
大統領選勝利後、世界の首脳では最初に安倍首相と会談することとなったトランプ氏、選挙戦中の発言から少し変化は見られるものの、政策が見通せないことから、日米だけではなく、世界が注目しているとの報道もあります。
「日本には安倍総理大臣がいる。彼は非常に切れ者だ」との高評価を述べて、安倍首相の経済政策に注目しているとされるトランプ氏。ビジネス用の「よいしょ」とは言え、注目されます。
一方、プーチン大統領との電話会談でも、関係正常化に向けて積極的に協力していくことで一致したとのことで、トランプ氏の対露姿勢は、オバマ大統領とは正反対の、対露融和姿勢を見せています。
安倍首相 トランプ次期大統領とあす会談へ | NHKニュース
G7でロシアに制裁を加える中でもロシア接近を進める安倍首相。制裁をするG7の一角を崩そうと、北方四島の領土問題をニンジンにして日本を操ろうとしているロシアですが、これまでロシアとの接近に苦言を呈してきたオバマ大統領とは逆に、米国自らが接近するとなると、日米露の関係はどうなるのか。
トランプ氏とプーチン大統領が近しくなれば、安倍首相もプーチン大統領と接しやすくなるとの見方と、プーチン大統領にすれば、G7崩しでの安倍首相の利用価値は激減し、対応姿勢が変わる見方とがあるのですね。
夕食会は中止となったのだそうですね。現職のオバマ氏に配慮したとか、オバマ大統領側からけん制があったとかの声が、ワイドショー番組の中で聞こえます。おみやげが注目され、ゴルフのドライバーなのではとも。オバマ大統領には、山形市の山田パター工房が製作したゴルフのパターをお土産にしたことのある安倍首相。トランプ氏と、ゴルフの約束をするのではと取沙汰されていますが、今回はドライバー。どんな由緒のクラブになるのでしょう。
初回の今回は、絆づくりが主眼でしょう。訪問前に、米国がTPPを離脱するのなら、RCEPに軸足をおくとか、米国抜きの新TPPを、APECで集まる関係国と協議するとか、遠回しの牽制球を投げている安倍首相。
強いアメリカを取り戻すのが基本政策で、実業家らしく、アメリカの利益を優先するトランプ氏。そのための自由貿易の重要さへの理解をさせることが出来るのか。安倍・トランプ会談の行方が注目されます。
余談ですが、対中姿勢は頑なな様子ですが、中国は内向きのトランプを歓迎の様子。成長市場のアジアの中国との争奪戦を、どうするのか。日米主導の自由貿易か、中国に主導権を獲られてよいのかも、トランプ氏へなげかけて欲しいですね。百も承知で、いわずもがなのことでしょうけど
# 冒頭の画像は、トランプ次期大統領との会談のため、ニューヨークへ向け出発する安倍晋三首相と昭恵夫人

ヤブレガサの蕾
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「日本には安倍総理大臣がいる。彼は非常に切れ者だ」との高評価を述べて、安倍首相の経済政策に注目しているとされるトランプ氏。ビジネス用の「よいしょ」とは言え、注目されます。
一方、プーチン大統領との電話会談でも、関係正常化に向けて積極的に協力していくことで一致したとのことで、トランプ氏の対露姿勢は、オバマ大統領とは正反対の、対露融和姿勢を見せています。
安倍首相 トランプ次期大統領とあす会談へ | NHKニュース
米露改善 日本期待と懸念 「北方領」に影響も (11/17 読売朝刊)
安倍首相と米国のドナルド・トランプ次期大統領の会談が17日(日本時間18日)に予定される中、トランプ氏が米露関係の修復に意欲を示していることに、日本政府からは、日露の北方領土交渉が進めやすくなると期待する声が出ている。その一方、米露関係が好転すればプーチン大統領の日本に対する関心が薄れるのではないかとの見方もある。トランプ氏は大統領選の際、シリアに拠点を構えるイスラム過激派組織「イスラム国」の掃討作戦でロシアの協力を得ると主張。ロシアによるウクライナ南部クリミア半島の併合については黙認し、オバマ政権下で冷え切った関係を修復したい考えを示していた。
