
ギリシャのデフォルト危機が迫り、イタリア、ポルトガル、スペインの財政も懸念が広まっていますが、イタリアは財政再建策のうちのひとつとして、小さな村を投合し補助金を減らすという緊縮財政策を示したのだそうです。
ところがこの小村廃止に反発して、公国になると、「独立」と「独自通貨導入」を目指すと言い出した村があるのだそうです。
市町村合併で、財源の豊かな小さな町や村が、合併を拒否して独立を続けるという話は日本でもありますが、国の政策に反発して独立国になる、それも公国になるので王様も探すなんてのは、童話の世界を彷彿させヨーロッパだなぁと感心してしまいました。お札のデザインまで考えているのも面白い。
ヨーロッパの小さな国といえば、モナコ公国を思い浮かべます。フランスが領土防衛や鉄道を担っていることで、安全保障や基幹インフラも保てているのですね。
フィレティーノ村のルーカ・セッラーリ村長は、「独立は実際には難しいだろう」と言っている様ですが、国をけん制するために公国になる計画は放棄しないのだとか。王様候補で交渉に来られた旧王家の子孫の方も当惑しているでしょうね。
橋下知事は、市との統合で都になりたいと言うレベルですから、ルーカ・セッラーリ村長の肝っ玉というか風呂敷には負けてますね。
沖縄のプロ市民団体が言う独立は、中国に身売りする話ですから、発想も魂胆も不純で、話題の俎上に載せるのもはばかられます。
イタリア政府も一旦撤回して、公共サービスの統合に切り替えてきているそうですね。
S&Pの国債格付けで、AA=スペイン、AA-=日本、A+=イタリア、A-=ポルトガル、BB+=ギリシャとなっていて、世界最大の財政赤字を抱える日本が、笑い話で聞いていられる話ではないのですね。
震災復興税は、スポットのもの(原発補償は長期化)ですが、財政改善と社会保障の為の増税は、構造にかかわる問題で、長期的なものですが、ギリシャやこのイタリアの話は現実の問題として考えねばなりません。
夕張市の取り組みが、日本国の規模で考えねばならないのです。
増税と、年金削減の往復パンチは、少子高齢化の宿命ですが、後ろ向きの縮小の話だけでなく、経済成長や企業収益など、収入増に向けた政府の戦略がどんどん出てくることが期待されます。
新幹線、水事業、原発などの官民一体となった大型インフラ輸出の話が、原発事故とともに聞こえなくなったのは残念です。
野田政権の奮起を願っています。
# 冒頭の写真は、ご存じモナコグランプリの風景

↓よろしかったら、お願いします。



ところがこの小村廃止に反発して、公国になると、「独立」と「独自通貨導入」を目指すと言い出した村があるのだそうです。
伊600人の村「独立」 廃村案に反発 独自通貨・君主探し検討 (9/16 読売朝刊)
イタリア中部の山村が、国の緊縮財政策の一環として小村廃止が浮上したことに反発、「独立」と「独自通貨導入」を目指す方針を表明した。国の補助金削減や増税、歳出削減を押しつけられることへの反発もあり、ベルルスコーニ政権の財政再建をめぐる議論に一石を投じている。(ローマ末続哲也)
「イタリアから離脱し、公国になる」。ローマの東約70キロ、フィレティーノ村のルーカ・セッラーリ村長(45)は訴える。山手線の内側より2割ほど広い78平方キロに600人弱が住む。
伊政府は8月中旬、全国の約2000の人口1000人未満の村を投合し、補助金を減らす案を示した。村長は耳を疑い、「小村独自の文化や方言が絶える。認められない」と「独立方針」を表明した。
リゾート地の村は、冬休み中なら5000人超のスキー客らが定宿を取る観光名所。水や森林資源もあり、「独立しても財源はある」と計算できた。
村は独立後の君主を探して旧伊王家の子孫に接触。独立後の新通貨「フィオリート(『花盛りの』の意味)」の試作も始めた。村長は「独立は実際には難しいだろう」と語るが、独立を達成する法律的な手だてがないかどうか、著名な弁護士と共に調べている。
小村廃止に対する反発は、全国に広がる。約3000の村で作る小規模自治体協会は、小村廃止で節約できるのはせいぜい580万ユーロ(約6億1000万円)と試算。これは伊下院の食堂の年間運営費に等しい。一方、伊国内で横行する脱税による国庫損失は推計で年約1200億ユーロ(約13兆円)。小村にツケを回す政府に対して8月末、北部ミラノで1000以上の小村代表が抗議デモを行った。
