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遊爺雑記帳

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ロシア経済、危険信号が点滅

2025-07-08 01:23:56 | ロシア全般
 対ウクライナ戦争で押し上げられ、制裁をものともしてこなかったロシア経済は、突如として現実の厳しい世界に戻りつつあると、WSJ・ゲオルギ・カンチェフ記者。
 
ロシア経済、危険信号が点滅 Georgi Kantchev 2025/ 7/ 7

対ウクライナ戦争で押し上げられ、制裁をものともしてこなかったロシア経済は、突如として現実の厳しい世界に戻りつつある

巨額の軍事支出と安定した石油輸出に支えられ、ロシアは過去2年間に主要国・地域で最も高い部類の経済成長率を記録した。しかし、
最近の経済指標は危険信号を発している製造業の活動は縮小し、消費者は財布のひもを締め、インフレ率は高止まりし、財政は逼迫(ひっぱく)している

ロシア当局者は今ではリセッション(景気後退)のリスクを公然と警告しており、トラクターから家具に至るまで、製造業者は生産を削減している中央銀行は3日、6月の政策金利引き下げに続き、今月も引き下げを検討すると述べた

ウクライナを無力化するというウラジーミル・プーチン大統領の戦略上の焦点は経済全体の健全性に対する懸念よりも優先されており、ロシア経済のエンジンが失速しても、そうした戦争目標が変わる公算は小さいとアナリストはみているしかし景気減速は、プーチン氏の戦時経済の限界を露呈させるとともに、制裁で決定的な一撃を受けてはいないものの、次第に痛手が大きくなりつつあることを示している。制裁がさらに強化されるか、原油価格が下落した場合、ロシア経済は不安定化し始める可能性がある。

その意味で、
この景気悪化は、ロシアがウクライナや西側諸国よりも長く持ちこたえられるとのプーチン氏の確信を損なうものでありロシアがいつまでも戦費調達に苦労することを示している

シンクタンク、
ドイツ国際安全保障研究所(SWP)のロシア経済専門家ジャニス・クルーゲ氏「軍事支出のみに基づく成長モデルは崩壊しつつある」と指摘「戦争産業の成長継続を可能にするために労働力を確保すれば、民間部門の生産能力は縮小せざるを得ない。そういうモデルは持続不可能だ」と語った

ロシアのマクシム・レシェトニコフ経済相は先月、ロシアが「景気後退入り」の瀬戸際にあると警告していた。アントン・シルアノフ財務相は今が「最悪の状況」だと表現した。

プーチン氏は、戦争が経済を圧迫しているとの見方を一蹴している。米作家マーク・トウェインの名言を引用し、死の報告は「大いに誇張されている」と述べた。その一方で、景気後退やスタグフレーションは「どんな状況においても容認されるべきではない」と警告した。

2022年の一時的な景気後退の後、
ロシアの軍事支出はソ連時代以降で最も多くなり、今年は国内総生産(GDP)比6%超となっているこの軍事支出はロシア経済を押し上げ、西側諸国による制裁の影響を鈍らせた。一方、昨年の米国の軍事支出はGDP比で3%前後、ドイツは2%前後だった。

今年の政府支出全体のうち、軍事費と安全保障費が占める割合はおよそ40%だ。ロシアは制裁を回避して中国に石油を輸出できているほか、電子機器や機械の供給で中国の支援を受けている。これが経済をさらに押し上げた

こうしたことによって、ロシアに経済的なパラドックスが生じた。それは、世界の主要国で最も制裁を受けている国の経済成長率が、米国やその他大半の先進国のそれを上回るという現象だ。

だが、軍事費の急増は、急速なインフレをもたらした中銀はそれを抑えるため、政策金利を史上最高の21%に引き上げることを余儀なくされた金利上昇は企業の借り入れコストを増大させ、投資および事業拡大計画の縮小や、利益の圧迫につながった

落ち込みはすでに始まっている

公式統計によると、
ロシアのGDP伸び率(前年同期比)は昨年10-12月期の4.5%から、今年1-3月期には1.4%に低下した。S&Pグローバルの購買担当者指数(PMI)によると、ロシアの製造業分野は、今年6月にはそれまで3年以上例がなかった急激な縮小を記録した。欧州ビジネス協会(AEB)によれば、6月のロシア新車販売台数は前年同月比で30%近く減少した。

ロシア全土の企業が打撃を受けている

トラクター、コンバインなどの
農業機械メーカーでロシア最大手のロステルマシュ(Rostselmash)は5月、需要低迷を理由に、生産と投資を縮小するとともに従業員1万5000人の義務的年次休暇を前倒しすると発表した。

