Snapeの英語指南

英語長文対策、英語速読法、英語学習法、高校生、中学生、社会人の英語学習に役立つヒントを紹介。

タダで英語の小説を読む!

2010-01-24 08:55:38 | 英語ペーパーバックの読み方

このブログでは、英語の勉強に役立つようなもの、(書籍、テキスト、音声等)の紹介もしてきているが、原則として、高価なものは対象にしていない。できればタダ、そうでなくても、なるべく低価格のものを紹介したいと思っている。特に私がタダというとき、それはだいたいインターネット上で手に入れられるということである。

英語の小説といっても、どんなものでもというわけではない。新刊書や現存する作家の著作権が切れていないものは対象外である。つまり、著作権がすでに消滅した作品のことである。英語ではそうした状態の著作を、public domain(パブリックドメイン)に属しているという。 パブリックドメインとは、著作物や発明などの知的創作物について、知的財産権を行使しうる者が存在しない状態のことをいう。日本語訳として公有という語が使われることがある。

こうしたパブリックドメインの著作を無料で公開しているサイトが現在いろいろある。日本のサイトでは、「青空文庫」というサイトが最も大きいだろう。そこへ行くと日本の著作権切れの小説などがいくらでもダウンロードできる。夏目漱石、樋口一葉、太宰治等々がまったく無料で読める。本屋にも図書館にも行く必要がない。それと同じように海外のパブリックドメインの著作にフリーアクセスできるところで最も定評があるのは、やはり「グーテンベルク・プロジェクト」ではないかと思う。

http://www.gutenberg.org/wiki/Main_Page

プロジェクト・グーテンベルクProject Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリカ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館。印刷の父、ヨハネス・グーテンベルクの名を冠し、人類に対する貢献を目指している。

たとえば、英語で、Shakespeare シェイクスピア)と入力すると、彼のほぼ全著作のリストが出てくる。それも原典の英語版だけではなく、ドイツ語訳、フランス語訳、イタリア語訳、フィンランド語訳なども出てくる。あいにく活字の問題があるせいか、日本語訳はない。

もちろん、著作名で検索もできる。

英語で、Alice's Adventure in Wonderland 「不思議の国のアリス」 と入れると、英語版以外には、ドイツ語版、イタリア語版、エスペラント語版が出てくる。また、朗読してくれている英語の音声ファイルもある。オーディオブックを買う必要がない。テキストも音声も無料でアクセス、ダウンロードできるのである。

私のお気に入りのフランツ・カフカの著作を探してみよう。彼の作品はドイツ語であるが、これも英語版があり、英語の音声ファイルもある。

Edgar Allan Poe エドガー・アラン・ポーの著作もかなりある。フラン語版、スペイン語版もある。

もっとさかのぼって、ゲーテ、カント、アダム・スミス、アリストテレス、デカルト、パスカル、プラトンといった、西洋の古典といったものはかなり充実している。ただ、すべてがあるというわけではない。現在もたくさんの著作が電子化されて追加されている。

このグーテンベルク・プロジェクトは、20068月時点の公表では、プロジェクト・グーテンベルクが収集したテキストは19000点を越え、週に平均50以上の新しい電子書籍が追加されている。おそらく現時点ではすでに2万点を超えているだろう。

これらは、ほとんど西洋文化圏の文学作品である。小説や詩、戯曲といった文学作品だけでなく、マニュアルや参考書、雑誌の類も収集の対象である。少量ではあるが、音声ファイルや楽譜といった非文書ファイルも所蔵されている。

大部分は英語のテキストだが、他の言語のテキストも非常に多い。英語以外で特に多いのは(順に)フランス語、ドイツ語、フィンランド語、オランダ語、スペイン語のテキストである。

西洋古典好きのひとは、まったくお金をかけずに一生楽しめるわけである。

私は日本の古典も好きなので、同様のサイトを探しているが、日本にはなかなかないようだ。上述の「青空文庫」は、残念ながら古典のほうはあまり充実していない。「今鏡」を読みたいと思ってさがしても、原典も現代語訳もなかなか見つからない。文部科学省はせめてパブリックドメインに優に入る日本の古典のすべてをフリーアクセスできるようなサイトを作るべきではないか。 それらにすべて現代語訳をつけ、さらに英訳をつけて公開すれば、海外に向けての日本の文化紹介に大いに貢献できると思うのだが、どうだろうか。