうですね。

白井:で、いわばその欲望を政治的に代表していたのが、安倍晋三さんという政治家だったと思います。
 たとえば会場となった国立競技場。あれは旧国立競技場を改修して使う手もあったと思うのですが、そんな否認の欲望によるイベントの結果、本当にかけがえのない歴史や記憶も壊しましたよね。私、さんざん五輪の悪口を言っていますけど、スポーツを見るのは本来、大好きなんです。旧国立競技場ではサッカーなどの名勝負や名場面が本当にたくさんあって、私にとっては大切な記憶です。それを金儲けと、否認の欲望を持続させたいがためにぶっ壊した。その恨みは一生忘れませんよ。

望月:五輪の開催地では再開発や、樹木が伐採されるなど自然環境破壊含めて必ずトラブルが起きますよね。これを機会に、本当に五輪の開催はもうやめてほしいと思います。
 あらためて振り返っても、東京五輪は開催すべきではありませんでした。当時の首相の菅さんがなぜ「中止」という英断をできなかったか。あの夏、コロナの感染が拡大して、救急車を100回呼んでも来ないとか死者の急増とか本当に深刻な状況でした。そんな中で、児童を全国で128万人、都内で90万人、大会観戦に動員する「学校連携観戦プログラム」という話があって、それに菅さんが「私も学生時代に東洋の魔女を見て感動したから」とか言って実現にすごくこだわってました。本当は学校内での集団感染が増えているという統計が出ていたのに、それもあえて発表せずに、です。コロナ感染に対する菅さんの甘さは際立ってひどかったと思います。なぜそこまで、「盛り上げ」たかったかというと、「五輪をやったオレ」という「菅レガシー」を作りたかったのと、あとはもうIOC(国際オリンピック委員会)も含めた巨大な五輪利権──高橋容疑者どころではない規模の──にどっぷりと浸かり、「とにかくやれよ、菅」というプレッシャーの中で、彼は決して退くことはできなかった。そういう状況もあったのではと思います。
 他にも、日本看護協会に500人のスタッフ動員要請が出て、批判を受けて取り下げたものの結局1日に医者230人、看護師310人もの人が五輪のために働くことになった。感染状況を考えると医療機関は猫の手も借りたい時期に、です。本当に、人の命を軽視する国だなと思いましたね。
 かと思えばその裏では、組織委の1日当たりの単価が人によって「80万円」だという内部告発がTBSの報道特集で報じられ話題になりました。お金がなく学校進学をあきらめる人がいる一方、税金から1人1日80万の手当が出るのはなぜか。こうやって振り返っても、なんかもうめちゃくちゃでしたね。


■命を軽視する国

白井:開催費用もどんどん青天井で膨らんでいって、最終的には約3兆円。招致段階の大会経費は7340億円ですから、約5倍に膨れ上がったことになる。他の開催国と比べても桁違いに大きい金額です。2020年の年末時点で追加経費2940億円が決まり、その時点で経費が1.64兆円になる見通しになったときには、森喜朗さんが「きちんと理屈はついている」などと言って、五輪と言えばいくらでもお金が出るみたいな状況になっていった。結局、問題は現代日本人の「たかり根性」ですよね。朝日新聞を含むメディア企業も、このイベントに社会的正当性があるのか一切考えずに翼賛に走った。その落とし前をどうつけるんだということがついに問われているのです。

望月:かくいう我が東京新聞も、社説では中止をとは書けず、「コロナ禍の東京五輪、大切な命を守れるのか」しか書けなかった。スポンサーにこそなってないけど、営業や事業局などでは儲けのチャンスがあるからだと。編集の現場とは全く違う論理で動く仕事とはいえ、そういう論理が結局、社説にまで影響していると思うと……。少しでも旨味が欲しいのが企業の本音とはいえ、残念です。


■自浄作用失った社会

白井:本当に、そういう私たち社会の醜さこそ金メダル級ですね。安倍政権が超長期政権化して「体制」化した日本にふさわしい醜さですよ。「とにかく儲かりさえすればよい」ということで歯止めがまったくかからず社会全体で暴走してしまった。残念ながら、検察による捜査・勾留という、国家の暴力装置を介した「合法的な暴力」でしか解決できない状況になったということですね。これは山上徹也容疑者のしたこととある意味で同じなんですよ。暴力が合法か非合法かという違いがあるだけで。自浄作用を失った社会の末路です。
 この疑獄は、相当大きく発展していく可能性があると思います。というか、捜査が政界までいかなきゃ意味がない。

望月:先ほど、いろんな暗部が明るみに出るのは五輪で数少ない「良いこと」だと言いましたが、それによって社会にショックを与え、私たちの五輪に対する考えの目が覚めるかというと、また別の話なんですね。読者は旧統一教会に関するニュースにはすごく反応するが、AOKIやKADOKAWAの逮捕劇では反応が弱いと聞きます。世の中の人たちにとっては、まだ身に迫るものがない。菅さんが「コロナに打ち勝つために五輪を」と言う一方で多くの死人が出るなど、肌感覚で身近に危機が感じられ、名の知られた政治家がシンボリックな形で罪に問われたとなると、世の中の五輪に対する空気も変わると思います。

白井:ただ、五輪のことを追ってきた人にとっては、今回最初に逮捕されたのが高橋治之さんだったというのは、「お、いきなりこの人来たか」と感じましたよね。捜査の本気度をじゅうぶん予感させるものでした。

望月:いま捜査に入っているのが地検特捜部の主に政治家や官僚などの汚職、贈収賄事件を担当する班なので、誰かしら政治家をターゲットにしているのではと私も思います。事件の広がりが大きいのでお金のルートを絞り込み、「これは」というところで踏み切ってくると見ていますけど。ここまでの大きな疑獄事件になって、札幌五輪への「悪影響」が言われていますが、このままいけば札幌五輪でも「汚職の構図」は変わりません。ここは潔く、開催をやめるべきだと思いますね。

(構成/編集部・小長光哲郎)

※AERA 2022年10月3日号より抜粋
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●《二階元幹事長…「…この方は国会とか民主主義の意味をお分かりなのか? と耳を疑います」》…金平茂紀さんの〝20秒の自由〟は必要

2022年10月07日 00時00分32秒 | Weblog

[※ 筑紫哲也 NEWS23とメディアの未来 望月衣塑子が尋ね 金平茂紀が語る (週刊金曜日、2021年12月03日1356号)↑]


 (2022年09月23日[金])
TBS御中、金平茂紀さんの〝20秒の自由〟は重要かつ必要なのでは?

   『●膳場貴子さん「『報道特集』の根幹は、調査報道に挑戦すること、
     現場からものを考えること、評論家よりも当事者の声に耳を傾ける…」
    《膳場貴子キャスターは「週末の夜に、こんな硬派な番組が40年間
     放送を続けられたというのは、ある意味奇跡的だなと思っています」
     と話し、番組についてこう説明した》
    《そして、「ぜひ注目していただきたいのは、豊富な取材経験に
     裏打ちされた金平(茂紀)キャスターが忖度せずに自由にものを言う姿。
     膨大な知識とアジア各国の取材を通じて誰よりも温かな眼差しを
     持った日下部(正樹)キャスターのものの見方。そして、腹が座った
     若き皆川(玲奈)キャスターがタイムリーに現場に出て届けてくれる声を
     楽しんでいただければと思います」と呼びかけた》
    「久米宏さんの『ニュースステーション』時代の面影も無く、
     テレ朝の報道ステーションがアノ状態…そんな中で、唯一頑張る
     TBS。テレビ番組で報道と呼べるのは、もはやTBSの
     『報道特集』と『サンデーモーニング』だけ。
     その『報道特集』がギャラクシー賞報道活動部門の大賞を受賞した
     そうだ。本当に目出度い」

   『●『報道特集』冒頭の金平茂紀さんの〝20秒の自由〟が奪われる…
     の監視」「少数者であることを恐れない」「多様な…」はどこに?

 2021年12月08日のブログから再度。
 ―――――― 金平茂紀さんが金曜日 #大竹メインディッシュ のゲスト。金曜日は室井佑月さん。『報道特集』冒頭の〝20秒の自由〟にて、(アフガン報道)(「腰抜け」)「腰が引けた状態」発言。筑紫哲也さんの『ニュース23』の頃とは大違い。筑紫さんの最後の『23』での言葉、「権力の監視」「少数者であることを恐れない」「多様な意見を提示して自由の気風を保つ」…今や「権力に阿る」「愛玩犬」。【大竹まこと ゴールデンラジオ(2021年11月26日)】(https://www.youtube.com/watch?v=ZgD8bbVujDw)。 ――――――。



 『報道特集』冒頭の金平茂紀さんの〝20秒の自由〟が奪われる……筑紫哲也さんの『ニュース23』の頃の“筑紫イズム”=「権力の監視」「少数者であることを恐れない」「多様な意見を提示して自由の気風を保つ」はどこに? TBSは「権力に阿る」「愛玩犬」に堕ちるのか? 《TBSから“筑紫イズムの火は消えるのか》…。
 《山口敬之氏が起こした性暴力事件》当時、金平茂紀さんがむしろ批判されていたけれども、当然ですが、批判の矛先は山口敬之氏は当たり前として、TBSそのものに向けられるべきだった訳です。金平さんは《『あまりに非道なことが局内と政治権力の間で罷り通ってしまったと断罪していますが、徹底的な内部調査を主張したにもかかわらず、当時の経営陣は懲罰委員会を開くことすらせず、うやむやにして山口氏を早期退職扱いにしてふたをしてしまった》のはTBS。
 《「真実を伝えて、権力を監視する」──。岸井氏の“遺言”を報道に携わる人間は重く受け止めなくてはないらない》はずだったのにね。『筑紫哲也 NEWS23』の「多事争論」にて、筑紫さんは、かつて、「TBSは今日、死んだに等しいと思います」と。TBSは、何度〝死んだに等しい〟ことをすれば、気がすむのでしょうかね? そして、看板の報道番組『報道特集』から金平茂紀さん切るとは、心底呆れる。

 こういう記事を見ると、心底そう思うよ。TBSは再考すべきだ。
 東京スポーツの記事【金平茂紀氏 自民・二階氏の〝上から発言〟猛批判「耳を疑う」「民主主義の意味をお分かりか?」】(https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/news/4448498/)によると、《これを受け金平氏は「自民党の二階元幹事長が、安倍元首相の国葬について『黙って手を合わせて見送ってあげたらいい』『こんな時に議論すべきじゃない』などと述べました。議論するためのテレビ番組出てきて『議論すべきじゃない』とは。この方は国会とか民主主義の意味をお分かりなのか?と耳を疑います」と厳しい口調。》

 〝箕部〟元幹事長ときたら《「みんな黙って手を合わせて見送ってあげたらいい」…。…「(国葬が)終わったら反対していた人たちも必ず良かったと思うはず日本人なら」…。また「国葬がどうだとか、こんな時に議論すべきじゃない控えるべきだ」》…って、正気で言ってるのだろうか? 特に「日本人なら」ってのが醜悪過ぎる。

   『●アベ様一族…元最低の官房長官や副首相、〝箕部幹事長〟、無《責任
      政党》やお維の連中、《下足番》新聞やアベ様広報紙などのメディア
   『●河井克行元法相買収事件…それにしても、箕部幹事長が2度目の
     他山の石発言、対岸の火事気取りな自民党の岸辺の大火事に気づかないふり
   『●〝箕部幹事長〟「菅総裁は頑張っている。むしろしっかり『続投していた
      だきたい』という声の方が、国民の間にも党内にも強いのではないか」
   『●河井克行元法相夫妻による1.5億円買収事件の原点は《現職で元防災
     担当相、5期連続当選の溝手顕正氏》に対するアベ様による《私怨》
   『●《元首相が殺害されて以降の岸田氏は権力欲の権化だ。統一教会で
     大揺れの政局に乗じて…国民支配をもくろむ。…民意ごとき屁でもない…》
   『●《自慢の「聞く力」とはなんだったのかと思わせるほど、国民世論はまる
     で耳に入っていないし、いわんや「バカ」呼ばわりまでしてバカ》なの?