シベリアでは、送電会社ロセッティ・シビーリ(Rosseti Sibir)が、巨額の債務によって破産の瀬戸際にあることを明らかにしている。同社は投資の停止を強いられ、シベリアの複数地域の企業顧客に対し、電力料金の引き上げ案を提示した

一部のアナリストは、銀行システムも不安定さを増していると指摘している。

米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)の最近の報告書によると、ウクライナ侵攻開始後にロシア政府が主要銀行の戦争関連の融資を管理する決定を下して以来、銀行システムのリスクが高まっているロシア政府は銀行に対し、戦争に関わっている企業への融資について、政府が決定した金利など優遇条件の適用を指示することができる。戦争開始以降、金利が上昇する中で、企業が返済義務を果たせなくなれば、政府が損失補填(ほてん)を強いられる可能性が出てくる

CSISの報告書によると、ロシアの銀行システムは依然安定しており、資本も十分にあるとみるアナリストもいる。その一方で、マクロ経済分析・短期予測センター(モスクワ)は5月の報告書で、2026年に銀行システム全体に影響を及ぼすような長期にわたる危機が起こるリスクは「中程度」だが、リスクは高まっているとの見方を示している

経済的苦境によって
ロシア政府は一段と厳しい状況に置かれ、ウクライナでの戦争に使える財政的余裕はなくなりつつあるロシアの財政はこの戦争中ずっと赤字であり、少なくともあと2年はこの状態が続くと見込まれている

西側諸国が対ロシア追加制裁で合意できれば、同国のこうした状況から好機を得られる

原油価格は中東での混乱をよそに今年はおおむね下落傾向にあり、ロシアにとってのもう一つのリスクとなっているロシアは歳入の約3分の1をエネルギーの販売に頼っているロシア産原油の価格は、今年の予算で想定されている水準を一貫して下回っている。3日に公表された財務省のデータによると、ロシアの6月の石油・ガス収入は2023年1月以来の低水準に落ち込んだ

元ロシア中銀当局者で、現在は
独ベルリンにあるカーネギー・ロシア・ユーラシア・センターの研究員を務めるアレクサンドラ・プロコペンコ氏「現在の状況では、原油価格の下落と制裁措置の強化はより痛烈に感じられるだろう」と指摘「リスクは高い」と述べている。

 最近の経済指標は危険信号を発している。製造業の活動は縮小し、消費者は財布のひもを締め、インフレ率は高止まりし、財政は逼迫(ひっぱく)していると、WSJ・ゲオルギ・カンチェフ。

 ロシア当局者は今ではリセッション(景気後退)のリスクを公然と警告。製造業者は生産を削減。中央銀行は3日、6月の政策金利引き下げに続き、今月も引き下げを検討すると述べたのだそうです。

 ウクライナを無力化するというプーチン大統領の戦略上の焦点は、経済全体の健全性に対する懸念よりも優先されており、ロシア経済のエンジンが失速しても、そうした戦争目標が変わる公算は小さいとアナリストはみていると、WSJ・ゲオルギ・カンチェフ。

 景気減速は、プーチン氏の戦時経済の限界を露呈させるとともに、制裁で決定的な一撃を受けてはいないものの、次第に痛手が大きくなりつつあることを示している。
 この景気悪化は、ロシアがウクライナや西側諸国よりも長く持ちこたえられるとのプーチン氏の確信を損なうものであり、ロシアがいつまでも戦費調達に苦労することを示しているとも。

 ドイツ国際安全保障研究所(SWP)のロシア経済専門家ジャニス・クルーゲ氏は「軍事支出のみに基づく成長モデルは崩壊しつつある」と指摘。「戦争産業の成長継続を可能にするために労働力を確保すれば、民間部門の生産能力は縮小せざるを得ない。そういうモデルは持続不可能だ」と語った。

 ロシアのマクシム・レシェトニコフ経済相は先月、ロシアが「景気後退入り」の瀬戸際にあると警告していた。アントン・シルアノフ財務相は今が「最悪の状況」だと表現したと、WSJ・ゲオルギ・カンチェフ。

 プーチン氏は、戦争が経済を圧迫しているとの見方を一蹴しているのだそうです。

 ロシアの軍事支出はソ連時代以降で最も多くなり、今年は国内総生産(GDP)比6%超となっている。この軍事支出はロシア経済を押し上げ、西側諸国による制裁の影響を鈍らせたと、WSJ・ゲオルギ・カンチェフ。

