OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

タワー・オブ・パワーでぶっ飛ぶ!

2013-01-29 14:58:36 | Soul

What Is Hip? / Tower Of Power (Warner Bros. / ワーナーパイオニア)

タワー・オブ・パワーはブラスロックとブラックファンクを融合した、なかなか独自のグループでしたが、我国では必ずしも一般的にウケていたとは言えません。

しかし一度でも虜になると、これが抜け出せない魅力の塊であり、特に重厚でアタックの強いホーンセクションとシャープでメリハリの効きまくったリズム隊が提供してくれる快感は唯一無二!

そのデビューはアメリカにおいては1970年、オークランドやサンフランシスコ周辺をメインに活動しながら、ホーンセクションだけがスタジオセッションや有名ミュージシャンの巡業ステージに助っ人参加する事も多く、次第に存在の凄さが認められるようになったのが、本日掲載のシングル盤A面曲「What Is Hip?」を出した頃の1973年でした。

ちなみにメンバーは結成時から流動的だったんですが、タワー・オブ・パワーを特徴づけるホーンセクションはエミリオ・カスティーヨ(ts,vo) とスティファン・クプカ(bs,vo) が中心となり、このレコードを制作した時期にはグレッグ・アダムス(tp,vo,arr)、ミック・ジレット(tp,tb,vo)、レニー・ピケット(as,fl,vo)等々が参加!

そして強烈な16ビートや変態(?)ファンクロックを打ち出すリズム隊の要がロッコ・プレスティア(b) とデヴィッド・ガリバルディ(ds) の奇跡の黄金コンビであり、そこへブルース・コンテ(g,vo)、チェスター・トンプソン(org,vo)、ブレント・バイアス(per,vo) 等々が加わっていたのが全盛期の顔ぶれでしょう。

気になるリードボーカルは、レニー・ウィリアムスという、まさにこの時期が旬の人気者が入っていた事も大ブレイクの要因かと思います。

つまりタワー・オブ・パワーと言えば、圧倒的なリズム的興奮を煽る演奏力ばかりがウリではなく、ボーカル&コーラスと言うよりも、合の手気味の疑似ラップみたいな人間の肉声と楽器の対立軸があってこそ、楽しく聞ける部分もあるのです。

その意味でヒットした「What Is Hip?」は極めてロックっぽいファンクであり、ジャズっぽいヒップホップでもありますから、ジェームス・ブラウンを始祖とするファンキー&ファンクに拒絶反応を示す洋楽ファンにとっても、すんなり受け入れられたんじゃ~ないでしょうか。

もちろんブラスロックのストレートな醍醐味が入っている事は言うまでもありませんが、それにしてもデヴィッド・ガリバルディのドラミングは凄すぎますねぇ~~♪

それゆえでしょうか、この人はスタジオセッションで活動出来るような融通(?)が無かったようですから、真髄を堪能するにはタワー・オブ・パワーに浸りきるしかありません。

ということで、このバンドの魅力は多様な音楽性を持ちながら、常に一点集中主義による楽曲単位の完成度の追求から、その凄味を発揮出来たように思います。

なにしろスローなソウルパラードや熱血の泣き節ソウル、あるいはジャズファンクなインスト演奏、さらにはニューソウルやハードロックなウケ狙いまでもストレートにイヤミなくやってくれましたから!

当然ながら、バンドメンバーの人種の雑多性も、それに大いに関係しているはずです。

ちなみに掲載シングル盤は吉例「来日記念盤」ではありますが、今も悔やんでいるのは、サイケおやじに全盛期タワー・オブ・パワーのライプ体験が無いこと……。

もちろん彼等は数次のメンバーの入れ変わりを経て、現在でも堂々と活躍していますが、その過程には急速に落目になった1980年代からの逼塞期がありますから、1970年代に作られた諸作盤に執心わけですが、それについては後に譲るとして、今日はここまでと致します。

いゃ~、こういうグリグリに強いビートの音楽って、本当に気合が入りますねぇ~♪

落ちた運気や様々なゴタゴタも、スカッとぶっ飛ばせるような気がしています。

コメント (4)
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