遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

再生エネルギー買い取りはコスト積み上げの高値設定 電気料金に一律上乗せ

2012-04-26 23:33:37 | 新エネルギー
 大飯原発の再稼働ではその是非を巡り連日ニュースがにぎわっていますが、この夏や冬をどう乗り切るのかと言う短期の議論と中長期での電力エネルギー政策の話が混同して議論されているのがほとんどですね。なので話が堂々巡り。ワイドショーではネタが尽きずにいいのかもしれませんが、視聴率アップのために面白おかしく報道されるのではなく、吟味・精査した報道がなされることを望みます。
 また、府知事、県知事、市長さんがたは、国に要求することもしかたないところはありますが、電力不足に陥った場合にどのように対処するのかの論議も深めなければ、想定外として事故を招いた津波や福島第一の事故の再来となります。その点、神戸市や京都市が大阪市とは一線を画したのは、ポピュリズムではなく、冷静に市民や企業・病院などの公共施設や電力弱者の立場も思い巡らせた判断だと拍手を贈ります。
 前置きが長くなりましたが、ここでは中長期の話で、再生エネルギー普及の鍵を握る、電力固定価格買い取り制度について触れてみます。
 

再生エネ期待料込み 高値買い取り 政府、普及後押し企業、事業に弾み (4/19 読売朝刊)

 経済産業省の調達価格等算定委員会(委員長・植田和弘京大教授)は25日、電力会社による再生可能エネルギーの買い取り価格の委員長案を示した。発電する業界の要望をおおむね認めており、再生可能エネルギーの普及を加速したい政府の狙いがにじむ。だが、電気料金が値上がりし、国民の負担が増す
懸念もある。 (経済部井上忠明、浅子崇)

■歓迎
 ソフトバンクの孫正義社長は同日、「(買い取り)価格の方向性が示されたのはいいことだ。世界的な相場に近いのではないか」と価格案を歓迎した。
 孫氏は、自治体などと共同で国内200か所以上に大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設することを検討し、すでに十数か所で建設を予定している。「必要であれば拡大していきたい」と意気込む。
 他の企業の発電事業にも弾みがつきそうだ。
 東北地方でメガソーラーの建設を自治体と協議している三井物産は「一定の利益を確保できるレベルと考えている」(広報)として建設を推進する方針だ。風力発電に強みを持つ住友商事も「計画を立てやすくなる」(同)と前向きだ。
 ベンチャー企業にも追い風だ。再生可能エネルギー発電所の設立や支援を手がける「自然電力」の役員、川戸健司さん(31)は「小規模な太陽光発電所でも採算が取れる」と見る。

料金転嫁負担増も

■言い値
 委員長案が示した買い取り
価格は、再生可能エネルギー関係の業界団体が要望した「言い値」に大筋で沿っている

 
太陽光発電協会が希望していた1キロ・ワット時あたり「42円」はほぼ認められた。日本風力発電協会が求めていた「22~25円」は中間値の23.1円
となった。発電事業者の参入時に定めた買い取り価格で電力会社が購入を続ける「買い取り期間」は、出力10キロ・ワット未満の太陽光以外は15~20年の長期となった。
 再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を定めた特措法が、施行後3年間は業者の利潤を特に重視するとしているため、委員長案は利潤を大きく見積もったとみられる。
 植田委員長は記者会見で、
価格は「再生可能エネルギーを促進するための一種の投資
だ」と説明した。政府は原子力発電依存からの脱却を目指しており、その大きな柱と期待するのが再生可能エネルギーだからだ。
 ただ、
電力会社の買い取り費用は、電気料金に転嫁
される。
 経産省幹部は、制度導入当初は標準家庭の負担増は「月100円に満たない」と予想するが、
再生可能エネルギーの普及に比例して負担も増える

 富士通総研の高橋洋・主任研究員は「スタートダッシュで普及させるため、高めの買い取り価格としたのだろう」と指摘。そのうえで、「政府は価格設定の理由と再生可能エネルギーの普及に向けて期待できる効果を、国民にしっかりと説明する必要がある」と話している。

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再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度

 再生可能エネルギーで発電した電力を、電力会社が固定価格で一定期間買い取ることを義務づける制度。太陽光、風力、地熱、中小水力、バイオマスの5分野の発電が対象となる。昨年8月に成立した再生可能エネルギー特別措置法に基づくもので、7月1日に施行される。買い取り価格と期間は、経済産業省の調達価格等算定委員会の意見をもとに経済産業相が決定する。電力会社は、買い取りにかかった費用を電気料金に上乗せして回収できる。


