OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

塀までぶっとばされたっ!

2024-02-29 19:02:14 | 日本のロック

Suki Suki Suki(塀までひとっとび)/ サディスティック・ミカ・バンド (DOUGHNUT / 東芝)

日本ロック史に屹立するサディスティック・ミカ・バンドの素晴らしさ、その偉大さはサイケおやじも大いに認めるところですが、さりとて……、サディスティック・ミカ・バンドが結成され、正式に活動を開始した昭和47(1972)年当時は決して、そ~ではありませんでした。

これはサイケおやじだけの印象、あるいは思い込みでは無かったという記憶を辿ってみれば、リーダーたる加藤和彦が当時夫婦関係にあったミカと共に結成した件のバンド名が、あらためて述べるまでもなく、ジョン・レノンが妻のヨーコと一緒に運営活動していたプラスティック・オノ・バンドを真似っこしたに過ぎないというイメージが強く、つまりは加藤和彦という、常に流行に敏感なミュージシャンの「お遊び」感覚を否が応でも押し付けられているというか……。

また、同年初夏に発売された最初の公式シングル曲「サイクリング・ブギ」が、これまたオンタイムで流行っていたロックンロール・リバイバルに則ったアップテンポの日本語ロックだった事も、サイケおやじにしてみれば、聊かスカされた気分でありました (^^;

このあたりの事情は、これまでも度々書いてきたように、その頃は歌謡フォークが全盛でしたから、ロック好きな洋楽ファンは大勢存在しながら、エレクトリックなバンドをやっている者なんか、時代遅れという風潮が確かにありましたし、国内のプロのバンドにしても、GSブームが去っていたこともあり、そのほとんどはゴーゴー喫茶のハコバンあたりが主な仕事という有様で、きっちりロックバンドとしてレコードを出していたミュージシャンは数えるほどでした。

ですから、歌謡フォークをリードしていた加藤和彦が何故に……?

なぁ~んていう不遜な思いがサイケおやじには確かにありまして、しかも翌年春に発売された最初のLP「サディスティック・ミカ・バンド」の内容が如何にも当時の洋楽流行だったグラムロック的な雰囲気としかサイケおやじには思えず、それはラジオの深夜放送でオンエアされた数曲を聴いただけの印象ではありましたが、なんだかなぁ…… (^^;

ちなみに同時期の日本のロックバンドでサイケおやじが強く認識していたのは四人囃子、ブルース・クリエイション、モップス等々でしたから、つまりは明確なハード&ヘヴィな感覚を打ち出していなかったサディスティック・ミカ・バンドは失礼ながら、埒外だったというのは、サイケおやじの不明でありました…… (^^;

ところが、それを大きく覆されたのが昭和50(1975)年初頭に耳にした「塀までひとっとび」という、本日掲載のシングル盤A面曲でして、これがハナからケツまでファンキーロックに徹したアップテンポのゴッタ煮(?)歌謡ロック!?!

それは、とにかくワウワウまでもスビート感満点に用いたリズムギター、炸裂するシャープな16ビートのドラムスにニューソウルなベース、加えてクロスオーバーなキーボートにオチャメでサイケデリックなボーカルというバンドサウンドの纏まりの良さこそは、それに反比例するが如き破天荒寸前の歌と演奏!

あぁ……、このあたりの新鮮な興奮度の高さは正に衝撃でありましたよ、昭和50(1975)年当時のサイケおやじにはっ!

もはや筆舌に尽くし難いと申しましょうか、例えは苦しいものがありますが、ジュニア・ウォーカーあたりがやっていたファンキーなソウルインストをロックに焼き直した感じは、作詞:林立夫&作曲:小原礼が狙って作ったというよりも、ライブギグの現場で自然発生的に練り上げられたグルーヴをスタジオで練り直した結果という経緯を後に知る事になるんですが、それはそれとして、これを演じていた当時のサディスティック・ミカ・バンドのメンバーは加藤和彦(vo,g)、ミカ(vo)、高中正義(g)、今井裕(key)、小原礼(b,vo)、高橋幸宏(ds,vo) だったそうですし、もうひとり、絶対に外せないのがプロデュースを担当したクリス・トーマスの存在でしょう。