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https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/news/4448498/

金平茂紀氏 自民・二階氏の〝上から発言〟猛批判「耳を疑う」「民主主義の意味をお分かりか?」
2022年09月17日 18時44分

     (自民党・二階俊博氏(東スポWeb)

 ジャーナリストの金平茂紀氏が17日、TBS系「報道特集」に出演。自民党の二階俊博元幹事長の〝上から発言〟に物申した。

 二階氏は16日、TBSのCS番組で、安倍晋三元首相の国葬をめぐり世論が割れていることに「みんな黙って手を合わせて見送ってあげたらいい」と指摘。反対論には「(国葬が)終わったら反対していた人たちも必ず良かったと思うはず日本人なら」と述べた。また「国葬がどうだとか、こんな時に議論すべきじゃない控えるべきだ」とも語っていた。

 これを受け金平氏は「自民党の二階元幹事長が、安倍元首相の国葬について『黙って手を合わせて見送ってあげたらいい』『こんな時に議論すべきじゃない』などと述べました。議論するためのテレビ番組出てきて『議論すべきじゃない』とは。この方は国会とか民主主義の意味をお分かりなのか?と耳を疑います」と厳しい口調。

 続けて「国葬予定日まであと10日。きちんと議論すべきです」と強く訴えた。


【関連記事】
ぜんじろう 立憲・野田元首相の国葬出席に皮肉「第二次安倍政権の生みの親です」
ラサール石井 自民党・二階俊博氏の発言に痛烈皮肉「国民の半分が日本人じゃないらしい」
「ドンと思っているのか」国葬めぐる二階氏の〝上から発言〟を米山隆一氏が批判
安倍氏国葬でダンマリ決め込む麻生太郎氏 ラサール石井激怒「全額麻生財閥で出せや」
安倍氏の国葬に自民・二階元幹事長「黙って手を合わせて見送ればいい」発言でネット大荒れ
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●《金平は…「今のこの時代に正気でいることの困難さ、切実さ」と記している。金平を切ることでTBSは「2度目の死」を迎えることになる》

2022年09月28日 00時00分50秒 | Weblog

[※ 筑紫哲也 NEWS23とメディアの未来 望月衣塑子が尋ね 金平茂紀が語る (週刊金曜日、2021年12月03日1356号)↑]


(20220914[])
TBSは、何度〝死んだに等しい〟ことをすれば、気がすむのでしょうかね?
 『報道特集』冒頭の金平茂紀さんの〝20秒の自由〟が奪われる……筑紫哲也さんの『ニュース23』の頃の“筑紫イズム”=「権力の監視」「少数者であることを恐れない」「多様な意見を提示して自由の気風を保つ」はどこに? TBSは「権力に阿る」「愛玩犬」に堕ちるのか? 《TBSから“筑紫イズムの火は消えるのか》…。

   『●『報道特集』冒頭の金平茂紀さんの〝20秒の自由〟が奪われる…
     「権力の監視」「少数者であることを恐れない」「多様な…」はどこに?
    「金平茂紀さんが金曜日 #大竹メインディッシュ のゲスト。金曜日は
     室井佑月さん。『報道特集』冒頭の〝20秒の自由〟にて、
     (アフガン報道)(「腰抜け」)「腰が引けた状態」発言。
     筑紫哲也さんの『ニュース23』の頃とは大違い。筑紫さんの最後の
     『23』での言葉、「権力の監視」「少数者であることを恐れない
     「多様な意見を提示して自由の気風を保つ」…今や「権力に阿る
     「愛玩犬」。」

 (日刊ゲンダイ)《山口敬之氏が起こした性暴力事件》当時、金平茂紀さんがむしろ批判されていたけれども、当然ですが、批判の矛先は山口敬之氏は当たり前として、TBSそのものに向けられるべきだった訳です。金平さんは《『あまりに非道なことが局内と政治権力の間で罷り通ってしまったと断罪していますが、徹底的な内部調査を主張したにもかかわらず、当時の経営陣は懲罰委員会を開くことすらせず、うやむやにして山口氏を早期退職扱いにしてふたをしてしまった》のはTBS。
 (リテラ)《「真実を伝えて、権力を監視する」──。岸井氏の“遺言”報道に携わる人間重く受け止めなくてはないらない》はずだったのにね。『筑紫哲也 NEWS23』の「多事争論」にて、筑紫さんは、かつて、「TBSは今日、死んだに等しいと思います」と。TBSは、何度〝死んだに等しい〟ことをすれば、気がすむのでしょうかね? そして、看板の報道番組『報道特集』から金平茂紀さん切るとは、心底呆れる。

   『●”テレ朝は今日、死んだに等しいと思います”
   『●岸井成格氏を支持する: 「TBSは今日、
     再び、死んだに等しいと思います」なんてことが起こらぬために
   『●「TBSは今日、再び、死んだに等しいと思います」 
       なんて方向に進んでいないか? 報道は見て見ぬふり?
   『●岸井成格さんの〝遺言〟「真実を伝えて、
     権力を監視する」…「報道に携わる人間は重く受け止めなくては」
   『●室井佑月さん×金平茂紀さん対談: 《安倍政権の
      言論弾圧体質によって、どんどん悪化している報道の萎縮》①
   『●室井佑月さん×金平茂紀さん対談: 《安倍政権の
      言論弾圧体質によって、どんどん悪化している報道の萎縮》②

 日刊ゲンダイのコラム【元木昌彦 週刊誌からみた「ニッポンの後退」/TBS「報道特集」金平茂紀キャスター降板で20年前の「ザ・スクープ」打ち切りを思い出した】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/311186)によると、《金平は9月3日の同番組冒頭、「日本がプーチン大統領のロシアのように上から強制する国になったとは思いたくありませんが」と語った。この上というのは、社のトップのことであろう》、また、《筑紫は、TBSのプロデューサーがオウム真理教側に事前にビデオを見せたことが大きな社会問題になった時、「NEWS23」で「TBSは死んだと思います」と語った。金平は朝日新聞の「論座」(8月4日)で「今のこの時代に正気でいることの困難さ、切実さ」と記している。金平を切ることでTBSは「2度目の死」を迎えることになる》。

   『●《他人の不幸に付け込み…壺などを売りつけ、信者の家庭を破壊する
     カルト教団に「信教の自由」などないことを、メディアは自覚すべき》
    【元木昌彦 週刊誌からみた「ニッポンの後退」/旧統一教会が現在も
     生き残っている理由 35年前には筑紫哲也の「朝日ジャーナル」が
     徹底追及】…《悪名高い霊感商法の実態をいち早く取り上げ、誌面で
     大キャンペーンを張ったのが、朝日新聞社が出していた週刊誌
     「朝日ジャーナル」だった。ちなみに霊感商法と名付けたのもここ
     編集長は筑紫哲也。「豊田商事をしのぐ冷血の手口 霊感商法の巨大な
     被害」(1986年12月5日号)を手始めに徹底追及したのである》

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/311186

週刊誌からみた「ニッポンの後退」
TBS「報道特集」金平茂紀キャスター降板で20年前の「ザ・スクープ」打ち切りを思い出した
公開日:2022/09/11 06:00 更新日:2022/09/11 06:00

     (右手前が鳥越俊太郎氏。4人目が金平キャスター
      (C)日刊ゲンダイ)

 TBS「報道特集」の金平茂紀キャスター(68)が9月いっぱいで同番組のレギュラーを降板、その後は不定期出演の特任キャスターになると日刊ゲンダイ(9月2日付)が報じた。

 テレビに唯一残っていたジャーナリズムの灯がついに消える、そう思わざるを得ない。

 金平はモスクワ支局長を経て筑紫哲也の「NEWS23」編集長に就任。筑紫から多くのものを学んだ。2010年から「報道特集」のメインキャスターになり、硬派な語りと鋭い切り口で「時代を切り結ぶ姿」を視聴者に見せてきた

 安倍・菅政権時代の官邸は権力を振りかざし、己の気に入らないテレビキャスターたちを次々に降板させてきた。だが、金平の口を閉ざすことはできなかった。それがなぜ? 68歳という年齢を挙げる者もいるが、筑紫ががんのためにキャスターを降板したのは72歳である。

 金平は9月3日の同番組冒頭、「日本がプーチン大統領のロシアのように上から強制する国になったとは思いたくありませんが」と語った。この上というのは、社のトップのことであろう。

 私は20年前のことを思い出していた。鳥越俊太郎がテレビ朝日の「ザ・スクープ」を追われたときのことだ。当時は警察の裏金問題を徹底追及していた。番組打ち切りの方針が明らかになると、反対の声が上がり、弁護士、大学教授、ジャーナリストによる「存続を求める会」ができた。シンポジウムを開催し、共同通信元編集主幹・原寿雄は「アメリカでは、良質の報道番組が終わろうとすると新聞など他メディアがキャンペーンを行う。社会が番組を育て守る運動が、もっと日本で活発になっていい」と話した。署名活動も始め大きなムーブメントになった。

 末席にいた私は、藤田謹也弁護士らと3人で「番組を中止するな」とテレ朝に乗り込んだ。応対に出たのは、今は会長になり「テレ朝のドン」といわれている早河洋だった。

 早河はのらりくらりと焦点をぼかしていたが、「年に何回か特番をやる」という言質を取った。「ザ・スクープ」はその年の9月にレギュラー終了。年に何回かの特番が、やがて年1回になり、フェードアウトしていった。メディアの取材に鳥越は、「テレビにとって最低限守るものは何か、ということについてテレビ局がどこまで真剣に考えているのか、一抹の不安を感じる」と語っている。

 テレ朝は久米宏の「ニュースステーション」も潰して報道バラエティー「報道ステーション」に衣替えし、田原総一朗の「サンデープロジェクト」も打ち切った。

 そんな中でも金平「報道特集」は、原発や沖縄の基地問題に取り組み、ロシアがウクライナに侵攻した直後、金平自身がウクライナに入り現地報告した統一教会問題についても鋭く斬り込んでいる

 だが、この番組も「ザ・スクープ」の二の舞いになるような気がする。筑紫は、TBSのプロデューサーがオウム真理教側に事前にビデオを見せたことが大きな社会問題になった時、「NEWS23」で「TBSは死んだと思います」と語った。

 金平は朝日新聞の「論座」(8月4日)で「今のこの時代に正気でいることの困難さ、切実さ」と記している。金平を切ることでTBSは「2度目の死」を迎えることになる。 (文中敬称略)

(「週刊現代」「週刊フライデー」元編集長・元木昌彦
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●《他人の不幸に付け込み…壺などを売りつけ、信者の家庭を破壊するカルト教団に「信教の自由」などないことを、メディアは自覚すべき》

2022年09月08日 00時00分14秒 | Weblog

[※ 統一教会との関係 「わからなかった」から「答える必要はない」まで 国会議員たちの弁明 (週刊金曜日 1390号、2022年08月26日号) ↑]


(20220827[])
他人の不幸に付け込み、何十倍もの値段で壺などを売りつけ、信者の家庭を破壊するカルト教団に「信教の自由」などないことを、メディアは自覚すべきである》(元木昌彦さん)。
 日刊ゲンダイのコラム【元木昌彦 週刊誌からみた「ニッポンの後退」/旧統一教会が現在も生き残っている理由 35年前には筑紫哲也の「朝日ジャーナル」が徹底追及】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/310102)によると、《悪名高い霊感商法の実態をいち早く取り上げ、誌面で大キャンペーンを張ったのが、朝日新聞社が出していた週刊誌「朝日ジャーナル」だった。ちなみに霊感商法と名付けたのもここ。編集長は筑紫哲也。「豊田商事をしのぐ冷血の手口 霊感商法の巨大な被害」(1986年12月5日号)を手始めに徹底追及したのである》。

 そして、やはり、脱メディアコントロールを進めなきゃ…。統一協会問題で、その頚木からどれほど脱したろうか? その後も、Dappi事件などの自民党のネット工作を放置したままではないか。神保哲生さん「日本ではメディア、とりわけ政治メディアが正常に機能していないと考えざるを得ない」「この低い投票率が、決してメディア報道とは無関係ではない」。



   『●コレは「美しい国・日本」? 《内閣情報調査室の一室…映画『新聞
     記者』》っていうのも怖いけど、天下の自民党本部事務総長が関連…?
   『●ニッポンは民主主義国家なの? ――― 天下の自民党が血税使って
      デマ・ヘイトまがいの野党攻撃、世論誘導…衆院選前に実態解明を!
   『●Dappi事件…《裁判で、原告側はDappiの投稿を「被告企業が業務と
      して行っていた」と主張。被告側は「従業員1人の私的投稿」と反論》

 下足番紙アベ様広報紙などの他紙ではどうなんでしょうね? 黒田清さんの頃の読売大阪は、この東京新聞みたいだったでしょうかね。
 石井紀代美記者による、東京新聞のコラム【<記者だより>「どっちを向いて仕事してるんだ」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/197339)。

   『●統一協会名称変更問題…《実体が変わらないのに、名称を変えることは
         できない》はずなのに、《あり得ない》ことがなぜ可能になったの?
   『●元文科相からして、統一協会とズブズブだったのではないのか? 反面
      教師として、文科省道徳教育教材『わたしたちの道徳』に載せては?
   『●伊達忠一前参議院議長が元総理に統一協会票を依頼したと驚きの証言…
     《今回…安倍さんは…。『井上(義行氏)をアレ(支援)するんだ』…》
   『●汚染責任者アベ様という壺の蓋が割れた瞬間に、自民党“統一協会汚染”
      物質が壺から噴出…衆参院議長、防衛相、文科相、国家公安委員長…
   『●《暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団または
     個人》=統一協会…《自民党が大っぴらに反社とつながっていることに》
   『●茂木敏充幹事長、統一協会と「党としては一切関係がない」…《その
     爛れた関係が岸信夫防衛相や二之湯智国家公安委員長、末松信介文科相…》
   『●《法外な寄付を集め、家庭を崩壊させるような活動が問題に…次々と関与が
       判明する自民党こそ、教団との関係を国会の場で丁寧に説明すべき》
   『●《このように安倍氏の一存で統一教会の組織票の差配が決まっていたと
     すれば…》…もはや開いた口が塞がらないよ。どこまでズブズブだったの?
   『●安田菜津紀さん《安倍政権とは何だったのか…「強きにすり寄り、
      弱きをへし折る政権」…「引き継がれた『膿』を出し切るのはこれから」》
   『●統一協会汚染議員一掃…《支持者こそが提言しなければならない善後策
      …あれだけ奉り続けた…元首相が、彼らのせいで殺されたのだから》
   『●斎藤貴男さん《安倍政治の最大の罪は、民主主義を完全に形骸化し、
     日本社会を根底から腐らせたこと…》《ネポティズム》《冷笑主義の蔓延》
   『●《〈関連団体とは存じ上げませんでした〉…「統一教会の何が問題
     なのか正確に承知していません」…しらじらしいにも程がある》お維
   『●悍ましい構図…さらには、アベ様が票の差配までするほどズブズブ
       ヅボヅボだった訳ですが、そんな自民党に投票するとはねぇ…
   『●統一協会…《自民党の政策決定や政権運営にどのような影響があった
     のか、真相を解明して再発防止策を講じる》べきなのに、全くその気無し
   『●憲法53条…《本来国会は開かなければならないが、安倍内閣では
     その要求を無視し続けていたことがある。岸田政権も応じる気がない》
   『●《自民党右派…政界の右派のみならず、それを支える日本最大の右派
     改憲団体、日本会議など》も統一協会と《「蜜月」関係を築いてきた》??
   『●統一協会が《法令に反するなどの例》は山のようにある訳で、《実体が
       変わらないのに、名称を変えることはできない》ことに何の問題?
   『●第2次キシダメ改造内閣の悲惨な船出 ―――― 統一協会非汚染者
     による組閣や役員人事もままならない、ズブズブヅボヅボな自民党…
   『●《安倍元首相の側近で、安倍派内ではポスト安倍の一番手》だった
     萩生田光一政調会長は加計学園問題等だけでなく、やはりヅボヅボだった…
   『●《保守の安倍が反日カルトとつながった》? 《保守ではなく、反日の
     エセ保守…支持してきたのは新自由主義勢力と政商とカルトの複合体》
   『●【適菜収 それでもバカとは戦え/戦後を代表する“ホラ吹き”安倍
    元首相の「思い出に残るデマと嘘」】…息吐く様にウソをつくアベ様

