散歩の途中、野鳥の写真でも撮れたらいいなと思い、カメラを持って家を出た。
思い出したようにハラハラと小雪が舞い、霜の降りた田んぼや畑はカチカチに凍りついている。
郡山の街の上にも雪雲が広がり、今日は一日寒そうだ。こんな日は鳥たちもあまり活動しないかもしれない。
道端の薮の中で、動き回る小鳥の姿を発見する。目の前を横切った姿から、緑色が印象的なアオジのようだ。が、カメラを構えても、薮の中にいるために自動焦点のレンズではなかなか野鳥の姿は捉えられない。こういうときは、人間の目の凄さというのを感じる。
すぐそこにいるんだけどな。葉っぱの落ちた雑木林や、こんもりと盛り上がる薮は生き物の宝庫だ。里山を歩いていると、命に囲まれているのを強く感じる。
写真に撮れないのは残念だけど、野鳥がいて、昆虫がいて、小動物がいて、木々や野草が溢れている。知っている名前なんか、まったく微々たるものだ。人間が一生の間に知ることのできることというのは、絶望的なほどにちょっぴりしかないんだな。
家に帰り、野鳥たちのために給餌台に餌を補給する。庭に外に放置していたバケツをひっくり返すと、分厚い氷の塊が出てきた。寒いはずだ。