そ~ですよ、ジョージ・マーティンの弟子にして、ピンク・フロイド、プロコル・ハルム、ロキシー・ミュージック等々の先進的な英国のプログレバンドを手掛けていた才人ですからねぇ~~、既に述べたとおり、発足当時はグラムロックっぽかったサディスティック・ミカ・バンドが徐々にクロスオーバー的なサウンドに移行し、フュージョンロックに深入りしていく過程には絶好の水先案内人だった様な気がするほどなんですが、加藤和彦が如何なるルートでクリス・トーマスとの共同作業に踏み切ったのかは、勉強不足で知る由もありません…… (^^;

実は、この「塀までひとっとび」は既に前年秋に発売されたいたサディスティック・ミカ・バンドの2nd アルバム「黒船」からのカットであり、殊更英国では「Suki Suki Suki」の英語タイトルでシングル発売もされていたほどの仕上りは傑作の証明でありましょうか、とにかくもサイケおやじは慌てて掲載のシングル盤をゲットして聴きまくり、次いで件のLP「黒船」を入手し、またまた衝撃を受けたわけですが、それは追々に書き記したいと思います。

そして実に素敵な朗報として、サディスティック・ミカ・バンドが残してくれた公式スタジオレコーディングによる4枚のアルバム、同じく2枚のライブアルバムに加えて、新発掘のライブ音源や所謂レアリティーズ音源等々を集成リマスターしたCD8枚に英国でのテレビ出演映像を含むライブステージを収めた映像BDを加えたボックスセット「PERFECT! MENU」がついに3月発売される予定なんですよ (^^♪

もちろん、サイケおやじはサディスティック・ミカ・バンドのCDは1枚も持っていないので、速攻で予約してしまいました (^^♪

ですから、そんなこんなも含めて今後、サディスティック・ミカ・バンドのあれやこれやを拙ブログにて取り上げますが、気になるバンドの活動過程において、ど~しても避けて通れないのが加藤夫妻の離婚という問題であり、それはなんとっ!

ミカとクリス・トーマスの不倫が原因という真相は、いやはやなんとも…… (>_<)

詳しい経緯については、これまで各方面で語られておりますし、幾つかの逸話はネットでも拾えると思いますが、素晴らしい音楽活動の裏側でドロドロしたプライベートな問題が渦巻いていたというあたりは、浮世の常なんでしょうか……。

う~ん、せつなくも、芸術は長し……。

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窮屈…

2024-02-28 16:50:54 | サイケおやじの日常

公私共に苦し紛れの行動は見苦しいにちがいない…… (>_<)

-ほとんど……、冥府魔道というか、既に自分は死んでいるのだとしたら、楽なのかもしれません……。

本日は泣き言、失礼いたしました <(_ _)>

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歌謡フォークは春を呼ぶか…

2024-02-27 17:37:54 | 歌謡曲

今日からは想い出 / ベッツィ&クリス (DENON International / 日本コロムビア)

ここ数日、寒~い日が続いておりますが、それでも春が近づくとベッツィ&クリスが聴きたくなるのは何故でせう?

それはサイケおやじの宿業的習性かもしれませんが、そんなこんなで、とりあえず本日ご紹介するのは昭和47(1972)年7月に発売された掲載のシングル盤A面曲「今日からは想い出」♪♪~♪

あぁ~~、これが作詞:津川善之&作曲:今井久、そして編曲:葵まさひこが手掛けた、それこそ何の衒いも無い典型的な歌謡フォークであり、セミバロック風のイントロから柔らかなアンプラグド系の伴奏、さらにはサビでの弾んだリズムアレンジ等々、お約束の展開をバックに歌うベッツィ&クリスの清涼なカタコト歌唱には、定番のコーラス&ハーモニーが用いられていますから、ちょっぴりGS歌謡っぽいメロディもイイ感じ (^^)

とにかく歌謡フォークが大いに盛り上がっていた当時の流行を外していないプロデュースは、それゆえに刺激性が乏しかった一面も確かにあったんですが、今となっては懐かしさ以上の眩しさを感じてしまうあたりは、全く青春の思い出なのかもしれません (^^;

実際、リアルタイムで高校生だったサイケおやじは学内同好会フォーク組の女子デュオが、この「今日からは想い出」を演じていた場面を思い出してしまったですよ、このシングル盤を聴いていたら (^^ゞ