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/310102

週刊誌からみた「ニッポンの後退」
旧統一教会が現在も生き残っている理由 35年前には筑紫哲也の「朝日ジャーナル」が徹底追及
公開日:2022/08/21 06:00 更新日:2022/08/21 16:20

     (「朝日ジャーナル」の編集長だった筑紫哲也(C)日刊ゲンダイ)

 岸田文雄首相の拙速な内閣改造は大失敗だった。

 NHKの世論調査で支持率は46%と内閣発足後最低になった。コロナ第7波への無策、急激な物価高もあるが、統一教会との関係をキッパリ見直す者を入閣させたと胸を張った改造だったのに、蓋を開けてみれば「統一教会汚染内閣」といってもいいほど教会と関係が深い閣僚ばかりだったということが明らかになったのが大きな理由だろう。

 安倍元首相の後継者とみられている萩生田光一政調会長が、参院選の公示直前に、東京選挙区から立候補を予定していた生稲晃子(現参議院議員)を伴って、統一教会の関連施設を訪れていたことが週刊新潮(8月25日号)の取材で明らかになった。

 教会と付き合いのあったことを認めた議員たちは、「統一教会の関連団体とは知らなかった」と言い訳するが、「その程度の知識しかなくて閣僚やってるんじゃねぇ」と言いたくなる。

 今さらいうまでもないが、統一教会と自民党との関係の根っこには岸信介安倍晋太郎、安倍晋三という3代が深く関わっている。週刊文春(8月18.25日号)によると、安倍の地元である山口県下関市は、教団の創設者・文鮮明が早大留学のために日本に来て、初めて足を踏み入れた“聖地”である。父・晋太郎の時代から仕えた筆頭秘書が教団の担当で、信者たちも事務所に出入りしていたそうだ。


■国葬よりも、安倍家3代の解明が急務だ

     (生稲候補(右)と萩生田大臣(2022年参院選当時)
      /(C)日刊ゲンダイ)

 岸田がやるべきは、国葬よりも安倍家3代と教団の闇を徹底解明することだが、安倍晋三の亡霊に操られているがごとき岸田では、できるはずはない

 この問題に腰が引けているNHKやフジテレビは論外だが、新聞、週刊誌も大きなことは言えない。福田達夫なるアホ政治家が統一教会について「何が問題か分からない」と、ふざけたことをほざいたが、彼らを統一教会「痴呆症」にしたのはメディアの責任が大きい

 悪名高い霊感商法の実態をいち早く取り上げ、誌面で大キャンペーンを張ったのが、朝日新聞社が出していた週刊誌「朝日ジャーナル」だった。ちなみに霊感商法と名付けたのもここ。編集長は筑紫哲也。「豊田商事をしのぐ冷血の手口 霊感商法の巨大な被害」(1986年12月5日号)を手始めに徹底追及したのである。

 同誌は、北九州市に住むB子(60)の被害額が当時の金額で3700万円にもなったと報じている。夫が非業の死を遂げたB子に、息子の命も危ないと脅し、印鑑、多宝塔、朝鮮人参などを次々に買わせた他人の不幸に付け込む悪徳商法の典型である。

 大きな話題になり、ほかのメディアも追随した。その後、桜田淳子らが合同結婚式に参加するなど、統一教会に注目が集まったが、その後、1995年にオウム事件が起きると、メディアの関心は統一教会から離れてしまった。その間、教団名を変え、関係団体をいくつもつくり、統一教会は生き延びてきたメディアは今度こそ騒動を一過性で終わらせず、根絶するまで追及しないと、再び同じ悲劇が繰り返される

 他人の不幸に付け込み、何十倍もの値段で壺などを売りつけ、信者の家庭を破壊するカルト教団に「信教の自由」などないことを、メディアは自覚すべきである。(文中敬称略)

(「週刊現代」「フライデー」元編集長・元木昌彦
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/197339

<記者だより>「どっちを向いて仕事してるんだ
2022年8月22日 07時33分

 支局長のキーボードをたたく音が急に止まった。見ると、椅子の背もたれから身を乗り出し、こちらを向いている。「石井さ、新聞記者はさ、『自分はどっちを向いて仕事してるんだって、常に自問しないといかんよ

 十五年も前の駆け出しの頃、行政だったか警察だったか、とにかく当局側に寄り添った「べったり原稿」を出した私支局長はそんな言葉をかけた

 新聞記者は当局の懐に飛び込み、信頼を得て、特ダネを取りたいものだ。しかし、注意しないと当局側に取り込まれ、「ダメなことはダメと書けなくなる。支局長はそう諭し、「俺らは常に読者を向いてないといかん」と戒めた。

 恥ずかしい昔話を思い出したのは、先日、ある原稿を読んでいる時だった。千葉県君津市の日本製鉄で起きたシアン流出問題だ。シアンは大量に取り込むと死に至る危険な毒物。なのに日鉄は、二〇一九年二月〜今年四月、東京湾に面した排水口から計三十九回検出していながら、公表しなかったという。

 一連の問題は今年六月、製鉄所近くの川が赤く染まり、無数の魚の死骸が浮かんで初めて発覚した。可視化されなければ、日鉄関係者以外は気付かなかった

 利潤という魅力にすっかり取り込まれ「ダメなことはダメ」と言える人がいなかったのだろうか。日鉄にはいま一度、自らの営業スタンスを点検してほしい。(石井紀代美
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●『報道特集』冒頭の金平茂紀さんの〝20秒の自由〟が奪われる…「権力の監視」「少数者であることを恐れない」「多様な…」はどこに?

2022年09月05日 00時00分03秒 | Weblog

[※ 筑紫哲也 NEWS23とメディアの未来 望月衣塑子が尋ね 金平茂紀が語る (週刊金曜日、2021年12月03日1356号)↑]]


(2022年09月03日[土])
一体どういうこと? TBSさん、理解不能です。#金平キャスターの降板に抗議します!

   『●吉村洋文大阪「ト」知事《「不自由展を共同通信でやったらいい」
     「…毎日新聞の会議室でやったらいい」》報道機関を名指しでけん制



 2021年12月08日のブログから再度。
 ―――――― 金平茂紀さんが金曜日 #大竹メインディッシュ のゲスト。金曜日は室井佑月さん。『報道特集』冒頭の〝20秒の自由〟にて、(アフガン報道)(「腰抜け」)「腰が引けた状態」発言。筑紫哲也さんの『ニュース23』の頃とは大違い。筑紫さんの最後の『23』での言葉、権力の監視」「少数者であることを恐れない」「多様な意見を提示して自由の気風を保つ…今や権力に阿る」「愛玩犬。【大竹まこと ゴールデンラジオ(2021年11月26日)】(https://www.youtube.com/watch?v=ZgD8bbVujDw)。 ――――――。




   『●膳場貴子さん「『報道特集』の根幹は、調査報道に挑戦すること、
     現場からものを考えること、評論家よりも当事者の声に耳を傾ける…」
    《膳場貴子キャスターは「週末の夜に、こんな硬派な番組が40年間
     放送を続けられたというのは、ある意味奇跡的だなと思っています」
     と話し、番組についてこう説明した》
    《そして、「ぜひ注目していただきたいのは、豊富な取材経験に
     裏打ちされた金平(茂紀)キャスターが忖度せずに自由にものを言う姿。
     膨大な知識とアジア各国の取材を通じて誰よりも温かな眼差しを
     持った日下部(正樹)キャスターのものの見方。そして、腹が座った
     若き皆川(玲奈)キャスターがタイムリーに現場に出て届けてくれる声を
     楽しんでいただければと思います」と呼びかけた》
    「久米宏さんの『ニュースステーション』時代の面影も無く、
     テレ朝の報道ステーションがアノ状態…そんな中で、唯一頑張る
     TBS。テレビ番組で報道と呼べるのは、もはやTBSの
     『報道特集』と『サンデーモーニング』だけ。
     その『報道特集』がギャラクシー賞報道活動部門の大賞を受賞した
     そうだ。本当に目出度い」

 『報道特集』冒頭の金平茂紀さんの〝20秒の自由〟が奪われる……筑紫哲也さんの『ニュース23』の頃の“筑紫イズム”=「権力の監視」「少数者であることを恐れない」「多様な意見を提示して自由の気風を保つ」はどこに? TBSは「権力に阿る」「愛玩犬」に堕ちるのか? 《TBSから“筑紫イズムの火は消えるのか》…。
 日刊ゲンダイの記事【【独自】「報道特集」金平茂紀キャスター降板決定 TBSから“筑紫イズムの火は消えるのか】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/310690)によると、《2010年からメインキャスターを務める「報道特集」でも原発や沖縄の基地問題などに取り組み、最近ではロシアがウクライナに侵攻した翌日にウクライナ入りし現地からリポート。統一教会問題についても鋭く斬り込んでいる。「金平さんが上層部から不興を買った原因のひとつが、TBSの元ワシントン支局長・山口敬之氏が起こした伊藤詩織さんに対する性暴力事件を巡る局側の対応について公然と批判したことです。…」》。
 《山口敬之氏が起こした性暴力事件》当時、金平茂紀さんがむしろ批判されていたけれども、当然ですが、批判の矛先は山口敬之氏は当たり前として、TBSそのものに向けられるべきだった訳です。金平さんは《『あまりに非道なことが局内と政治権力の間で罷り通ってしまったと断罪していますが、徹底的な内部調査を主張したにもかかわらず、当時の経営陣は懲罰委員会を開くことすらせず、うやむやにして山口氏を早期退職扱いにしてふたをしてしまった》のはTBS。
 《「真実を伝えて、権力を監視する」──。岸井氏の“遺言”を報道に携わる人間重く受け止めなくてはないらない》はずだったのにね。『筑紫哲也 NEWS23』の「多事争論」にて、筑紫さんは、かつて、「TBSは今日、死んだに等しいと思います」と。TBSは、何度〝死んだに等しい〟ことをすれば、気がすむのでしょうかね? そして、看板の報道番組『報道特集』から金平茂紀さん切るとは、心底呆れる。

   『●”テレ朝は今日、死んだに等しいと思います”
   『●岸井成格氏を支持する: 「TBSは今日、
     再び、死んだに等しいと思います」なんてことが起こらぬために
   『●「TBSは今日、再び、死んだに等しいと思います」 
       なんて方向に進んでいないか? 報道は見て見ぬふり?
   『●岸井成格さんの〝遺言〟「真実を伝えて、
     権力を監視する」…「報道に携わる人間は重く受け止めなくては」
   『●室井佑月さん×金平茂紀さん対談: 《安倍政権の
      言論弾圧体質によって、どんどん悪化している報道の萎縮》①
   『●室井佑月さん×金平茂紀さん対談: 《安倍政権の
      言論弾圧体質によって、どんどん悪化している報道の萎縮》②

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/310690

【独自】「報道特集」金平茂紀キャスター降板決定 TBSから“筑紫イズム”の火は消えるのか
公開日:2022/09/01 14:05 更新日:2022/09/01 20:27

     (「報道特集」の金平茂紀キャスター(C)日刊ゲンダイ)

 TBS系の「報道特集」(毎週土曜)といえば独自の取材でテーマを掘り下げる調査報道がウリで、1980年から続く同局の看板報道番組。その「報道特集」でキャスターを務める金平茂紀氏(68)が9月いっぱいで同番組のレギュラーを降板し、その後は不定期出演の特任キャスターになることが日刊ゲンダイの取材でわかった。

「表向きの理由は世代交代と番組のリニューアル。しかし、局の上層部としては“モノ言う”キャスターである金平さんの存在がずっと煙たかった」(TBS関係者)

 金平氏は東大卒業後の1977年TBS入社。報道畑が長く、モスクワ支局長、ワシントン支局長、報道局長などを歴任。故・筑紫哲也氏がキャスターを務めた「NEWS23」では編集長として筑紫氏を支えた右腕ともいえる人物だ。

