OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

絶対最高なボビー・ウーマック

2013-01-31 15:01:51 | Soul

110番街交差点 / Bobby Womack (United Artists / 東芝)

今やラストソウルマンの尊称も輝かしく、なんとっ! 「ロックの殿堂」入りも果たしているボビー・ウーマックは、しかしサイケおやじにとっては、長らく名前先行型のソウル歌手でした。

それはストーンズやロッド・スチュアートがカパーヒットさせた「It's All Over Now」の本家本元であり、またギタリストとしても、1960年代後半から世に出た名盤レコードに名前が出てきたり、ついにはジョージ・ベンソンとの関連云々までもが熱く語られるという、非常に気になる存在であったのですが、しかし本人名義の歌や演奏については、なかなか真髄に触れる機会が無かったのです。

しかし一度でもボビー・ウーマックのソウルフルな魅力の虜になったが最後、死ぬまでついていきますっ!

そういう覚悟をさせられてしまうんですねぇ~~♪

本日掲載したシングル盤A面曲「110番街交差点 / Across 110th Street」は、サイケおやじにそうした熱烈な思いを抱かせる契機となった名曲名唱で、ジャケ写からも一目瞭然、これは同名映画(1972年・バリー・シアー監督)の主題歌でありました。

つまりサイケおやじは昭和49(1974)年、名画座でこの作品を鑑賞し、もちろん本篇のハードボイルドなムードにも感銘を受けましたが、それよりもグッと惹きつけられたのが、このテーマ曲とそれを自作自演したボビー・ウーマック!

告白すれば、この主題歌に限らず、劇中で使われた歌と演奏が最高にカッコ良すぎて、失礼ながらフィルム本篇よりも、サントラ音源にシビれてしまい、誰が担当しているのかを確認すれば、そこにあったのが「ボビー・ウーマック」という、サイケおやじにとっては未だ見ぬ「幻の強豪」だったというわけです。

ちなみにジャズファンクに染まりきった演奏パートを担当していたのは、モダンジャズ最高のトロンボーン奏者にして、映画音楽も得意分野であったJ.J.ジョンソンだった事も、流石の驚きでしたねぇ~♪

で、肝心のボビー・ウーマックは、ここでもナチュラルに聞かせてくれる漆黒のボーカルと熱血の節回し! その密度の濃さは自作自演の強みを超越した唯一無二の迫力に満ちています。

もちろんピースと命名されたバックバンドが演奏するファンキー&ソウルフルなカラオケパートも充実の極みで、ギターもキーボードもストリングスの響きも、当然ながらリズムアレンジも、全てが当時最先端のニューソウルでありながら、原理主義的なR&B感覚も強く滲んでいるのですから、何度聴いても心が揺れてしまいますっ!

以降、サイケおやじが本格的にボビー・ウーマックを意識して聴くようになった事は言わずもがな、レコードを集めていく過程おいて、前述したストーンズとの関連からロン・ウッドとの子弟(?)関係も含めて、とにかくロックに対する影響力の強さも認識させられましたし、本人の芸能活動の紆余曲折も様々な動機はあれど、結果的に更なる進歩へと導かれていった軌跡も興味深いところでした。

そのあたりについては、拙ブログでも今後の課題(?)にしておりますが、ひとつだけ述べさせていただければ、音楽的な実力と共に、ボービー・ウーマックには人望と似たような、何時も気を逸らさない何かがあるんじゃ~ないでしょうか。

まあ、本人がそれを意識しているか、否かは知る由もありませんが、人種の壁をあまり感じさせない行動力があってこそ、幅広いリスペクトを捧げられているように思います。

ということで、最後になりましたが、肝心の映画本篇「110番街交差点」も相当に素晴らしい作品で、ストーリーのネタはシンプルながら、1970年代初頭のニューヨークのハーレム周辺の景色や人間模様、あるいは警察内部の腐敗や悪人なりの道理を描いた内容は、まさにハート&ソウルなサスペンスが満点!

現在ではDVD化もされていますので、ボビー・ウーマックやJ.J.ジョンソンの音楽共々、ぜひともお楽しみ下さいませ。

そしてシングル盤だけでなく、主要音源がきっちり入っている同名LPアルバムも最高♪♪~♪

と、あえて付記させていただきます。

とにかく最高!!

コメント
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