ということで、今の自分には、こ~ゆ~ナチュラルな和みの歌や演奏を欲する気分が支配的であります。

う~ん、弱くなっている心には……、ベッツィ&クリスの歌声が染入るばかりでございます。

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先が見えているのも悪くない

2024-02-26 17:22:03 | サイケおやじの日常

やっぱり……、本日の心臓再検査の結果は……、悪かったしです…… (>_<)

そりゃ~、確かに息切れというか、何事にも持久力が無くなっている事は自覚しておりますが、年齢的な症状と思っていたら、心臓不整脈が要因ということで、投薬経過も改善せず、結局……、薬を増やされ、5月に再検査、其れでダメなら……云々……。

最悪は手術だとか脅かされ、いよいよ覚悟を決めねばならないのか…… (>_<)

後は成り行きと居直っております。

そして往生際の悪さを考えているのでした <(_ _)>

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昭和末期の歌謡フォークも素晴らしい

2024-02-25 18:52:49 | 歌謡曲

黄昏 / 鮎ゆうき (CBSソニー)

掲載したのは例によって、以前に某ネットオークションからの纏め落札品の中から掘り出したシングル盤でして、まずは美形のポートレートに目を奪われる大アップのジャケ写からして、期待は大きいというサイケおやじの思惑を裏切らなかったのが収録A面曲「黄昏」でありました (^^)

それはアコースティックギターがリードするイントロから、どっぷりとシミジミモードに浸り込んだミディアムスローの歌謡フォークであり、しかも鮎ゆうきの綺麗な声質による伸びやかな歌いっぷりの真摯な歌心にグッと惹きつけられる仕上がりは高得点 (^^♪

バックの演奏には力強いドラムスにシンプルなベース、そして流麗にしてソフトなストリングスが用いられ、ボーカルパートを支えるピアノの彩りもニクイばかりのアレンジも秀逸だったもんですから、思わず制作クレジットを確認すれば、そこには作詞作曲:岸田智史&編曲:城之内ミサという、如何にものスタッフが手掛けた傑作でありました。

そして肝心の主役たる鮎ゆずきは、どうやら宝塚の娘役スタアだったらしく、だからこそ、それほど宝塚っぽい歌唱になっていないのはサイケおやじの先入観による勘違いかもしれませんが、発売されたのがサイケおやじが異郷の地へ島流しにされていた昭和62(1987)年10月ということで、つまりは全く初めて遭遇したレコードだったいう経緯をご理解いただければ幸いでございます <(_ _)>

う~ん、それにしても昭和末期に、これほど往年の味わいを感じさせる、素晴らしい歌謡フォークが制作されていたという事実は看過出来ませんねぇ~~♪

ということで、今夜は来客があるので、これにて失礼させていただきます。

そして明日は心臓の再検査を控えて、少しでも心穏やかに過ごしていたと…… (^^;

だからこそ、幾分湿っぽい歌謡フォークが染入る胸中であります。

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彼女の泣き節は最高

2024-02-24 17:31:27 | 歌謡曲

一人ぼっちの夕陽 c/w 幸福に泣きたい / 環ルナ (クラウン)

掲載したのは環ルナが昭和43(1968)年11月に出した、おそらくは彼女名義としては「ブーガールー・ダウン銀座」に続くシングル盤なんですが、それはやっぱりサイケおやじの期待を裏切らない素敵な仕上がり (^^♪

とにかく作詞:有馬三恵子&作曲:嵐一平、そして編曲:井上忠也から提供のA面曲「一人ぼっちの夕陽」からして、実にキャッチーなミディアムアップのGS歌謡なんですから、ナチュラルな泣き節でグルーヴィに歌ってくれる環ルナのボーカルは胸キュン&ソウルフルな魅力に溢れているんですねぇ~~♪

もちろん、イントロからツカミはOKというエレキギター、調子良過ぎる合の手ブラスセクション、加えて軽快でありながら強いビートを打ち出しているリズム隊が心地良いカラオケパートの演奏共々に、これは現代の昭和歌謡曲ファンにもウケるに決まっていますよねぇ~~♪

間奏のオルガンソロもイイ感じですし、何よりも環ルナの「ふっきれた」歌いっぷりこそは間然する事がありません (^^♪

そして尚更にニクイ仕上がりになっているのが作詞:牧伊津子&作曲:新井靖夫とクレジットされたB面曲「幸福に泣きたい」でして、こちらはなんとっ!