 2010年からメインキャスターを務める「報道特集」でも原発や沖縄の基地問題などに取り組み、最近ではロシアがウクライナに侵攻した翌日にウクライナ入りし現地からリポート。統一教会問題についても鋭く斬り込んでいる。

「金平さんが上層部から不興を買った原因のひとつが、TBSの元ワシントン支局長・山口敬之氏が起こした伊藤詩織さんに対する性暴力事件を巡る局側の対応について公然と批判したことです。昨年発売の著書でも『あまりに非道なことが局内と政治権力の間で罷り通ってしまったと断罪していますが、徹底的な内部調査を主張したにもかかわらず、当時の経営陣は懲罰委員会を開くことすらせず、うやむやにして山口氏を早期退職扱いにしてふたをしてしまったのです」(前出のTBS関係者)


■後任は2001年入社の中堅ホープ

     (
TBSに“筑紫イズムは継承されるのか…(C)日刊ゲンダイ)

 局の幹部のなかには金平氏を擁護する声もあったそうだが、「すでに後任キャスターには調査報道ユニットの村瀬健介記者が内定している。2001年入社の中堅ホープです」(同前)という。

 かつては“報道のTBS”と呼ばれた同局から気骨のキャスターが去り、“筑紫イズムの火はどう継承されるのか。また、レギュラーを離れる金平氏がどう活動するのか注目である。
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●(狙撃兵)《貧困や差別をはじめ、その根源に向けて矢を放つメディアの存立基盤は、そうした報道姿勢なりを支えてくれる人々がいてこそ》

2022年02月11日 00時00分02秒 | Weblog

[※ 筑紫哲也 NEWS23とメディアの未来 望月衣塑子が尋ね 金平茂紀が語る (週刊金曜日、2021年12月03日1356号)↑]]


(2022年01月30日[日])
武蔵坊五郎記者による、長周新聞のコラム【ブルージャパンへの9億円/コラム 狙撃兵】(https://www.chosyu-journal.jp/column/22577)。

 こりゃぁ、衝撃だね…。CLPDappiとは全く異質であるが、「ブルージャパンへの9億円」ってどういうことか。やってることは自民党やお維と変わらない、と言われても仕方ない。今までも投票したことは無いが、今後も投票することは無いなぁ、とますます心新たにしてしまったよ。政権交代するためには野党共闘するしかないのだが、立憲以外に頑張ってもらうしかない。今や自民党びいきの連合との関係も。
 でも、まぁ、《権力者に追従する側》《デマやフェイクで人を騙す側》、政権与党の関わるDappi問題をまずは解明して下さい。

 前川喜平さんのつぶやき:

――――――――――――――――――――――――――――――
https://twitter.com/brahmslover/status/1483261120949649413

前川喜平(右傾化を深く憂慮する一市民)@brahmslover

しんぶん赤旗、CLP、読売新聞、DAPPI。特定の政治勢力の色が付いていると言って一緒くたにするのはおかしい権力者を批判する側か、権力者に追従する側かの違い。真実を追求し掘り下げる側か、デマやフェイクで人を騙す側かの違い。この違い方が百万倍重要だ

午前11:13  2022年1月18日
――――――――――――――――――――――――――――――

   『●ニッポンは民主主義国家なの? ――― 天下の自民党が血税使って
      デマ・ヘイトまがいの野党攻撃、世論誘導…衆院選前に実態解明を!
   『●《黒田さんは「差別」と「戦争」を最も憎んだ。人々の幸福実現が
     新聞の最大の使命なら、それを最も阻害するのが差別と戦争だからだ》
   『●お維の大阪府と包括連携協定の下足番広報紙…《メディアの役割は
     府政の監視をし、その政策を客観的・批判的な視点から報じること》
   『●三つの忸怩たる思い…ジャーナリストとしての思い、あぁ、アベ様の
     NHKをまたしても批判せざるを得ない思い、情けなきBPOへの思い
   『●エール ―――《そんな世の中において、一つの言論機関としての矜持を
       持ってやっていく、しかも…貫くことの大変さは身に染みてわかる》

 (狙撃兵)《メディアと権力の関係がズブズブで、いまやジャーナリズムといっても足腰が立たないほど堕落し、腑抜けになってしまったという認識はあるものの、これでは身も蓋もないではないか――》。(斎藤貴男さん)《失われ尽くしつつあるマスコミの矜持と信用》…堕ちていく一方。
 (狙撃兵)《しかし、そんな世の中において、一つの言論機関としての矜持を持ってやっていく、しかも権力に寄生するのでなくいいたいことをあからさまにいい、欺瞞のベールを引き剥がしに行くこと、「書けない記事は一行もない」を貫くことの大変さは身に染みてわかるからこそ、CLPが特定政党から資金提供を受けていたことについては批判しつつ、その再起にはエールを送りたいと思う。貧困や差別をはじめ、その根源に向けて矢を放つメディアの存立基盤は、そうした報道姿勢なりを支えてくれる人々がいてこそで、安易にまとまったおカネに身を委ねてしまうと、そこからは相手が誰であろうと必然的に支配される関係になるほかない。いつも苦しいときこそが踏ん張り所なのだ

 マガジン9のコラム【言葉の海へ 第193回:年頭、5つの出来事(鈴木耕)】(https://maga9.jp/220112-6/)によると、《①人質事件と貧困… ②卑しい笑顔… ③NHKのデマと河瀨監督… ④ネットメディア… ⑤オミクロン株と米軍基地 …地球は、暗い新年を迎えた…のか。》《確かに、政党や政治団体から資金提供を受けることは、慎重の上にも慎重を期さなければならない。CLPはすでに株式会社化しているとのことだから、営利企業としてスポンサー付きの番組を作ることはあってもいいかもしれない。しかしその場合は、その旨をきちんと明示しなければならない。そうでなければ、それこそ自民党の隠れ別動隊であったことがバレて、いつの間にか活動停止してしまった「Dappiと同じ轍を踏むことになる。まあ、恥ずかしげもなく「大阪府との包括協定」なるものを結んだ読売(ぼくはもう、読売を新聞とは呼ばない。読売は新聞であることをやめたと思うからだ)のような例もあるけれど、それとCLPの問題とはやや性格を異にすると思っている。ぼくは、小さいけれど、ふたつのネット上のメディアに関わっている》。

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https://www.chosyu-journal.jp/column/22577

ブルージャパンへの9億円
コラム 狙撃兵 2022年1月16日

 自民党から資金提供を受けて世論煽動に勤しんでいたDappiの騒動に続いて、今度は野党の立憲民主党もブルージャパンなる広告会社に4年間で9億円もの資金を提供していたことが明るみになっている。ブルージャパンには元SEALDsの中心メンバーが在籍していたとか、登記に記載された住所には事務所などなくペーパーカンパニーなのではないかとか、いったいそれだけのカネを支払って立憲民主党はブルージャパンを通じて何をしていたのか等等の疑問が浮上している。令和2年だけで3・4億円が支払われ、過去4年間で9億円というのは、公共メディアを標榜するCLPに支払っていた軍資金1500万円とも比較にならないほどの大金であり、誰が養われていたのか、そのカネは何に費やされたのか? に注目が集まるのも当然だろう。

 今のところ真相は明らかになっていないが、「元SEALDsが養われていた」というのが事実であれば、な~んだ…安保法制反対で有名人みたいに持て囃された(罪作りなのは持ち上げた大人たちでもある)後は立憲にぶら下がってメシを食っていたんだね…と哀れに思えてならない。むしろ大学を出たばかりのいたいけな若者たちをカネで囲い込んだ立憲に対して何やってんだ? という感情が沸いてくる。活動家然として政治でメシを食っていく、立憲の手駒として政党助成金という税金に寄生する運命に誘ったのだとしたら、それまた大人の罪作りではないか。4年で9億円という数字はそれほど衝撃的なのだ一方で事実ではないのなら、本人たちの名誉のためにも身の潔白を証明するなり何らかの発信をしなければ、安保法制反対闘争で一定の役割を果たした若者集団SEALDsとて特定政党にカネで囲われた集団として認知され、「Dappiと同じじゃないか」「右も左もやっていることは同じなんだね」という世間の評価が定着することは免れない。いずれにしても、真相を解明しないことにはどうしようもない問題である。

 いまや電通博報堂といった広告会社と国政政党が契約を結び、あの手この手でプロモーションに勤しむのがあたりまえのようになっている。あるいは、DappiをはじめとしたSNS上のインフルエンサーをカネを投じて作り上げ、さもそれが世論であるかのようにでっちあげたり組織化にも余念がない。Qアノンしかり、いかにも現代的というか、SNS等等によって世論を煽動するやり方も手の込んだものになっている。結局のところ、それらはカネによってひねり出されるプロパガンダなのである。郵政劇場しかり、小池劇場しかり、カネでメディアをジャックして世論を煽動するという権力側の手法が大手を振るうようになり、与党も野党もますます依存度を深めているといえる。

 しかし、原点に立ち戻って考えたときどうだろうか。議会とは“言論の府”であり、本来であれば政治家及び政党はみずからの言論で勝負しなければならないはずだ何を為すのかを有権者に語り、その政策実現のために汗を流し、支持者を獲得していくのが本筋であろう。ところが近年はそうした努力は怠り、もっぱら広告会社に身を委ねたプロモーションやイメージ戦略に依存して、その善し悪しであっちに吹かれ、こっちに吹かれというような張りぼても多いそれでいったい何が政治家かと思う。与党にせよ、野党にせよ、みずからの政治家としての言葉で勝負できないような連中、吹けばたちまち飛んでいくような連中は一掃されて然るべきだろう。自力がないことを自覚しているからこそ、その他の飛び道具に課金して、現実を糊塗しているのだ。 武蔵坊五郎
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●エール ―――《そんな世の中において、一つの言論機関としての矜持を持ってやっていく、しかも…貫くことの大変さは身に染みてわかる》

2022年01月28日 00時00分04秒 | Weblog

[※ 筑紫哲也 NEWS23とメディアの未来 望月衣塑子が尋ね 金平茂紀が語る (週刊金曜日、2021年12月03日1356号)↑]]


 (20220124[])
長周新聞のコラム【いきなり脱ぎ始めた読売新聞/コラム 狙撃兵】(https://www.chosyu-journal.jp/column/22548)。
日刊ゲンダイのコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/吉田充春さん、大ファンよ!「いきなり脱ぎ始めた読売新聞」にしっくり来た】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/300221)。

 《「読売新聞のようにみずから公衆の面前でスッポンポンになるようなのは珍しいとしても、権力に寄生し、カネにがんじがらめに支配され、政府広報みたくなっているのが『マスゴミ』とまで呼ばれ始めたメディアの姿なのだろう」(吉田充春・長周新聞記者) これは1月13日の長周新聞、『コラム狙撃兵』での吉田さんの言葉だ。コラムのタイトルは『いきなり脱ぎ始めた読売新聞』である。もちろん、大阪府と読売新聞の包括連携協定について述べている。これについて批判している人も多いが、吉田さんのコラムがいちばんしっくり来ちゃったな》。

 お~、長周新聞! ブログ主も大注目している新聞、特にコラム《狙撃兵》。【大嘘つきの後始末】なんて、秀逸だ。【いきなり脱ぎ始めた読売新聞】というのも。

   『●(狙撃兵)《街のみんなは「アイツら郷土の恥さらしじゃないか…」
     「なんの功労も功績もない者がはしゃいでみっともない…」と呆れて…》
   『●【大嘘つきの後始末/狙撃兵】《彼らがかばっているのは、他ならぬ
     お友だちの森友学園に国有地をタダ同然で払い下げようとした…安倍晋三》

 昨年末の衝撃的なニュース。《「東京」や「政治部」が幅を利かす全国紙という組織の中で、「地方」の大阪で社会部を率いた》黒田清さんはどう思うだろう…アベ様の《下足番新聞》からお維広報紙お維太鼓持ち広報紙へとさらに堕落していく…。《傍から見ていて、それはまるで読売新聞がいきなりみずからの欺瞞のベールを剥ぎ取るようにスッポンポンになったような光景にも思えて、恥を知らないのだろうか…とは感じるのだ》。

   『●《黒田さんは「差別」と「戦争」を最も憎んだ。人々の幸福実現が
     新聞の最大の使命なら、それを最も阻害するのが差別と戦争だからだ》
   『●お維の大阪府と包括連携協定の下足番広報紙…《メディアの役割は
     府政の監視をし、その政策を客観的・批判的な視点から報じること》

 各県様々な問題を抱えているが、大阪のお維は突出して異常だな。(リテラ)《だが、それも当然なのかもしれない。医療を受けられないまま自宅で亡くなるという人を続出させるという惨事巻き起こしておきながら、昨年の衆院選で大阪では維新が大躍進したように、吉村知事は批判の的になるどころかむしろ大きな支持を受けている。ようするに、どれだけ犠牲者を出しても支持は盤石だと高をくくっているのだ。無論、この吉村人気を支えているのが在阪メディアによる報道だ。そして、オミクロン株の感染爆発が心配されていたこの年末年始にも、関西では「異常」としか言いようがない光景が繰り広げられていたのである》。

 (狙撃兵)《メディアと権力の関係がズブズブで、いまやジャーナリズムといっても足腰が立たないほど堕落し、腑抜けになってしまったという認識はあるものの、これでは身も蓋もないではないか――》。(斎藤貴男さん)《失われ尽くしつつあるマスコミの矜持と信用》…堕ちていく一方。

