遊爺雑記帳

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EVかハイブリッドか テスラ対トヨタの熱き戦い

2023-12-01 01:23:56 | 新エネルギー
 電気自動車(EV)対ハイブリッド車(HV)の論争は1年前に決着がついたように見えた。だがイーロン・マスク氏が描くEVの将来像は現在、活力を取り戻したトヨタ自動車のHV計画の挑戦を改めて受けていると、WSJ・ティム・ヒギンズ記者。
 
EVかハイブリッドか テスラ対トヨタの熱き戦い - WSJ By ティム・ヒギンズ 2023年 11月 29日

 電気自動車(EV)対ハイブリッド車(HV)の論争は1年前に決着がついたように見えただがイーロン・マスク氏が描くEVの将来像は現在、活力を取り戻したトヨタ自動車のHV計画の挑戦を改めて受けている

 テスラの最高経営責任者(CEO)を務める
マスク氏は世界の自動車を電動化したいと考え、2030年までに年間販売台数でトヨタを上回り、販売世界一の自動車メーカーになることを目指している。この目標にはまだほど遠いが、マスク氏は米国内では一定の成功を収め、少数の車種から成るテスラ車のラインアップは、既に販売台数でトヨタの最も売れ行きの良い車種の幾つかを上回っている

 
だが米国でのEV販売の伸び鈍化により、マスク氏の賭けは試練を迎えている一方、HVは今年、購入者が急増している。これはトヨタと同社の高級車ブランド「レクサス」の新製品の成功が一因だ。

 北米で
「トヨタ」ブランドの責任者を務めるデービッド・クライスト氏はインタビューで、「HVは自動車業界の電動化熱の主流に組み込まれた感がある」とし、「HVが目覚めたのは明らかだ」と述べた

 HV購入を考えている顧客に対する
宣伝文句はシンプルだ。HVは完全なEVより安価な場合が多い上に、電動化のメリットも一部得られるガソリン車よりも燃費が良く、EVのように充電に頭を悩ませる必要もない

 トヨタは20年以上前に発売したセダン「プリウス」で、HV技術の大衆化を後押しした。同技術は電池とガソリンを動力源とするモーターを組み合わせて燃費を改善させる。

 しかし
昨年は、HVの販売が低迷。その一方で、EVの販売が65%増加したことから、新時代の幕開けに賭けている人々にとっては、HVは今後忘れ去られるであろう技術のように見えていた。マスク氏は昨年、「ハイブリッド車から移行すべき時が来た。それは一時的なものだった」とツイートした。

 EVへの熱狂が起きる中、そうした見方に同意した投資家もいた。
HVがテスラの格好のライバルになると考える人はほとんどいなかった一部の投資家は今年、HVやEV、その他の技術に投資を分散させるトヨタの戦略を巡り、豊田章男会長の追放を試みたものの失敗した豊田氏はすべてをEVに注ぎ込むアプローチ――一部の競合他社はテスラに追い付こうと、そうしたアプローチをとっている――について、多くの顧客が望んでいるものではなく、あるいはその心構えができていないと慎重な姿勢を見せていた

 
それから数カ月後、フォード・モーター、ゼネラル・モーターズ(GM)などがEVの生産計画を後退させる中で、豊田氏はほくそ笑んでいるように思えた。同氏は先月、「ようやく現実が見えてきました」と述べている

 豊田氏がそう感じた
理由は容易に理解できるトヨタの米国内での電動車の選択肢は「トヨタ」「レクサス」両ブランドのHV、EV、その他技術の車を合わせて26種あり、今年第3四半期までのそれら出荷台数は合計で20%増加し、約45万5000台に達している

 調査会社モーター・インテリジェンスの推計によると、これと
同時期のテスラのEV販売台数は26%増の約49万3500台だった。テスラは米国内の出荷台数を公表していない

 
米乗用車市場の環境が最近厳しさを増す中で、マスク氏は今年、収益性を犠牲にして販売の伸びを加速させる姿勢を明確にしており、一部投資家はこれに不満を示している。テスラの利益は第3四半期に44%減少した。

 
新規購入者の調査を行っているストラテジック・ビジョンによると、テスラの新規顧客のうち最大のグループは、トヨタの顧客層から流れてきた人たちだった。全米でのテスラ車購入者の8%は、トヨタ車からの乗り換えだった。