トランプ氏は14日には、プーチン氏と初めて電話会談し、関係正常化に向けて積極的に協力していくことで一致した。
こうしたトランプ氏の対露姿勢は、オバマ大統領とは正反対だ。オバマ政権は日本政府に対し、ウクライナ問題をめぐる米欧の対露経済制裁への同調を強く求め、日露接近には神経をとがらせてきた。そのため、日本側には、日本が経済協力とセットで領土交渉を打開する場合、米国が横やりを入れてくるのではないかと懸念する声があった。
しかし、トランプ氏は、制裁の解除も視野に入れているとされ、こうした心配は必要なくなる。外務省幹部は「首相は運がいい。日露交渉がやりやすくなった」と語る。
実際、トランプ氏の政権移行チーム副議長に就いたマイケル・プリン元国防情報局長官は10月に来日した際、「日本の立場はよく分かる」と日露交渉に理解を示した。
安倍首相は民主党大統領候補だったヒラリー・クリントン前国務長官と9月に会談した際、日露交渉に取り組む日本の立場を説明したとされ、17日のトランプ氏との会談でも理解を求める可能性がある。
一方、日本国内には、米露関係改善が進めば「プーチン氏が日露交渉に取り組む動機付けが失われる」(閣僚経験者)との見方もある。プーチン氏が日本との交渉を進めているのは、先進7か国(G7)の分断を図り、孤立からの脱却を図る思惑もあったとされるためだ。
日本政府はこの点について、「極東の経済開発はロシア側にもメリットがある」と分析しており、引き続き経済協力と領土交渉を同時並行で進めたい考えだ。
安倍首相と米国のドナルド・トランプ次期大統領の会談が17日(日本時間18日)に予定される中、トランプ氏が米露関係の修復に意欲を示していることに、日本政府からは、日露の北方領土交渉が進めやすくなると期待する声が出ている。その一方、米露関係が好転すればプーチン大統領の日本に対する関心が薄れるのではないかとの見方もある。トランプ氏は大統領選の際、シリアに拠点を構えるイスラム過激派組織「イスラム国」の掃討作戦でロシアの協力を得ると主張。ロシアによるウクライナ南部クリミア半島の併合については黙認し、オバマ政権下で冷え切った関係を修復したい考えを示していた。
トランプ氏は14日には、プーチン氏と初めて電話会談し、関係正常化に向けて積極的に協力していくことで一致した。
こうしたトランプ氏の対露姿勢は、オバマ大統領とは正反対だ。オバマ政権は日本政府に対し、ウクライナ問題をめぐる米欧の対露経済制裁への同調を強く求め、日露接近には神経をとがらせてきた。そのため、日本側には、日本が経済協力とセットで領土交渉を打開する場合、米国が横やりを入れてくるのではないかと懸念する声があった。
しかし、トランプ氏は、制裁の解除も視野に入れているとされ、こうした心配は必要なくなる。外務省幹部は「首相は運がいい。日露交渉がやりやすくなった」と語る。
実際、トランプ氏の政権移行チーム副議長に就いたマイケル・プリン元国防情報局長官は10月に来日した際、「日本の立場はよく分かる」と日露交渉に理解を示した。
安倍首相は民主党大統領候補だったヒラリー・クリントン前国務長官と9月に会談した際、日露交渉に取り組む日本の立場を説明したとされ、17日のトランプ氏との会談でも理解を求める可能性がある。
一方、日本国内には、米露関係改善が進めば「プーチン氏が日露交渉に取り組む動機付けが失われる」(閣僚経験者)との見方もある。プーチン氏が日本との交渉を進めているのは、先進7か国(G7)の分断を図り、孤立からの脱却を図る思惑もあったとされるためだ。