 再生エネルギーを使用した場合に、現状の電気料金より高くなることは当然で、それが電気料金に反映されることに異を唱える気は毛頭ありません。再生エネルギー発電側が、新規事業を立ち上げるには、一定期間買い取り価格を固定し事業計画を立てやすくし、今は特に普及の芽を育てるために利益が出しやすく割高に設定するのも理解は出来ます。
 がしかし、二つほどひっかかるのです。

 一つは、発電業界の言いなりのコスト設定の姿勢です。これは、今の電力各社の電気料金に対しこぞって批判されている「総括原価方式」と同じではないかということです。
 今の電気料金も、停電(含瞬停)や電圧変化のない良質で安定した供給を目指すことから「総括原価方式」が採用されたと言われています。それが年月を経るうちに既得権となり甘えの積み重ねが今日指摘される肥大化した高コストを招いていたのでした。
 スタート時だからと甘やかすと、結局そのままその体質が引き継がれることは容易に想像できます。現行の電力料金の見直しサイクルより大幅に長い期間固定化するのですから、厳しく弾力条項を付けることが大切です。
 
 二つ目が、こちらの方が大きく疑問を抱いている、エネルギー源毎の価格差です。
 1キロワット/時で、太陽光=42円、風力=23.1円、小型風力=57.75円、中小水力=25.2~35.7円、地熱=23.7円(1.5万キロワット以上)、バイオマス=13.65~40.95円。
 太陽光と小型風力が突出して高いのです。この数字を見て、すぐに思い浮かんだのが、菅氏にハッパをかけていた孫氏の姿でした。NTTの基盤に寄生し利益を得た孫流寄生虫商法は、首が決まっていたとは言え一国の総理に公衆の面前で自分の新規事業を促進する為の法案を通せと要求し、必ず通すと回答させたのです。稀に見る政商振りで、時代劇の悪代官と商人でもここまであからさまなことはしません。
 この価格差の公然たる容認は、「統括原価方式」以上の闇を感じるのは、遊爺だけでしょうか。電力自由化とは、全く逆の話です。

 先行し実績のある欧州の現状にも学び、工夫を織り込むべきでしょう。
 

先駆け欧州苦戦 家計負担増に反発 (4/19 読売朝刊)

 日本に先駆けて買い取り制度を導入した欧州では、再生可能エネルギー普及が電気料金の大幅な値上がりにつながり、国民の反発が強まる
ケースもみられる。
 
ドイツは太陽光発電の買い取り価格を今年春から20~29%引き下げた
。1キロ・ワット時あたり約0.13ユーロ(約14円)と、2004年の3分の1以下だ。
 ドイツでは太陽光発電ブームが過熱し、一般家庭への上乗せ分が11年に月当たり14.7が(約1200円)と、09年の3倍近くに増加したため、
家庭の負担が重くなり過ぎた
からだ。
 
経済危機に苦しむスペインは今年1月、新たな買い取りを凍結
した。スペインは07年に太陽光発電の買い取り価格を約2倍に引き上げたが、国民負担が急増し、政策の変更を迫られた。スペインに見切りをつけた事業者がドイツに流入し、ドイツの供給過剰が加速するなど欧州全体に混乱が広がつている。
 一方、
太陽光パネルメーカーは安価な中国勢との価格競争にさらされている。ドイツでは11年以降、07年から2年連続で世界一の生産量を誇った太陽電池メーカー「Qセルズ」のほか、「ソーラー・ハイブリッド」「ソロン」「ソーラー・ミレニアム」など大手企業の破綻が相次いでいる
。 (経済部上地洋実)


 欧米にはグリーンエネルギーの概念があり、電力のエネルギー源により価格設定され、消費者は選択できると認識していましたが、上記の記事では、そのあたりが触れられていません。消費者が選択の変更をしない場合の話なのでしょうか?
 
グリーン電力|WWFジャパン
 ドイツにおけるグリーン電力の状況|グリーン電力|WWFジャパン

 日本の制度も、買い取り価格を一律に電力料金に載せるだけでなく、消費者(含企業)が選択出来る制度も併せて導入していただければ、机上で面白おかしく議論される電力エネルギー論議が、自然淘汰されるのではないでしょうか。
 電力自由化は、発電会社、エネルギー源の種類などで自由競争がなされ、消費者が選択できることが、究極の自由化ですし、議論の堂々巡りを無くすことが出来ると考えられます。
 勿論、自由競争の世界となれば、歴史の中で大手の会社が破綻したように、ある日突然破綻する会社やエネルギー源からの供給が得られなくなるリスクがあるのは当然ですが。

 まだまだ制度の詰めや熟成がなされることでしょうから、注目していきたい話です。




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