井上忠也がアレンジしたミディアムテンポの4ビート系ジャズ歌謡であり、ちょっぴり演歌モードも滲むメロディ展開の妙を活かして歌う環ルナの程好い芝居っ気の入った節回しは、そりゃ~~幾分の好き嫌いはございましょうが、そこは彼女ならではの泣き節が全開しており、後年の彼女が大杉久美子と名乗ってアニメソングのヒット作を連発した活躍と並んで忘れられてない、杉美子としてソフトロック歌謡を吹き込んだレコード諸作に引き継がれていく個性だと思っておりますので、そのあたりは追々ご紹介させていただく所存です (^^)

あぁ~~、リアルタイムじゃ~ヒットを放てなかったとはいえ、やっぱり環ルナ ~ 杉美子、最高ぉぉぉぉぉぉ~~ (^^♪

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ピオニーズも忘れられない ~ これもB面推し!

2024-02-23 17:46:23 | 歌謡曲

消えた想い出 c/w パッパ・パパラ / ピオニーズ (ポリドール / 日本グラモフォン)

歌謡フォークの女性デュオとしては、田熊由美と北崎美知子が組んでいたピオニーズも忘れられません。

ただし、彼女達は昭和44(1969)年の公式デビューでしたから、歌謡フォークというよりも、それ以前のカレッジフォーク味が強く、それゆえに制作されたレコード音源にはGS歌謡っぽさが滲んでいたりするあたりがサイケおやじの好みだったりします (^^)

で、掲載したのは、その昭和44(1969)年10月に発売されたピオニーズのデビュー曲「消えた想い出」をA面に入れたシングル盤でして、まずはジャケ写デザインのイメージが、やはり……、1960年代の雰囲気を滲ませているのは高得点 ♪♪~♪

そして作詞作曲:佐瀬寿一の提供による肝心の「消えた想い出」はイントロからアコースティックギターのアルペジオに伴奏されたミディアムスローの物悲しい和製フォークソングであり、それをピオニーズはユニゾンハーモニーを主体に歌っているんですが、たっぷりとストリングを用いた川口真のアレンジには歌謡曲フィーリングが溢れているという、つまりは完全なる売れセン狙いがド真ん中!?!

実際、このピオニーズの「消えた想い出」は当時のラジオの深夜放送でウケまくりだった記憶がありますから、それなりに売れたんじゃ~ないでしょうか、掲載盤は (^^)

もちろん、サイケおやじの私有盤が中古ゲットされた経緯からして、昭和50年代でも入手は比較的容易でしたから (^^)

そして、その時になって初めて聴けたB面曲「パッパ・パパラ」はA面曲「消えた想い出」の印象が一掃される、これが曲タイトルに偽り無しという、実に楽しいアップテンポのソフトロック歌謡でしたから、速攻で制作クレジットを確認すれば、作詞:林春夫&森尚明、作編曲:すぎやまこういち!?!

う~ん、さもありなんとしか言えない、すぎやまこういちのセンスの素晴らしさこそは、ピオニーズ本来の持ち味であったかもしれないポップス性を見事に引き出していたとしたら、パッパッパララ~~♪

―― と、歌われる楽しさに収斂され、何時聴いても、ウキウキとハッピーな気分にさせられてしまうんですよ、サイケおやじは (^^)

あぁ~~、これもB面推しのシングル盤であります。

ということで、本日は冷たい雨の中、天皇誕生日の一般参賀で皇居へ (^^)

いゃ~~、本当に寒かったんですが、やはり日本人の本質なんでしょうか、心も引き締まり、厳かにも前向きな気分になれたのは有難い極みであります。

うむ、これで明日の高齢者バンドの練習にもハイテンションで望めそうです (^^)

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このビッキーズを出してしまえば…

2024-02-22 17:17:36 | 歌謡曲

20才のなくしもの c/w 涙色の星 / ビッキーズ (CBSソニー)

歌謡フォークの全盛期だった昭和40年代後半からの10年間ほどの中には、殊更女性フォークデュオの活躍も目立ち、例えばシモンズコスモスジャネッツウィッシュ麻里絵タンポポ等々、その多くが今も忘れがたいレコードを残してくれていますが、昭和51(1976)年に公式デビューを果たした本日の主役たるビッキーズも実力派として強い印象を残しているんじゃ~ないでしょうか (^^)