日本政府はこの点について、「極東の経済開発はロシア側にもメリットがある」と分析しており、引き続き経済協力と領土交渉を同時並行で進めたい考えだ。
G7でロシアに制裁を加える中でもロシア接近を進める安倍首相。制裁をするG7の一角を崩そうと、北方四島の領土問題をニンジンにして日本を操ろうとしているロシアですが、これまでロシアとの接近に苦言を呈してきたオバマ大統領とは逆に、米国自らが接近するとなると、日米露の関係はどうなるのか。
トランプ氏とプーチン大統領が近しくなれば、安倍首相もプーチン大統領と接しやすくなるとの見方と、プーチン大統領にすれば、G7崩しでの安倍首相の利用価値は激減し、対応姿勢が変わる見方とがあるのですね。
夕食会は中止となったのだそうですね。現職のオバマ氏に配慮したとか、オバマ大統領側からけん制があったとかの声が、ワイドショー番組の中で聞こえます。おみやげが注目され、ゴルフのドライバーなのではとも。オバマ大統領には、山形市の山田パター工房が製作したゴルフのパターをお土産にしたことのある安倍首相。トランプ氏と、ゴルフの約束をするのではと取沙汰されていますが、今回はドライバー。どんな由緒のクラブになるのでしょう。
初回の今回は、絆づくりが主眼でしょう。訪問前に、米国がTPPを離脱するのなら、RCEPに軸足をおくとか、米国抜きの新TPPを、APECで集まる関係国と協議するとか、遠回しの牽制球を投げている安倍首相。
強いアメリカを取り戻すのが基本政策で、実業家らしく、アメリカの利益を優先するトランプ氏。そのための自由貿易の重要さへの理解をさせることが出来るのか。安倍・トランプ会談の行方が注目されます。
余談ですが、対中姿勢は頑なな様子ですが、中国は内向きのトランプを歓迎の様子。成長市場のアジアの中国との争奪戦を、どうするのか。日米主導の自由貿易か、中国に主導権を獲られてよいのかも、トランプ氏へなげかけて欲しいですね。百も承知で、いわずもがなのことでしょうけど
トランプ USA 識者に聞く 米国の「縮小」 中国には有利 王逸舟 北京大国際関係学院副院長 (11/17 読売朝刊)
ワン・イージョウ 中国を代表する外交専門家。中国国際関係学会副会長。米中関係中心に研究。海外での知名度も高い。59歳。
ドナルド・トランプ氏は、大統領就任後、ヒラリー・クリントン前国務長官の遺産である「アジア重視」政策を見直すだろう。「航行の自由」を掲げ、環太平洋経済連携協定(TPP)を結び、日本や韓国との同盟関係を強化する同政策は、中国に対抗する姿勢がはっきりしていた。
現段階では、南シナ海での米軍の哨戒活動がどうなるか、分からない。在日、在韓米軍が部分撤退するとも言い切れない。
あらゆるものが、トランプ氏が最も重視する「米国経済に有利かどうか」によって、再評価されることになる。「中国包囲網」や「世界の警察官」といった安全保障分野は、米国の政策決定の重心ではなくなるのだ。
見直しの基調は、アジアにおける米国の政治的、軍事的プレゼンス(存在)の縮小になるとみている。
中国には有利である。安保面での国際的圧力が減じることを意味するからだ。
TPPが近い将来、再浮上することはありえない。これも、中国にはチャンスだ。周辺諸国は、(中国主導の国際経済圏構想)「一帯一路」を選ぶと思う。
トランプ政権は、関税など経済分野で中国に強硬姿勢を示すかもしれないが、中長期的には、マイナスよりプラスが大きい。
これまでの一時期、中国の対外強硬策が比較的目立っていた。では、トランプ政権誕生後、アジアでの米国の縮小に乗じ、軍事面での動きを更に強めるのか。そうではないだろう。
近年のフィリピン、日本、韓国などとの関係悪化は、中国指導者に、周辺諸国との緊張は国の発展に不利ということを気づかせた。
