これは、ソニーのMSXパソコンHBー101です。MSXとは、80年代中頃にマイクロソフトと日本のアスキーが提唱した8ビットPCの統一規格のことで、松下やソニーなどたくさんのメーカーが参加していました。今からでは信じられない事ですが、当時のPCはメーカーごとに仕様が異なっていて、メーカーが異なるとソフトを動かす事ができませんでした。(というかメーカーが同じでも機種が違うと動きませんでした)。ウィンドウズがOSでの互換性を達成したのに対して、こちらはハードそのものの仕様を統一して互換性を持たせようという、ある意味現在の状況を先取りしていた実験的な試みだったのです。
ただ安価なホームコンピューターとして発売された為、PCとしては中途半端で他の機種に見劣りしてしまい、ゲームをするにしても同じ時期に発売されたゲーム専用に機能を特化したファミリーコンピューターにかなわず、本来の目的を完全に達成できたとは言いがたい状態で終わってしまいました。けれどもゲーム機とは違ってあくまでもPCですから、プログラムなどの勉強には最適でかなり根強い人気も持っていました。当時友達がNECのPC-88SRを持っていて毎日のように遊びに行ってましたので、どうしてもファミコンではなくPCが欲しいという事で手に入れたものでした。
最近、『COLLECTABLE TECHNOLOGY』という電子機器をビンテージとして捉えた写真集が発売されていて、それを見ていたらこれが載っていたものですからおおっ!と感激しました。とはいってもMSXの例として掲載されていただけで、これに特別な価値があるわけではありませんが。オークションをのぞいて見ても、せいぜい500円~3,000円程度で取引されているようです。ただ初めて手に入れた自分のPCなので、今でも思い入れがあり価値は関係無しに好きな機種ではあります。
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