   『●三つの忸怩たる思い…ジャーナリストとしての思い、あぁ、アベ様の
     NHKをまたしても批判せざるを得ない思い、情けなきBPOへの思い

 (狙撃兵)《しかし、そんな世の中において、一つの言論機関としての矜持を持ってやっていく、しかも権力に寄生するのでなくいいたいことをあからさまにいい、欺瞞のベールを引き剥がしに行くこと、「書けない記事は一行もない」を貫くことの大変さは身に染みてわかるからこそ、CLPが特定政党から資金提供を受けていたことについては批判しつつ、その再起にはエールを送りたいと思う。貧困や差別をはじめ、その根源に向けて矢を放つメディアの存立基盤は、そうした報道姿勢なりを支えてくれる人々がいてこそで、安易にまとまったおカネに身を委ねてしまうと、そこからは相手が誰であろうと必然的に支配される関係になるほかない。いつも苦しいときこそが踏ん張り所なのだ》。

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https://www.chosyu-journal.jp/column/22548

いきなり脱ぎ始めた読売新聞
コラム 狙撃兵 2022年1月13日

 年末に発表された大阪府と読売新聞大阪本社との包括連携協定の締結は、言論に携わる者としてはいささか驚きだった。メディアと権力の関係がズブズブで、いまやジャーナリズムといっても足腰が立たないほど堕落し、腑抜けになってしまったという認識はあるものの、これでは身も蓋もないではないか――というのが率直な感想だ。行政が特定のメディアとのみ「連携協定」(それ自体何だよ?)を切り結ぶというのも奇妙な話ではあるが、人材育成や情報発信はじめ、大阪万博の成功に向けて両者がタッグを組むというのである。在阪メディアによる維新持ち上げと電波ジャックは今に始まったものではないが、読売新聞も公然とその仲間入りを果たしたのであろう。

 権力の監視を生業とするはずのジャーナリズムとしては、通常であれば権力とは適切な距離感を保ち、いわゆるズブズブの関係であってはならないというのが常識だ。そうして、事あれば取材対象への情に左右されることなく是々非々で批判を加えて世間に問題を提起したり、社会にとって有用性のある言論を投げ込んでいくのが使命なはずだ。ところが今回の場合、ジャーナリズムとしての体面や矜持など既にどこ吹く風で、維新が権力を握る大阪府と巨大メディアが連携協定を結ぶまでに垣根は取っ払われているのである。モヤモヤとした霧は取っ払われて、清々しいほどに丸見えといったところだろうか。傍から見ていて、それはまるで読売新聞がいきなりみずからの欺瞞のベールを剥ぎ取るようにスッポンポンになったような光景にも思えて、恥を知らないのだろうか…とは感じるのだ。

 一方で、権力との距離感が問題になっているのは、フェイクニュースが飛びかうなかにあって公共メディアを標榜し、政権批判などもおこなうリベラルなウェブメディアとして注目されていた「Choose Life Project」(CLP)もしかり。立憲民主党から番組制作費として1500万円の資金提供を受けていた事実が発覚し、その中立性はどうだったのか、メディアの在り方が問われる事態に発展している。扱っていた問題は貧困や差別、人権、政権の不正をはじめとした時事問題にも切り込み、社会的には必要とされるメディアだったからこそ、クラウドファンディング(市民スポンサー型)による運営にもこぎ着けたのだろう。辞任した代表者の説明を読む限り単純に責める気にもなれず、何をするにも世の中カネは必要で、喉から手が出るくらい軍資金は必要だったのだろうと推察した。思いだけで理想が実現できるほど甘くはなく、しかも巨大資本の広告に依らない運営となるとなおさら茨の道である。しかし、野党とはいえ特定政党から資金提供を受けていたとなると、それ自体は自民党から資金提供を受けて世論操作に勤しんでいたDappiと変わらないではないか――といわれれば反論の余地はないのも事実なのだ。

 「CLPには甘すぎるんじゃないか?」と批判を浴びるかもしれない。だが、何をするにもカネが必要な世の中において、もっとも苦しい時に踏ん張りきれるかは他人事ではない。「武士は食わねど高楊枝」なんていったところで、武士とて食わねば生きていけないのと同じように、ジャーナリズム・ジャーナリストも食わねば生きてはいけない現実が横たわっている。しかし、そんな世の中において、一つの言論機関としての矜持を持ってやっていく、しかも権力に寄生するのでなくいいたいことをあからさまにいい、欺瞞のベールを引き剥がしに行くこと、「書けない記事は一行もない」を貫くことの大変さは身に染みてわかるからこそ、CLPが特定政党から資金提供を受けていたことについては批判しつつ、その再起にはエールを送りたいと思う。貧困や差別をはじめ、その根源に向けて矢を放つメディアの存立基盤は、そうした報道姿勢なりを支えてくれる人々がいてこそで、安易にまとまったおカネに身を委ねてしまうと、そこからは相手が誰であろうと必然的に支配される関係になるほかない。いつも苦しいときこそが踏ん張り所なのだ

 飼い慣らしにくる誘惑もあるなかで、報道機関がビジネスとしてカネを追い求めたなれの果てが電通による広告支配であったり、今日の堕落状況であろう。読売新聞のようにみずから公衆の面前でスッポンポンになるようなのは珍しいとしても、権力に寄生し、カネにがんじがらめに支配され、政府広報みたくなっているのが「マスゴミ」とまで呼ばれ始めたメディアの姿なのだろう。決して噛みつくことのない飼い犬に成り下がったといわれても批判のそしりは免れない。そうしてエサをちらつかされればお手をやり、お座りをして、飼い主様に従順な飼い犬よりも、ことジャーナリストに関しては、相手が権力者であろうとかぶりついていく野良犬くらいが丁度良いのかもしれない。餌付けされたら、たちまちリードにつながれて自由は奪われるのだ。だいたい、その度にエサに目がくらんでモノ欲しさに負けるようでは、しまいには書ける記事なんて一本もなくなるのではないか? とも思う。   吉田充春
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/300221/2

室井佑月 作家
1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。

室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」
吉田充春さん、大ファンよ!「いきなり脱ぎ始めた読売新聞」にしっくり来た
公開日:2022/01/21 06:00 更新日:2022/01/21 06:00

     (長周新聞のホームページ)

「読売新聞のようにみずから公衆の面前でスッポンポンになるようなのは珍しいとしても、権力に寄生し、カネにがんじがらめに支配され、政府広報みたくなっているのが『マスゴミ』とまで呼ばれ始めたメディアの姿なのだろう」(吉田充春・長周新聞記者)

 これは1月13日の長周新聞、『コラム狙撃兵』での吉田さんの言葉だ。コラムのタイトルは『いきなり脱ぎ始めた読売新聞』である。もちろん、大阪府と読売新聞の包括連携協定について述べている。これについて批判している人も多いが、吉田さんのコラムがいちばんしっくり来ちゃったな。

 そうなんだよね、大阪府というか維新と、在阪メディアのズブズブな関係は呆れ果て今さら批判するまでもない。が、堂々と連携協定を結ぶって一市民として「あいつ、いきなり脱ぎ始めたわという風に見える。それは街中で、おもむろに素っ裸になった人に出会ったような感覚である。メディアの矜持はないのか、と当たり前の批判を通り越えての。

 もちろん吉田さんは、権力批判をおこなうネットメディアの『Choose Life Project』についても、立憲から資金を受けていたことに苦言を呈している。しかしその上で、大事なことを述べている。

「(中略)ジャーナリズム・ジャーナリストも食わねば生きてはいけない現実が横たわっている。しかし、そんな世の中において、一つの言論機関としての矜持を持ってやっていく、しかも権力に寄生するのでなくいいたいことをあからさまにいい、欺瞞のベールを引き剥がしに行くこと、『書けない記事は一行もない』を貫くことの大変さは身に染みてわかるからこそ、CLPが特定政党から資金提供を受けていたことについては批判しつつ、その再起にはエールを送りたいと思う。」

 と。そして、メディアの存立基盤はそうした報道姿勢を支えてくれる人たちであると。同感だ。吉田さん、大ファンよ!
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●三つの忸怩たる思い…ジャーナリストとしての思い、あぁ、アベ様のNHKをまたしても批判せざるを得ない思い、情けなきBPOへの思い

2022年01月24日 00時00分37秒 | Weblog

[※ 筑紫哲也 NEWS23とメディアの未来 望月衣塑子が尋ね 金平茂紀が語る (週刊金曜日、2021年12月03日1356号)↑]]


(20220121[])
日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/「河瀬直美が見つめた東京五輪」BPOは今度こそNHKの捏造テロップを徹底的に調べてほしい】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/300088)。

 《稚拙に過ぎてわかりやすく、視聴者らの指摘を受けたNHKが男性への取材をやり直し、過ちを認めたからまだしもだった。頬かむりされ続けていた日には、“そうか、五輪に反対したやつらは、カネで買収されているのか(何者に? 根拠はないが、たぶん中国に!)”というレッテルだけが残されていたかもしれないいつからNHKは、ネトウヨ放送局になったのか。いや、“アベちゃんねるに成り下がって久しい現実は、多くの視聴者の常識だ。あるいは、これぞ我が国における、正しい“公共放送”のあり方だとでも胸を張るつもりだろうか》。

 《NHK「五輪反対デモ参加者」証言》デマ、何年にもわたっていつまでもネット上を漂うのだろうなあ…忘れたころにまたぞろウンザリさせられそうだ。目に見えるよう。
 でも現実は、デマやヘイトをまき散らす悍ましい人たちこそ、《カネで買収》するような汚いことをやっている。

   『●東京MXテレビ「沖縄デマ」番組について、
        想像を超えた制作会社の対応のあまりの酷さ
   『●東京MXテレビ「沖縄デマ」宣伝…「目的がデマの拡散による
               沖縄の反基地運動への不信あおりにあった」
   『●東京新聞【首相街頭演説動員に5千円…安倍晋三元首相の応援演説でも
       「日当」5千円 衆院選・茨城】…《慣例化》してたのかぁ、納得ぅ
   『●《安倍晋三元首相の応援演説でも「日当」5千円》《慣例化》…
     デマやヘイトをまき散らす悍ましい人たちこそ、汚いことをやっている

 歴史修正主義者たちは、概してレイシストである確率が高い。

   『●小池百合子「ト」知事、追悼文は? 《…ようやくこう答えたのだった。
      「それは毎年送っておりません」…この回答はあまりに卑怯だろう》
   『●この《レイシスト・歴史修正主義体質》な小池百合子東京「ト」知事に
        「2,912,628票」「3,661,371票」も投じてしまった都民の皆さん

 《沖縄の基地反対運動を中傷し…辛淑玉が黒幕としてカネを出しているかのような印象操作》、沖縄デマ…アベ様らこそ、一体何をやっているのやら。デマやヘイトをまき散らす悍ましい人たちこそ、汚いことをやっている。


 さて、斎藤貴男さんの三つの忸怩たる思い…(1)ジャーナリストとしての忸怩たる思い、(2)あぁ、アベ様のNHKをまたしても批判せざるを得ない忸怩たる思い、(3)《拳を振り上げたまま退場…というぶざまを晒した苦い記憶》な情けなきBPOへの忸怩たる思い。
 《失われ尽くしつつあるマスコミの矜持と信用》…堕ちていく一方なのでは?


 ついでと言っては何だが、立岩陽一郎さん《政局を取材するわけではないのと、加えて社会部記者の最大の狙いは政界の汚職や不正だ》。
 日刊ゲンダイのコラム【立岩陽一郎 ファクトチェック・ニッポン!/社会部記者の最大の狙いは政界の汚職や不正だが…「1票の格差」の議論に違和感】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/300101)によると、《社会部の記者政治部とは異なり、個別の議員に張りつく取材はしない。政局を取材するわけではないのと、加えて社会部記者の最大の狙いは政界の汚職や不正だ。必然的に、与野党問わずに政治家から敬遠されるところがある。…2021年暮れは国会議員の文書交通費の問題で極めて限定的にだが、国会への関心が高まった。もちろん、それも大事だ。しかし国会の制度全体を常に市民が考える議論こそが必要だ。ちなみに、この国会の制度改革には憲法改正は必要ない》。

   『●暴言連発「あなたに答える必要はありません」「ここは
      質問に答える場所ではない」「その発言だったら、指しません」
   『●『i -新聞記者ドキュメント-』…《「i」…一人ががんばれば
     みんなもがんばる――映画はそのことを教えてくれる》(木下昌明さん)
   『●阿部岳さん《菅氏の会見でも食い下がる記者…。問い続けることが、
           あらがうこと。…対話という血管が詰まれば、民主主義が死ぬ》
   『●《東京新聞の記者が質問をしようと挙手しても菅氏が
     指名しない》…なぜに《官邸報道室長が司会役を務めている》のか?
   『●あぁ、やっぱりねぇ…、イジメを見て見ぬふり。内閣記者会
      政治部記者達が作り出す〝居ないことにされてしまった記者〟

