ドラゴンスレイヤーは、日本ファルコムが1984年に発売したARPGで日本のアクションRPGの元祖とも言われています。(ハイドライドと同年だが、こちらの方が若干早かった)。80年代最高のプログラマーの一人にも数えられる木屋善夫氏の作品で、この後ファルコムで氏が携わった作品には、全てドラゴンスレイヤーシリーズの冠が付けられる事になります。(1.ドラゴンスレイヤー、2.ザナドゥ、3.ロマンシア、4.ドラスレファミリー、5.ソーサリアン、6.ドラゴンスレイヤー英雄伝説、7.ロードモナーク、8.風の伝説ザナドゥ)。
これは通常ARPGに分類されますが、アクションゲームとしての要素があったり、パズル的な要素があったりと、あまりジャンル分けは意味をなさない独特のごった煮的なゲームです。まずプレイヤーは、攻撃のための剣を持っていませんので最初に探す必要があります。その後自分の家を起点にして、宝箱の鍵、体力をあげるコイン、消費する事で魔法が使える魔法のボトル、強さを上げるパワーストーンを拾ってゆきます。ある程度強くなったら、モンスターを倒して経験を積むことで魔法が使用可能になります。その後3首のドラゴンを倒して、4つの王冠を自分の家に持ち帰ることでステージクリアとなります。
これはMSX版ですが、MSX版はなぜかあのSQUAREより発売されていました。無駄にでかい化粧箱みたいなケースに入っています。他機種版のように、イラストを前面に出したものの方が良かったかな。
でかい箱の中にROMがちょこんと入っています。しかも真ん中の窪みがROMの大きさにあってなかったり。他のゲームから流用しているんでしょう。説明書も、飾り気がなくごく質素な感じ。
日本のゲーム業界を代表するスクエアも他社の下請けみたいなことをしていた時期があったんですね。
MIA(アスキー)より出版されたゲームブック版。モンスターや魔法は、続編のザナドゥから持ってきている。リアル志向で3Dの迷宮を探索するなど、原作の面影はない。
ゲームの概要を簡単に書いてみると、ごく普通のRPGのようにも思えますが、このゲームはそんな単純な定義をすり抜けてしまう、独特で不思議な世界を持っていました。剣やアイテムを拾うのに、ブロックが積み重なってできた壁が邪魔になりますので、アイテム(指輪)を使って、それらを移動させる必要があります。剣などの重要アイテムは、取れそうで取れない位置にある事が多いため、ブロックを移動させてアイテムを取る、倉庫番のようなパズルをやらされるハメになります。キックの魔法が使えるようになると、ブロックを蹴飛ばせるようになり、今度はセガのペンゴのように飛ばしたブロックで敵を倒せるようになります。さらに経験値がたまって強くなると、ブレイクの魔法でブロックを粉砕し、フライの魔法で空を飛べるようになり、マップ内を自由に行き来できるようになります。
また、当時遊んだ人の印象に一番強く残っているのは、真面目なのか何なのか、よくわからないモンスターのデザインではないでしょうか。フラッピーのエビーラ、足だけのピロエース、怪物くんのフランケン、それに目玉やテレビ、おまけにタモリ?まで登場してきます。さすがにこれは悪乗りしすぎだったのか、MSX版では亀やヘビ、カニ、マージャンパイといった無難な?敵に変えられてました。(これも手抜きなのか、何なのかよくわかりませんが)。ゲームボーイ版やSS版でも、これらの敵は登場してこなかったように記憶しています。※スーパーカセットビジョン版では、登場してたようです。
このゲームのキャッチコピーは、『前代未聞麻薬的爽快遊戯』というのですが、確かに類似するもののない独特なゲーム性で、中毒的にはまり込む不思議な魅力をもっていました。ステージをクリアするタイプのゲームなので、ドラゴンを倒し王冠を手にするまで半日もあれば終わるのですが、遊んでるうちにブロックを並べかえて新たな地図を作ってみたり、モンスターの出口をブロックで囲って牧場をつくってみたりと、ついゲームとは関係ないことに熱中したりします。
ドラゴンスレイヤーは、88や98など当時のほとんどのPCに移植されていた他、エポック社のスーパーカセットビジョンやゲームボーイでも発売されていましたが、それらは皆入手困難だと思います。入手しやすさからいうとレトロゲームの復刻サービスか、サターンのファルコム・クラッシック版かなと思います。
※追記、MSX版でもタモリらしき人物は登場していました。2006年の記事を写真差し替え
参考:Wiki ドラゴンスレイヤーの項、OLD GAMERS HISTORY ロールプレイングゲーム創世記編・メディアパル
何とも、不思議なゲームでしたよね。動画は見られるのでありがたいですが、出来ればまたやりたいです。
龍には、しっぽで殴られたり、黒焦げにされた記憶しかありません。
真っ黒のまま家に帰るんですよね?確か。背中にも乗った気がします。
後、十字架を持っていて、敵に囲まれた気もします。
FM版はやたら敵が多かった気がしたのですが、動画で88版を見ると、敵が余り出ませんね。
機種に差があるのか、私の記憶が間違いなのか。
セガサターン版のようなグラフィックは必要ありません。オリジナルのままが良いんですよね。またやりたいです。
倉庫番のようにブロックを移動したり、ペンゴのように飛ばしたり、ほんとうに様々な要素の詰まった不思議なゲームでした。ゲームとしてみた場合、ザナドゥより完成度が高かったと思います。私は、友達のうちの88版で遊ばせてもらって、MSX版を自分でも購入してしまいました。
>セガサターン版のようなグラフィックは必要ありません
これは同感です。ゲームボーイ版もありましたが、あれもグラフィックが変わっていたと思います。88版であれば、見つけられるかも・・・。