で、掲載したのは昭和52(1976)年に出したシングル盤で、既に当時は所謂ニューミュージックと称された新種の歌謡曲が注目されていながらも、往年の歌謡フォーク風味を持ち味とするグループやボーカリストが断然人気を集めていた事実が今では忘れられているのでしょうか……。

個人的には、むしろ歌謡フォークこそがアイドル歌謡や正統派歌謡曲のジャンルを支えていた側面があった様な気がしております。

ですから、川島敬子と山田企司子が組んでいたビッキーズのレコードが実質的な売上よりも広くファン層を掴んでいたのは何も例外ではありません。

実は現在、サイケおやじが入れてもらっている高齢者バンドに新参加してくれた現役OLオネエチャンの二人組が、そんなこんなの歌謡フォークデュオ曲が好きで歌いたいというので、あれやこれやとメンバー揃って練習候補曲を選定していたら、ビッキーズの話題が出てしまったので、サイケおやじは恥ずかしながら、ニヤリとさせられ、掲載盤収録の両面2曲をデジタルファイル化して送付した次第です (^^)

それは作詞:松本隆&作編曲:瀬尾一三とクレジットされたA面曲「20才のなくしもの」が如何にも当時の空気感を今に伝える歌詞の世界に湿っぽいメロディが附された典型的なロストラブ歌謡フォークであり、これが瀬尾一三の作編曲となれば、そこに滲み出たシモンズ風味がビッキーズの見事なコーラス&ハーモニーで歌われるという仕上がり見事に成功 (^^)

もちろん、演奏パートはアコースティックギターにシンプルで力強いリズムセクション、そしてソフトタッチのストリングという定番アレンジがミディアムテンポの曲調を彩るという仕掛けになっており、それゆえにトーシロがコピー演奏するのは難しいと思うばかりなんですが……。

一方、B面収録の「涙色の星」は高石とし子から提供されたミディアムアップのカントリーロック系歌謡フォークであり、瀬尾一三のアレンジはエレピやポップなストリングスを用いつつも、なかなかにウエストコーストロックしている感じがありますから、サイケおやじは完全にB面押し!

しかし……、ここでの間奏ギターソロは完ピコが至難ですよ、サイケおやじには (^^;

つまり、やるにしても、ど~やって、これを「らしく」ごまかすか……、そんな腐心が…… (^^;

う~ん、ビッキーズのコーラス&ハーモニーが最高に和んだ爽やかさなだけに、自分の姑息さに情けなさを感じるばかりでございます <(_ _)>

ということで、この2曲を連休中の練習で取り上げる事になりそうなんで、今夜は必死のコピーに勤しむ決意のサイケおやじです。

うむ、挫折の予感しかありませんが…… (>_<)

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あらためて葉山ユリ

2024-02-21 17:03:55 | 歌謡曲

大人同士 / 葉山ユリ (キングレコード)

今にして思えば、大きなブレイクも果たせぬままにフェードアウトしてしまった葉山ユリこそは、小柳ルミ子・南沙織・天地真理という新三人娘から森昌子・桜田淳子・山口百恵と続くアイドル歌手の系譜において、その間を繋ぐ存在としては麻丘めぐみと並び立つ活躍が認められて然るべきと思いきや、なんともミッシングリンクの代表格という印象は、これ如何に……?

そんなこんなの思いは以前にも綴っておりますが本日、あらためて昭和47(1972)年6月に発売された彼女の公式デビュー曲「大人同士」を聞き返してみたら、これが作詞:有馬三恵子&作編曲:鈴木邦彦から提供された典型的なアイドル歌謡ポップスの王道路線♪♪~♪

それはイントロからバリー・ホワイト風の流麗なストリングスとフレンチポップスっぽい音作りでツカミはOKというアップテンポの程好い哀愁歌謡であり、アルトボイスで歌う葉山ユリの歌唱力にしても、幾分の不安定さが逆に初々しいフィーリングとして響いているんですから、なかなか秀逸な仕上がりなんですよねぇ~~♪

いゃ~~、聴くほどに周到なプロデュースが浮彫りになっていると思うんですが、ヒット状況はイマイチ…… (^^;

というか、現在の耳に聴いてしまうと……、これって完全に桜田淳子のプロトタイプみたいな印象なんですよねぇ~~、曲想も、葉山ユリの歌いっぷりも……???