 マガジン9のコラム【言葉の海へ 第194回:小さな記事から見えるもの(鈴木耕)】(https://maga9.jp/220119-3/)によると、《極小記事② NHKの字幕捏造…新聞はいまだに「不適切な字幕」などという言葉を使っている。これを「不適切」などという表現はまさに「不適切」だ。明らかに「言ってもいない言葉」を字幕で流したのだから、「捏造」と言うしかないではないか。NHKは番組の中で「反五輪デモ」を貶めるためにテロップを捏造した。「国策であるオリンピック」に反対する連中に対しては何をやってもいいとでも思っていたのだろう。つまり、NHKは「国策」には絶対的に従うということだまさに政府広報である。そんな放送局に、なぜオレたちがカネを払わなければならないのか、腹が立つ! それはともかく、やっとBPOが動いた。まだ、「NHKに報告を求めた」という段階らしいが、その報告がいい加減なものだったら、BPOとしても正式に動かざるを得なくなるだろう。徹底的に審査してほしい問題である》。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/300088

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。


二極化・格差社会の真相
「河瀬直美が見つめた東京五輪」BPOは今度こそNHKの捏造テロップを徹底的に調べてほしい
公開日:2022/01/19 06:00 更新日:2022/01/19 06:00
今だけ無料

     (映画監督の河瀨直美氏とNHK(C)日刊ゲンダイ)

 マスコミ批判の原稿は書きたくない自分自身が禄を食む世界の問題を責めるほど、仲間たちに疎まれ、干されるばかり。読者にも、おまえもその片割れだろと笑われているように思う実際、天に唾した気持ちに苛まれることも少なくないから

 だが沈黙は、その問題に加担する態度に通じかねない。第一、言うべきことを言わないのでは、ジャーナリストを自称している意味がない

 またしてもNHKの不祥事だ。昨年末のBS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」で、五輪反対デモに参加したという匿名男性が、お金をもらって動員されていると打ち明けたとするテロップを流したが、今月9日、「字幕の一部に不確かな内容があった」として陳謝した。13日には前田晃伸会長も謝った。

 そのはず、男性がデモに参加した事実は確認されておらず、いつ、誰からいくら受け取ったのかを裏付ける取材さえ試みられた形跡がないのだ。つまり、でっち上げだと難じられても、反論できる余地がなかった。そんなイカサマテロップを、しかも放送前の試写を見た幹部たちが、なぜか見逃していたという。

 稚拙に過ぎてわかりやすく、視聴者らの指摘を受けたNHKが男性への取材をやり直し、過ちを認めたからまだしもだった。頬かむりされ続けていた日には、“そうか、五輪に反対したやつらは、カネで買収されているのか(何者に? 根拠はないが、たぶん中国に!)”というレッテルだけが残されていたかもしれない

 いつからNHKは、ネトウヨ放送局になったのか。いや、“アベちゃんねるに成り下がって久しい現実は、多くの視聴者の常識だ。あるいは、これぞ我が国における、正しい“公共放送”のあり方だとでも胸を張るつもりだろうか

 さすがにBPO放送倫理・番組向上機構)の放送倫理検証委員会が、審議の対象とするか否かの討議を開始した。同委員会の委員だった私は、2019年1月にやはりNHKがやらかした、米軍の辺野古新基地建設をめぐる虚偽報道について、審議しないのなら辞任したいと申し出た経緯がある。結論は先送りされて時が過ぎ、3月末に任期満了。拳を振り上げたまま退場、審議入りもなし、というぶざまを晒した苦い記憶が今も生々しい

 BPOにはどうか今回、きちんと審議し、厳しい意見書を公表してもらいたい。失われ尽くしつつあるマスコミの矜持と信用を、わずかなりと取り戻すためにも。
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●吉村洋文大阪「ト」知事《「不自由展を共同通信でやったらいい」「…毎日新聞の会議室でやったらいい」》報道機関を名指しでけん制

2021年12月08日 00時00分20秒 | Weblog

【↑ 『適菜収 それでもバカとは戦え真相究明と責任追及を“大阪ノーサイド”なんて冗談じゃない』 (2020年11月14日、日刊ゲンダイ)】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281280


(2021年11月27日[土])
石川将来記者による、毎日新聞の記事【「表現の自由」守る公の責務は 不自由展めぐる大阪府関与の舞台裏】(https://mainichi.jp/articles/20211121/k00/00m/040/128000c)。

 《突然許可を取り消された実行委は猛反発したが、吉村知事は強気の姿勢を示した。実行委が会場の使用を求め提訴の検討を始めると、「法的措置を取るのであれば徹底的に対応する」と発言。取り消しに至った経緯や、表現の自由に対する認識を記者から問われると不自由展を共同通信でやったらいい」「そんなに応援するなら毎日新聞の会議室でやったらいいと質問した報道機関を名指しし、けん制した》《大阪地裁は7月9日、取り消し処分を執行停止とし、会場の使用を認めることを決定。施設側はこれを不服として大阪高裁に即時抗告、最高裁に特別抗告したが、全て棄却された。結果的に不自由展は予定通り開催されたが、市民の安全と同時に「表現の自由」を確保する公の責務が問い直されている》。

 お~っ、弁護士大阪「ト」知事は言うことが凄いねぇ。お維支持者の皆さん、ホントに大丈夫? 《こんな男をこれ以上のさばらせたら、国民の権利はいつの間にかどんどん制限され、民主主義は完全にとどめを刺されてしまうだろう》…ことを理解できないお維支持者の皆さん。

   『●大石あきこ氏のつぶやき…〝文通費〟を《吉村知事。…飲みしろに
     使ったんですか? 「ブーメラン反省」では済まない大問題ですよね》
   『●《「ブーメラン反省」では済まない大問題》を《男性アナウンサーは
      吉村知事が自己申告したことを「潔いというか」と紹介する始末》
   『●《だが、これこそが橋下・竹中両氏が目指す行政のあり方であり、同時に
       竹中氏が会長を務めるパソナにどんどん税金が流れていくのである》

 お維支持者の皆さん、ホントに大丈夫? あ~、そうでした、《■歴史修正主義丸出しで「慰安婦像」を攻撃しサンフランシスコとの姉妹都市を解消した吉村知事》…そんなこともありました。
 リテラの記事【吉村知事が府の施設に「表現の不自由展」使用許可を取り消すよう圧力! 自分のネトウヨ趣味のために憲法違反強行の独裁体質】(https://lite-ra.com/2021/11/post-6083.html)によると、《なぜなら、吉村知事が、安倍晋三・元首相とも通ずる民主主義を破壊する強権的体質をもっているからだ。じつはつい最近も、そのことがあらわになった。それは、今年7月に大阪府が所有する施設である大阪府立労働センター「エル・おおさか」で開催された、「あいちトリエンナーレ2019」で一時中止に追い込まれた「表現の不自由展・その後」の出展作品を集めた展覧会「表現の不自由展かんさい」をめぐる問題だ》。
 「表現の不自由展・その後」に端を発する愛知県知事リコール…、高須克弥氏らによるリコール不正事件もお維案件の一つですよね。

   『●リコール対象はコチラなのでは? 大阪市廃止「ト」構想の《関連経費
      として投入された公金は100億円を超える》、さらに公明党と密約
   『●大阪「ト」知事三代が大阪破壊 … 「身体が痛いおばあさんに手術を
      待ってもらう知事が、先の万博を胸にぶら下げてる…」(坂本篤紀氏)
   『●組織的な署名不正など無く公正な条件下でリコールされるべきはお維
          ――― 吉村洋文大阪「ト」知事「厳正に処罰されるべきだ」と宣う
   『●大阪「ト」知事三代の重大な責任 ——— 大阪市廃止大阪「ト」構想、
     カジノ、万博、お維関係者の数多の問題、そして、リコール不正署名
   『●大阪の直接的・間接的お維支持者の皆さん、大阪「ト」知事三代らに
     イジメられることが快感にでもなっているの? それにしても酷い面子…

 (電子投票っていうのも胡散臭いなぁ?)お維にマトモな人が居たら教えて下さいな? 《代表候補として足立康史幹事長代理や、音喜多駿参院議員の名前も挙がる》って、大笑いでしょ? 吹き出しちゃいましたよ、全く。…結局、代表選は行われないそうです。松井一郎元「ト」知事が続投のこと、ハハハッ、お維支持者の皆さん、御目出とうございます。
 日刊ゲンダイの記事【維新の「人材難」は“紅白戦の立憲”よりお寒い!代表選すら開けず、松井市長続投待望論まで浮上】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/297872)によると、《27日に維新は代表選を行うか否かを決める臨時党大会を開く。議決は国会議員と地方議員などの電子投票で行う予定だ。代表選実施に過半数が賛成すれば、近く代表選が行われるのだが、現状では反対多数の雲行きである。国会議員から代表の松井一郎・大阪市長の「続投待望論」が浮上し、反対が過半数なら党規約に従い、松井氏の再任が決まるためだ。松井氏は昨年11月に“金看板”の大阪都構想が住民投票で再び否決され、再来年4月の市長任期満了で政界を引退すると表明した。代表選が行われれば出馬せず、来年1月の任期満了をもって退任する意向でもある。自ら政治生命の火に息を吹きかけるオッサンに待望論が上がるのは、要は「人材難」に尽きる。党の顔である副代表の吉村洋文・大阪府知事もすでに「府政に専念する」と代表選不出馬を表明。党内に「新たな顔」は見当たらず、来夏の参院選を見据え、“親分肌”の松井氏に「続けて欲しい」との意見が圧倒しているようだ。…代表候補として足立康史幹事長代理や、音喜多駿参院議員の名前も挙がるが、曲がりなりにも衆院第3党のトップが務まるのか。党勢拡大とは裏腹に代表選をやろうにもチンピラばかりで、タマ不足。ドングリの背比べとはいえ、「ポスト枝野」に4候補が名乗りを上げた立憲の方が、まだ健全に思えてくる》。

 別件ですが…関西メディアの酷さ。《今回だけではない。コロナ対応の失政をごまかすために、うがい薬が効く」だの「大阪産ワクチン」だのといった妄言を撒き散らし、コロナの最中に党勢拡大のためだけに巨額の税金を費やして2度目の「大阪都構想」住民投票を強行するなど、めちゃくちゃなことを繰り返してきたが、メディアはほとんど批判しようとせず、ひたすら持ち上げつづけてきた》。
 金平茂紀さんが金曜日 #大竹メインディッシュ のゲスト。金曜日は室井佑月さん。『報道特集』冒頭の〝20秒の自由〟にて、(アフガン報道)(「腰抜け」)「腰が引けた状態」発言。筑紫哲也さんの『ニュース23』の頃とは大違い。筑紫さんの最後の『23』での言葉、「権力の監視」「少数者であることを恐れない」「多様な意見を提示して自由の気風を保つ」…今や「権力に阿る」「愛玩犬」。【大竹まこと ゴールデンラジオ(2021年11月26日)】(https://www.youtube.com/watch?v=ZgD8bbVujDw)。




 ついでに、週刊金曜日 (21.12.03):



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https://mainichi.jp/articles/20211121/k00/00m/040/128000c

「表現の自由」守る公の責務は 不自由展めぐる大阪府関与の舞台裏
毎日新聞 2021/11/22 06:45(最終更新 11/22 06:45)

     (7月16~18日にエル・おおさかで開催された「表現の不自由展
      かんさい」=大阪市中央区で2021年7月16日午後2時30分、
      石川将来撮影)

 大阪市中央区の府立労働センター(エル・おおさか)で7月16~18日、企画展「表現の不自由展かんさい」が開かれた。物議を醸した「あいちトリエンナーレ2019」での展示作品を集めたものだったが、会場の指定管理者は6月、施設使用許可を「安全管理上の問題がある」と取り消し、府も支持するなど公による市民の「表現の自由」への制限が問題視された。取材や情報公開請求で、その舞台裏が明らかになった。【石川将来】


 実行委が指定管理者の「エル・プロジェクト」に会場使用許可を申請したのは3月6日だ。「表現の不自由展かんさい」とタイトルを明記し、「利用目的」欄には「美術展」と記入した。指定管理者も府条例に基づいて承認書を即日発行した。

 指定管理者が申請内容を府労働環境課に報告したのは5月21日。施設利用の対応は指定管理者で完結するのが一般的で、府に事前報告するのは異例だ。同課の担当者は取材に「名称からしてトリエンナーレと同じ類いの企画であることは想像がついた」と説明。府側の警戒心が高まり、会場使用許可の取り消しが議論され始めた

 毎日新聞が情報公開請求で入手した文書からは、取り消しに向けた吉村洋文知事や府の積極的関与がうかがえる。例えば、担当者らが吉村知事に状況を説明した6月7日の場面。「府は利用承認に関与できるのか」。吉村知事が尋ね、続けた。「保育所がある施設で大丈夫なのか。安全管理において差し迫った危険が生じ、取り消し事由に該当するのではないか」

 吉村知事は指定管理者から許可取り消しの申し出があった際には速やかに府の態度を示す必要があるとし、この時点で弁護士の見解をまとめておくよう指示。実際、6月23日に指定管理者が「センターの管理上支障があると認められる」として府に取り消し伺いを出すと、すぐに商工労働部長が決裁し、翌24日に吉村知事名義で「異議なし」と回答された。


吉村知事「法的措置には徹底的に対応」

 突然許可を取り消された実行委は猛反発したが、吉村知事は強気の姿勢を示した。実行委が会場の使用を求め提訴の検討を始めると、「法的措置を取るのであれば徹底的に対応する」と発言。取り消しに至った経緯や、表現の自由に対する認識を記者から問われると不自由展を共同通信でやったらいい」「そんなに応援するなら毎日新聞の会議室でやったらいいと質問した報道機関を名指しし、けん制した。

