Digital Photo Gallery by ZEISS Ⅱ

四季折々の表情を見せる写真を公開します。

北国街道・海野宿

2009年09月26日 | 史跡・名所
「日本の道百選」、そして「重要伝統的建造物保存地区」
(1)

海野宿(うんのじゅく)は、寛永二年(1625年)に北国街道(ほっこくかいどう)の宿駅として開設されました。
北国街道は中山道と北陸道を結ぶ重要な街道で、佐渡の金の輸送や北陸の大名が参勤交代で通った道でもありました。

また、海野宿は伝統的な建造物が数多く残り、独特の意匠が随所に見受けられます。
卯建(うだつ)や格子、小屋根など、その独特の様式には目を瞠るものがあります。
この写真では、一階の屋根の上に張り出させ、装飾を兼ねた袖壁ともいえる「袖卯建」が目を引きます。

この「袖卯建」は明治時代になって設けられたもので、江戸時代には「本卯建」という様式でした。
防火壁の役割を果たし、「火返し」とも呼ばれていたもので、後年になって意匠を凝らして「袖卯建」になりました。
裕福な家でなければ「卯建」を設けることができず、ここから「うだつがあがらぬ」といった言葉が生まれた訳ですね。


(2)

海野宿には格子戸の嵌った家が続いていますが、一階の格子戸は明治以降に造られたものが大半です。
写真には写ってはいませんが、二階格子の多くは出格子になっていて、長短二本ずつ交互に組み込まれたものがあります。
それが海野宿特有の美しさを誇る「海野格子」で、江戸時代に造られたものです。


(3)

海野宿の道の中央には用水路があり、清らかな水が今でも流れています。
現在は車道と歩道を区切る役割も担っており、地元の方々や観光客が安全に通行できるようになっています。
初雪草の白い花が印象的でしたので、画面右側に大きめに取り込んで構成してみました。


(4)

白漆喰の堂々とした建物が目に飛び込んできました。
蔵とも違う造りのようですが、ここ海野宿では一際目立つ建造物です。


(5)

角度を変えてみると、特に二階の屋根の張り出し具合に風格といったものを感じます。
家族と一緒でなければ、また、時間的に余裕があったのならばゆっくりと見たかった建物の一つでした。


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「馬の塩舐め石」です。
交通の要衝であった北国街道は、荷役には馬が当時使われていました。
その馬が憩うときにここで塩(多分、岩塩)を舐めたことでしょう。
北信の「塩の道」では同様なものがあったような記憶がありますが、「潮の道」は牛が荷役に使われていたと思われます。


(7)

茅葺であったらさぞやと思わせる造りの建物です。
当時はともかく、現在では萱葺き職人も少なく、また、耐久性やメンテナンスの関係なのでしょう。
このような屋根に殆ど置き換わりつつあるようです。


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何のために置いてある石かは不明ですが、印象的でしたので道端にしゃがみ込んで写したカットです。
馬を繋ぎ止めたのでしょうか?


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随分と凝った作りのマンホールを見つけました。
現在では平成の大合併よって東御市(とうみし)となっていますが、以前は東部町(とうぶちょう)でした。
その名残が下部に「とうぶ」と刻まれており、また、マンホール全体が海野宿の図柄で構成されています。


(10)

これは海野宿の入り口から眺めたものです。
駐車場から歩いてすぐに白鳥神社があり、そこからものの一分と歩かずに海野宿の入り口に辿りつきます。
海野宿は大屋駅からあるいてもすぐの場所にありますので、こちらへ行くような場合は是非ともお立ちより下さい。

東御市観光協会・海野宿

今回使用した機材はRICOH Caplio GX100で、殆どワイドコンバーターをつけっぱなしでした。
焦点距離は換算で19㎜相当となっております。
このカメラは本当にいい仕事をしてくれると思います。