極言すれば、これを桜田淳子が歌っていたとしても、全く不思議じゃ~ないと思ってしまうんですが、いかがなものでしょう……?

う~ん、もしかしたら、カバーバージョンが制作されているかもしれませんが、だとしたら……、ねぇ…… (^^;

もちろん、だからこそ……、と申しましょうか、そんなこんなも昭和歌謡曲の面白さであり、魅力にもなっているんじゃ~ないでしょうか、現実は厳しくとも (^^)

ということで、今日は思いきっり寒くなっているもんですから、昼食には思わず鍋焼うどんを注文してしまったほどなんですが、皆様はいかがでございましょう。

身も心も温めるには、やはり、自分の好きなものを追求する、その気持ちかもしれませんねぇ~~ (^^)

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秘められた…

2024-02-20 17:40:23 | 歌謡曲

愛のオーロラ / 荻野目慶子 (キャニオン)

「女」という生き物の怖さは不詳サイケおやじにしても知っているつもりではありますが、それにしても荻野目慶子の「魔性」にはド肝を抜かれましたですねぇ~~!?

まあ……、そのあたりについては彼女本人が自著「女優の夜」で綴っておられるとおりなんでしょうが、それにしても俊英映画監督だった河合義隆が彼女との不倫から自殺という顛末は、ミステリアスな魅力を滲ませながら映画演劇・テレビ等々で活躍していた荻野目慶子の現実と区別し難い印象がサイケおやじには強く刻まれました。

なにしろ、その頃は異郷の地に島流しにされていたサイケおやじの耳にも届いていたほどですから、それは大き過ぎるスキャンダルであったにちがいありません、日本国内では!?

しかし、そんな荻野目慶子にだって、イノセントな少女時代が絶対にあったはずと信じたいのは、高倉健の主演映画「南極物語(昭和58年・蔵原惟繕監督)」に出演した彼女の強い意志を感じさせる芝居に接していたからでして、しかも封切公開と同時に発売してくれた本日掲載のシングル盤収録のA面曲「愛のオーロラ」の歌声を聴いていたからです。

この時の彼女は確か……、18歳だったと思われますが、このジャケ写ポートレートからも、なかなか神秘性を滲ませる、その面立ちと佇まいは、作詞:岩谷時子&作曲:林哲司、編曲:萩田光雄という制作スタッフが企図した深みのある清涼感をしっかりと表現していると感じましたし、歌唱そのものもミディアムテンポでドラマチックな曲想を裏切らない切実としたハイトーンボイスで聴かせてくれますからっ!

ちなみに、この「愛のオーロラ」は前述した映画「南極物語」本篇には使われていない、所謂イメージソングという扱いながら、リアルタイムの放送メディアでは流れまくっていたもんですから、刷り込まれている皆様も大勢いらっしゃるかもしれません。

いゃ~~、こ~ゆ~彼女の歌声を聴いていると、後年の「魔性」なんてものは信じたくはありませんが、同時に……、さもありなんという気分にさせられるあたりは……、更なるスキャンダルの重なりを知っているからかもしれません (^^;

それは前述した不倫スキャンダルで清純派から脱皮(?)した彼女が出演した映画「いつかギラギラする日(平成4年)」の深作欣二監督との愛人関係の発覚!

しかも、予算オーバー&興行的大失敗の所為でしょうか、ますます深作欣二監督は荻野目慶子に「のめり込んだ」というか、一説には死因となった前立腺癌を悪化させるほど、ヤリまくってしまったというのが本当だとしたら、やっぱり彼女は「魔性の女」であり、気になる皆様は前述した彼女の自伝本「女優の夜」を御一読くださいませ。

ということで、サイケおやじにしても、女の怖さは知っているつもりとはいえ、「荻野目慶子の魔性」については、どこからしら、信じたくないのが本音です (^^;

それは映画「認曲物語」、そして彼女が歌ったイメージソング「愛のオーロラ」の印象があるからでして、甘いっ!

―― と糾弾されたとしても、申し開きは叶わないところでありましょう……。

最後になりましたが、AOR歌謡やブラコン歌謡が十八番の林哲司が、こ~ゆ~「愛のオーロラ」というドラマチックなアイドル歌謡を書いていたというのも、今となっては、ちょいとした驚きでありましょうか (^^)

これは全く意外性の強いレコードであります。

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