 指定管理者は、6月中旬に開催に反対する市民らが施設周辺で大音量で抗議したことなどを挙げ「暴力行為に発展する可能性がある」と取り消しを決めていた。ただ、抗議活動は警察官が見守る中で実施され、施設側が中止を求めることもなかったことが、取材で明らかになっている。過去の判例に基づけば、公共施設の使用取り消しについては、警察を呼んでもなお解消されないほど重大な危険が、客観的事実に基づいて予見できる場合のみ、取り消し事由に該当するとの考えが一般的だ。憲法や地方自治に詳しい専門家からは、提訴段階から「施設側に勝ち目はない」との指摘が相次いでいた

 大阪地裁は7月9日、取り消し処分を執行停止とし、会場の使用を認めることを決定。施設側はこれを不服として大阪高裁に即時抗告、最高裁に特別抗告したが、全て棄却された。結果的に不自由展は予定通り開催されたが、市民の安全と同時に「表現の自由を確保する公の責務が問い直されている
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https://lite-ra.com/2021/11/post-6083.html

吉村知事が府の施設に「表現の不自由展」使用許可を取り消すよう圧力! 自分のネトウヨ趣味のために憲法違反強行の独裁体質
2021.11.24 10:56

     (吉村洋文公式サイトより)

 文書通信交通滞在費(文通費)問題の火付け役として、吉村洋文・大阪府知事がまたもメディアから脚光を浴びている。野党攻撃をおこなえばそれがそのまま記事となり、さらにインスタグラムに「紅葉が、綺麗だぜぃ」とメッセージを添えて紅葉をバックにした自身の写真を投稿しただけで「吉村知事 カジュアルコーデのオフショットに「カッコイイ」「イケメン」の声」だの「吉村知事、紅葉を楽しむ休日ショットを公開し黄色い声殺到」だのというくだらない記事がYahoo!ニュースになる始末。

 まったくどうかしているとしか言いようがないだろう。本サイトでは繰り返し指摘してきたが、吉村知事は過去に文通費を在職日数1日で100万円を受け取りながら、その使途をいまだに公開しようともしていない「疑惑の渦中」にある人物だ。

 にもかかわらず、メディアは追及をしようとせず、平然と「改革者」然と振る舞いつづける吉村知事を無批判に取り上げて、吉村知事を「改革を進める若きリーダー」「イケメン知事」だと喧伝するPR係に成り下がっている

 今回だけではない。コロナ対応の失政をごまかすために、うがい薬が効く」だの「大阪産ワクチン」だのといった妄言を撒き散らし、コロナの最中に党勢拡大のためだけに巨額の税金を費やして2度目の「大阪都構想」住民投票を強行するなど、めちゃくちゃなことを繰り返してきたが、メディアはほとんど批判しようとせず、ひたすら持ち上げつづけてきた

 だが、吉村知事を「改革を進める若きリーダー」「イケメン知事」などと褒めそやすことは、「自分の問題棚上げ」「失政ごまかしの詐欺的手口」を放置するというだけではすまない。もっと危険な事態を招くことになる。

 なぜなら、吉村知事が、安倍晋三・元首相とも通ずる民主主義を破壊する強権的体質をもっているからだ。じつはつい最近も、そのことがあらわになった。

 それは、今年7月に大阪府が所有する施設である大阪府立労働センター「エル・おおさか」で開催された、「あいちトリエンナーレ2019」で一時中止に追い込まれた「表現の不自由展・その後」の出展作品を集めた展覧会「表現の不自由展かんさい」をめぐる問題だ。まず、経緯を説明すると、施設の指定管理者は今年3月に「表現の不自由展かんさい」の実行委員会に対して施設の利用を許可したが、6月25日になって一転し、抗議のメールや電話が相次いでおり安全管理上に問題があるとして施設利用の許可を取り消した。吉村知事は当時、記者団に対して「取り消しには賛同している」「安全な施設管理運営が難しい」と語っていた。

 本来、施設を所有する行政の長ならば、不当な抗議をおこなう者たちを徹底非難し、市民と「表現の自由」を守ると宣言するのが当然だ。ところが、吉村知事は施設が使用許可を取り消したことに「賛同」し、市民と「表現の自由」を守る責任をあっさり放棄したのだ。


■「表現の不自由展」に吉村知事が裏で圧力! 施設使用許可を取り消すようしつこく介入

 だが、吉村知事はこのとき、たんに施設側の判断に「賛同」しただけではなかった。舞台裏では、吉村知事こそが施設の使用に反対し、使用許可を撤回するように職員を動かしていたことが、毎日新聞の検証報道によって明らかになったのだ。

 毎日新聞の大阪版は、「表現の不自由展「施設使用許可取り消し」の舞台裏 知事や府が積極的関与」という記事を22日に掲載。毎日新聞が情報公開請求で入手した文書によると、使用許可を取り消した6月25日の約2週間前である同月7日に、大阪府の担当者らが展覧会についての状況を吉村知事に報告したところ、吉村知事はこう発言していたというのだ。

「府は利用承認に関与できるのか」
「保育所がある施設で大丈夫なのか。安全管理において差し迫った危険が生じ、取り消し事由に該当するのではないか」

 言っておくが、この時点で「差し迫った危険」などは生じていないし、府は安全管理を徹底すればいいだけの話だ。事実、後述するが、この使用許可の取り消しは裁判となり、大阪地裁・高裁および最高裁は使用許可の取り消し処分を執行停止とし会場使用を認め、高裁は「主催者が平穏に行おうとしているのに、思想・信条に反対するグループが実力で阻止しようとして紛争を起こすおそれがあることを理由に施設利用を拒むのは憲法の趣旨に反する」と言及している。

 にもかかわらず、吉村知事は「府は利用承認に関与できるのか」「取り消し事由に該当するのではないか」と職員に迫り、指定管理者による使用許可の取り消しを促すかのような発言をおこなっていたのだ。

 しかも、毎日新聞と同様に情報公開請求をおこなったTwitterユーザーが、吉村知事と府の担当者らのやりとりが記された「知事レク議事概要」を公開しているのだが、それによると、この6月7日の面談時に、吉村知事はこうも発言しているのだ。

「指定管理者はしっかりと対応を検討し、申込者に対して、言うべきことは言えばよい」
「今後、指定管理者から利用承認を取消したいとの報告があった場合に、大阪府の態度をすみやかに示すことが出来るよう、今回の論点も踏まえ、改めて弁護士の意見を聞いておくこと」

 さらに、6月16日の議事概要でも、吉村知事は「指定管理者は、現在どう考えているのか」「指定管理者が自ら判断するとのことだが、府に取消しの権限はあるのか?」「運営上、多大の支障が生ずることが予測されるのであれば、指定管理者は取消すべきだと思う」と言及している。

 つまり、大阪での「表現の不自由展」の使用許可を施設の指定管理者が取り消した背景には、こうした吉村知事の執拗かつ強い意向があり、その上で実行されたものだったのだ。


■「あいトリ」でも「反日プロパガンダ」と攻撃、大村知事リコール運動に「応援します!」…吉村知事のネトウヨ体質

 このような吉村知事の強硬な姿勢の背景には、もちろん「表現の不自由展」の開催を大阪で認めたくないという思いがあったことは容易に想像できる。ご存知のとおり、吉村知事は「あいトリ」で「表現の不自由展」が問題になった際、「平和の少女像」を「反日プロパガンダ」と非難したばかりか、「反日政治活動である展示」「裏で大きな力がかかっている」などとネトウヨ的陰謀論まで振りまき、実行委員会会長だった大村秀章・愛知県知事に対して「知事として不適格」「辞職相当」などと攻撃をしていた

 挙げ句、高須クリニックの高須克弥院長らがはじめた大村知事のリコール運動に対しても、吉村知事は僕は応援します。賛同するということです」と支持を表明。周知のとおり、その後、リコールの署名が偽造されていたことが判明し、先の衆院選で維新の公認予定候補者だった田中孝博氏らの逮捕や高須院長の秘書が偽造に関与した疑いで書類送検されるなどの事件に発展している。つまり、吉村知事は「表現の不自由展」への攻撃のみならず、「表現の不自由展」が端緒となった歴史修正主義者たちの運動をネトウヨ丸出しで応援していたのだ。

 しかし、自分がネトウヨ体質の歴史修正主義者だからといって、行政の長が表現の自由をないがしろにし、使用許可を取り消させるなんてことは、絶対に許されない。実際、「表現の不自由展」の再展示は名古屋市が所有する施設でも開催されたが、「あいトリ」では攻撃派の先頭に立って大村知事のリコール運動まで展開した河村たかし・名古屋市長は「ルールにのっとって公共施設を使うのは構わない。トリエンナーレで反対したのは公共事業だから」と語っていた。もちろん、公共事業だろうがなんだろうが、差別扇動を目的としたものでもないかぎり、表現に政治が介入することは許されない。だが、あれだけ「表現の不自由展」を目の敵にしていた河村市長でさえ、市の施設を使用することは認めていたのだ(ただし、会期中に郵便物のいやがらせ行為が起こり、市は施設を臨時休館する措置をとった)。

 ところが吉村知事は、あの河村市長でさえも原則として手は出さなかった市民による公共施設での展示にまで介入し、指定管理者による使用許可の取り消しに追い込んだのである。

 しかも、吉村知事は、前述したようにこの使用許可の取り消しに対して実行委員会が提訴し、大阪地裁が施設の利用を認めると、「決定内容に不服があるので抗告する」と宣言。挙げ句、この問題について繰り返し質問をおこなった毎日新聞の記者に対して「それだけ表現の不自由展を推すんだったら、毎日新聞の会議室を使ったらどうなんですかと言い放ったのだ。

 この発言には当時、「公共施設の使用許可の話なのにマスコミ攻撃か」「まるでネトウヨ」とネット上でツッコミが起こったが、吉村知事がいかに道理の通らない主張で「表現の自由」を侵害しようとしていたかがよくわかるだろう。

 そして、今回毎日新聞が報じたことで公になった、吉村知事による政治的介入の実態──。この報道に対し、「あいトリ」の芸術監督を務めた津田大介はこのようにツイートした。

完全に表現の自由の敵じゃないですか
〈ある意味これは自明な話で、吉村知事は元々ジャーナリストへの言論封じ目的の高額訴訟を仕掛けた武富士の代理人の一人(武富士はその後倒産)。元々表現の自由に関心ないばかりか、裁判で攻撃をしかけて敗訴した過去があり、大阪不自由展騒動はそれの焼き直しでもあるのです。〉


■歴史修正主義丸出しで「慰安婦像」を攻撃しサンフランシスコとの姉妹都市を解消した吉村知事

 吉村知事が弁護士として武富士の犯罪行為を隠蔽するために、告発したジャーナリストをでっちあげで訴えたスラップ訴訟を担当していたことについては、被害にあったジャーナリストの山岡俊介氏をインタビューした過去記事をお読みいただきたいが(https://lite-ra.com/2020/06/post-5452.html)、もうひとつ、「表現の不自由展」をめぐり吉村知事が積極的に介入していたこの問題を受け、いま一度、問題視されるべきは、前述したように、吉村知事がネトウヨ体質の歴史修正主義者であるという点だ。

 実際、吉村知事は大阪市長時代の2017年、米サンフランシスコ市がイギリス人彫刻家が製作した「慰安婦」像の設置を承認したことに反発し、大阪市との姉妹都市関係の解消をぶち上げ、その翌年にはサンフランシスコ市長に慰安婦像の市有化撤回や撤去を求める書簡まで送付。結局、同年10月、期限までに回答がなかったとして60年以上に及んだ姉妹都市の関係を解消してしまった

 だが、こうした慰安婦像や「あいトリ」および大村知事への攻撃といった歴史修正主義的態度により、吉村氏は百田尚樹らをはじめとする極右界隈から一目置かれ、ネトウヨ番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)にもたびたび出演。同時にネトウヨの支持も取り付けてきた。もちろん、大阪における「表現の不自由展」の施設使用許可の取り消しや「抗告」宣言を吉村知事がおこなった際も、ネット上ではネトウヨによる「吉村支持」の声があがっていた。

 そして、前述した、「あいトリ」のときの表現の自由は公共の福祉で制限される”“税金が投入された国の補助事業なんだから介入するのは当然という表現の自由制限主張。さらには、大阪で、税金が投入されているわけでもない市民による展覧会にまで卑劣なやり口で介入していたのである。

 吉村知事といえば、コロナ対応では自身の失策を「私権制限できないせい」だと責任転嫁して個人の権利を奪おうとする改憲や法改正につなげようとしたことも記憶に新しい。こんな男をこれ以上のさばらせたら、国民の権利はいつの間にかどんどん制限され、民主主義は完全にとどめを刺されてしまうだろう

(編集部)
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●<金口木舌>《年齢で他者を差別をする人も老いる。矛先はいずれ発した側に向かう》…「エイジズム」に陥ることなく批判すべきは批判を

2021年02月14日 00時00分34秒 | Weblog

(2021年02月01日[月])
【<金口木舌>「老害」の拡散に思う】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1264409.html)。

 《▼年齢で人を決めつけていいものか。「老害」という文字を見る度に心が波立つ。年齢で他者を差別をする人も老いる。矛先はいずれ発した側に向かう》。

   『●キャッシュレス…アベ様の《庶民ぶりっ子にだまされていた日には、
                  私たちは奴隷そのものにされてしまう》
   『●『俺たちはどう生きるか』(大竹まこと著)読了…
      《みんなが協力し、かばいあい、ヨタヨタと時間が過ぎた》