 今年のロシア政府支出全体のうち、軍事費と安全保障費が占める割合はおよそ40%。
 中国に石油を輸出できているほか、電子機器や機械の供給で中国の支援を受けている。これが経済をさらに押し上げた。
 こうしたことによって、ロシアに経済的なパラドックスが生じた。それは、世界の主要国で最も制裁を受けている国の経済成長率が、米国やその他大半の先進国のそれを上回るという現象だとも。

 だが、軍事費の急増は、急速なインフレをもたらした。中銀はそれを抑えるため、政策金利を史上最高の21%に引き上げることを余儀なくされた。金利上昇は企業の借り入れコストを増大させ、投資および事業拡大計画の縮小や、利益の圧迫につながった。
 落ち込みはすでに始まっていると、WSJ・ゲオルギ・カンチェフ。

 ロシアのGDP伸び率(前年同期比)は昨年10-12月期の4.5%から、今年1-3月期には1.4%に低下。
 S&Pグローバルの購買担当者指数(PMI)によると、ロシアの製造業分野は、今年6月にはそれまで3年以上例がなかった急激な縮小を記録した。欧州ビジネス協会(AEB)によれば、6月のロシア新車販売台数は前年同月比で30%近く減少したのだそうです。
 ロシア全土の企業が打撃を受けている。

 農業機械メーカーでロシア最大手のロステルマシュ(Rostselmash)は5月、需要低迷を理由に、生産と投資を縮小するとともに従業員1万5000人の義務的年次休暇を前倒しすると発表。
 シベリアでは、送電会社ロセッティ・シビーリ(Rosseti Sibir)が、巨額の債務によって破産の瀬戸際にあることを明らかにしている。
 投資の停止を強いられ、シベリアの複数地域の企業顧客に対し、電力料金の引き上げ案を提示。

 一部のアナリストは、銀行システムも不安定さを増していると指摘していると、WSJ・ゲオルギ・カンチェフ。

 米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)の最近の報告書によると、ロシア政府が主要銀行の戦争関連の融資を管理する決定を下して以来、銀行システムのリスクが高まっている。
 ロシア政府は銀行に対し、戦争に関わっている企業への融資について、政府が決定した金利など優遇条件の適用を指示することができる。戦争開始以降、金利が上昇する中で、企業が返済義務を果たせなくなれば、政府が損失補填(ほてん)を強いられるのだと。

 マクロ経済分析・短期予測センター(モスクワ)は5月の報告書で、2026年に銀行システム全体に影響を及ぼすような長期にわたる危機が起こるリスクは「中程度」だが、リスクは高まっているとの見方を示しているのだそうです。

 経済的苦境によってロシア政府は一段と厳しい状況に置かれ、ウクライナでの戦争に使える財政的余裕はなくなりつつある。ロシアの財政はこの戦争中ずっと赤字であり、少なくともあと2年はこの状態が続くと見込まれている。
 西側諸国が対ロシア追加制裁で合意できれば、同国のこうした状況から好機を得られると、WSJ・ゲオルギ・カンチェフ。

 原油価格は中東での混乱をよそに今年はおおむね下落傾向にあり、ロシアにとってのもう一つのリスクとなっている。ロシアは歳入の約3分の1をエネルギーの販売に頼っている。ロシア産原油の価格は、今年の予算で想定されている水準を一貫して下回っている。
 3日に公表された財務省のデータによると、ロシアの6月の石油・ガス収入は2023年1月以来の低水準に落ち込んだと、WSJ・ゲオルギ・カンチェフ。

 元ロシア中銀当局者で、現在は独ベルリンにあるカーネギー・ロシア・ユーラシア・センターの研究員を務めるアレクサンドラ・プロコペンコ氏は「現在の状況では、原油価格の下落と制裁措置の強化はより痛烈に感じられるだろう」と指摘。「リスクは高い」と述べているのだそうです。

 トランプ大統領による仲裁行動。
 戦況はロシア有利の展開にも見え、プーチンのペースに翻弄されとん挫している様子ですが、ロシアの内情も苦しい様子。
 対露制裁は、中国などの支援で効果が減じられていると見聞しますが、このWSJ・ゲオルギ・カンチェフの記事ではロシアの内情は苦しい様子。
 ナポレオンやヒトラーがロシアと戦って敗れたのは、双方が負担に苦しむなかて、ロシアが苦しみに耐え抜いたことにより勝利。

 欧米などの自由主義陣営と、中国や北朝鮮の支援を受けるロシアとの消耗戦。泥沼の行方は辛抱戦が続くのでしょうか。
 ロシアの東側の北方領土で対峙する日本の果たすべき役割は何?
 欧米が撤退したサハリンの資源開発&購入を続けていていいの?


 # 冒頭の画像は、陥落したウクライナの要衝・クラホベ



  この花の名前は、ヒメヒマワリ


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