「2021年の美術館・博物館めぐりの振り返り [前編]」のつづきです。
「前編」での TOP4 につづく次点の6本はこうでした
観た順番に並べますと、
日本のたてもの @東京国立博物館
テオ・ヤンセン展 @山梨県立美術館
デンマーク・デザイン @東北歴史博物館
野口哲哉展 this is not a samurai @群馬県立館林美術館
杉浦非水 時代をひらくデザイン @たばこと塩の博物館
木組 分解してみました @国立科学博物館
です。
このうち、すでにこのブログで見聞録を書いたのは、「日本のたてもの」(こちら と こちら)、「野口哲哉展」(こちら)、「杉浦非水」展 (こちら)、「木組 分解してみました」(こちら) の4本で、「テオ・ヤンセン展」はこちらの記事で見聞録を書き始めたものの、
まだ展覧会のほんのさわりしか書いていませんが、「#2-3」につづきます。
の「#2-3」は書いていないし、「デンマーク・デザイン」にいたってはこちらの記事で
きのうの仙台市博物館と東北歴史博物館を見物したお話は別の記事にします。
と書きながら、結局、「別の記事」には手付かずでした
でも、4本中 1本しか記事にしていなかった「TOP4」よりはかなりマシ。
でも、記事にしていなかった展覧会の方が、私個人の評価が上だなんて、どうしてなんだろ
展覧会から受け取ったモノが大きすぎて 記事にまとめられなかったこともあるだろうし、ブログを書く気が起こらない時期がなんどかあった今年の場合は、そのタイミングもあったのだろうなと思います。と、単なる弁解でした
それはともかく、まったく記事にしていなかった「デンマーク・デザイン」のことを、記憶を掘り起こしながらちょいと書いてみましょうか。
そもそもこの展覧会、これを観るためにはるばる多賀城市にある東北歴史博物館に出かけたわけではなく、たまたま「MISIA星空のライヴ ACROSS THE UNIVERSE」仙台公演に遠征した際、観光の一部として久しぶりに東北歴史博物館に行ってみたら、ちょうど「デンマーク・デザイン」が開催されていたという、偶然のたまものでした。
どうして「歴史博物館」で近代以降のデンマーク・デザインの展覧会を開催しているのか、理解しがたい気がしつつも、もともとデンマーク・デザインに興味がないわけではありませんでしたので、せっかくなので観ました。で、観て良かったぁ~ となった次第です。
私のイメージするデンマークのデザインと言えば、まず、昔、オシャレなお店で見かけたオシャレすぎるオーディオ機器です。
上の写真は、撮影可だったヤコブ・イェンスンのFMチューナー/アンプ「BANG & OLFSEN:ベオマスター1200」です。なんだか計算尺みたい
そういえば、本宅にあるこのポスター・ハンガーもMade in Denmarkです。
B1サイズ(728mm×1030mm)のMISIAの大きなポスターを入手したものの、どうやって飾ろうか? と思案した結果、通販で購入したのが、このORSCOV製のポスター・ハンガーでした(記事はこちら)。
シンプルで機能的でなんともオシャレなポスター・ハンガーです。
さて、「デンマーク・デザイン」で最も「お持ち帰り」したくなったのは、照明器具たちでした。くしゃくしゃした感じのコーオ・クリントのランプとか、たまらなく魅力的なポウル・ヘニングスンのペンダントランプとか、オシャレすぎて持ち帰ったところで私の家には似合うはずもないのではありますが…
ちなみにポウル・ヘニングスンの代表作「PH5」(高い)は、NHKがドラマの小道具として重宝しているみたいで、照明器具の名品が続々と登場した「ハルカの光」とか、
「おかえりモネ」でも使われていました。
それにしても、デンマークに限らず、北欧のインテリアや日用雑貨に優れたデザインが多いのはどうしてなんだろ?
ちょっと考えたけれど、判りません
これで「TOP4」と「次点」6本の紹介を終わりますが、あと3本の展覧会も「もうちょっとでTOP10」として挙げておきたい
藤田嗣治 布との対話 @秋田県立美術館
亀倉雄策と土門拳 @土門拳記念館
よみがえる正倉院宝物 @北海道立近代美術館
「藤田嗣治 布との対話」のことはこちらで書きましたので省略いたしまして、まずは「亀倉雄策と土門拳」のこと。
前回の東京オリンピック (1969) でポスターを制作した亀倉雄策さんの作品のいくつかは、もちろん知っていましたが、土門拳さんとは共に「無名」の20代に知り合って、生涯にわたる友人だったとは知りませんでした。
そういえば、「和田誠展」で、和田誠さんが装幀した亀倉さんのエッセイ集「亀倉雄策の直言飛行」が展示されていましたが、これがまた…
これはもちろん、亀倉さんが制作した、短距離走のスタート直後をモチーフにした東京オリンピックのポスター(上の写真では、見づらいですが、一番左)のパロディです
最後に残った「よみがえる正倉院宝物」は、副題「再現摸造にみる天平の技」にあるとおり、正倉院宝物の模造品の展覧会です。
でも、模造品と侮るなかれ で、明治以降の名工が「宝物の材料や技法、構造の忠実な再現に重点をおいて本格に (フライヤーより)」取り組んだ作品は、超一級の工芸品ぞろいでした
常々思っていることながら、「技術は進歩するが、技能はその人限り」です。この巨大な壁に立ち向かう人たちの努力と、古人の技能の凄まじさに感じ入る展覧会でした。
この展覧会は、来年1月26日~3月27日の会期で、サントリー美術館でも開催されるようですので、もう一回観てこようかなと思っています。
ということで、今年の展覧会の振り返りはおしまい。
昨年と同様に、コロナ禍のせいで見逃した展覧会がいくつもありました。
来年は、観たい展覧会を見逃すことのないことを願っています。