 コラムの前半の《違和感》について、親族その他や自身での経験から、感じることの多い昨今。
 さて、コラムの後半。「エイジズム」に陥ることなく、批判すべきは批判したいもの。

 東京新聞の記事【辞任表明の森喜朗会長「説明責任なってない」 報道を批判、会見には出席せず】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/85618)によると、《東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は12日、評議員と理事による合同懇談会に出席し、冒頭で辞任を表明したものの、懇談会後の会見には出席しなかった。会見では記者から「説明責任がなっていない」と批判の声が上がった。森氏は、公開された会議の冒頭で10分あまり発言した。この中で「私の不適切な発言が原因で大変混乱した。今日を持ちまして会長を辞任します」と辞任の表明した。一方で女性蔑視発言をめぐっては、「意図的な報道があり、女性蔑視だと言われた」と報道を批判し、「老害」と言われて「極めて不愉快と怒りをにじませた》そうです。
 さらに、同紙の記事【【全文】森喜朗会長が辞任表明、女性蔑視発言は「解釈の仕方」「意図的な報道あった」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/85567)によると、《◆老害「きわめて不愉快」 したがって、だれかが老害、老害と言いましたけれども、年寄りが下がれというのはどうもいい言葉じゃないんで、子どもたちに対するいろんな言葉がございますけれども、老人もやっぱりちゃんと日本の国のために、世界のために頑張ってきているわけですから、老人が悪いかのような表現をされることも、きわめて不愉快な話であります》…どうそうです。
 シンキロウ サメ脳氏・森喜朗氏が東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会会長を辞任しました。自身の差別発言による辞任を、ご本人は、偏った、一部を切り取った「老人イジメ」的報道等により辞任するのだ、と思っておられるかもしれない。それは誤解で、世界中に拡散された御自身の醜悪さを、シンキロウ氏の個人の資質上の醜悪さを、ブログ主は「老醜」「老害」「老残」という言葉で批判しています。〝箕部幹事長〟も同様。《老人もやっぱりちゃんと日本の国のために、世界のために頑張ってきている》方々はたくさんいます。でも、シンキロウ サメ脳氏や〝箕部幹事長〟はそうではないと言っているのです。

   『●〝腰ぬけ〟で結構、害悪老人よりは!!
    「「戦争の体験があるぼくたちはこのままじゃ死ねない」というのは、
     戦争をしないと気が済まないのでしょうね。いや、
     腰ぬけ小皇帝ですから、自らあるいは身内が行くのではなく、
     若者を戦争に行かせないと気が済まないということでしょう。
     あるいは、ベトナム戦争の際に石川文洋さんに咎められなかったら
     大砲の引き金を引いていたように、安全地帯に居て、罪なき民衆を
     殺すためのミサイルのスイッチを押すような卑怯者でしょう。
     哀しい精神構造です。城山三郎さん・佐橋滋さん・中山素平さん・
     石田禮助さんらの反戦派の気骨ある〝老人〟たちに学ぶ能力の無い、
     哀しい老害人です。エイジズムに加担する気はありません。
     でも、この都知事は「ババア」発言に見られるようなエイジズムの権化
     ですし、差別主義者ミーイズムの塊ですからね」

   『●「憲政史上初となる珍事」: 〝日本〟vs〝日本〟
   『●『自民党の終焉』読了(4/4)
   『●3.5期の空白都政と都知事選候補達
   『●あぁぁ、〝箕部幹事長〟はブーメランも理解できな程の老醜…《事の
     発端》をお忘れか? ―――《二階の年末の「8人ステーキ会食」》
    「「エイジズム」の意図は全くないのだが、政治家個人として
     醜悪であり、「老害」「老残」だ」

 筑紫哲也さんが(玉木正之氏か誰かとの論争で)「エイジズム」「老害」について書いておられた、と思い、探してみたが見つからなかった。このWeb頁(http://www4.plala.or.jp/coolmint/Column/col_page/column_rougai.html)から、一部引用させていただきます。《その一方で、昨今では、「エイジズム(ageism)」という造語まで生まれている。英語で人種差別を「レイシズム(racism)」、性差別を「セクシズム(sexism)」と言うが、これらのエイジ(age)版とでもいった表現で、世代差別を意味する。以前、某局のニュース番組で、筑紫哲也氏がこの「エイジズム」という言葉を用いて、老害について取り上げたことがあった。氏は、現代社会を「エイジズムの社会」と明言すると同時に、「老害」が高じて「老人差別」となりかねない点に言及し、警鐘を鳴らした。確かに氏の言うように、近年、何かと世代で線引きする傾向はより顕著になり、年寄りを汚物扱いする者も増えてきている。モラルの低下は目を覆うばかりだ。年寄りは人生の先達として、尊敬すべきは尊敬し、見習うべきは見習わねばならないのだが、核家族化の進行とともに年寄りと一緒に生活することが珍しくなった今日では、もはや当然のことが当然のようにできなくなってしまっている。「子供叱るな来た道じゃ、年寄り笑うな行く道じゃ」と言うが、今こそ、思い返すべき時だろう。いずれ自分も年寄りになるそのことを忘れて、年寄りを軽んずるようでは、日本の将来は暗い》。

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1264409.html

<金口木舌>「老害」の拡散に思う
2021年1月30日 06:00
金口木舌 高齢者ケア エイジズム 年齢差別 小倉智明

 「ごっくんと、うまく飲めたかな」。病室内のカーテン越しに看護師の声が聞こえてきた。同室の80代女性に薬を飲んだかどうかを尋ねている。ケアは細やかだが幼い子どもに接するような話し方に違和感があった

▼看護師は当方には丁寧語、女性には幼児語を使った。弱い存在だから、守らなければという親切心からの話し方としても、ばかにされたと感じる人はいるだろう。デイサービスでも、職員が幼児語で高齢者に話す場面をときどき見掛けた

▼親しい同士なら、いわゆる「ため口」でいいのかもしれない。見下す気持ちがあるなら年齢に基づく差別や偏見につながる。「エイジズム」という年齢差別の概念で、米国の精神科医のロバート・バトラーが唱えた

▼高齢に伴い身体の衰える人もいれば、活力のある人もいる。晩年のピカソのように創造性を発揮する人も。高齢だからと安直にひとくくりにできない

▼ネットのSNS上で「老害」という言葉を使った高齢者批判が散見される。エイジズムの一つである。朝の情報番組「とくダネ!」の看板司会者、小倉智昭さんが番組降板を決めた。辞める理由の一つに「老害じゃないか」と書かれたネット上の批判を挙げている

▼年齢で人を決めつけていいものか。「老害」という文字を見る度に心が波立つ。年齢で他者を差別をする人も老いる。矛先はいずれ発した側に向かう。
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●《この国の社会と人心は、主に小泉純一郎政権と安倍政権によって破滅…》(斎藤貴男さん)…イラク人質事件以降、何も変わっていない

2021年02月07日 00時00分45秒 | Weblog

(2020年12月31日[水])
西日本新聞のコラム【春秋/イラク人質事件の今井さんは今】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/675178/)。

 《2004年の「イラク日本人人質事件」で、帰国後にバッシングを浴びた3人のうちの1人、当時18歳の今井紀明さんの「その後」を伝える報道が近年増えた ▼12年にNPO法人「D×P(ディーピー)」を大阪でつくり、孤立しがちな10代の若者を支援してきた》。

   『●斎藤貴男さん《この国の社会と人心は、主に小泉純一郎政権と安倍政権
      によって破滅…。菅氏も安倍路線の継承を誇らしげにうたっている》
    「斎藤貴男さんは、このコラムの結びで、《この国の社会と人心は、
     主に小泉純一郎政権と安倍政権によって破滅させられた。菅氏も
     安倍路線の継承を誇らしげにうたっている。少しはまっとうな世の中を
     取り戻すのに、あと1世紀は必要だろう》と仰っています。ブログ主は
     どうしても、小泉純一郎氏を信じることができない。イラク人質事件での
     自己責任論や、国会でのふざけた答弁
     「自衛隊の活動しているところは非戦闘地域」、「自民党をぶっ壊す
     どころか「日本をぶっ壊した」「日本の社会や人心をぶっ壊した
     ことに何の責任も感じていないことから。《前川喜平氏…魯迅
     「阿Q正伝」を思い出したといい、〈愚かな国民は愚かな政府しか
     持てない〉とも述べた。同感だ。勝ち馬に乗りたがるのが庶民感情の
     常とはいえ、ここまでくると原始人にも劣る》…。自身を例外視する
     つもりはないが、ニッポン人の《民度》は情けないほどに低い。
     何時までこのような《社会》《人心》の崩壊は続くのか…。」

 6年ほど前の映画『ファルージャ イラク戦争日本人人質事件…そして』のWPによると、《一方、人質事件のもう一人、今井紀明さんは、5年の間、対人恐怖症に苦しんだ。現在は、大阪で不登校や、ひきこもり経験のある通信制高校に通う若者を支援するNPOの代表をしている。社会から拒否された存在に、昔の自分をみて何かできないかと思ったという》。
 伊藤めぐみ監督は《イラク戦争は、社会に関心を持つきっかけだったんですが、その後、人質事件ですごいバッシングが起こったのを見たことも大きかったですね。人質だった3人に自分を重ね合わせるところがありました。3人が批判されているのを見て、自分も批判されているように感じるというか……。国と違うことをするとあんなふうに冷たい目で見られるんだとか、世の中に対してもの申すことは、すごく怖いことなんだなって感じて、すごく萎縮する自分がいましたね》…と。
 あれから、16年ほどか。この国は少しは変わっただろうか? 7年8カ月に及ぶ「悪夢」からようやく覚めたと思えば、アベ様の政の全てを《継承》する「地獄」の中…。斎藤貴男さんのお言葉、《この国の社会と人心は、主に小泉純一郎政権と安倍政権によって破滅…。菅氏も安倍路線の継承を誇らしげにうたっている》。

   『●『戦争と平和 ~それでもイラク人を嫌いになれない~』読了(1/2)
   『●『戦争と平和 ~それでもイラク人を嫌いになれない~』読了(2/2)
     「しかし、彼女ら (郡山さんと今井さん) の予想は全く裏切られ、
      「自己責任」とばか騒ぎし、醜悪なバッシングの嵐。解放後、
      「生まれ故郷に帰るのに「覚悟」が必要」(p.141) な国って、
      いったい何?? 解放後の「新たな不安と恐怖」(p.147) は、
      拘束時以上だったのではないだろうか…。」

   『●『ご臨終メディア ~質問しないマスコミと一人で考えない日本人~』読了
   『●『ルポ 改憲潮流』読了(2/3)
   『●『だまされることの責任』読了(2/3)
   『●『靖国/上映中止をめぐる大議論』読了(3/3)
   『●『安心のファシズム ―支配されたがる人びと―』読了
   『●『それでもドキュメンタリーは嘘をつく』読了(2/2)
   『●見損ねた
   『●『筑紫哲也』読了
   『●『ルポ戦場出稼ぎ労働者』読了
   『●「自己責任」を叫ばれた人の立場
   『●「自己責任」バッシングの嵐:「話す」ことも許さず、「話しても」伝わらず
   『●「自己責任」バッシングと
      映画『ファルージャ イラク戦争日本人人質事件…そして』
    「当時の「自己責任」バッシングに関連して、映画『ファルージャ 
     イラク戦争日本人人質事件…そして』という映画が出来ています。結局、
     アメリカによるイラク侵略の理由であった「大量破壊兵器」などどこにも
     見つからず、サダム・フセイン大統領は無残に死刑・私刑にされ、そして、
     ブッシュ氏は靴を投げつけられ、「犬」と蔑まれています。それ以上に
     問題なのは、未だにイラク国内は混乱の最中である点……。「……悲劇が
     続くイラク。「「犬」に靴を投げつける」くらいでは、
     とても気がおさまらないでしょう」。高遠菜穂子さんは、今も、
     イラク支援を続けておられます。」

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https://www.nishinippon.co.jp/item/n/675178/

春秋
イラク人質事件の今井さんは今
2020/12/20 10:40

 2004年の「イラク日本人人質事件」で、帰国後にバッシングを浴びた3人のうちの1人、当時18歳の今井紀明さんの「その後」を伝える報道が近年増えた

▼12年にNPO法人「D×P(ディーピー)」を大阪でつくり、孤立しがちな10代の若者を支援してきた。いじめや虐待で孤立させられた人、大人に否定され自信を失った人が少なくない

▼生きづらさを抱えた姿が自分の過去と重なる。今井さんは高卒後イラクに行った。米軍の劣化ウラン弾による子どもたちの被害を知りたかった。武装勢力に拘束され、聖職者協会の仲介で解放・帰国後に「自己責任だ」などと批判された

街中で突然殴られたことがある。どこに行っても冷たい視線に追い掛けられた。自分を否定される日が続き、もうどうでもいいや、と死を思ったこともあった

日本の社会は他者に不寛容な人を増やしてきたイラク人質事件被害者へのバッシングは初期の一例だろう。浴びせる言葉はバカヤロー」「死ね」「非国民」…。今井さんに山ほど届いた手紙類の9割強は匿名だ。不寛容さを増す社会ではネット上でターゲットが日々物色され、匿名の攻撃にさらされる

▼連絡先、名前が分かる人に今井さんは手紙を書いた。やりとりを何度かするうちに気持ちを変えた人がいた。自分の障害を告白して最後は「がんばって」と書いた人も。そうした言葉の先に現在の今井さんはいる。
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