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遊爺雑記帳

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制裁に苦しむロシア、中国の銀行が助けない理由

2022-03-09 01:23:55 | ロシア全般
 ロシアのウクライナ侵攻に対する西側諸国の経済制裁では、SWIFTからロシアの一部銀行を排除の効果が期待されています。

 中国やロシアは、ドルによる国際金融支配への対抗として、CIPSを立ち上げていました。
 SWIFTから排除された銀行の取引をCIPSで補えれば中露にとって好都合ですが、少なくとも当面は、こうした目的での使用には向いていないとアナリストや弁護士は話しているのだそうです。
 
制裁に苦しむロシア、中国の銀行が助けない理由 - WSJ 2022 年 3 月 7 日 By Jing Yang and Rebecca Feng

 中国の銀行と同国独自の国際決済ネットワークは、理論上は西側諸国から厳しい経済制裁を科されたロシアに支援の手を差し伸べることができる中国は他国への制裁回避のほう助で一定の経験を持っており、国際金融システムにおけるドルの地位を低下させるという野望で、中ロの目標は一致している。

 
だが、現実にはそう簡単ではない

 
西側諸国は足元、ロシアに一連の制裁を発動した。ロシア銀行(中央銀行)による外貨準備へのアクセスをほぼすべて断ち、世界的な金融決済網である国際銀行間通信協会(SWIFT)からロシアの一部銀行を排除した。

 
中国はかねて「ドル覇権」とみる国際金融制度に懸念を抱いており、米国との貿易戦争が激化したことでなおさら警戒感が強まったそこで仲間となって「共闘」態勢を組んだのが、2014年のクリミア半島併合で制裁を科されたロシアだ。

 
中ロ両国はこれまで、互いに貿易面でドル建て決済を減らしてきた。そのため、ロシアにとっては、米国の金融システムにさわらずに石油・ガスなどを販売する重要な手段が生まれた。入手可能な直近のデータによると、昨年9月時点でロシアの対中輸出でのドル建て決済は全体の約3分の1と、13年の96%から大きく低下している。一方、中国の対ロ輸出でドル決済は約半分と、13年の9割から同じく急低下した

 とはいえ、ロシアが事実上締め出された他の市場の規模に比べると、中ロ貿易の規模はかすむ。また、中国政府は対ロ制裁に反対する意向を表明しているが、中国の銀行大手がロシアの救済に乗り出す見込みは薄そうだ

 まず、
中国の金融機関は自国の政治家が望んでいるほど、ロシアの顧客と取引することに乗り気ではないことがある。

 14~15年に中国の銀行とロシア企業の間の初期会合の設定を手伝ったという香港大学ビジネススクールの陳志武教授は「中国の銀行幹部は全く関心がなかった。ロシアとは絶対にかかわりたくないという様子だった」と明かす。

 ただ、クリミア半島併合から8年が経過し、改善の兆しがやや出てきたという。陳氏は「『強制結婚』で一緒に住みだしたことで相手への感情がやや芽生えてきた」としながらも、「最高指導部からの後押しがやや影響しているが、指導部が望んでいるほどではない」と述べる。

 
大きな頭痛の種となっているのが、米政府が制裁対象の企業、国家、個人と取引した外国企業を罰することを認めた17年の米国の法律だ。ドル取引を望む銀行にとっては、違反すれば深刻な打撃を受けることになる。

 法律事務所モリソン・フォースターの在香港パートナー、チェン・ジウ氏は「中国の金融機関はこれらの制裁措置を深刻に受け止めており、リスクの理解に細心の注意を払っている」と指摘する。
西側諸国による包括的な制裁措置の発動を受けて「今では中国の企業や金融機関がロシアと取引する余地は狭まった」という。

 こうした二次制裁は過去にも、中国の銀行を妨害してきた。米国が20年、香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官を制裁対象に指定すると、林鄭氏は銀行サービスを受けられなくなり、給与を現金で受け取っていると述べている。本土、香港のいずれの銀行も、介入できなかった。

 
中国が独自に開発した人民元による国際銀行間決済システム(CIPS)は、SWIFTから排除されたロシアの銀行にとって、制裁を回避する手段になると指摘されている。しかしながら、少なくとも当面は、こうした目的での使用には向いていないとアナリストや弁護士は話している。

 
CIPSは人民元の国際化を目指す中国人民銀行(中央銀行)が開発し、15年に導入された主に中国と他国の貿易について人民元による決済を手掛けているだが昨年7-9月期時点で1日当たりの平均取り扱い件数はわずか1万3000件で、今後どれだけ迅速に規模を拡大できるのか疑問が生じている。正確な比較ではないが、SWIFTは同時期に平均4000万件以上を処理した。

 米大西洋評議会(アトランティック・カウンシル)地理経済学センターの責任者、ジョシュ・リプスキー氏は「現時点では制裁回避の手段としても、国際金融におけるSWIFTの代替としても有効だとは思わない」と話す。「CIPSにその用意はまだ整っていない」