反発を受けて伊政府は小村廃止案を撤回、代わりに教育、福祉、交通などのサービス統合などを打ち出した。だが、村長は「村に良いことは何もない」と反発する。
国の財政再建の見通しも不透明で、将来的に小村廃止案が再浮上する可能性もある。「何が今後起きるかわからず、公国になる計画は放棄しない」。村長は国家への不信を隠さない。
イタリア中部の山村が、国の緊縮財政策の一環として小村廃止が浮上したことに反発、「独立」と「独自通貨導入」を目指す方針を表明した。国の補助金削減や増税、歳出削減を押しつけられることへの反発もあり、ベルルスコーニ政権の財政再建をめぐる議論に一石を投じている。(ローマ末続哲也)
「イタリアから離脱し、公国になる」。ローマの東約70キロ、フィレティーノ村のルーカ・セッラーリ村長(45)は訴える。山手線の内側より2割ほど広い78平方キロに600人弱が住む。
伊政府は8月中旬、全国の約2000の人口1000人未満の村を投合し、補助金を減らす案を示した。村長は耳を疑い、「小村独自の文化や方言が絶える。認められない」と「独立方針」を表明した。
リゾート地の村は、冬休み中なら5000人超のスキー客らが定宿を取る観光名所。水や森林資源もあり、「独立しても財源はある」と計算できた。
村は独立後の君主を探して旧伊王家の子孫に接触。独立後の新通貨「フィオリート(『花盛りの』の意味)」の試作も始めた。村長は「独立は実際には難しいだろう」と語るが、独立を達成する法律的な手だてがないかどうか、著名な弁護士と共に調べている。
小村廃止に対する反発は、全国に広がる。約3000の村で作る小規模自治体協会は、小村廃止で節約できるのはせいぜい580万ユーロ(約6億1000万円)と試算。これは伊下院の食堂の年間運営費に等しい。一方、伊国内で横行する脱税による国庫損失は推計で年約1200億ユーロ(約13兆円)。小村にツケを回す政府に対して8月末、北部ミラノで1000以上の小村代表が抗議デモを行った。
反発を受けて伊政府は小村廃止案を撤回、代わりに教育、福祉、交通などのサービス統合などを打ち出した。だが、村長は「村に良いことは何もない」と反発する。
国の財政再建の見通しも不透明で、将来的に小村廃止案が再浮上する可能性もある。「何が今後起きるかわからず、公国になる計画は放棄しない」。村長は国家への不信を隠さない。
市町村合併で、財源の豊かな小さな町や村が、合併を拒否して独立を続けるという話は日本でもありますが、国の政策に反発して独立国になる、それも公国になるので王様も探すなんてのは、童話の世界を彷彿させヨーロッパだなぁと感心してしまいました。お札のデザインまで考えているのも面白い。
ヨーロッパの小さな国といえば、モナコ公国を思い浮かべます。フランスが領土防衛や鉄道を担っていることで、安全保障や基幹インフラも保てているのですね。
フィレティーノ村のルーカ・セッラーリ村長は、「独立は実際には難しいだろう」と言っている様ですが、国をけん制するために公国になる計画は放棄しないのだとか。王様候補で交渉に来られた旧王家の子孫の方も当惑しているでしょうね。
橋下知事は、市との統合で都になりたいと言うレベルですから、ルーカ・セッラーリ村長の肝っ玉というか風呂敷には負けてますね。
沖縄のプロ市民団体が言う独立は、中国に身売りする話ですから、発想も魂胆も不純で、話題の俎上に載せるのもはばかられます。
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震災復興税は、スポットのもの(原発補償は長期化)ですが、財政改善と社会保障の為の増税は、構造にかかわる問題で、長期的なものですが、ギリシャやこのイタリアの話は現実の問題として考えねばなりません。
夕張市の取り組みが、日本国の規模で考えねばならないのです。
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