 ストラテジック・ビジョンの
アレクサンダー・エドワーズ社長は「テスラは片っ端からトヨタの販売を奪っているが、自社の販売を伸ばし続けるため、価格を大幅に引き下げざるを得なかった」と指摘する。「一方、トヨタは対照的に価格を据え置いているが、販売ディーラーに値上げを認めている」という。

 
両社の競争の最前線となっているのがカリフォルニア州だ。テスラはエントリーモデルであるセダン「モデル3」の価格を、連邦税、州税の控除を含め、トヨタの「カムリ」の標準装備での推奨価格よりも安くしている。テスラは同州の市場において首位トヨタのシェアを奪いつつある。

 モーター・インテリジェンスの推計によると、テスラのクロスオーバーSUV(スポーツ用多目的車)「モデルY」の今年1~9月の全米販売台数はトヨタの「カムリ」を抜き、トヨタの全米ベストセラーのクロスオーバーSUV「RAV4」との差は7000台未満となっている。

 このように差が縮まっていることをマスク氏は明らかに意識している。同氏は10月、アナリストに対し、「極めて率直に言えば、テスラ車がRAV4と同価格なら、誰もRAV4を買わない、もしくはその可能性があっても極めて低いだろう」と語った。

 
トヨタが早くからテスラを援助し、テスラの最初の組立工場に対する投資と優遇的な業務提携を行っていたにもかかわらずマスク氏は以前からHVに対して否定的だった。同氏は数年前、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、「すべて電気にする方が良い。それが本当に持続可能な方法だからだ」と語っていた。「1台の車でガソリン車の良さとEVの良さを両立させようとしても、結局、純粋なガソリン車や純粋なEVほど魅力的ではないという結果になる」

 
トヨタはHV戦略を強化しようとしている。カリフォルニア州マリブで今月開かれたイベントで、米国のベストセラーセダンであるカムリについて、来春全米のショールームに登場する次世代モデルは初めてHVのみとすることを発表した。

 
トヨタのクライスト氏「ここ数年間、ガソリンエンジンとHVという複数のパワートレインで販売した車種では、ほとんどの場合、HVの方が完売となる期間が長く、顧客にも人気が高い状況だ」と説明。「このようなことから、すべてHVにしても顧客にはその準備ができており、購入に前向きな傾向が感じられた」と述べた。

 
コストと性能の両面でこれまでにトヨタが実現してきた成果が、同社のハイブリッド推進の新たな動きの一因になっている

 
トヨタがプリウス以外の車種にHV技術を拡大させ始めた頃、価格はかなり割高だった。例えば、2005年に発売したSUV「ハイランダー」のHVモデルの価格は、基本モデルよりも約1万ドル(約150万円)高く、効率の最大化のために性能が犠牲になっていた。別の言い方をすれば、明らかな妥協があるにもかかわらず、顧客は割高な値段で購入していた

 
現在、その状況は変わった。トヨタは新型カムリの価格を公表していないが、現行のHVモデルと基本モデルとの価格差は最も小さいもので2500ドル弱となっている。さらには、新たなHVは現行の基本モデルよりも馬力があるとトヨタは宣伝している。

 つまり、クライスト氏の言葉を借りれば、「もはや妥協はない」ということだ。


 テスラの最高経営責任者(CEO)を務めるマスク氏は世界の自動車を電動化したいと考え、2030年までに年間販売台数でトヨタを上回り、販売世界一の自動車メーカーになることを目指していると、WSJ・ティム・ヒギンズ記者。
 テスラ車のラインアップは、既に販売台数でトヨタの最も売れ行きの良い車種の幾つかを上回っているのだそうです。

 だが米国でのEV販売の伸び鈍化により、マスク氏の賭けは試練を迎えている。一方、HVは今年、購入者が急増している。これはトヨタと同社の高級車ブランド「レクサス」の新製品の成功が一因だと、WSJ・ティム・ヒギンズ記者。

