Snapeの英語指南

英語長文対策、英語速読法、英語学習法、高校生、中学生、社会人の英語学習に役立つヒントを紹介。

化学兵器使用は、やはり反乱軍

2013-08-28 22:52:38 | 現代時評

化学兵器使用は、もちろん反乱軍

こんなことは冷静に考えればわかることなのだが、アメリカやNATOの息のかかったマスメディアの報道によって事実は歪曲され、ほとんど正反対のことが事実として報道されている。

実は、起きたことが報道されているのではなく、報道したいことを演出して起こしているというのが事実に近い。報道したがっているのは米英仏そしてイスラエルといった国の利害を代表しているような国際的なメディアである。特にアメリカは国際世論を自分に有利に操作することに長けている。

アメリカ、イギリス、フランスはシリア政府が化学兵器を使用したとして非難し、それに対する制裁措置、制裁攻撃を準備している。以前から準備していた手口である。大量破壊兵器があると言ってイラクに侵攻したのはどこの国だったか。そして、大量破壊兵器はあったのか?ヤクザが堅気のひとにケンカを吹っかけているのと変わらない。

報道写真を見るとほとんどが、子どもや一般市民である。ここに注意してもらいたい。シリア政府が本当にやっつけたいのは反乱軍兵士であって、一般市民ではないはずだ。しかし、いわゆる“化学兵器”の犠牲になった人々の中に明らかに反乱軍の兵士である写真はほとんどない。(2013.9.5追記:犠牲になったとされる反乱軍兵士の写真、映像は存在する) 反乱軍はいつも自分たちが一般市民を殺しては、それをシリア政府のせいにしてきている。さすがに自分たちが自発的に犠牲になってまでしてシリア政府を非難するところまではできないので、いつも一般市民を自分たちが傷つけてはシリア政府のせいにしている。そもそもシリア政府軍が自国の一般市民や子供を殺す理由がどこにあろうか。化学兵器によって反乱軍兵士が数百人死んだというのならまだ耳を傾けてもいいかもしれない。(2013.9.5追記:実際そういった報道があったが、真相は自分たちが自分たちの化学兵器をいじっていて誤って爆発させてしまったという実にマヌケな話であった)一つ言っておこう。シリアにおけるアサド政権の支持率は非常に高い。アメリカにおけるオバマ政権の支持率よりもずっと高いのだ。

実は反乱軍はアメリカから手渡された“化学兵器”を一般市民に対して使用し、それをシリア政府軍による攻撃だとして、ビデオに撮って欧米のメディアに渡しているのである。アメリカは「よくやってくれた」と言ってその映像や写真を全世界に流し、シリアのアサド政権を悪者に仕立てあげて、アメリカによる軍事介入の口実にしているのである。

日本人は「反政府軍」、「反体制派」というだけで、自由のため、民主主義のために国家権力と戦っている“フリーダムファイター”だと勝手に思う非常にナイーブな傾向があるが、現実は「スターウォーズ」の反乱軍とは全く違う。天安門事件とはまったく違う。リビアのカダフィ政権と同じと思ってはならない。アメリカは、自分がいきなり軍事介入すると国際世論がうるさいので多額の資金を使って“反体制派”を作り、シリア内部から政府に反対する勢力が成長してきているように時間をかけて演出しているのである。その実体は、上に述べたように元アルカイダや百戦錬磨のテロリストの傭兵であるが、金をもらって好きなだけ人殺しをしていい犯罪者集団に等しい。彼らの背にはCNNやBBCといったメディアが貼りついて、反乱軍を正義の味方、シリア政府を悪逆な独裁政権であるように報道している。

 

じゃ、なんでアメリカはシリア政府を転覆させたがっているのか?

アメリカやイギリス、フランスの狙いは実はシリアではない。イランである。シリアを転覆させたがっているのは、シリアが地政学的にみても、イランが最も頼りにしている同盟国だからである。つまり、シリア政府の転覆は、イランの孤立化のために不可欠な布石なのである。本当の狙いはイランの孤立化、そしてイランの転覆、崩壊である。そして、中東におけるアメリカの覇権の確立である。本丸はイランなのである。(それと、コメントでの指摘にもあるように、“イスラエルの保護”である)

そういった長期的展望のもとに、傭兵の“反体制派”に化学兵器を渡して使わせ、それをシリア政府が使ったことにして自分たちの軍事介入の正当化に利用しようとしているのである。そういった深謀遠慮があってそのための根回しを長い時間をかけてやってきている。すべてアメリカの軍事介入を正当化するのがその目的である。そのために国連もすでに抱き込んでいる。

シリア問題に関して言えば、ロシアの反応や姿勢はアメリカやイギリス、フランスに比べ、かなりフェアと言える。もちろんロシアにも利害関係があるにはあるが、事実認識に関してはずっと客観的である。アメリカと言えば、むき出しのマッチポンプである。

今回の“化学兵器使用疑惑”は、元はといえば、シリア反政府軍が、「シリア政府が化学兵器を使用した」と言いだしたことから始まっている。彼らの主張は、シリア政府が一般市民に対して化学兵器を使用し、それによって多くの罪のない市民が犠牲になっている」というものだ。

“化学兵器攻撃”があってからネット上では、シリア政府を批判、弾劾する書き込みが大量に現れた。しかし、綿密な調査によると、それらの一部は、実際に“化学兵器攻撃”が起きたとされている時間よりも数時間前から投稿されている。つまり、国際世論を操作するための組織的な回し者のサクラ投稿が事前に準備されていた疑いがある。

今回使用された化学兵器は日本人ならだれでも知っている“サリン”だということである。しかし、今年の5月にシリア国境近くのトルコ領内にあったシリア反体制派のアジトから化学兵器のサリンが押収されている。トルコ警察は、それらはシリア国内に持ち込む予定のものであったとしている。

 

“化学兵器”以前にも、反政府軍はシリア軍の攻撃によって市民が虐殺されたということを、過去1年以上も前から繰り返し言ってきている。しかし、それらはすべて、反乱軍の仕業であった。それらは一部の良心的なメディアによってほとんど証明されている。しかし、そういったまともな報道は日本では採り上げられない。日本のメディアは一貫してアメリカ寄りである。そして、日本政府の対応も常にアメリカ追随である。反乱軍の実体はアメリカ、イギリス、フランスから武器や資金をふんだんに供与されている元アルカイダなどの外国からやってきたゴロツキや傭兵である。市民の殺戮、強姦、町の破壊を多額の報酬を得て喜々としてやっている人格破たん者がほとんどである。彼らは「シリアをぶっ潰してくれ」というアメリカなどのからの注文に応えてシリアを崩壊させようとしている。いずれシリア政権が崩壊することを見込んで反乱軍側についているシリア人もいる。

ふつうの日本人はテレビや新聞の報道を、そんなにひどいウソのないものだとして受け取っているようだ。しかし、ニュースメディアは大国の国益によっていくらでも操作できるものであることを忘れてはいけない。自国のメディアですら自国の政府や東電の都合によっていいように操作され、利用されてきたことを2011年3.11当時、骨身に沁みてわかったひとは多いはずなのに、もう忘れてしまっている。