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遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

尖閣海域の持久戦にはロジスティクス増強を

2012-10-03 23:39:09 | 東シナ海尖閣諸島

 尖閣の領有をめぐり、日中は世界世論に向けたPR合戦に突入したことに触れましたが、尖閣近海の最前線では持久戦=消耗戦に入っています。環球時報は、中国共産党の持久戦の戦略準備は整っていると宣伝しています。
 一方、海保は全国の巡視船を尖閣海域の応援に回して対応していて、「海難救助に影響はない」としながらも、同一管轄管内で複数の事故が生じた場合には不安があるとのことで、現に釜石海上保安部が9月28日から実施を予定していた、行方不明者の海中捜索が巡視船不足で延期されています。

 
尖閣問題は持久戦へ、中国が段階的な勝利をおさめる=SP華字紙 (サーチナ) - Yahoo!ニュース
 尖閣長期化、中国監視船が次々出没…辛抱の海保 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 釜石海保、海中捜索を中止・・・尖閣警備で応援得られず : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 

日中消耗戦に打ち勝つ (10/3 産経 【湯浅博の世界読解】)

 沖縄県・尖閣諸島の周辺海域は、いよいよ我慢比べの「消耗戦」に入った。中国や台湾の公船は、台風で海が荒れていない限り、一定のシナリオに基づいて連日のように姿を現す。数で相手がひるむのを誘う作戦
だ。
 それを予感させたのは割合に早くて、7月9日付の中国共産党機関紙、人民日報系の国際情報紙「環球時報」だった。「日本が釣魚島(尖閣諸島の中国名)問題で中国と争っても、まったく勝ち目はない」という宣伝記事である。

 記事は
中国の取るべき戦術を列記して、「互いに報復しあおうではないか」と日本に揺さぶりをかけた。(1)巡航による主権行為を日本より多く実施する(2)日本が1歩進めたら、中国は2歩進める(3)両岸4地(本土、台湾、香港、マカオ)による保釣(尖閣諸島を守る)活動を強化する(4)経済関係に悪影響を及ぼす
-などの4項目を挙げた。
 この記事は、台湾の馬英九政権について「当局はあまり熱心ではないが、民意として馬政権に呼びかけさせる」と、台湾を巻き込んで政権を動かす策略だ。台湾の巡視船が尖閣周辺に現れるところを見ると、中国の魔の手が伸びていたか。
台湾や香港も巻き込んで日本の巡視船を疲労困憊(こんぱい)にさせる
シナリオは、周辺海域で忠実に実行されている。
 これら東シナ海の消耗戦は、フィリピンやベトナムを相手に南シナ海でみせる威嚇戦略とはやや異なる。比越には、対艦弾道ミサイルを装備した中国海軍の軍艦をちらりと見せていた。弱者に力を誇示する古典的な「砲艦外交」である。
 海軍力のある日本に対しては逆に海洋警察力を駆使して、ともかく我慢比べに持ち込む。尖閣周辺には、国家海洋局海監総隊に所属する海洋監視船「海監」と、農業省の漁業監視船「漁政」が展開する。
 海洋警察力としてはほかに、違法行為を取り締まる海警部隊、事故防止や救難活動をする交通部海事局などがある。中国海軍はいまのところ、将官クラスが威嚇発言を請け負い、日本国民の動揺を誘う「心理戦」を実行している。

 これに対して日本は、海上保安庁の艦船約360隻のうち、40隻前後を尖閣周辺に動員してがんばっている。中国メディアの中には、
日本が予想外に堅固であることに、困惑
する様子さえうかがわれる。

 米海軍大学のトシ・ヨシハラ教授は9月12日の米下院外交委員会で、
中国が海洋警察力を動員するのは、米海軍に手出しできない状況をつくるためであり、数で日本に戦略的疲労をさせるためだ
と証言した。確かに、中国の海監や漁政による挑発では、小規模すぎて米軍が介入する余地がない。米国が「アジア回帰」を策しても、このままだと日本など同盟国からの信頼がそがれかねないだろう。
 そこでヨシハラ教授は、南シナ海の沿岸各国には艦船の増強に対して自助努力を支援する。また、偶発戦争に備え、同盟国に対艦巡航ミサイル部隊など攻撃力の配備計画をつくるよう米政府に求めている。国によっては小規模の軍事力を提供する。