今、習近平国家主席、李克強首相とも、トランプ氏と同様、国内の安定と成長を最優先している。中国にとって突出して重要な問題は、経済減速と就業難だ。これからの改革と発展には、平和的で協力的な国際環境が欠かせない。
大統領選前にフィリピンとの関係を改善させたように、中国は今後、ソフトな外交攻勢に力を注ぐと思う。中国の対外強硬策につながるのは米大統領選の結果ではなく、国内情勢の悪化だ。
対米関係では、抑制的な姿勢でトランプ氏の次の一手を見極め、対応することになろう。指導者は、米国との協力に自信を持っている。米国をアジアから追い出そうなどとはしていない。
トランプ氏に、「中国の『核心的利益』を認めよ」と、急いで求めることもない。ただ、冗談ではなく、中国は、台湾、チベット、南シナ海などに加え、50年後には、宇宙や極地も「核心的利益」と言っているかもしれない。
米国は、こうした中国が、米国自身の経済のためになるか、計算するだろう。 (聞き手・中国駐在編集委員杉山祐之)
ワン・イージョウ 中国を代表する外交専門家。中国国際関係学会副会長。米中関係中心に研究。海外での知名度も高い。59歳。
ドナルド・トランプ氏は、大統領就任後、ヒラリー・クリントン前国務長官の遺産である「アジア重視」政策を見直すだろう。「航行の自由」を掲げ、環太平洋経済連携協定(TPP)を結び、日本や韓国との同盟関係を強化する同政策は、中国に対抗する姿勢がはっきりしていた。
現段階では、南シナ海での米軍の哨戒活動がどうなるか、分からない。在日、在韓米軍が部分撤退するとも言い切れない。
あらゆるものが、トランプ氏が最も重視する「米国経済に有利かどうか」によって、再評価されることになる。「中国包囲網」や「世界の警察官」といった安全保障分野は、米国の政策決定の重心ではなくなるのだ。
見直しの基調は、アジアにおける米国の政治的、軍事的プレゼンス(存在)の縮小になるとみている。
中国には有利である。安保面での国際的圧力が減じることを意味するからだ。
TPPが近い将来、再浮上することはありえない。これも、中国にはチャンスだ。周辺諸国は、(中国主導の国際経済圏構想)「一帯一路」を選ぶと思う。
トランプ政権は、関税など経済分野で中国に強硬姿勢を示すかもしれないが、中長期的には、マイナスよりプラスが大きい。
これまでの一時期、中国の対外強硬策が比較的目立っていた。では、トランプ政権誕生後、アジアでの米国の縮小に乗じ、軍事面での動きを更に強めるのか。そうではないだろう。
近年のフィリピン、日本、韓国などとの関係悪化は、中国指導者に、周辺諸国との緊張は国の発展に不利ということを気づかせた。
今、習近平国家主席、李克強首相とも、トランプ氏と同様、国内の安定と成長を最優先している。中国にとって突出して重要な問題は、経済減速と就業難だ。これからの改革と発展には、平和的で協力的な国際環境が欠かせない。
大統領選前にフィリピンとの関係を改善させたように、中国は今後、ソフトな外交攻勢に力を注ぐと思う。中国の対外強硬策につながるのは米大統領選の結果ではなく、国内情勢の悪化だ。
対米関係では、抑制的な姿勢でトランプ氏の次の一手を見極め、対応することになろう。指導者は、米国との協力に自信を持っている。米国をアジアから追い出そうなどとはしていない。
トランプ氏に、「中国の『核心的利益』を認めよ」と、急いで求めることもない。ただ、冗談ではなく、中国は、台湾、チベット、南シナ海などに加え、50年後には、宇宙や極地も「核心的利益」と言っているかもしれない。
米国は、こうした中国が、米国自身の経済のためになるか、計算するだろう。 (聞き手・中国駐在編集委員杉山祐之)
# 冒頭の画像は、トランプ次期大統領との会談のため、ニューヨークへ向け出発する安倍晋三首相と昭恵夫人

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