 さらに法律事務所ステップトウ・アンド・ジョンソンの弁護士、ニコラス・ターナー氏は、SWIFTを迂回(うかい)するためにCIPSを利用する銀行も、二次制裁の対象になる恐れがあると話す。「二次制裁は極めて一般的な商業活動に適用される」という。


 中ロ両国はこれまで、互いに貿易面でドル建て決済を減らしてきた。そのため、ロシアにとっては、米国の金融システムにさわらずに石油・ガスなどを販売する重要な手段が生まれたと、WSJのJing Yang and Rebecca Feng 両氏の記事(以下WSJと略称)

 そのCIPS、国際金融システムにおけるドルの地位を低下させるという野望で、中ロの目標は一致しているのですが、今回のSWIFTからのロシアの一部銀行の締め出しに、ロシアにとって救済効果を発揮するのか。中国は協力するのか。
 米中新冷戦時代に、中国に加担するロシアは、CIPSで救われるのか。
 
 そもそもは、国際金融システムにおけるドルの地位を低下させるという野望で、中ロの目標は一致しているものなのですが、現実にはそう簡単ではないとWSJ。
 
 中ロ両国はこれまで、互いに貿易面でドル建て決済を減らしてきた。そのため、ロシアにとっては、米国の金融システムにさわらずに石油・ガスなどを販売する重要な手段が生まれた。
 直近のデータによると、昨年9月時点でロシアの対中輸出でのドル建て決済は全体の約3分の1と、13年の96%から大きく低下しているとWSJ。
 一方、中国の対ロ輸出でドル決済は約半分と、13年の9割から同じく急低下。

 とはいえ、ロシアが事実上締め出された他の市場の規模に比べると、中ロ貿易の規模はかすむ。また、中国政府は対ロ制裁に反対する意向を表明しているが、中国の銀行大手がロシアの救済に乗り出す見込みは薄そうだと。
 中国の金融機関は自国の政治家が望んでいるほど、ロシアの顧客と取引することに乗り気ではないことがあると指摘。

 大きな頭痛の種となっているのが、米政府が制裁対象の企業、国家、個人と取引した外国企業を罰することを認めた17年の米国の法律だ。ドル取引を望む銀行にとっては、違反すれば深刻な打撃を受けることになるのだそうです。

 法律事務所モリソン・フォースターの在香港パートナー、チェン・ジウ氏は、西側諸国による包括的な制裁措置の発動を受けて「今では中国の企業や金融機関がロシアと取引する余地は狭まった」と。

 中国が独自に開発した人民元による国際銀行間決済システム(CIPS)は、SWIFTから排除されたロシアの銀行にとって、制裁を回避する手段になると指摘されている。
 しかしながら、少なくとも当面は、こうした目的での使用には向いていないとアナリストや弁護士は話しているのだそうです。

 CIPSは、中国と他国の貿易について人民元による決済を手掛けている。だが、昨年7-9月期時点で1日当たりの平均取り扱い件数はわずか1万3000件。SWIFTは同時期に平均4000万件以上を処理したのだそうで、規模の格差は比較にならない。
 中露間の取引での伸びはあっても、二次制裁を考慮すれば、政治家の中露接近に対し、銀行は動かない様ですね。

 かくして、西側の金融制裁に苦しむロシアを、中国の銀行は助けないと!

 狂っているとの声も聴かれるプーチン。なので、ウクライナへの直接の軍事支援は、核の使用も言及し脅すプーチンでは、第三次世界大戦となる可能性が否定できない。
 したがって西側諸国は、直接の軍事介入は避けて、他の諸策を講じている。
 その諸策が、ウクライナ陥落までに間に合うのか。
 特に、最も効果が期待される、ロシア国内での反プーチン世論や、要人の離反が。。
 
 岸田首相は、相変わらずの言葉遊びのコメントばかり。ウクライナからの避難者の受け入れを言及したのは、珍しい英断と評価しましたが、具体的策は見られず、念仏の様に唱えるだけ。
 首相が正式コメント公表するからには、幾多の障壁を克服できる外交や、軍事課題を乗り越える目途がついて、実効が可能になった策が出来てからのからの筈。
 さすがは、外務大臣失格で、河野氏と交代させられたお方!
 今更、菅・河野で達成どころかオーバーした、100万回/日ワクチン接種を、重大課題に掲げる音痴ぶり。
 岸田首相で、風雲急を告げる世界情勢の中、日本は安倍首相時代の様に、アジアの雄として、国際社会に貢献できるのか。諸国から信頼を失って沈没するのか。。
  コロナワクチン3回目接種、100万回達成 政府:時事ドットコム



 # 冒頭の画像は、天津に停泊する、ロシア産液化天然ガスを搭載した貨物船




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中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日―一極主義 vs 多極主義


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