 【社説】「EVは売れず」 米ディーラーの訴え - WSJ

 北米で「トヨタ」ブランドの責任者を務めるデービッド・クライスト氏はインタビューで、「HVが目覚めたのは明らかだ」と述べたのだそうです。

 顧客に対する宣伝文句はシンプル。HVは完全なEVより安価な場合が多い上に、電動化のメリットも一部得られる。ガソリン車よりも燃費が良く、EVのように充電に頭を悩ませる必要もない。

 昨年は、HVの販売が低迷。その一方で、EVの販売が65%増加したことから、新時代の幕開けに賭けている人々にとっては、HVは今後忘れ去られるであろう技術のように見えていた。
 HVがテスラの格好のライバルになると考える人はほとんどいなかった。一部の投資家は今年、HVやEV、その他の技術に投資を分散させるトヨタの戦略を巡り、豊田章男会長の追放を試みたものの失敗した。豊田氏はすべてをEVに注ぎ込むアプローチについて、多くの顧客が望んでいるものではなく、あるいはその心構えができていないと慎重な姿勢を見せていたのだそうです。

 それから数カ月後、フォード・モーター、ゼネラル・モーターズ(GM)などがEVの生産計画を後退させる中で、豊田氏はほくそ笑んでいるように思えた。同氏は先月、「ようやく現実が見えてきました」と述べていると、WSJ・ティム・ヒギンズ記者。

 米乗用車市場の環境が最近厳しさを増す中で、マスク氏は今年、収益性を犠牲にして販売の伸びを加速させる姿勢を明確にしており、一部投資家はこれに不満を示している。

 新規購入者の調査を行っているストラテジック・ビジョンによると、テスラの新規顧客のうち最大のグループは、トヨタの顧客層から流れてきた人たちだった。全米でのテスラ車購入者の8%は、トヨタ車からの乗り換えだった。

 ストラテジック・ビジョンのアレクサンダー・エドワーズ社長は「テスラは片っ端からトヨタの販売を奪っているが、自社の販売を伸ばし続けるため、価格を大幅に引き下げざるを得なかった」と指摘。「一方、トヨタは対照的に価格を据え置いているが、販売ディーラーに値上げを認めている」と。

 両社の競争の最前線となっているのがカリフォルニア州だ。テスラはエントリーモデルであるセダン「モデル3」の価格を、連邦税、州税の控除を含め、トヨタの「カムリ」の標準装備での推奨価格よりも安くしている。テスラは同州の市場において首位トヨタのシェアを奪いつつあるのだそうです。
 マスク氏は、WSJに対し、「すべて電気にする方が良い。それが本当に持続可能な方法だからだ」と語っていたと、WSJ・ティム・ヒギンズ記者。

 トヨタはHV戦略を強化しようとしていて、来春全米のショールームに登場する次世代モデルは初めてHVのみとすることを発表。
 トヨタのクライスト氏は「ここ数年間、ガソリンエンジンとHVという複数のパワートレインで販売した車種では、ほとんどの場合、HVの方が完売となる期間が長く、顧客にも人気が高い状況だ」と説明。「このようなことから、すべてHVにしても顧客にはその準備ができており、購入に前向きな傾向が感じられた」と述べたのだそうです。

 コストと性能の両面でこれまでにトヨタが実現してきた成果が、同社のハイブリッド推進の新たな動きの一因になっていると、WSJ・ティム・ヒギンズ記者。

 トヨタがプリウス以外の車種にHV技術を拡大させ始めた頃、価格はかなり割高だった。顧客は割高な値段で購入していた。

 現在、その状況は変わった。トヨタは新型カムリの価格を公表していないが、現行のHVモデルと基本モデルとの価格差は最も小さいもので2500ドル弱となっている。さらには、新たなHVは現行の基本モデルよりも馬力があるとトヨタは宣伝していると、WSJ・ティム・ヒギンズ記者。

 かねて遊爺が個人的に危惧してきているのは、EVの電力源は何なのか。火力発電ではCO2削減にはなっていない。冬季に発生する雪道での大渋滞。バッテリーの電力切れへの対応は、発電機搭載の車が何台、どのくらいの時間をかけてどのように行うのかの懸念が晴れません。
 
 EVのテスラに対する、トヨタの、EVとガソリン車の両方の長所を兼備するHVの反抗は、今後も進むような!



 # 冒頭の画像は、トヨタ会長



  この花の名前は、ヒナソウ


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