感想。
1.突きつけられる、真実がやばい。
これぞ、evidence basedって感じ。これだけ、科学的で膨大な量の根拠を突きつけられると、いかに「やばいのか」が痛感させられる。正直言って、こんなにやばい事態になっているとは、知らなかった。地球の歴史においても、現在の状態が、どれくらい正常な範囲を逸脱しているのか、他の人にも是非見て欲しい。
2.ゴアさん、プレゼン、うまい。あの説得力がすごい。
彼なりに何年間も研究したり政治家として活動してきた中で、そして講演活動を始めて、人に「どうしても伝えたい」という熱意の中で、あれだけの発表を作り出せるようになってきたんだろうけど、「ユーモア」あり、「例えが分かりやすく」、「エビデンス→どこが誤解を招いているのか、問題点は何か→人々の不安を拭いつつ→どうすれば解決できるのか」という話の流れ、惚れ惚れしました。
あの、スライドのつくり方、聴衆への訴えかけ方、真似したい。
3.今年のアカデミーを取ったことについて。
26日に、ドキュメンタリー部門のアカデミーを取りましたよね。
それはなんでなんだろうって思いながら見てたんだけど、きっと他のドキュメンタリーもすごく内容も良かったり、俳優さんも素晴らしかったりするんだろうけど、そのほかの逸材よりも秀でた点は、やっぱり世間の人たちの「raise awareness(注意を喚起)」したことだろうなぁ。
こうゆうのを「promotion」って言うんだと思う。health promotionってよく健康教育とか健康増進活動とかいうけど、いまいちピンと来ない。だって、ビックウェーブは起せないから。どうしても目に見えない、地味な活動になっちゃうから。
ゴアさんの講演活動だって、地道な活動だったに違いないから、環境保護活動のpromotionのひとつなんだろうけど、それをここまでworldwideのビッグウエーブにした、映画のパワーを感じた。
平日の昼間だったのに、映画館の席は満席に近かった。
問題は、raise awarenessから、take action(行動に移す)こと。
ここには、天と地ほどの差があって、このドキュメンタリーの波だって、越えられるかどうかはわからない。
けど、思うことは、0と1の間にも、天と地ほどの差があるってこと。
ちょっと知った人(1)が、どれだけ行動を起すか(1が20になるか、1が100になるか)は、一番大切な問題じゃなく、この0(無関心だった人)と1(ちょっと知った人)との差を、一人でも多くの人に縮める影響力をもたらせた、ゴアさんと映画監督さんに、拍手。
ゴアさんが言ってた。
「今の現状は、un-ethical issueだ」って。
(環境保護がどうの、国家の政策がどうの、といってる場合ではなく、倫理に・道徳に反する問題だ、って。)
人の心に訴えかけるとは、こうゆうことなのね、と勉強になりました。