 中国は尖閣周辺での海洋消耗戦とともに、国際社会に対しては「日清戦争末期に中国から盗んだ」とウソをふりまく。虚偽を繰り返して国際社会に信じ込ませる「世論戦」である。
 日本は今後も消耗戦のストレスと付き合いながら、比越など東南アジアと緊密な連携が不可欠になる。日本外交にも時には問答無用のことがある。(東京特派員)


 中国は海洋進出を長期の戦略を建て進めてきていて、南シナ海も含めて「海監」「魚政」の新鋭大型艦の建造を進めてきたことは、諸兄がご承知の通りです。昨年あたりからの相次ぐ新型艦の就航が始まり、東シナ海EEZ境界のガス田近海や尖閣近辺に出没する頻度を上げ、更に、尖閣を「核心的利益」と定義づけ、領海侵犯の頻度も上げてきて、定期巡回の実施も宣言していました。
 上記転載記事の中国の戦術「(1)巡航による主権行為を日本より多く実施する」は始まっていたのであり、無人島を定期巡回している状況は、第三者から見れば、日中同レベルになりつつあると、不詳遊爺も折がある都度触れさせていただいていましたし、日中の管理状況の差がなくなってきたからこそ、石原都知事が実効支配の差をつける行動に着手されたのですね。

 しかし民主党野田政権は、石原知事と競って急いで購入し、都が買うより国有化したほうが、実効支配の日中の差を広げませんと言うつもりでした。しかし、中国に真意が伝わったかの確認もなく、政権移行の権力抗争のクライマックスで奮闘中の団派・胡錦濤氏が立ち話で待ってくれと言うのも無視して国有化の閣議決定をし、胡錦濤氏のメンツをつぶし、勢力抗争で優位だった団派の逆転負けを招いてしまいました。
 腹水盆に返らず。そんな外交と防衛が不得手と解っている政権に政権を交代させる風を吹かせたマスコミに騙されて選んでしまった国民の責任ですから、民主党政府の無能さを責めるより、国民が騙されたことの自責と反省をすべきことです。

 口先だけで、いえ、尖閣で言えば、問題の先送りだけで、ダチョウが追いつめられると砂の中に頭を埋めてしまう様に情勢の変化に目をつぶり、行動も止めてしまう民主党政権ですが、米国はきちんと行動しています。
 尖閣に日米同盟を適用するなといちゃもんをつける中国に、公式発言では、領土問題は中立と言いながらも、尖閣は日米同盟の適用範囲と言って、西太平洋の抑止力強化の行動をしています。
 公式発言と同時に、国益を護る行動はきちんと実施し、相手につけいらさせない。それが普通の国の外交です。
 
米空母、西太平洋に展開 中国軍抑止へ2個部隊 - MSN産経ニュース

 持久戦に入った消耗戦勝負の前線。
 巡視船の増強や、増員は長期戦には不可欠ですが、すぐにも必要なことへの行動が欠かせません。
 巡視船や乗員のローテーションの工夫、この局面に対応するロジスティクスの構築(ヘリポートのある巡視船は帰港する頻度を減らしヘリで物資や交代要員を輸送したり、海上給油するなど≒素人の思いつくことは既に実施されていることとは思いますが)が必要です。
 オスプレイを借りて、大量に素早く実施するのは無理?

 砂に頭を突っ込むダチョウか、茹でガエルとなった民主党政権。内外の重大課題を観ないふりをしているのか、気が付かないのか、政権にしがみつきたい党内事情にばかり精力を使い、国を亡ぼす道を突き進む民主党政権。
 一刻も早く解散していただかねば、日本は滅びます。



 # 冒頭の画像は、原子力空母・ジョン・C・ステニス



  ヤグルマ草  撮影場所; 六甲高山植物園


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Fotolia


日本が中国の「自治区」になる



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